14 冷たい校舎村10
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[ 体育倉庫。 入った途端、ピタリ、車椅子が動きを止めた。
バッテリー切れ。 …… 何となく、予想していた事もあり。 思わず、ふふと笑みをこぼす。
狼を呼ぼうか? 少しだけ過った考えに蓋をする。
真梛はこの世界においても、 一歩も動けなくなってしまったわけだが。 心は意外なほどに凪いでいた。 この時間もそろそろお終いだろう。 それは、根拠のない確信。 ]
(152) 2021/11/14(Sun) 12時頃
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[ 和歌奈、路子、春満。
君達なら、きっと大丈夫。 ]
(153) 2021/11/14(Sun) 12時頃
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[ 窓から空を見上げる。
あの時はひとつだけだった過去からの光。>>0:320 今は無数の輝きで天を覆っていて。 柔らかな星明りが、真梛を照らしていた。
この世界からの贈り物。しばし堪能したのなら。 後はその時を迎えるべく、 真梛は静かに双眸を閉ざした。 ]**
(154) 2021/11/14(Sun) 12時頃
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七星拳 ナツミは、メモを貼った。
2021/11/14(Sun) 13時頃
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[ひどいことをしてしまった「あの子」。>>114 文化祭で遭遇した「チビ」。>>113
あの時、妹の傍らで朗らかに笑う河合が、 一瞬だけ誰かに重なったような気がした。 そのことを、今更のように思い出す。]
(155) 2021/11/14(Sun) 14時頃
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[張り詰めた空気の中、動いたのは車椅子。>>117]
…………真梛?
[何をする気だ。 ゆっくりと車椅子は河合に近づいていくようで その横を、通り過ぎた。>>118
俺に向けられたものじゃない。 けどそれは、手を出すな、と言われてる気がして。
車椅子が向かう先の暗闇が見えていながら、 俺は息を呑んだまま動かなかった。]
(156) 2021/11/14(Sun) 14時頃
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[河合が駆け出す。>>132 古香もそれを追っていき。>>134
しばらくして、こちら側へ引き戻された真梛の 得意気な声が聞こえて。>>144 ふぅ、と息を吐けば肩の力が抜けた。]
(157) 2021/11/14(Sun) 14時頃
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……あまり、無茶すんなよ。
[仕事は終えたとばかりに。 エレベーターへ向かう車椅子と、 その途中で擦れ違いざま、投げられたいつもの声。>>148
ほらみろ、腰抜かさないやつがもう一人居たぞ。 古香に心の中で胸を張りながら。]
(158) 2021/11/14(Sun) 14時頃
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それと。 俺は、迷惑だって言った覚えねぇぞ。
[手を必要としてないやつに、貸す気はない。 エレベーターに乗り込む真梛を見送ろう。*]
(159) 2021/11/14(Sun) 14時頃
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[ 大丈夫って言う莉希ちゃんの表情を、>>+37 あたしは慎重に確かめた。 本当なら、いいけど。確か莉希ちゃんは演劇部。 本当の気持ちを隠すのはきっと上手だと思う。
和歌奈ちゃんは天文部だったと思ったけどなあ。 飛び降りちゃうくらいの何かを抱えてたこと、 あたし全然気づかなかった。
あの校舎でだって、 校舎の主はあたしじゃないかと思ってたくらいだもん。 まあ、あたしがそんな風に思ってたのは、 誰にも死んでほしくないっていう願望も籠ってたけどね。 でも、それくらい、 あたしは何にも気づかなかった。気づけなかった ]
(+50) 2021/11/14(Sun) 14時半頃
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多分だけど、自分があの校舎の主だってこと、 和歌奈ちゃん気づいてなかったと思う。
[ 演技だったら?和歌奈ちゃんは役者さんになれると思う ]
無意識で、他の誰でもない、あたしたちを選んで、 呼んでくれたんだもん。 意味はあったって、思いたいなあ……。
[ それもやっぱり願望込みの推測だ。 だってもう帰ってきちゃったあたしたちにできるなんて、 それくらいだもん。 願うこと。祈ること ]
(+51) 2021/11/14(Sun) 14時半頃
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うん、ありがと!
[ あたしも、自分を責めちゃ駄目。>>+39 莉希ちゃんの言葉にこっくり頷いて ]
それだー! 快気祝いと打ち上げ!
