10 冷たい校舎村9
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[ 礼を言われて、慎一は不思議だった。>>+143 「息が吸えた」と言われて、 「シンといたときは」と言われて。 慎一は一瞬、意味がわからなくて──、 それで、ぽかんとしていたんだけど、 だんだんと込み上げてくるのはなんだろう。 「うれしい」で合ってるかな。 たぶん、そのときやっと気づいたのだ。 友だち甲斐のないやつでごめんね。]
(+150) 2021/06/15(Tue) 11時半頃
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[ 「みんな」の中のひとりじゃなく、 たくさんいる中の友だちAでもなく、 どうやら鳩羽は慎一に言っているらしい。]
(+151) 2021/06/15(Tue) 11時半頃
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[ いつだって誰かの背を追いかけている気でいた。 みんなより遅れて、先をいく背中ばかり眺めて。 ひとりはさみしい。 慎一の視界からみんなが消えたらさみしい。 そう考えることはあっても、 前を向いて先を行く他人の視界に、 自分がなにかの意味を以て存在するなんて、 慎一はたぶん、想像したことがなかった。]
(+152) 2021/06/15(Tue) 11時半頃
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[ だから、あの世界に呼ばれてうれしかった。 少なくとも誰かの中に存在したんだと思えて。 「俺だったらどうする?」って聞かれて、>>2:364 同じように聞き返す気だって起きなかった。 慎一が消えて泣いたやつがいたなんて知ったら、 そりゃあもう、抱きしめちゃうだろうね。力一杯。]
(+153) 2021/06/15(Tue) 11時半頃
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……そっか。そっかあ。 [ へへ、みたいな笑いを堪えきれずに、 慎一はちょっと視線を泳がせていた。 少しだけでも、誰かにとって、 お荷物なだけじゃないなにかになれてたら、 慎一はうれしいよ。とてもうれしい。 「ありがと」と言われたら、 「どういたしまして」がお決まりだろうに、 どうも言うタイミングを逃してしまった。 代わりに、笑みを浮かべたまま口を開く。]
(+154) 2021/06/15(Tue) 11時半頃
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レンが他の奴にするみたいに、 当たり前みたいに接してくれて、 俺はさ、楽しかったよ。うれしかった。 人付き合い、苦手なのに、 そういうの憧れだったから。 息をするのが少しくらい大変でも、 俺、おまえとバカ騒ぎしてたかった。 でもさ、どっかで思ってたんだ。 俺にとっては特別なことでも、 レンからすれば当たり前なんだろうって。
(+155) 2021/06/15(Tue) 11時半頃
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……だから、なんかさ、 ああやってバカ話してるだけの日常が、 レンにとっても意味があったんなら、 なんか……よかった、……ありがと。 [ へらりと笑ってみたりするけれど、 これは何も上っ面の笑顔ってんじゃなく、 ただ、なんか力が抜けちゃっただけ。 これくらいはちゃんと立ち止まって言おう。 なぜか大事に抱えちゃってたコーラは、 たぶん、もうちょっと、いやだいぶぬるい。 だってこの寒い中、慎一は結構あたたかい。]
(+156) 2021/06/15(Tue) 11時半頃
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……なあ、また、 一緒にアイス食ったり、 昼飯食ったり……食ってばっかだな。 そういうふつーのこと、してくれる? レンがそうしたいときだけでいいよ。 深呼吸に疲れたときだけでもいい。 ……俺も疲れちゃったときは、 今日はパス! って言うかもしれないし。 [ 願わくばどちらか一方の望みとしてじゃなく、 そういうふうに続いていけたらいいって、 そんな大それた祈りを込めて、慎一は笑った。**]
(+157) 2021/06/15(Tue) 11時半頃
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[ 本当にお見通しだったら困るな、と くすくす笑いかえしておいて。>>+92]
そっか。 まあ、そうだね、……似たような事態が 私にも起こっていたのは確かだし。 ……わかり、やすかった?
[ 他人事だと思えなかったから、相談に乗った。 その見立てはあながち間違っていないし。
さて、ならば。 今度は私の相談したかったことの 一端とその顛末をお伝えしておこうか、と。]
(+158) 2021/06/15(Tue) 13時頃
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帰っちゃったのはしょうがないよ。 ちょっとびっくりしたけどさ……
…… 私の場合はさ。ずーっと、こう、 幻聴って言っちゃあそれまでだけど、…… そういうのが、聞こえてて。 それにちょっと追い詰められてた、っていうか。
今はもう、聞こえないし大丈夫だけど。 ほんと、四六時中そうだったから。 静かすぎて逆に、なんだか慣れないや。
[ 説明が難しいな、という表情をしながら それでもどこかすっきりした様に。]
(+159) 2021/06/15(Tue) 13時頃
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利美のお札……まぁ、 捨てなくてもお守りに持ってたりしても 良いんじゃないの?
