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─乾恵一の部屋─
[一歩一歩の振動に耐えるのに必死で、道中を確認する余裕は無かった。ただ、移動前の言葉と投げ出された場所から察するに、乾恵一の部屋であるのは間違いないだろう。彼が何処かへ行っている間、康生は胸に手を当て浅い呼吸を忙しなく繰り返していた。視界に、ちらちらと星が舞う。痛みのせいで気分が悪くなる事があるのだと知った。]
[戻って来た悪魔は、打って変わって上機嫌だ。康生を傷付けておいて、一体何がそんなに楽しいと言うのか。理解に苦しむ。康生は嗤う彼を見ていたが、私は彼が何を持って来たのかの方が気になった。絶対に碌でもない物に違いない。]
新婚旅行、二人で…………男だから、なんちゃって…か。 ……ケイ、さ。一つ、聞いていいか?
[静かな声色と凪いだ表情に、私は再び恐怖を覚えた。乾恵一が、康生の口を塞いでくれないかとさえ願った。具体的な内容が事前に解った訳ではない。ただ、康生が何かとんでもない事を言い出すのではないかという予感がしたのだ。私の願いが届かず、彼が何も行動を起こさないなら、康生は言葉を続けるだろう。]
(174) 2023/11/12(Sun) 23時頃
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もし男でも、兄弟でもなかったら……匡先輩だったんだろ? ケイが、そういうことしたかった相手。 俺でも、雨竜先輩でもなくて。
本当に欲しかったのは───匡先輩なんだろ、ケイ。**
(175) 2023/11/12(Sun) 23時頃
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人はよくこう言う。自分の事は自分が一番よく判っている、と。これは勿論1つの正論だ。 自分に隠し事は不可能だし説明も不要だから。
では人は自分を全て間違いなく理解しているか。
それは否だ。人間とはそんなに単純な構造はしていない。
感情の1つ、行動の1つも複雑な意味を持つ場合がある。 自分はこうだと思い込んで行動していても、実は深層は違うなんて事も。
自分すらよくわからない人格を他人が理解するハードルの高さは語るまでもない。
あくまで存在するのは”その人はこう見える”というだけだ。
柊木康生は本当に説明下手なのか? 何故ここまで、乾恵一の暴虐に堪え忍ぶのか? それはただ、約束と誓いを護りたいという一心だけなのか?
(176) 2023/11/13(Mon) 01時頃
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ーーそして。
乾恵一は柊木康生を愛していないのか? 兄に対する強い想いは、指摘の通り性愛であるのか?
答えは明らかになるか、ならないか。
(177) 2023/11/13(Mon) 01時頃
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ーー自宅/応接間→自室ーー
「そうだね、君は本当に何も判っちゃいないよ。
僕が”死にたい”と思ってるなんて、まだ言うんだもんな。
……僕が君に言って欲しかった言葉を、君は決して言ってはくれないんだ。」
ーー君と生きたかった。 幸せに過ごしたかった。 死にたくなんかない。 僕は、死にたくなんか。
僕らに生きる道がないのは わかるけど。 「殺す」なんて言って欲しくなかった。 言って欲しかったのはーー
(178) 2023/11/13(Mon) 01時頃
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僕の頭がまだ正常ならば、そう言えたかもしれない。 そして彼と二人抱き合って咽び泣いて、こんな悲劇を避けられたかもしれない。
でも僕は、何言ってんだよコイツって顔しか出来なかった。 今の僕は彼も、そして僕自身も全く信じてないから。
