10 冷たい校舎村9
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[ そんなこんなで打ち上げがはじまれば、 慎一はまたいつもどおりに、 みんなと混ざって笑えていたはずだ。**]
(473) 2021/06/07(Mon) 13時頃
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―― 現在:教室 ――
[ 私は、頭が先で、感情が後から追いかけてくるのが 当たり前のことだと思ってた。 感情に置いていかれてしまうなんてこと>>444 考えたこともなかった。 偉そうに炭蔵君にお説教じみたこと言ったけど、 私も全然人のこと言えない ]
……そうかな。
[ 偉いとは向井君は言わなかった。 私は人から称賛されるような人間であるべきで、 でも自分がそんな人間ではないことは理解していて、 だから、褒め言葉を目指しつつも受け取れないっていう 厄介な状態なのだけど、 向井君は偉いじゃなくていいなって言った ]
(474) 2021/06/07(Mon) 14時頃
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[ 感情は制御されるべきもので、 それが感情がまだ追い付いて来ていないから 冷静に見えるだけだったとしても、 それは“いいこと”なのかな? 確かに無様に取り乱したりしたら、 私は自己嫌悪で■■■■なりそうだけど ]
落ち着いてるんじゃなくて、呆然としてるだけかも。
[ ありえないことが目の前で起こってて、 ありえないままそういうものだと受け止めるしかない。 受け止め方がわからなくて、途方に暮れてる。 まだどこか、映画の中に迷い込んだような気分 ]
(475) 2021/06/07(Mon) 14時頃
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[ 向井君はその話を広げるつもりはないようで>>447 メールを確認した向井君が、感想を落とす。 かわいそう。 ……そういえば私、追い詰められてるみたいとか、 遺書だと思うとか、そういうことは考えてたけど、 内容について自分がどう思うか、考えたことなかった。
そうか。かわいそう、か。 限界まで追い詰められて、耐えきれなくて、 もう死ぬしかなくて。 ……私は ]
…………言わないよ、そんなこと。
[ 私が落ち着いて見えるらしい向井君は、>>449 通学路での私のセリフを引用した。 ヨーコ先生を突き放すような物言いをした、 私の薄情でドライなセリフ ]
(476) 2021/06/07(Mon) 14時頃
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[ 言わないよ、そんなこと。 「いいなあ」って思ってしまったなんてことは、 もっと言えないけど。 私には、最後の一歩を踏み出すそんな勇気はない ]
(477) 2021/06/07(Mon) 14時頃
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そんなに思いつめてた人が、近くにいたのに、 私、何にも気づかなかったんだなって。
[ そんなの、当たり前のことだけど。 私は友達が少ない。 友達だと思ってる芽衣のことだってよく知らない。 お互いの奥には踏み込まないような、 そんな友達付き合いをしてた。 たまにあふれて零れてしまった雫を、 芽衣に雨のように降らせたことはあったけど。 優等生のふりをした私は クラスメイトのこと、何も知らない ]
(478) 2021/06/07(Mon) 14時頃
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[ 現実味が感じられない私に提案されたのは、 つねるという手段。>>451 こういう時考えることってやっぱり似通ってくるのかな。 そもそも、夢の中でつねったら、 本当に目は覚めるのかな ]
それ、もう鳩羽君が柊君にやったから、 私は遠慮しとく。
[ つねられた柊君の悲鳴も>>139 窓を開けた鳩羽君の叫びも>>57 嫌ってくらいこれが現実だって教えてるのに、 夢じゃないって頭ではわかってても、 やっぱり感情はまだ後方。 だって、こんな小説みたいなこと、 自分の身に降りかかるなんて考えたこともなかった ]
(479) 2021/06/07(Mon) 14時頃
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つねったら化けの皮が剥がれるって、 狐やタヌキじゃないんだから……。
[ いや、狐はつまむ側であって、 つまんだら化けの皮が剥がれるわけじゃないけど。 そもそもあのつまむは騙すって意味であって、 摘まんでるわけじゃないらしいけど ]
(480) 2021/06/07(Mon) 14時頃
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わからないけど、メールの送り主、 探した方がいい気がする。 どうやって探したらいいのかわからないけど。 校舎が文化祭になってるのが、 文化祭の思い出を持っていたいからなんだとしたら、 それって……、
[ メールの送り主の気が済んだら、 この世界は終わるってことじゃないかな。 文化祭をもう一度堪能して、満足して、 この世界が終わったら。 その後メールの送り主はどうなるの? だって、その……自殺、したんだとしたら、 その人の命って。 そんなこと、とても口には出せなくて、 口に出せない私に ]
(481) 2021/06/07(Mon) 14時頃
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[ はあ、って向井君がため息をついた>>452 ]
(482) 2021/06/07(Mon) 14時頃
