33 桜森高校同窓会
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ヤマトは、氷の上で繰り広げられる演技を固唾を飲み見守っている。
CClemon 2024/02/26(Mon) 22時半頃
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ーー真心を君にーー
[温泉旅行から2ヶ月の時が過ぎ、季節は冬から春へと移り変わる。
その日、車から降り立った少年は革靴にて桜の絨毯を柔らかく踏み締めた。
スッと背を伸ばす少年を知り合いが見ても気付かないかもしれない。 スーツなんて普段は着ないから、雰囲気がまるで別人だ。
出掛ける前、髪も整え身綺麗にした姿を鏡に映して。]
……髭は残してた方が喜ぶかな?アイツ。
(306) CClemon 2024/02/26(Mon) 23時半頃
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[寝起きの際、少年の顎を寝惚けながら撫でていた彼女を思い浮かべる。
少女みたいなあどけない笑顔。
それが氷上では一変し、引き締まった真剣な面持ちになった。
今日はそんな彼女ーー鷹羽虹乃の晴れ舞台である。 少年はスケートに詳しくないが、トリ、つまり最後に演技をする彼女が重大な役割を担うことは理解していた。
そして、その大任を果たした後彼女はーーリンクを去る。]
『お兄ちゃん、行こ?始まっちゃうよ!』
(307) CClemon 2024/02/26(Mon) 23時半頃
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[御曹司の手を借りながら妹が車から降りる。彼女は紫色のシックなパーティドレスに身を包んでいた。少年たちは妹の婚約者である羽柴の車、リムジンにて会場にたどり着いたところだ。
道を歩く人々は、今日の演目を楽しみにしていながら会場に向かっている。
少年の恋人がそんな観客たちにこれから大きな感動を与えるのかと思うと誇らしい気持ちになった。
さあ、会場に向かおう。出演前に控室で彼女には逢えるだろうか。
今日は彼女の幼馴染みである清佳に親友の若菜、そしてキリノとサラ、柊と野々花も駆け付けているはず。
皆、彼女の最後の演技を見守るために。]
(308) CClemon 2024/02/26(Mon) 23時半頃
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[スケートリンクは何度来ても不思議な場所だ。氷上からはひんやりとした空気が漂うが、観客席は熱気に溢れている。
少年は彼女の演技を見易い前の席を確保出来ていた事だろう。
彼女がリンクに降り立つ。 美しい色合いの衣裳が映える。 距離があるのに緊張がピリピリと漂ってきた。
首を伸ばしたまま軽く辺りを見渡すその視線は、少年の姿を捉えてくれただろうか。
ーー音楽と共に演技が始まる。
滑らかに、緩やかに。 加速してのジャンプ、スピン。 氷の上に全身で軌道を描き、残す。
難しい技名などはわからないが、大胆な技が決まる度にワッと歓声が上がった。]
(309) CClemon 2024/02/26(Mon) 23時半頃
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[少年は彼女の一挙一動を逃さぬと目を見開き追う。隣にいる妹が動画の録画を担当してくれているから”生”を焼き付ける事に集中出来る。
彼女の演技はただ綺麗なだけではない。表現者として、指先の一つや表情までにも心配りをし、テーマを具現化しようとする。
ヴィオレッタの人生は刹那的な恋に引き摺られ、亡くなる迄心を燃やし尽くす。 その強い想いは氷上での躍動的な滑りで表現された。
燃え盛る想いを、恋心を。 彼女は全身で描き散らす。
音楽と動きが一体となり、会場全体をうねりに引きずり込む。
息をするのすら忘れてしまいそうだ。彼女が汗を流して演技に熱中するのと同調し、夢中に見入る。
エッジが最後の一線を氷に刻むまで。 白鳥が羽を畳むように、彼女が身を伏せるまで。]
(310) CClemon 2024/02/26(Mon) 23時半頃
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[ーー拍手喝采が起こる。 少年も頬を真っ赤にし、割れんばかりに手を叩く。]
……凄かった!凄かったぞ、ニジノ!!
[少年の声は勿論、観客席からの歓声にかき消された。 拍手の渦に包まれた彼女は、長い長い時間そのまま動かない。
やがて。
全力を出し尽くした舞姫が少しよろけながら身を起こす。 数分とはいえあれだけ全身で動けばそうなるのも当たり前。
だけど、ここにそんなのを理解出来ない馬鹿がいた。]
ニジノッ今助けーー
[フェンスを乗り越え弾丸みたいに駆け付けるーーはずが。妹に制されて首根っこを掴まれ、ドテッとその場に倒れる。
氷上に躍り出ても普通の靴なら結局走れず転ぶわけだが。]
(311) CClemon 2024/02/26(Mon) 23時半頃
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『お兄ちゃん!何やってんの?! 今リンクに出ようとしたよね?』
だ、だってニジノがッ ニジノの倒れそうだったからっ
[少年が座り込んで妹にぶーぶー抗議をしていた頃、彼女は氷上に立ち。
晴れやかな笑みにてみんなに向かってヒラヒラと手を振っていたーー。]
(312) CClemon 2024/02/26(Mon) 23時半頃
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[少年の出番が漸く来るのは表彰式の際だ。
レッドカーペットの上を転ばないか?と恐る恐る歩いて壇上の彼女に近付く。
紫の薔薇の花束を抱え髪に椿の花冠を飾る姿は、景色と共にボヤけて。眩しすぎて……。
少年は彼女の前に立つ。 自信に満ちた表情、こぼれ落ちそうな笑みを向けて。舞い降りた彼女の前に膝を折ろう。
ポケットから取り出した指輪ケースには、あの温泉旅行の帰りにデザインを発注した指輪が入っている。]
(313) CClemon 2024/02/27(Tue) 00時頃
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……ニジノ、お疲れ様。 めちゃくちゃ良かったぜ。 凄かった、圧倒されたよ。
お前はやっぱり最高だよ。 最高の表現者でーー最高の女だ。
そんなお前を拐いに来た。 ……後の人生はーー全部俺にくれ。
[差し出した箱は真っ直ぐに彼女へ。受け取って貰えるなら立ち上がり、両手いっぱいに抱き締めるだろう。
ーー愛しい椿姫を。
実際の所は引退後にすぐ結婚出来る訳ではないのはもう聞いている。 それでも2人の熱は今この瞬間、一つになったはずだ。
氷を溶かしてしまうほどのアツアツな抱擁の後、恥ずかしがりの彼女が許してくれるのならば。]
(314) CClemon 2024/02/27(Tue) 00時頃
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[顎にそっと手を添えて。首筋の角度だけでなく目線を奪って。
彼女の唇に想いを刻もう。
もう決して離さない、とーー。]**
(315) CClemon 2024/02/27(Tue) 00時頃
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俺は、ニジノの為に生きる。
(318) CClemon 2024/02/27(Tue) 00時半頃
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