14 冷たい校舎村10
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[ しばらくそうしてたけど、 先生が、ちょっと一服してきます、って 席を外そうとするのに、 あたしはついていくことにした。 先生にはちょっと話したいことがあったから ]
あ、あたし夜食持ってきてて。 ちょっと食べてきます。
[ ご家族にそう言って、あたしは先生を追いかけた ]
(+30) 2021/11/12(Fri) 00時頃
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[ 病院って屋内には喫煙所作れないんだって。 あたしは煙草吸わないし吸う予定もないから どうでもいいけど。 病院の外の特定屋外喫煙場所とやらで そう言って嘆く先生の横で、 あたしはラップをめくっておにぎりを食べた ]
先生さー、教育者の端くれってやつでしょ、 だったらさあ、集団失踪事件の話、知ってる? 誰かの頭の中にいた、みたいな話。
[ レンチンの焼きおにぎりは冷めても美味しい。 もぐもぐしながら聞いたら、 端くれ言うな、って小突かれた。 一応知識としては知ってる、とも ]
(+31) 2021/11/12(Fri) 00時半頃
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先生、あたしねー。 さっきまで、和歌奈ちゃんの世界にいた。 ……って言ったら、信じてくれるー?
[ あたしがそう言ったら、先生は怪訝そうな顔をした。 大人を揶揄うもんじゃない、ですとな? ]
先生、こんな状況でそんな冗談言うほど、 あたし不謹慎なやつじゃないよー。
[ そりゃ夏見七星、お調子者ですけどね? ハチャメチャガールズとか一部で言われてる らしいですけどね? 言っていいことと悪いことの区別くらいは ついてるつもりです! ]
(+32) 2021/11/12(Fri) 00時半頃
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和歌奈ちゃんの世界って、望高文化祭だった。 それでさ、あたしとか日食君は帰ってきちゃったけど、 その世界にまだ残ってる人がいるはずなの。
[ 路子ちゃんに、真梛ちゃんに、荒木君に……って あたしは指を折って数える。 莉希ちゃんからのグルチャは>>+27 車の中で読んだ。 莉希ちゃんももうじき来る。 先生が信じてくれないなら、 莉希ちゃんからも言ってもらおう。 あたしたちは、和歌奈ちゃんの世界にいたって ]
だからさ、先生。 みんなが連れて帰ってくれるはずだからさ、 ……和歌奈ちゃん、助かるよね。
[ おにぎり包んでたラップを小さく丸めて握りしめる。 俯いたあたしの頭に、先生の手がポンって乗った ]**
(+33) 2021/11/12(Fri) 00時半頃
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七星拳 ナツミは、メモを貼った。
2021/11/12(Fri) 00時半頃
七星拳 ナツミは、メモを貼った。
2021/11/12(Fri) 00時半頃
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あの!私ちょっと望月病院に行ってくる!
[下にいた祖父母にそんな声をかけて慌ただしく バタバタしていれば、驚いた二人から一体 どうしたのと声がかかった。]
あ、えっと、その、 友達が、運ばれたって…!
[祖父母は昔里帰りした時は気難しくて厳しい人たち って印象だったけれど、今は孫として普通に接して くれている、と思う。 たどたどしく説明をすれば、二人は顔を見合わせた。]
(+34) 2021/11/12(Fri) 01時半頃
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[望月病院は自転車で行けばそんなにかからない。 コートを羽織ってマフラーを巻いて、迷いなく 飛び出そうとしていれば待ての声が響いた。 こんな夜中に外出は関心しないと。]
で、でも……!
[確かに関心できないかもしれない。 でも私だって子どもじゃない。 どことなくママに似た面影に、雰囲気に、 反論の声はそれ以上出てこない。]
(+35) 2021/11/12(Fri) 01時半頃
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「夜道は危ないから送っていく。」
――――え?
[下を向きかけたら、降ってきた声に素っ頓狂な 声が出た。
私を、心配してくれた? それともやっぱり世間体? なんて考えてしまうのは失礼だっただろうか。
でも断る理由はない。 だって私は病院に行きたいから。]
……お願いします!
[そうして車に乗り込んで、病院を目指した。]
(+36) 2021/11/12(Fri) 01時半頃
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[私食堂に食料があるって書き込みだけ見たわけ じゃないよ。 ちゃんと日食君についての書き込み>>2:281を 見たら、マネキンもちらっと確認した。 保健室のベッドは四つで、女子は五人。 路子さんはどこでも寝れるからとベンチで寝て しまって>>4。 遠慮して空けるのも勿体無いなぁって思ったから 使わしてもらったけど、マネキンを見てしまった せいかなかなか眠れなくて。 だから。]
首大丈夫?
