14 冷たい校舎村10
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わたし [そう、平塚莉希が死んでも ママは悲しまない。
天野莉希の死を、悲しむだけ。 だってそういう人なのだから。]
(+19) 2021/11/11(Thu) 23時半頃
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わたし [ 平塚莉希は 貴女の どこにいますか? ]
(+20) 2021/11/11(Thu) 23時半頃
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[文化祭が終わって春が近づくにつれ、 どんどん憂鬱になっていった。 進学するにしたって、ママが納得するところに しか行かせてくれない。 レッスンやオーディションだって再開する心算 だろう。
……また雁字搦めの生活に戻る?
ううん、この三年間だって、 糸は絡まったままだったよ。]
(+21) 2021/11/11(Thu) 23時半頃
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[ まるで操り人形のように ]
(+22) 2021/11/12(Fri) 00時頃
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―― 帰還 ――
―――――っ!
[何かに弾かれるようにばちりと目が覚めた。
鼓動が早い。 呼吸が浅い。 嫌な汗だって流れている。 まるで悪夢を見た時のように。
息を落ち着かせながら沈んでいたベッドから身体を 起こした。
えぇと、私何してたんだっけ? ……そうだ。ママと電話して一方的に色々言われて、 しんどくなってベッドに身を投げたんだ。]
(+23) 2021/11/12(Fri) 00時頃
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[窓の外はとっぷりとした闇に染まっていて、 冬の空気が星の光をより綺麗に瞬かせている。 思わず窓を開けた。 窓はすんなりと開いた。 雪は積もってはいなかった。]
……夢、だったのかな?
[夜空を見上げれば綺麗だなぁと思ったけど、 身体が冷えればママに怒られる、とやっぱり すぐにからりと閉めた。]
(+24) 2021/11/12(Fri) 00時頃
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[やることやらなきゃと思って時間を確認しようと ベッドに投げ出されたままだったスマホを手に取る。 そこでいくつか通知が入っているのに気づいた。 それは日食君、それから飯尾先生、和歌奈さんの 順に表示されていて。 どうしたのかなって、一番上の日食君から目を 通した。>>+5]
病院? どこか怪我したのかな?
[もしかして送信先間違えた?なんて思ったけど、 次に飯尾先生のメールを開けば、その意味はすぐに 知れることとなる。]
(+25) 2021/11/12(Fri) 00時頃
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……夢、じゃ、なかった? あの世界は。 ホストは、和歌奈さんだったってこと?
[あの世界で見た同じ文面>>1:1が、一言一句違わず 確かにここにある。 その画面を凝視していると、もう一件、通知が 入った。>>+13]
……行かなきゃ。
[七星さんも帰って来た?って思ったけど、 今はそんなこと気にしてる場合じゃない。]
(+26) 2021/11/12(Fri) 00時頃
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『平塚莉希も帰還 病院、私も向かいます!』
[私もグルチャに返信を打って、部屋を飛び出した。]
(+27) 2021/11/12(Fri) 00時頃
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あの!私ちょっと望月病院に行ってくる!
[下にいた祖父母にそんな声をかけて慌ただしく バタバタしていれば、驚いた二人から一体 どうしたのと声がかかった。]
あ、えっと、その、 友達が、運ばれたって…!
[祖父母は昔里帰りした時は気難しくて厳しい人たち って印象だったけれど、今は孫として普通に接して くれている、と思う。 たどたどしく説明をすれば、二人は顔を見合わせた。]
(+34) 2021/11/12(Fri) 01時半頃
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[望月病院は自転車で行けばそんなにかからない。 コートを羽織ってマフラーを巻いて、迷いなく 飛び出そうとしていれば待ての声が響いた。 こんな夜中に外出は関心しないと。]
で、でも……!
[確かに関心できないかもしれない。 でも私だって子どもじゃない。 どことなくママに似た面影に、雰囲気に、 反論の声はそれ以上出てこない。]
(+35) 2021/11/12(Fri) 01時半頃
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「夜道は危ないから送っていく。」
――――え?
[下を向きかけたら、降ってきた声に素っ頓狂な 声が出た。
私を、心配してくれた? それともやっぱり世間体? なんて考えてしまうのは失礼だっただろうか。
でも断る理由はない。 だって私は病院に行きたいから。]
……お願いします!
[そうして車に乗り込んで、病院を目指した。]
(+36) 2021/11/12(Fri) 01時半頃
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[私食堂に食料があるって書き込みだけ見たわけ じゃないよ。 ちゃんと日食君についての書き込み>>2:281を 見たら、マネキンもちらっと確認した。 保健室のベッドは四つで、女子は五人。 路子さんはどこでも寝れるからとベンチで寝て しまって>>4。 遠慮して空けるのも勿体無いなぁって思ったから 使わしてもらったけど、マネキンを見てしまった せいかなかなか眠れなくて。 だから。]
首大丈夫?
[自販機の所にその姿>>+14を見つけたら、 開口一番にその細い首を確認した。 まぁ大丈夫じゃなかったら日食君も私もこんな ところにいるわけないんだけど。]
(+37) 2021/11/12(Fri) 01時半頃
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本当に苦しかったな、あれ。 死ぬのって、あんなに苦しいんだね。
[日食君の身にどんな現象が起こったのかは 知らないけど、そんな言葉をぽつりと零す。 和歌奈さんも苦しかったかな、痛かったかな。 少なくともその胸の内は、苦しかったのだろう。
七星さんももうついていると教えてもらえば、 私はその姿を探したんだ。]
(+38) 2021/11/12(Fri) 01時半頃
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[ドラマとかでよくあるよね。 暗い病院に赤いランプが灯ってさ。 その前に家族が神妙な面持ちで待ってるの。 まさかリアルで体験することになるとは 思わなかったよ。
ご家族にぺこりと頭を下げた。 この扉の向こうに、和歌奈さんがいるんだ。 ランプはまだ、消える気配はない。]
七星さん、に飯尾先生。 こんばんは。
[二人がどこにいったかを教えてもらえば そちらへと足を向ける。>>+31]
(+39) 2021/11/12(Fri) 01時半頃
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[会いたかったのは飯尾先生じゃなくて七星さんだ。 脇目も振らず傍によればぎゅって抱きついた。 そんなこと今までしたことなかったけど、 しょうがないよね。 ちょっといろいろ情緒崩壊してるんだ。 だから許してね。]
……七星さんも帰って来たんだよね。 みんな、帰ってくるよね。
[二人が何を話していたのかなんて知らなかったけど、 その言葉を聞いたら先生も、信じてくれたかな。]**
(+40) 2021/11/12(Fri) 01時半頃
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