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[ あ、痛い。心臓が引き絞られるように、痛い。 別に向井君が、私に対して失望したとか、 そういうのじゃないと思う。多分。きっとそう。 そんなのわかってる。わかってるのに。 でも、そういうのとは関係なくて。 思わず向井君から背を向けた。 ぎゅうぎゅうと左手首を握りしめる。 右手の指先に力を込める ]
……わからない。 ごめんなさい……。
[ 無能でごめんなさい。 役立たずでごめんなさい。 有能なふりしてるだけでごめんなさい。
右手の指先にどれだけ力を込めても、 手首から伝わる痛みは鈍くて、 あ、これは明日の朝にはやらなくちゃなって 私はそんなことを思った* ]
(483) 2021/06/07(Mon) 14時頃
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── 少し前:2F廊下 ──
[ 窓の下を見下ろした後、 暮石に視線を移すと足元にいた。>>436
その間、何を思っていたのか、知るよしもない。 そして、現状についての見解を聞く。>>437 ]
─── 誘拐、か だとしても、あまりにも大規模なことだ
[ 対して、炭蔵は番代が誘拐された経験が あるという事実のみを知っている。>>437 現在の彼女の表面的な姿は知れど、 暮石のように会話を交わす機会も少なかった。
ただ、その単語を聞くだけで、 炭蔵の中ではどうしても後悔の念が走る。 ]
(484) 2021/06/07(Mon) 14時半頃
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[ そうして、カッターナイフへと 伸ばしていた手が止まる。>>436
暮石のその指先が、何のために存在していただとか 何故怪我をしないようにしているのかだとか、 そういったものを炭蔵は知らない。 だから、手が止まったことに安心したのは、 だれもに対して思うように、 怪我をしてしまわないか心配していたからだった。
にしても、唐突なその言葉に、 炭蔵もあのメール≠思い返す。 ]
(485) 2021/06/07(Mon) 14時半頃
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……まるで、遺書みたいだったよな もしも、現実に起きていることならば、 送り主は─── どちらにせよ、 いい状態ではないと言うことしか分からない
[ ようやく下にあった顔が上を向いて、 視線が合ったことだろう。>>439
そんなに下から見上げられたら、 流石に前髪の下の目元が覗けたかもしれない。 中身の見えない箱、のような器の眸は、 迷いや動揺、困惑を映し出している。 ]
(486) 2021/06/07(Mon) 14時半頃
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[ へらへらとした笑みが一瞬止む。>>439 暮石は母を亡くしている、その事実は知っていた。
彼女の母がどんな経緯で亡くなったかは知らないが 誰かが、命を手放そうとしている この状況に対してどのように感じているのか、 炭蔵は非常に興味があった。 ]
もし、俺たちの誰かだったら、 暮石はどう思う? ─── 死≠ノついてどう考える?
[ 答えてはくれただろうか? ]
(487) 2021/06/07(Mon) 14時半頃
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生きるということは、 自分を守るということに繋がるのか?
[ 炭蔵にとって、 生≠ヘ善≠ナ死≠ヘ悪 だから、暮石の言葉に疑問を抱いた。>>439 ]
(488) 2021/06/07(Mon) 14時半頃
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[ 非現実的な話ではあるが、 それはこれまで経験したことがないだけで、 目の前では何かが確かに起きている。
それを解明すべく、 炭蔵たちは校内を探索し続けたのだった。 ]
(489) 2021/06/07(Mon) 14時半頃
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── 現在:渡り廊下 ──
[ 後ろめたいと思わせていたとは気付けない儘、>>441 至って普通の高さの一階の床を踏みしめている。
変わったコンセプトのその屋台は、 コスト面は抑えられていても、 やっぱりどこかホラーテイストで浮いていた。
そこに誰かが居たとしても、 炭蔵はまだ暮石のそばにいた。 ]
(490) 2021/06/07(Mon) 14時半頃
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[ さて、暮石は渡り廊下と雪の降る外の境目で、 一体何をしているのだろう?>>442
隣に立ち、外を見る。 高さは正常なのに、踏み出そうとすると 何故だかいけないことをしている気がしてしまう。 足が竦み、前に踏み出せない。
雪が怖い訳でもないというのに、何故だろう。 見えないだろうが眉間に皺が寄って、 諦めたように渡り廊下の真ん中へ戻る。 ]
(491) 2021/06/07(Mon) 14時半頃
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さっきまでの話の続きだが、 暮石はこの文化祭で止まったままの校舎の中に このまま永遠にいたいと思うことはあるか?
[ 渡り廊下に着く前までの話。 誰かが死ぬとか、死にそうとか、 そう言った話の続きだ。 ]
(492) 2021/06/07(Mon) 14時半頃
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……俺は、ないとは言い切れない
[ そうだ、文化祭の頃までは、 炭蔵もまだ優秀で堅物で 正しいものは正しいという 融通の利かない男のままでいられたのだ。 ]
変なことを言ったな。 俺はこのあと三階にも行ってみようと思うが、 暮石はどうする?