[ 莉希ちゃんナイス! あたしはぺちぺちと莉希ちゃんの背中を叩いた そうだよ、他にもあるじゃん。 願うことと祈ることだけじゃない。 もっとあったよ。和歌奈ちゃんのためにできること ]
(+52) 2021/11/14(Sun) 14時半頃
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今は、待ってることしかできないけどさ、 和歌奈ちゃんが帰ってきたらおかえりって出迎えて、 和歌奈ちゃんが帰ってきて良かったなって思えるように、 この世界がもうちょっと居心地よくなるように、 できたら、いいよね。
(+53) 2021/11/14(Sun) 14時半頃
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[ ちょっと様子を見てくるって体を離した莉希ちゃんは、 あたしにだって悩みがないわけないって言う。>>+43 うん、そうだねー ]
あはっ、それ、褒め言葉だよー! だってあたし、ずっと悩みがないやつに見えるように 振舞ってきたんだもん! あんな世界に行かなかったら、きっと言わなかったよ。 [ あの世界に呼ばれた意味、 あたしにとってもあったんだなあって思う。 あの世界に行かなかったら、 きっとあたし、本当は生きたいって思ってることにも 気づけなかったよ ]
(+54) 2021/11/14(Sun) 14時半頃
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[ 生きてる限り、ないわけない。 誰にだって悩みがある。 それはきっと、莉希ちゃんも。 だからさ ]
この世界がもうちょっと居心地よくなるように できたらいいって言ったけどさ、 それ「和歌奈ちゃんにとって」ってだけじゃないんだ。 [ 悩みがないわけない莉希ちゃん。 あたしと同じ、あの遺書メールに共感してた荒木君。 他のみんなだって。 悩みがないわけない。だって生きてるんだもん ]
(+55) 2021/11/14(Sun) 14時半頃
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みんなにとって、もうちょっとここが 居心地いい世界になったらいいよねー。 もちろん莉希ちゃんにとっても。 だって莉希ちゃんは大事な友達だし! だからあたしにできることがあったら呼んでくれよな! [ みんながもうちょっとこの世界で 呼吸がしやすくなるように。 そのためになにかあたしにできることがあるなら、 夏見は全力で馳せ参じますので! それで、あたしのことも助けてね! だってあたしたち友達だもんね! ]*
(+56) 2021/11/14(Sun) 14時半頃
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[委員長と副委員長の様子は、どうだったろう。 真梛と入れ替わるように、ゆっくり俺は二人へ近づく。]
……これは、河合の自業自得だぞ。
[ぬっと暗闇から現れた着ぐるみについての言及は とりあえず後回しにしてほしい。]
(160) 2021/11/14(Sun) 14時半頃
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真梛も古香も……このメンバーを呼び寄せたら 絶対とめようとするやつが出てくる。 そういうやつらだって知ってるだろ。
最後にしようとするつもりだったなら、 あんなメール送らないで 俺らをこの世界に入れなきゃよかったんだ。
[なんでこの世界に、皆が集まったのか 本当のところはまだわかっていない。 けれど、少しでも河合の意思が反映しているとするなら。]
(161) 2021/11/14(Sun) 14時半頃
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でも俺は、無理にとめる気はないし。 河合がやりたくてすることなら、口出ししない。 なんか手を貸してほしいなら、貸してやる。
[やりたくないことをやるのは、辛いし、苦しい。 副委員長という肩書も、河合自身が望んでいたなら それで良かったと思うように。>>0:159 壊さないように生きたくて。 なのに、世界に疲れてしまったなら。
着ぐるみの下で深呼吸をひとついれる。]
(162) 2021/11/14(Sun) 14時半頃
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[身を投げ出しても証明しようとした想い。>>147 繋ぎ止めようと懸命に重ねられる言葉。>>140
河合がやろうとしてるのは、 それに全部目を塞いで、切り捨てることだ。]
でも、本当にこれが 河合のやりたかったことで、あってるか?
[だから、確認するように。 じっと見下ろしたまま、問いかけた。**]
(163) 2021/11/14(Sun) 14時半頃
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[ 莉希ちゃんと見送って、しばらくして。 あたしもちょっと寒くなってきたし、 煙草を吸うわけでもないので場所を移そうかなって 思ってた時だった。 墨鳥君の姿を認めて、あたしは目を丸くする。>>+41 なにしろ莉希ちゃんのメッセージを最後に グルチャは動いてなかったから、>>+46 他に帰ってきた人がいるなんて思わなかったんだ ]
墨鳥君、おかえり!
