15 青き星のスペランツァ
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― 平原 ―
……そりゃ、ありがたいな。
["失う訳には行かない"。>>3:173 通信機越しの声は、至って真面目な調子に聞こえて。だからこそ、余計に目を合わせられない。自分でも子供じみているとは思う。]
へいへい、帰りましょ。
[ケトゥートゥの名前が出て>>3:174、彼にも心配をかけてしまったか、と少し増える罪悪感。 大の男が二人(片方は今はポッドに収まる液体のすがただが)、小柄なケトゥートゥに怒られる図というのは、なかなかいい見世物になりそうだ……と先を思いやった、その時だった。]
(4) 2021/11/13(Sat) 01時頃
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――ッ
[『マーレ10』の探索において初めて聞く、明確に助けを求める声。 しかもそれは、]
キランディ……!?
[空を飛べるキランディが、助けを必要とする事態なんてそうそうあるだろうか、と一瞬よぎるも。続いて何度も叫ばれるひとつの名前に、血の気が引く感覚。]
ハロ、……
(5) 2021/11/13(Sat) 01時頃
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[二人の座標を確認しようとして、通信機から届く声。>>0 こういった情報はアリババの方が早い。判断も。 ならば何か考えるよりも、彼の言う"マップの地点"まで走るのが先だ。]
了解、こっちはこっちの最短距離で向かう。
[指示されたマップの地点を目的地に定め、二足歩行探査機が砂埃を上げて走り出す。 揺れるドームの中で、取り乱したキランディの叫びが意味をなさない音になっていく>>3:166のを、ただ聞いていた。]
(6) 2021/11/13(Sat) 01時頃
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― "海" ―
[ライジの探査機が到着したのは、アリババより少し遅れてのことだった。 着陸しているマルチコプターの周囲を回り、減速して停止する。]
……。
[採集用ポッドの中でゴボゴボ言っているアリババ>>2を見て、それからキランディの姿>>3を見つける。押している巨大な岩も。周囲にハロの姿はない。 何があったのか、察するには十分すぎる状況だ。]
(11) 2021/11/13(Sat) 01時頃
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……了解。
[自分のせいだと呟くキランディ>>10と、そうじゃないと否定するアリババ>>14のやり取りは、意識して耳に入れないようにする。ただ指示されたこと>>15にだけ頷いて、探査機から降りる。
岩にワイヤーを括り付ける間は無言だった。 その下にいるらしいハロのことも、考えないように。
できるだけ手早く、かつ途中で外れたりしないようしっかりとワイヤーを取り付けて、自分も岩から離れる。]
……終わった。やってくれ。
(16) 2021/11/13(Sat) 02時頃
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[上方のアリババに向けてそう合図を送ってから。 頼む、と言われたキランディに向き直った。]
キランディ。 引っ張り上げる時に別の落石があるかもしれない。 危ないから、終わるまでおれの探査機で待機していてくれ。
[探査機のドームは頑丈だ。万が一岩が落ちてきても操縦席は高確率で無事だし、自分が中にいればドームを開けて出ていくこともさせない。 でかい男(少なくとも体格は男だ)二人は多少手狭だが、暫く我慢してもらうしかない。
さて、素直に言うことを聞いてくれるだろうか。**]
(17) 2021/11/13(Sat) 02時頃
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― 海 ―
[特に抵抗もなく、大人しく探査機に乗ってくれたことにひとまず安堵した。が、吊り上げられていく岩と、その下にあるもの――あるいは、その間で糸を引く何か――が視界に入れば、危惧していた通り、キランディは外に飛び出していこうとする。>>18]
……、
[かける言葉は見つからず、ただ折れていない方の腕を掴み、鋼鉄の腕を回して抑え込む。ドームはこちらでロックしているので開けられはしないが、抑えておかないと強化ガラスに体当たりでもしかねない勢いだ。]
(29) 2021/11/13(Sat) 12時半頃
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[けれど、何事か呟いていたキランディの体からはやがて力が抜けてしまった。>>24 やりすぎたか、と慌てて顔を見るが、どうやら気を失っている様子。呼吸は一応あることを確認して、ほっと胸をなでおろす。 呟きの意味はわからなかった。聞き取れた"死神"という言葉は、気にはなったけれど。ひとつだけわかったのは、キランディも何かを喪ったことがあり――それを自分のせいだと、悔いているということ。]
……アリババ、キランディが気絶した。 腕のこともあるし、このまま中で休ませておく。