そんな僕を彼は、まるで僕を愛してるかのような言葉で抉り続ける。
僕が特に強い反応を示したのは、彼が先程も言った”あの言葉”に対して。
ぴくり、と額に青筋を走らせて眉を寄せた。
>>120 『それに、言ったしな。「傍に居る」って。』
>>173 『そんで、傍に居られたらいいよなー…なんて、思うだけ。』
(179) 2023/11/13(Mon) 01時頃
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「……思ってもないことをぐちゃくちゃ言うなッ 聞きたくない……お前がそれを口にする度、イライラするッ」
ーー傍に。
きっと彼は、僕が何に怒ったかはわからなかっただろう。
僕はもう、ありもしない希望を見たくないんだ。
その為に彼を壊すと決めたのは名案だ。これ以上の答えはない。
愉しく最期を過ごそう。 僕らがこんな風に”傍にいるのは”きっと今日が最後なんだから。
部屋に戻ると彼は大人しく僕のベッドに居るままだった。 呼吸が荒いようには見えるが。 身体のあちこちが悲鳴をあげているのだろう。
僕の心はもう決まっていた。 彼を壊す最適な方法が判っていたから。
(180) 2023/11/13(Mon) 01時頃
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外傷を与えるより、もっと死に近く彼が苦しみーー彼を僕のものに出来るやり方を。
早速準備に取りかかろうとすると、彼が問い掛けてくる。
それはーー余りにも意外で。
「……え、?」
虚をつかれた僕は目を丸くする。 まさか、そんな事を言われるなんてまるで思わなかった。
だから。
「ぷっ……アハハハッ! コウ?何を言ってるんだ君は。正気か?冗談だろ?そうだと言ってくれよ!」
目尻に涙が滲む。腹を抱えて大笑いする僕は、真面目に問い掛けた彼にどこまでも、不誠実だ。
(181) 2023/11/13(Mon) 01時頃
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「僕が一番好きなのが兄さんで、兄さんを性愛対象にしてたと言いたいのか?
はは、はははッ!
確かに僕は性欲の塊みたいな、最低な下衆だよ!
でも流石に兄さんにこんなことしたいと思わない。
兄さんを好きなのは間違いないけどーー。」
こんなこと。そう言いながら僕はベッドに片膝を乗せ彼に近付く。荒い息を匂わせながら、彼の衣服に手を掛ける。
「……見せてよ。
僕が見たいのは、触れたいのは、君の肌だよ。」
脱がすなんて生易しいから、破いてでも剥ぎ取る。 彼の薄い胸板を曝すために。
上半身だけでは済まさない。彼の下半身も履いているズボン、下着も取り払ってしまおう。
(182) 2023/11/13(Mon) 01時頃
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抵抗するならば殴ってでも。
僕はドキドキして堪らない。 彼を一糸纏わぬ姿にするのに夢中になった。
ふと考えてみる。 これが兄だったら? 兄の裸は飽きるほど見てきたが、やはり、こんな高揚を覚えた記憶はないし、その先なんてーー。
「君は今夜初夜を迎えるんだよ、コウ。
兄さんでも雨竜先輩でもない。僕は君を抱きたいーー君の処女が欲しいんだ。
そして、君を。
ーー壊す。」
(183) 2023/11/13(Mon) 01時頃
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キスですら、彼をあれだけ壊したのだ。もし粘膜の激しい摩擦と、体液の注入を行えば彼はどうなるかーーそんな事はわかりきっている。
なんでも望みを叶えると言えど、犯されると知れば彼は嫌がるだろうか。
それとも、兄の代わりではないと僕がハッキリ言ったのだから、むしろ喜ぶのか。
僕には彼がわからない。 彼が僕を判っていないように。*
(184) 2023/11/13(Mon) 01時頃