[ あたしはそう出迎えて、 待つしかできないって言葉に頷く>>+47 ]
(+57) 2021/11/14(Sun) 14時半頃
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先に帰ってきちゃったからね。 今は待ってることしかできないね。 歯がゆいけど。
[ 戻ってくる気がないかも。 そんなこと、望んでいないのかも。>>+48 墨鳥君の言葉は後ろ向きっぽいのに、 なんだか力強い ]
(+58) 2021/11/14(Sun) 15時頃
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どうだろねー。 そりゃ、死にたかったからあんなことしたんだろうけど。 だから、少なくとも和歌奈ちゃんは 戻りたくない、って考えてるとは思うけど、さ。
でも、無意識のどこかで、 迷ってるんじゃないかなって思うんだよねー。 心のどこかに死にたくない、 引き留めてほしいって気持ちがあるから、 あたしたちは和歌奈ちゃんの世界に 呼ばれたんじゃないかって思うんだ。
[ あたしはそう思うけど、 墨鳥君はそういうのはどうでもいいみたい。 知るかよって、ばっさり。 和歌奈ちゃんの深層心理の真相なんかどうでもよくて、 墨鳥君が帰ってきてほしいと思ってる、それだけ。 めっちゃシンプルだった。 シンプルって強いな! ]
(+59) 2021/11/14(Sun) 15時頃
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あはっ。それもいいと思う。 死にたかったのにって恨み言言われたら、 そんなん知るか!って言う役は墨鳥君ね。
[ あたしはそう言うと、 今度こそ病院内に向かう。 お母さんの持たせてくれた夜食、食べないと。 手術室前の待合スペースで、 そんなことをやる度胸はいくらあたしでもない。 自販機横のベンチなら許されるかなあ。 飲んでいいなら食べてもいいんじゃないかなって、 あたし病院内の自販機コーナーに向かった ]**
(+60) 2021/11/14(Sun) 15時頃
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七星拳 ナツミは、メモを貼った。
2021/11/14(Sun) 15時頃
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[私は別に天才子役というわけではなかった。 台詞だってすぐには覚えられないし、すっと役に 入り込めるわけでもない。 何度も何度も読み込んで、演じる役の背景や 気持ちを理解して、ようやくって感じ。 それでいて自分で発した言葉が自分の胸を抉って いるんだから、役者は向いてないって思う。
だからとっさに上手く隠せない。 ううん、そもそも隠す必要はなかったよね。 大丈夫っていった言葉は、嘘ではないから。
だから浮かべた表情は造り上げたものではなく、 いつも通りの平塚莉希だったはず。>>+50]
(+61) 2021/11/14(Sun) 18時頃
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[校舎の主だと気づいていなかった。>>+51 そう思えば和歌奈さんの態度に違和感がなかった のも頷けて]
そういうものなのかな。 じゃあ現れた卵は驚かせる為とか楽しんで もらう為とかそういうものじゃなくて、 和歌奈さんの深層心理の現れ…になるのかな。
[何を教えて欲しいのと問いかけたそれ。>>2:103 和歌奈さんの心の声、ともとれるけど。 そういう言葉をよく向けられていた和歌奈さんを 思い出すんだ。 何かそれと関係あるのかな。]
(+62) 2021/11/14(Sun) 18時頃
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[でもどうしたって推測の域を出ないから、 意味はあったとだけ納得させて。
こっくりと頷く七星さんに良かったというような 笑みを向けた。]
(+63) 2021/11/14(Sun) 18時頃
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[大賛成してくれた様子の七星さん。 背中がちょっとくすぐったい。>>+52>>+53]
うん、そうだね。 二度と変な気が起こらないくらい、 私たちがいるよって伝えたい。
[もし荒木君がめんどくさがったら引っ張って 来てね、なんていいながら。 星が瞬く空の下で、今のこの気持ちが届けば いいななんて、眼を伏せた。]
(+64) 2021/11/14(Sun) 18時頃
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[誉め言葉だと七星さんは言う。 そう見えるように振舞ってきたと。>>+54 性格は元来のものだと思っていたけど それも違ったということかな?]
七星さん役者になれるんじゃない?
[昔のことを知れたなら、同じことをまた言う 自信はある。 もう演劇部ではないから、勧誘は出来ないけど。]
(+65) 2021/11/14(Sun) 18時頃
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あはは、うん、ありがと。 私だっていつでも呼んでいいんだからね!
[そう言ってくれる友達がいることが嬉しい。]
生きていると苦しいことや辛いこと、 沢山あるけどさ。 居心地いい世界になるよう私も大事な友達に 関われたらなぁって思うよ。
[そう思える友達がいることは、幸せだなって 思うんだ。]
(+66) 2021/11/14(Sun) 18時頃
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[それは紛れもなく、ママが用意したり関わった ものじゃない、私が築いた絆だから。 私にはもう、ママだけじゃないから。
いつか、それ込みでありがとうって伝えたい。]**
(+67) 2021/11/14(Sun) 18時頃
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