[機体の操作に集中しているだろうアリババに一応そう報告し、キランディの体を抱える。 驚くほど軽い体に不安を覚えながら、仮眠用の毛布を広げてその上に寝かせた。毛玉だらけでちょっと臭うが、意識がないなら文句も出ないだろう。長い翼と足を伸ばすほど広くはないので少し丸まってもらった。]
(30) 2021/11/13(Sat) 12時半頃
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[そうして、岩を撤去し終えたアリババの方>>19を見る。 彼はそこから動くことはできない。今この場で動けるのは自分だけだ。]
…………。
[ドームを開けて、外に出る。常とは違い、しっかり閉めてロックをかけてから、地面に飛び降りた。
岩のあった場所に、近付いていく。]
(31) 2021/11/13(Sat) 12時半頃
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……ハロ、……
[見覚えのある色と、見たくもない色が、混ざり合ってそこにある。 キランディからの救難信号はクルー全員に届いているはず。きっとそれぞれがハロの身を案じ、あるいはまだ間に合うと信じて動いている者>>20もいるかもしれない。けれど、
――無理だ。
そこにあるものを。 "本当の本当"を。>>2:69 もう直視してしまった。
岩をどけなければ、ハロは行方不明ということになっただろうか。 ちょっとどこかに行ってしまったけれど、そのうち気まぐれに帰ってくるかもしれない、なんて思えただろうか。
そんなことはありえない。 ハロの身に起こったことは、あの映像と、音声と、通信途絶が示す通りだ。>>156]
(32) 2021/11/13(Sat) 12時半頃
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……連れて帰って、やらないとな。
[口に出した声が震えているのを自覚する。 何度も唾を呑み下しながら、散らばる欠片のひとつを拾い上げようとする。 しっかりと見なければ掴むことはできない。それでも視線が定まり切らない。見たくない、と訴えるように。]
……ッ
[耐え切れず背けた視界の端に、青い色>>26が映る。 そこには、浮遊する青い球体の姿があった。**]
(33) 2021/11/13(Sat) 12時半頃
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― 三日目・海 ―
[駆けつけたチキュウと共に、ハロの体を回収して密閉容器に入れていく。 壊れた発信機も、反重力パンの欠片も。 直接回収する作業の大部分はチキュウに任せたかもしれない、よく覚えていない。正直、吐き気を堪えるので精一杯だった。
探索が始まる前、談話室でぶつかった軽い感触>>0:98が胸の辺りに残っている。 一度だけ手を止めて、衝突した辺りに少し触れて。
その後は、もう何も考えないようにしたと思う。]
(34) 2021/11/13(Sat) 16時頃
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[回収を終えた容器をアリババに託して、ごつごつした岩場を穏やかな波が洗う、"海"の岸辺にしゃがみ込んだ。 その拍子に長靴の先が小さな石ころを蹴飛ばして、高い音を立てて転がっていく。
ころころ、ぽちゃん。
跳ね返って"海"に落ちた石ころが、小さな飛沫を上げた。 何とはなしに、ぼんやりと水面を覗き込む。 丸い石が沈んでいく。
その輪郭が、深い青に溶けて、やがて、見えなくなる。]
(35) 2021/11/13(Sat) 16時頃
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…………。
[深い水の底とは、一体どんな景色だろう。>>3:120 光はどこまで届くのだろう。
どこまでいけば、]
(36) 2021/11/13(Sat) 16時頃
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……――、
[暫くの間、男はぼうっと水面を見下ろしていて。 声をかけられるか、マルチコプターの駆動音でも聞こえれば、は。と我に返って帰投の準備をするだろう。 キランディの手当もある。早く戻らなければならない。]
(37) 2021/11/13(Sat) 16時頃
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― 三日目・タラップ ―
[それから、もう日も暮れた頃かもしれない。 オレンジ色の二足歩行探査機が、がしょんがしょんと『スペランツァ』に戻ってくる。怪我人を乗せているため、極力揺れないようにゆっくり歩いてきたのだ。気をつけたところで揺れるものは揺れるのだが。]
……。
[空を見上げる。 アリババの操るマルチコプターはきっと、回収したハロと共に先に戻ってきているだろう。]
(38) 2021/11/13(Sat) 16時頃
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[通信機をオンにして、タプル宛に通信を送る。]
……タプル。 キランディが怪我をしてる。 処置室に連れて行くから、診てやってくれ。