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─乾恵一の自室にて─
ケイは、きっと俺より俺のことわかってるよ。 ケイが言ってほしい言葉、なんで俺が言えないのかもさ。 ……わかってるから、壊れちまったのかもな。
[康生は、彼の救いにはなれない。「彼のしてほしいことをしたい」という子供の情緒と、「できないことはできない」という大人の判断力を持ち合わせているから。つまり、康生自身が壊れてバランスを崩しでもしない限り「できることしかできない」ままなのだ。]
俺は、思ってることしか言ってないよ。 ……聞きたくないことしか言えねーんだろうな、もう。
[諦めた様に、康生は呟いた。何がどう逆鱗に触れたかは解らずとも、彼の苛立ちの原因が自分の言葉の中に有るのは理解したのだろう。こうして諦めが早いのも、康生の説明が下手な理由の一つかも知れなかった。説明しても解ってもらえない事が多過ぎたのが原因だとも言えるので、鶏と卵だが。]
(185) 2023/11/13(Mon) 03時半頃
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[康生の問い掛けに、彼は盛大に噴き出した>>181>>182。大笑いしてくれるなら、まだ良い。私は、康生が彼を激昂させやしないかと冷や冷やしていたのだから。性愛を含まないにしろ、乾恵一が康生に乾匡の代わりを求めているのは事実であろうから。]
俺は、多分まだ正気。 ケイは、心配して傍に居てくれる人がほしかったんだろ? 別に、俺じゃなくてもよかったんだ。 匡先輩みたいな人なら、さ。
[この子は、物事の本質を真っ直ぐ見過ぎる。人には触れられたくない部分や暴かれたくない事があるのだと悟るには、対人経験が少な過ぎるのだ。康生自身にそうした部分が無いから、余計に。]
俺は代わりでもいいって思ってた、けど……。 ────……違う、のか?
[彼が、康生の衣服に手を掛けた>>182。「見せてよ」と言われ、視線が彷徨う。僅かな逡巡の後、康生は胸元に置いていた両手をそろりと下した。]
……、……見て、触るだけ…なら。
[それだけで済まないであろう事が解らない程、康生も愚かではない。戸惑い揺れる声色と表情が、不安を物語っていた。彼は、構わず衣服を剥いでいく。]
(186) 2023/11/13(Mon) 03時半頃
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ひぐッ……! あ゛あッ!!
[下肢の衣服が取り除かれる際、康生は悲鳴を上げた。右脛は腫れ上がりスラックスを内側から圧迫していたし、左膝周りは乾いた血で貼り付いていたからだ。嫌な汗が流れ、裸体を晒す頃には青色吐息だった。]
はぁ、はぁ……、……。
[顔と両脚は無惨な状態だが、他の部位は白く滑らかだ。それだけに、正中線に沿った縦10cm程の胸元の縫い目と、臍の右下に在る抉れた様な痕が目を惹くだろう。視線から庇う様に、康生は右手を胸元の手術痕へと乗せた。]
っ、ケイ……。 …………、……。
[何事か言おうとして、康生は結局口を閉ざした。そして胸を上下させながら、迷子の子供の様な顔で彼を見上げた。]
[私は幾度も「逃げてくれ」と願ったが、康生はその場から動こうとはしなかった。まるで処刑を待つ罪人の様に。**]
(187) 2023/11/13(Mon) 03時半頃
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─IF 瑠璃川珊瑚が合宿に来た世界─
[瑠璃川珊瑚も大和命も合宿に参加出来ると聞いて、康生は大層喜んだ。特に、大和命は去年の合宿には来ていなかったからだ。“全員揃って合宿に行ける事”を何より喜んだのは、もしかしたら小中学と康生がずっと“参加出来ない側”だったからかも知れない。勿論、そんな自分の事情を口にはしなかったが。]
あ! 瑠璃川、こっち!! アレ売ってる! 瑠璃川が集めてるやつ! えっと……ギティちゃん!