[ くしゃりと前髪を崩すようにといた後、 屋台に背を向けて、その場を離れようとする。 **]
(493) 2021/06/07(Mon) 14時半頃
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── 現在 ──
[ 褒めてる褒めてるよーって棒読みで返して>>430 にこにこと雑な笑みを向けておこうか。
わかりやすいって良いことでもあるし、 悪いところも結構あるから。 伝わらなくて良いとこまで伝わったりするし。]
…………。
[ ちゃんと吐き出せているか、の言葉は>>431 思いの外さっくりと痛いところを突いた。]
(494) 2021/06/07(Mon) 14時半頃
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[ 割と細かな文句とかちょっとした事ならば うるさいだのなんだの口から飛び出せる。 不本意な部分があったとしても。
でもそれはほんの一部分だけ。 序の口に過ぎない部分をどうにかこうにか 溢れないように出すことで堪えている。]
…… 鳩羽くんの癖に生意気。 心配しないでも大丈夫だよ。
[ つけたしがあった事にほっとした。 揶揄うように茶化すように、そんな言葉で濁して]
(495) 2021/06/07(Mon) 14時半頃
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限界迎えるまで誰にも話せないとか。 何かを話せるような人が居たら、いいけどさ。
わかって欲しくて話したのに、 それが全部否定されたりしたら哀しいじゃん? そもそも溜め込んだのだって、他人に対して 知られたくないからこそ、話せない、とかさ。
…… むずかしいんだよ。
[ それは言外に、話せてないとも言える語り口と 受け取られても仕方ないものかもしれないけど。]
(496) 2021/06/07(Mon) 14時半頃
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[ かまってちゃんかよ、と言いながら、 なんとなくわかってしまうものだから。
まあまあそれは、 彼も同じ穴の狢らしいけれど>>433 そこまで私に伝わりはしない。]
善処って。
まあ、この状況も勉強の気晴らしだってさ、 そう思った方がいいよ、……多分。
[ 意味わかってる?とくすくす笑って。 この思考こそが現実からの逃避だけれど、 本当にどうでも良くなってたから。]
(497) 2021/06/07(Mon) 14時半頃
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ああうん。クレープ焼きに食堂に。 なんとなく空気にあてられて 作りたくなっちゃった。
[ どこかに行くの、って言葉には ひらりと手を振ってそう返して。足を進めようか。
外は雪なのにこの中だけ賑やかで明るくて、 本当に何処までも奇妙なままだった。]**
(498) 2021/06/07(Mon) 14時半頃
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── 現在:マナ ──
はああ?俺の癖にってなんだよー 俺だって心配くらいするよー?!
[茶化された言葉に茶化した言葉で返す>>495 ─── でも、ホッとしてた。
実はあのメールに心当たりがあったとして マナを暗い気持ちにさせちまったり、さ、 心の痛いところに踏み込んだせいで 怒られたらどーしよなんて 小心者の俺は思ってたり、したからさ
だから、いつものような会話だったこと、 俺はしょーじき、ホッとしてた。]
(499) 2021/06/07(Mon) 15時頃
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[ただ、続くマナのことばには また、ううーん、と悩んでしまうわけで。>>496
話せない、のは。 ある意味わからなくもないから。 ……マナの心の声を借りれば「同じ穴の狢」。]
むずかしい、よなあ そうだ、なあ…
[鳩羽憐、難しいことを考えてはならない。 とたんに、頭が爆発しそうになる。]
(500) 2021/06/07(Mon) 15時頃
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……だから、文化祭なのかな。 勉強の気晴らし、もそうだけど
そいつにとっちゃあ 文化祭で気晴らし、できてたんかな。
カラオケいったり、ボール蹴ったり 飯食いにいったり、アイス食ったり。 例えばそーゆー気晴らし、上手くできなくて 現実逃避の世界なんだか夢なんだかさ、 作る時に文化祭が思いついたんかもなあ
[これがメールの送信者のせいにしろ、 俺ら全員のせいにしろ。現実逃避の夢なら。 嫌なこと、忘れられるなにかだったのかな、って
無い頭で、鳩羽憐は、考えた。]
(501) 2021/06/07(Mon) 15時頃
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……っ、ええ???クレープ?? こんな状況で??
[いやでも、 >>498 クレープ焼きに行くのは驚いていいところじゃね?
大雪だし(扉が開かねーのは知らないとは言え) すぐに帰れないのはしかたねーけど 流石に満喫しすぎじゃね??って俺は思うぞ。
って突っ込んで、マナを見送るんだけど。]
(502) 2021/06/07(Mon) 15時頃
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