[それだけ伝えて、キランディを連れて探査機を降りる。 まだ意識がないなら抱えて、歩けそうなら肩を貸して、処置室へ向かった。**]
(39) 2021/11/13(Sat) 16時頃
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─ 三日目・日没後 船内通路 ─
[格納庫からの帰り道。 泥を洗い流す作業も終えて、コーヒーでも飲むかとロビーに向かっていたところに、聞き慣れた挨拶の声>>40がかかった。下を向いていた視線が僅かに上がる。]
……ケトゥートゥ。 あー……、ただいま。
[この挨拶をする時のケトゥートゥは、いつも笑顔だ。 今も……口元は笑っている。ように見える。口調も穏やか。特に剣呑な雰囲気はない。そう思う、のだが。 何故か目を合わせられず、視線が壁際に逃げた。]
(41) 2021/11/13(Sat) 17時頃
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― 三日目・処置室へ ―
右腕が折れてる。 なるべく動かさないようには気をつけた。 あとは、頭にも少し傷がある。こっちはそんなに深い傷じゃあないが……
[タプルからの質問>>42に答えつつ、通信で伝えられる処置は、可能な限り行う。]
……怪我人は他にはいない。
[短く答えて、少しの間。 わかってる、タプルが聞きたいのはそういうことじゃない。告げなければならない。望まれた答えでなくとも。]
ハロは、 ……間に合わなかった。 アリババが連れて帰ってくれてる。とにかく今は、キランディを頼む。
[後で会いに行ってやってくれ。とは、言えなかった。 迎えの担架がやってくれば、そちらにキランディを託して、タラップに置いてきた探査機をとりに戻るだろう。*]
(44) 2021/11/13(Sat) 17時半頃
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─ 三日目・日没後 船内通路 ─
[怒ってない、と言われれば、やっと視線を相手の顔に向けた。なんだかしょぼくれた大型犬のような目をしている。]
おれも、帰ってきたら色々言われると思ってたんだが。
[気まずそうに頭を掻く、その手はグローブをしていない。 "海"での作業で色々な付着物があったので外したのだ。もしかしたら何かの解析に必要で、どこかで調べられているかもしれないが、ともかく、手元にはない。 冷たい金属の義手が剥き出しになっている。]
……ん。 外の方がいいか?
[提案には素直に頷く。 二人だけがいいのだろうことは流石に察した。 タラップの近くか、それとももう少し船から離れたところか。]
いいぜ。おまえの好きな場所で。*
(45) 2021/11/13(Sat) 17時半頃
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[『キジン』はかつて、金の砂漠が広がる美しい星だった。
そこに住む人々は皆若く、無垢で、金色の瞳をしていた。 歳をとらず、飲食を必要とせず、疑いも争いも知らず、ただ穏やかに時を過ごす種族だった。 命が尽きる時、その体は細かい金の砂粒に変わり、砂漠の一部となる。 それが『キジン』の民の"死"だった。
辺境に位置していたため誰にも知られることなく、ひっそりと存在していた『キジン』に、ある時小さな宇宙船が流れ着いた。
地球を離れて様々な星に散らばり、もはや故郷も忘れ果てた移民達。その中にあって秩序に馴染むことができず放浪していた、略奪者達を乗せた船が。]
(53) 2021/11/13(Sat) 20時頃
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[船から降りた人々は、広がる金の砂漠に価値を見出した。 この星は金になる。 彼等は星の場所を隠し、『キジン』の砂を売り始めた。
悪意というものを知らぬ『キジン』の民は、代表者を出して略奪者達の元を訪れた。 "砂は先祖の骸であり、我々の一部であるから、持っていかないで欲しい。" そう懇願したものの言葉も理屈も通じるはずもなく。 交渉に向かった数人が戻ることはなかった。
そして、略奪者達は"『キジン』の現地種族は金になる"という事実を知った。]
(54) 2021/11/13(Sat) 20時頃
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[それから数世代。 砂漠の金砂は掘り尽くされ、『キジン』の地は大きく様相を変えた。
流れ着いた移民を祖とする人々は"採掘"として現地種族狩りを平然と行い、天敵がいなかったため身を守る術を持たない『キジン』の民はあっという間に数を減らした。
もう獲物がいないと判断された土地は放棄された。 人々は小さなキャラバンのような集団に分かれ、僅かな砂金を巡って争うようになった。
ライジ・チリガネはそんな集団のひとつで生まれた、略奪者達の末裔だ。*]
(56) 2021/11/13(Sat) 20時頃
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― 三日目・日没後 船外 ―
[長靴を引きずるように、小さな背中を追う。 あんまり思い出して欲しくないなあ>>49、なんて思いながら。