どういうものかは知らないけど。
[ ひとみが集中治療室の方に行くのなら>>+93 いってらっしゃいと手を振って。 …… まだ、あまりそっちの方に行く気には 私はなれなかった。
冷えた指先を摩りつつ、待合室に佇んでいる。]*
(+160) 2021/06/15(Tue) 13時頃
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[ 身軽になってしまった、という気持ちはある。 恐らくそれは悪い事では無いし、 私が、──私自身に抱いていた抑圧を、 どうにか緩められた様なところはあって。
きっとこの静けさにもそのうち慣れていく。 それをむなしく感じる日が来るのだろうか。
……むなしいねって、言い合える相手が居るなら それも悪く無いのかもしれないけれど]
(+161) 2021/06/15(Tue) 13時頃
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……あ。 柊くん?
[ そんな折。廊下の方に見えた姿に>>+115 待合室からゆるく手を振ってみる。
彼もこっちに帰ってきていたのか、と 少しばかり安堵しつつ]*
(+162) 2021/06/15(Tue) 13時頃
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── 現在・病院外 ──
[尻尾?そんなのどこに。>>+144 ……なんてね。
変に気遣われたくなかった、って シンが言う言葉にさ、俺ちょっと笑ったよ。
だって最近よく聞いた台詞!!!>>4:329>>4:360 それに、うん、その「うれしい」だって どこかで聞いた台詞のひとつ >>3:476>>3:642
だからさ。 ]
そんなん、俺もだよ!
[ってさ、言ったの。とりあえず今はここまで。 ]
(+163) 2021/06/15(Tue) 14時頃
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[だってシンがさ「みんな」のひとりじゃあなくて 俺にとっては「シン」であるのが大事なんだって。 気づくのはもうすこし、あとのことだったから。
言わなくても判るだろって、ほら思っちゃう。 そういう意味では 俺からしたら当たり前だったんだろうね>>+155]
(+164) 2021/06/15(Tue) 14時頃
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[傷は自分でやったんだけど、 傷の大きさはさ、あっちの世界とは 比べ物にならないくらい小さかったから 案外どうでもよかったの、かも
顔じゅう傷だらけにしたって言ったら シン、びっくりしちゃうだろうから。
多分この眦の傷は、 最後に俺がほんの少し流した涙の跡
血の跡はさ、ぜんぶ、全部消えたけど 最後に抱いた想いの部分だけは、 きっと消えなかったんだよ。って都合いい解釈]
(+165) 2021/06/15(Tue) 14時頃
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[んでさ。いろいろ話したあとで 突然シンの様子がおかしいわけ。>>+150>>+154]
(+166) 2021/06/15(Tue) 14時頃
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………えぇ…… んなん、意味あるに決まってんだろ
[当たり前だったけど、特別だったよ >>+155 でもさ、特別だったけど当たり前過ぎて、 俺にはたぶんやっぱりシンの気持ちは全部読めない
だから俺からは 感動させるような名台詞でも、 心を揺さぶるようなクサイ台詞でもなくて、 至極ふつうの感想しか、出てこなかったんだ。]
(+167) 2021/06/15(Tue) 14時頃
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[たとえば自分が「みんな」のうちの ひとりだって思ってた、ってちゃんと言葉で聞いてたら んなわけねーだろ!シンだから!いいの!って 食い気味に反論してたと思う。
シンが消えて泣いたやつ?はい!俺、挙手! シン以外のやつの人形見ても泣かなかった俺がだよ お前の人形見て、動けなくなるくらい泣いたの。 メイに心配されちまうくらい、泣いたの。 メイと話し終わっても、離れられないくらい泣いたの。
全力でアピールするね。 もしも声が聞こえてたら、だけど。]
(+168) 2021/06/15(Tue) 14時頃
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[でもさあ、聞こえてこないから、 俺にとってはいつもの「日常」の延長で、 その中でも特別なシンがさ、 ひどくアタリマエのことを、喋ってる。
んでもさあ、ようやくシンが理解してくれたなら さっきのこと、ちゃんとシンに向けて話せるよ ]
(+169) 2021/06/15(Tue) 14時頃
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さっきの話もさ、 変に気遣う、とかじゃあなくて、 別に悩みを解決してやる!とかもできねーけど
ペットボトル持ってやるわ、くらいの感じでさ シンのこと、楽にできてたらうれしーの。 俺にできるの、そんくらいだけど、 馬鹿話することでさ、 俺がシンの役に立ってたんならさ 俺、すげーうれしいんだからね。
なんだこんなことでいいのかって、笑っちゃう
(+170) 2021/06/15(Tue) 14時頃