[目的地に着くなり、売店の前で彼女を呼んだ。店先に下げられている黒猫のストラップは彼女が自分で買ったろうから、妙な火種になりはしなかった筈だ。康生がこうして周囲に声を掛けるのはいつもの事なのだから。]
[もう少し康生が色恋に敏ければ、彼女自身ではなく大和命にこっそり教えたのかも知れないが、残念ながらそうはならなかった。彼が常より浮かれている様子なのも、「合宿に来られたのがそんな嬉しかったんだな〜」くらいに思っていた。と言うか、そう言った。我が子ながら、鈍くて申し訳なくなる。]
(188) 2023/11/13(Mon) 03時半頃
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[康生は、きっと何処の世界でもそうである様に、夏合宿を楽しんだ。天文部の同級生や後輩、部外から参加してくれた同級生達や、案内人の少年と共に。もし僅かに違いがあるとすれば、瑠璃川珊瑚が用意してくれた市販品のおやつ>>131を有難く頂戴していた事と、ロケット花火で騒ぐ際に、大和命に声を掛けなかった事くらいだろうか。その時彼は、瑠璃川珊瑚と線香花火を楽しんでいた>>132>>160だろうから。]
[つまり、康生がいの一番に契約した事も。それが原因で乾恵一を──或いは他の面々も──契約させてしまった事も。直後のワープで動揺した親友を宥める内に、キスをされてしまった事も。戦闘中からその後に掛け、体調を崩した事も。発熱から取り乱し謝罪を溢し、救急車で搬送され瑠璃川海星の治療を受けた事も。何一つ変わらなかった。]
[この時点での私達は、まだ“二人とも契約してしまった”事を知らない。私は、契約したのは既に死んでいる自分ではなく康生だろうと考えていたし、康生は逆に、康生自身ではなく私が契約している可能性を考えていた。真実に気付くのは、私達の椅子を目にした後だ。]
(189) 2023/11/13(Mon) 03時半頃
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俺……もう、高校生だし、今回は、大したこと、なさそうだから、さ。 そんな、付きっ切りじゃなくて、大丈夫だよ。 それに────父さんも、居るからさ。
[康生は胸に手を当て、病院に駆け付けた母親へと微笑んだ。見送った後は乾恵一からのLINEに返信し、大和命以外にはLINEで、大和命には電話で(咳き込みつつ)無事を報せた。瑠璃川珊瑚には先に瑠璃川医師から連絡が行っていただろうし、彼女は全員に共有してくれただろうから、改めての連絡はもしかすると不要だったのかも知れないが。]
[連絡こそ取れるようにしてあるものの、真実を知らない私達の入院生活は、次の戦闘まで続いただろう。**]
(190) 2023/11/13(Mon) 03時半頃
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よく勘違いされるが、愛は万能ではない。
幾ら相手を愛そうと、人はその相手を理解出来るとは限らない。
よって、愛する人の望みを叶えられるとは限らない。
また、人は得てして愛される事には鈍感だ。
自分が愛されている事には気付かず、むしろそれを否定してしまったりもする。
相手が求める愛を返してくれない場合。 自分に自信がない時。
つまり。
形は違えど人は愛し合う事は出来る。 しかしそれが沢山のすれ違いを生めば噛み合わずーー
互いをただ、傷つけあうのだ。
(191) 2023/11/13(Mon) 08時半頃
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ーー僕の部屋ーー
諦めたような口調で彼は呟く。
実際僕らはどれだけの不理解を重ねて傷つけあっただろうか。 お互いに疲れ果てている、心も身体も。
それでも彼は僕から逃げず、僕は彼を離さない。
傷を刻み、踏みにじり、身も心も悲鳴をあげ続けるまでーー彼が言うように”傍に居た”。
ーー僕らは。
兄の話は僕の大笑いで終わりかと思いきやまだ続く。
僕の望むことは言えないと自負しながらも続ける彼は天然か?