[自販機の所にその姿>>+14を見つけたら、 開口一番にその細い首を確認した。 まぁ大丈夫じゃなかったら日食君も私もこんな ところにいるわけないんだけど。]
(+37) 2021/11/12(Fri) 01時半頃
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本当に苦しかったな、あれ。 死ぬのって、あんなに苦しいんだね。
[日食君の身にどんな現象が起こったのかは 知らないけど、そんな言葉をぽつりと零す。 和歌奈さんも苦しかったかな、痛かったかな。 少なくともその胸の内は、苦しかったのだろう。
七星さんももうついていると教えてもらえば、 私はその姿を探したんだ。]
(+38) 2021/11/12(Fri) 01時半頃
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[ドラマとかでよくあるよね。 暗い病院に赤いランプが灯ってさ。 その前に家族が神妙な面持ちで待ってるの。 まさかリアルで体験することになるとは 思わなかったよ。
ご家族にぺこりと頭を下げた。 この扉の向こうに、和歌奈さんがいるんだ。 ランプはまだ、消える気配はない。]
七星さん、に飯尾先生。 こんばんは。
[二人がどこにいったかを教えてもらえば そちらへと足を向ける。>>+31]
(+39) 2021/11/12(Fri) 01時半頃
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[会いたかったのは飯尾先生じゃなくて七星さんだ。 脇目も振らず傍によればぎゅって抱きついた。 そんなこと今までしたことなかったけど、 しょうがないよね。 ちょっといろいろ情緒崩壊してるんだ。 だから許してね。]
……七星さんも帰って来たんだよね。 みんな、帰ってくるよね。
[二人が何を話していたのかなんて知らなかったけど、 その言葉を聞いたら先生も、信じてくれたかな。]**
(+40) 2021/11/12(Fri) 01時半頃
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七星拳 ナツミは、メモを貼った。
2021/11/12(Fri) 21時半頃
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[ 足音が聞こえた気がして、あたしは顔を上げた。 莉希ちゃんの姿を認めて、思わず目を見開く>>+39 ]
莉希ちゃん! おかえり!
[ ここは屋外であるからして、多少声が大きくても大丈夫。 なーんてこと、考える余裕なんかなかった。 反射的に口をついて出ちゃったんだよ。 ここが病院の外で良かった。 こんばんはって言う莉希ちゃんに、おかえりって返して ぎゅって抱き返す。>>+40
今この一瞬だけは、和歌奈ちゃんを心配する気持ちより、 莉希ちゃんに会えて嬉しいっていう気持ちが 上回っちゃったかもしれない。 一瞬!一瞬ね! ]
(+41) 2021/11/12(Fri) 22時半頃
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うん、……うん。
[ 莉希ちゃんの質問に、あたしはうんうんって頷く。 七星さん「も」って莉希ちゃんは言う。 莉希ちゃんも帰ってきた。 つまりそれって……莉希ちゃんもきっと、あの世界で 死んだんだろうって思う。 痛かったよね。それとも、苦しかったかもしれない。 労いの気持ちを込めて、莉希ちゃんを抱きしめたまま、 その背中を撫でた ]
せんせー。 和歌奈ちゃんの世界で、莉希ちゃんも一緒だったんだ。 ね?莉希ちゃん。
[ 莉希ちゃんに抱き着いたまま、 あたしは先生の方に顔を向けた ]
(+42) 2021/11/12(Fri) 22時半頃
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[ 先生は、しばらく黙ってあたしたちの方を見てた。 けど、頭をぼりぼりした後、降参って感じで手を挙げる ]
「あー、わかったわかった。 ……けどな」
[ 先生は、しばらく言葉を選ぶみたいに 視線をさまよわせた後、 少し声を落として、言った ]
「もし……河合が、……戻ってこなくても。 他の奴らを責めてやるなよ」
[ どきんと心臓が跳ねた ]
(+43) 2021/11/12(Fri) 22時半頃
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[ みんなが連れて帰ってくれるはずって あたしは言った。>>+33 莉希ちゃんの言った「みんな」にも、>>+40 もちろん和歌奈ちゃんは含まれてるはずだ。 自分に言い聞かせるようにあたしはそう信じてる。 だけど、もし、和歌奈ちゃんが帰ってこなかったら? ]
(+44) 2021/11/12(Fri) 22時半頃
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……そんなの、当たり前、だし。 責めたりなんか、しないし。 でも……でも、帰ってくるよ。ね?
[ ぎゅってあたしは莉希ちゃんに抱き着く腕に力を込めた ]
(+45) 2021/11/12(Fri) 22時半頃
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[ 和歌奈ちゃんの世界にあたしたちが呼ばれた理由。 最期に一目会いたかったからじゃないか。>>2:274 路子ちゃんはそう言ってたけど。 その言葉に、そうかもってあの時あたしも思ったけど。 っていうか、そういう気持ちもきっとあると思うけど。
それだけじゃなくてさ。 和歌奈ちゃんの中のどこかに、連れ戻してほしい気持ちが あるからだったりしないかな。
だって。だってさ。 ひめちゃんの世界に、あたしは呼ばれなかった。 それって、ひめちゃんに なんの未練もなかったからじゃない? あたしを縛り付けるために命を捨てたひめちゃんだもん。 もし、ひめちゃんもあんな世界を作ってたなら、 そこにあたしが呼ばれないはずがない ]
(+46) 2021/11/12(Fri) 22時半頃
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[ はやくひとりになりたいなあ。>>0:593 いつかの和歌奈ちゃんの言葉を思い出す。
だけど、和歌奈ちゃんは呼んでくれた。 和歌奈ちゃんの世界に、あたしたちを呼んでくれた。
ねえ、和歌奈ちゃん。 やっぱりひとりぼっちはさみしいよ? ]*
(+47) 2021/11/12(Fri) 22時半頃
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