タラップを降りて外に出ると、辺りはもうすっかり暗い。『スペランツァ』以外に人工の明かりはなく、星がよく見えた。 ケトゥートゥの隣に座る。横目で表情を窺うが、暗くてはっきりとはわからなかった。]
……。
[泣かない理由。 古株だからとか、年長者だからとか、適当な理由を挙げることもできるが。なんとなくバレる気がした。]
(57) 2021/11/13(Sat) 20時頃
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泣くってのは、悲しい気持ちを外に出すことだ。 多分、そうしたら少しだけ楽になる。
[大声で泣くこと>>1:12も。涙を零すこと>>1:23も。背負い切れない悲しみを外に出して、時には誰かと共有して、少し荷を軽くすることだと男は思う。]
……おれは自分のことを、楽になっちゃいけない人間だと思ってる。 昔の仲間を置き去りにして、逃げたことがある。"助けてくれ"って声を無視して、ひとりで逃げちまった。 ひどいやつだろ。
[星を見上げたまま。だから泣かない、そんな資格はないのだと、そう答える。]
別に悲しんでないわけじゃないぜ。
[付け足した言葉も、ケトゥートゥにはきっとわかっていると思う。そうでなければこんな場所に呼び出して、こんな問いかけはしてこないだろう。 それでもつい口にしてしまったのは、表立って悲しさを表せないことに、どこか罪悪感を覚えているからかもしれない。*]
(58) 2021/11/13(Sat) 20時頃
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― 三日目・日没後 船外 ―
[わかる気がする、という言葉に、僅かに目を見開いて弟分を見る。]
……そうだな、そう言ってくれる気持ちはありがたいが。 そうなっちまうな。
[もしもそう言われたとして、それは自分を気遣う言葉であることはきっと、間違いないから。 けれど、素直に受け取って、自分を許せるかどうかは別の問題だ。だから、ケトゥートゥの問いかけ>>64は正しい。
誰にそう言われても、きっと許せる日は来ない。 あの時見捨てた仲間も、故郷も、もうない。 取り返しは二度とつかない。]
(74) 2021/11/13(Sat) 23時半頃
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……そっか。
[ハロの身に起きたことはもう知っているはずなのに、あの大きな泣き声は聞こえてこなかった。今も、ケトゥートゥは泣いてはいない。彼の、いつもの弔い方ではない。 そこにどんな後悔があってそうしているのかは、わからないけれど。]
それなら、おれの分まで、あいつの元気な姿を覚えておいてくれ。
[自分はもう、無惨な最期を見て、触れてしまった。 ハロが無邪気にくるくる回る姿を思い浮かべても、どうしても、あの光景が、感触が、ちらついてしまう。 だから代わりに、覚えておいてくれればと思う。>>65]
(75) 2021/11/13(Sat) 23時半頃
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[つらい。苦しい。 それを言葉にすることは、今までしてこなかった。それも、無意識に許されないことだと思っていたのだろう。そんなことを零す資格もないと。]
ケトゥートゥ、
[言葉が詰まる。喉の奥が圧されるような感覚がある。 きっと、ずっと誰かにそう言って欲しくて。>>66 そう、言ってしまいたかった。]
……ああ、 そうだな、……くるしい、な。
[呟いた声は、掠れてほとんど息のようで。 ケトゥートゥの頭に手を伸ばす。普段の気遣いの足りない雑さではなく、余裕のない、どこか縋るような手つきで、その髪を撫でた。*]
(76) 2021/11/13(Sat) 23時半頃
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[『キジン』でのライジの仕事は、持ち込まれた砂金を選別し、量り、袋に詰め、輸出用の船に積み込むことだった。 オレンジ色の二足歩行機も、その頃はまだ開発されたばかりの新型運搬機だった。
仕事に疑問は持たなかった。 運ばれてくる砂金の山――時には手足や顔のような輪郭の残った状態のそれらを、ただそういうものだと思って処理していた。
きっとそれが、そもそもの間違いだったのだ。]
(83) 2021/11/14(Sun) 01時半頃
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[『キジン』の民の最後の一人が死んだ時、ライジもその場にいた。 生きている姿を見たのは初めてだった。 金の瞳、金の唇。 それは美しい女のかたちをしていた。
捕らえられた女の頭に、スコップが振り下ろされて。
人の形がさらさらと崩れて、眩むような輝きの粒になる。 見慣れた金色の砂に変わりながら、その唇がかすかに動いた。]
" "
[何を言ったのか、その場にいた誰一人としてわからなかったが。 その響き、表情には。 それまで『キジン』の民が持たなかった怨嗟があった。]
(85) 2021/11/14(Sun) 01時半頃
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