いやそれは前から判っていた。 彼は天真爛漫だ。天使そのものだ。子供のように無邪気に人の傷を抉る。そのナイフは大人の頭脳にて精製されたものだから、非常にたちの悪い行為だ。
(192) 2023/11/13(Mon) 08時半頃
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「ーーあ?……だったらどうなんだよ。僕が乳離れ……じゃねーや、兄離れ出来ない餓鬼だって言いたいの?」
そうではなかろう。康生が言いたいのはその先だ。
“兄の代わりになる人”のこと。 それが自分であるのはまだしも、誰でも良いのか、違うのか。
僕は目を細くして答えた。
「カガセンはさ、兄さんに似てるんだよ。しっかりしていて大人で……。
だからイライラした。嫌いだったんだ。つまりさぁ、僕は別に兄の代わりなんか求めてねーよ。」
嘘だ。僕は加賀先生にも甘えたかった。ただ教師と生徒という立場ではそれが上手く出来なかったに過ぎない。 もし僕が素直に彼に甘えていたら、彼は僕の頭を撫でてくれたに違いないのに。
(193) 2023/11/13(Mon) 08時半頃
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彼がこれで納得するかはわからない。しかし僕はこれ以上兄の話を続けたいと思っていなかった。
お楽しみはこれからなのだから。
僕はまるで愛する妻に語るように、ねっとりした視線を注ぎながら彼の肌を求めた。
『男同士だから別にかまわねえよ?』
元気な彼ならこんな風かもしれないと思ったが、存外にしおらしい態度。 そこに羞じらいのようなものまで見えたのは、ただの僕の願望か?
しかし、行為そのものはほぼレイプだ。彼を脱がせるには、どうしても傷つけた脚に触れぬ訳にはいかなかったから。 彼の脚に再び激痛が走る結果となる。
部屋に響く鋭い悲鳴。 女の卑猥な声よりもそそる。
「……はっ、生ッ白い。女みたいだな!」
(194) 2023/11/13(Mon) 08時半頃
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胸には大きな手術痕が広がっていて僕は一瞬顔をしかめ、眼を逸らした。 そこに刻まれているのは彼が今まで苦しみながら懸命に生きてきた証。そんなものを見たらーー僕は挫けてしまう。
彼を壊すという目的を、達成出来なくなる。
だからわざと嘲るように言ったのだ。彼が運動もろくに出来ず、日に焼けるはずがないのは病気のためであるなんて判っていても。
「おっと悪い、初夜なんだから君は女でいいんだ。
むしろもっとちゃんと色っぽい仕草をして、股を開いて僕を誘って?
ひゃははッ」
それは妻ではなく娼婦だと何処からツッコミが来そうな冗談を言う。
「愛してるよ、コウ。君の全てが欲しい。」
(195) 2023/11/13(Mon) 08時半頃
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ベッドの上を四つ足で這うと彼に近付く。彼は起き上がることすら叶わず仰臥したままか。
その顎をグイと持ち上げる。
「ちゃんと花嫁の演技をしろ、この馬鹿。萎えるだろがッ」
彼は言った。僕が傷を負うような事をするなと。 そして幾ら彼自身を傷つけてもヘラヘラとしている。
ならば。
ガン、と強い一撃。僕はキスするほど、吐息が触れあうほどの距離で彼に思い切り頭突きをかます。
「ヒャハハハッ」
一回ではない、二回、三回狂ったように繰り返す。
僕の額は割れた。鮮血が迸り激痛に見舞われる。
「嗚呼痛い、痛くてたまらないよ、コウ……ふふ、あははッ」
(196) 2023/11/13(Mon) 08時半頃
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彼は僕が殴った上に更にダメージを食らうわけだから、フラフラになるかもしれない。
「はぁ、はぁ……」
漸く僕は離れ、額から溢れる自分の血を舐めた。不味い。
彼がまだ僕の心配をするなら笑うしかない。
「……っと。コウがぐたぐた下らねえ話をするから、準備が滞るじゃんか。 僕はちゃんと、君が花嫁になれるものを用意したんだぜ?」
そう言い、僕が机の上から取ってきたものは真っ白なヴェールだった。
これは母が結婚式の時に使ったものである。以前見せて貰い、タンスの奥にしまってあるのを僕は知っていたのだ。
僕はヴェールを恭しく彼の頭に乗せる。そんなものがあろうと、数々の暴力でボロボロの見た目が変わるわけでもないのに。
(197) 2023/11/13(Mon) 08時半頃