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[へらへらの笑みのシンに、 こっちもへらへらの笑みをむける。
なんかできることなかったのかなって すげえ、すげえ、悩んだんだよ >>4:86 全部、上手く行ってなかったって思ったから 俺、なんもできなかったって、思ったんだから
だから、いつもの俺のまんまで 大事な友人の役に立ててたことがとても、嬉しいし、]
(+171) 2021/06/15(Tue) 14時頃
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[なによりも、シンの「みんな」の中にも、 ちゃんと俺が居たんだなあって、改めて知って
俺、それが一番、嬉しい。>>4:147
もう、隣にいるからさ、俺寂しくなんかねーよ。]
(+172) 2021/06/15(Tue) 14時頃
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[静かな夜の中で足音がふたつ、止まる。 シンからのお願いは、他愛のないもの >>+157 特別なんかじゃない、普通の日常のこと。
きっと食ってばっかなんかじゃなかったよ。
俺らには文化祭以外にも、体育祭も球技祭も それからなんだろうな、普段のガッコーも?あってさ たぶん羅列してくと挙げきれねえから、 どうしたって食ってばっかのことになっちまうけど
俺たちの日常はさ、 こんな狭いワンシーンじゃ描ききれないものばかりだし 別に喜怒哀楽どれでもねーような、つまんねーコト、 だけどどれも大切なコトばっかりだっただろ。 ]
(+173) 2021/06/15(Tue) 14時頃
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おう。当たり前だろ。 ふつーのこと、いつだってしようぜ。 食ったり、食ったり、食ったり…って、オイ!
[笑う。あ、手始めにバスケ部vsサッカー部で 最後のバレンタインチョコの個数対決でもする? 俺万年モテない組だから結果は目に見えてるけど…… 義理チョコも数えていいね??いいよね??? ]
(+174) 2021/06/15(Tue) 14時頃
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そのかわり。 シンがさ、疲れたときには 遠慮なく、無理!って言ってな。 俺も何できるか、そんとき考えるから。
俺も、言うから。
[大それた祈りは、お互いさまで。 それからさらに一歩、踏み出した願いを 俺は欲張りにも、添えてみる。
きっと叶うんだろ?ううん、違ぇな。
叶えるのは、俺たちだから。 俺たちならきっと、叶えられるだろ?って。 俺も、夜空の下で、笑った。 ]**
(+175) 2021/06/15(Tue) 14時頃
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架空惑星 レンは、メモを貼った。
2021/06/15(Tue) 14時頃
架空惑星 レンは、メモを貼った。
2021/06/15(Tue) 14時頃
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― 院内・待合室付近 ―
[普段病院に来る機会が そうそう多いわけじゃない。 ましてや集中治療室なんて縁もない。
うろうろしていれば 遠くから手を振る見知った人影>>+162]
あ、綿見ちゃん!
[思わずほっと表情を緩め、 手を振る彼女に小走りで駆け寄る。]
(+176) 2021/06/15(Tue) 16時半頃
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………ちゃんと帰って来てたんだ。よかった。
[なんせ調理室で見たマネキンの姿が 脳裏には色濃く残っているものだから。 ついつい腹部にまじまじと視線を落としてしまう。
自分だって別に何ともないんだから 現実の彼女まで怪我してたりはしないと思うけどね。 やっぱりあれ見ちゃうとちょっとね。]
綿見ちゃんもやっぱりメッセージ見てここに? その、副会長は……。
[何か容体に変化はあったのだろうか。 少し聞くのが怖いような気持と共に、言葉を詰まらせる**]
(+177) 2021/06/15(Tue) 16時半頃
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── 現在・病院外 ── [ どうしてなかなかすれ違っちゃうね。 「言えよー」って叫んでるの見ても、>>3:561 「言わなきゃ伝わらない」と教わっても、>>3:326 自分の内側に持ってる当たり前の感覚は、>>+164 どうやら根深すぎてなかなか見せ合えない。 慎一だって、考えてたわけじゃなかった。 わざわざ思ったり考えて出した結論じゃない。 ただ、いつの間にか存在していた。 その形を意識することさえなく。 だから────、]
(+178) 2021/06/15(Tue) 16時半頃
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……そっかぁ。 [ なんだか気の抜けるような声に、>>+167 慎一もとぼけた声でそう言おう。 俺の人形見て泣いた人、はーい。 なんて、口が裂けても言うわけなかった。 いると思ってないんだから当然だな。 だから、校舎での出来事を振り返って、 そんな大騒ぎをするのは、>>+168 またいつか機会があったらにしよう。]
(+179) 2021/06/15(Tue) 16時半頃
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