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「いいねぇ、似合う。 あ、そうだ……お化粧もしようか。これで。」
口紅も拝借してきたら良かったが、僕は忘れてしまったから。
自分の額に滲むものを人差し指につける。
その指先をひたりと、彼の唇にあて、左から右にゆっくりと塗った。
真っ赤な血を。
「……とっても可愛い。」
僕の血で彩られた唇。彼は勿論、こんなの望んでいないだろうが。
興奮が頂点に達した。
ーー彼に覆い被さる。その唇を再び奪うため。野獣のように僕は、彼を喰らおうとした。*
(198) 2023/11/13(Mon) 08時半頃
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――IFの物語――
[>>164何かを言い出そうとして珊瑚は言葉に詰ってしまった。 碧い視線だけが真っすぐに向いてくる。 瞳が震えているようだがそれは気のせいだろうか。
楽しかった時間が一瞬で書き換えられてしまった。 >>189ロケット花火は誘われなかったけれど柊木とは合宿中には別の事柄で話す機会もあったろう。 その時ではなくても持とうと思えば機会などいくらでもあるものだ。 そんな合宿の思い出の最後の一項が筆舌に尽くしがたい状況なのだけれど――別にそれは珊瑚が悪いわけではないだろう。 後になってハロから聞いた話で言えば『数多の可能性の中でこの世界線ではこうなる運命だった』のだと知れる。 たまたま僕らの世界では僕らが選ばれる、そんな世界だった。
割り切るには未だに心は追い付いてはいない。 けれど思うのだ。 何もかも秘密なままで知らずに終わるよりも全部を知って仲間として終われるなら――それもまた独りぼっちじゃないだろう]
(199) 2023/11/13(Mon) 11時半頃
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[結局珊瑚は何も言わなかったから大和もまたそれ以上尋ねることはしなかった。 ただ>>166思ってもしなかったことを言われて目蓋を瞬いてしまったくらい。 浮かべた笑みは弱々しいものだったし、黄色いナマコに似ているらしいけれど大和はナマコを見たことがなかったからそうなんだって言えるくらいだったけれど。
>>159帰り道、乾の実家の車――という名のどんぐりワゴン号に乗せてもらえることになった。 相変わらず乾の両親には丁寧に挨拶をして乗る前も降りた時もお礼をしっかりと伝える。 乾は何か思うところがあったろうか。 こんなにもいい両親がいるのに――家族の愛も知っているのに。 戦って死んでしまわなければならないなんて。
病院に送られた柊木はどうだ。 彼のような陽キャに見える存在は悲しんでくれる人多いだろう。 それ以前に無事かどうか心配すぎるのだけれど――確か乾と? その時の話はやはり大和には理解しにくいものだったかもしれない]
(200) 2023/11/13(Mon) 11時半頃
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うん……うん?? 迷惑じゃない?
[>>167どんぐりワゴン号から降りた後で尋ねられた言葉にまたも目蓋を瞬かせる。 ご家族に迷惑ではないだろうか。 そこが心配だったのだけれど>>168父親さんは忙しいらしい。 あんなことがあった後だから帰る暇もないとし、その他の事情も知らないけれど――]
(201) 2023/11/13(Mon) 11時半頃
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迷惑じゃないなら、お願いしていいかな。
[このまま家に帰っても100均の三束蕎麦を一束塩で茹でて食べるだけの生活だもの。 合宿のご飯と比べても、瑠璃川 珊瑚のご飯と比べてもそれはとてもひもじいものだ。
それに――何も言ってくれなかったことが気になった。 そこまでの仲ではないのはわかっているけれど、ほら、仲間なら、気になる相手のことなら、ノースリーブでどきどきしてしまう相手なんだから知りたいって思ってしまうじゃないか。
頷いてからこのままでいいのかなと視線で問いかける。 荷物もあるし洗濯もしないといけないけれど――このまま一人で帰すのも危うそうではあるしと好ければそのまま家まで一緒に帰ろうか*]
(202) 2023/11/13(Mon) 11時半頃
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