14 冷たい校舎村10
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[飯尾先生もいたから思わずこんばんわって 出ちゃったけど、構わず七星さんはおかえり! って迎えてくれたら>>+41、私は駆けだした。
抱きしめて抱きしめ返されるとか、遠い記憶で しかないんだ。 そもそも私がそんなに抱きしめる、なんて行為を することがないせいなんだけど。 壁を作っているつもりはないけど、踏み込む勇気が なかったのかな。 しゃんとしなさいって、甘えることもいつしか 怒られるようになっちゃったもんね。
だから背中の撫でられる感覚に少しずつ落ち着きを 取り戻せた。 雪の中つないだ手よりも、貰ったホット珈琲よりも、 腕の中は温かかったから。]
(+0) 2021/11/13(Sat) 00時頃
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[七星さんははどんな体験したのとか、 今頃二人分のマネキンがあの世界にあるのかなとか、 そんな話題も浮かんだけど、肝心の言葉を言えて いないのに気づいて顔をあげるんだ。]
えと……ただいま。 それから七星さんも、おかえり。
[勢いで抱きついてしまったことが今更ながら 気恥ずかしくなってきて、顔に滲ませながら その言葉を口にした。]
(+1) 2021/11/13(Sat) 00時頃
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[でも身体が離される気配はなく、まぁいっかって そのまま甘えていれば]
ふぇ。 あ、えっと、うん。
[同意を求める七星さんの言葉>>+42。 何も把握していない私はにあっけにとられ ながらもなんとか反応する。
あの精神世界のこと先生に話してたんだ? なんて小声で確認していれば、先生は今やっと 信じた、というかしょうがないから信じてやる、 みたいな態度をとる。>>+43 続く言葉には、私もドキリとした。]
(+2) 2021/11/13(Sat) 00時頃
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[和歌奈さんが帰ってこない可能性。
あの精神世界がどういうものなのか私は知らない。 ホストが帰れるのかどうかすら。 帰りたいと思えば帰れるものなのか。 死ぬ前に見る走馬灯のようなもので、ホストは そのまま死ぬことになるのかもとか。
……そもそも、 何に悩んでいたのかすら知らなくて。]
……私が連れ戻せなかったのに 他のみんなを責めるなんて、出来ないです。
[ぎゅっと唇を噛んだ。 自分は無力だなって、そう思う。 一緒に過ごしている間、何も気づかなかった。 あの世界でだって、何も出来なかった。]
(+3) 2021/11/13(Sat) 00時頃
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七星拳 ナツミは、メモを貼った。
2021/11/13(Sat) 00時頃
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でも全員帰ってくるのを、 信じて待つくらいはいいですよね。
[今はただその希望に縋りつきたかった。 私、誰にも死んでほしくないんだ。
ぎゅって七星さんの服を握りしめて、 手術室の方を見つめる。
ねぇ、今和歌奈さんは どんな気持ちなのかな?]**
(+4) 2021/11/13(Sat) 00時頃
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─── あの日の猫カフェ ───
らっしゃいらっしゃい
[絶対にその客引き方法ではないと思う。 けれども誰か来れば>>3:215>>29、きっと喜ぶ。 開店休業じゃ、つまらないから。]
(+5) 2021/11/13(Sat) 08時半頃
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[ほんの一時のお遊び。一段落つけば、最後の1人が帰るタイミングで。]
オレ、もう少しだけいるわ。じきに戻るからさ。
[そろそろ時間だ。朝は食べたけれど、昼は食い損ねたからな。 する必要があるとは思えなかったけれども、後片付けはしないといけない気がしたから。]
(+6) 2021/11/13(Sat) 08時半頃
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[その時、再びエレベーターの扉が開いた。 現れたのは、1匹の黒猫。 オレが付けている雑な猫耳と同じように、片耳が垂れている。]
逆じゃん。
[猫が客かい? 猫カフェって、そういうもんだっけ。 多分、オレが知ってる猫カフェはそうじゃない。]
いいか。減るモンじゃねーし。
[そっと黒猫に手を差し出した。]
(+7) 2021/11/13(Sat) 09時頃
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いいよなぁ オレも、猫になりてえ。
[すっと猫を持ち上げれば、そんなことを呟く。 もっと楽で、自由に、走り回りたいな。]
いらっしゃいませ、ご注文はキャットフードですか?
[毛並みの暖かさを感じながら、そんな冗談を。]
(+8) 2021/11/13(Sat) 09時頃
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[確かにペットは飼いたかったけれど、これは文化祭でやり残したことではないな。 そんなことを思いながら暫く黒猫と戯れていると、再びエレベーターの扉が開いた。 そこには]
よっ、店番終わったろ? 1on1でもしようぜ!
[挑発的に笑うオレが立っていた。]
(+9) 2021/11/13(Sat) 09時頃
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[驚きはなかった。 なぜかそれが当たり前だったかのように、その状況を受け入れることができた。 そしはもう1人のオレにとっても、同じらしい。]
んだよ、せっかく人が楽しんでたってのに。 猫ちゃん、ちょっと待ってな。
[黒猫をその場に降ろせば、目の前の"試合"に集中する。 相手にも上背は無い。なら、小細工なんていらねぇ。正面からゴリ押しするだけだ。]
(+10) 2021/11/13(Sat) 09時頃
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[───けれども。
もう1人のオレはとても強かった。 同じ体格で、同じ技術を持っていて、同じ経験があるはずなのに。 どうあがいても勝てる気がしなかった。
オレを舐めんなよ、その理由はちゃんと分かってんだ。 あいつには、迷いがねぇ。 だから一瞬早く動けるんだ。]
(+11) 2021/11/13(Sat) 09時頃
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もう降参か? ゴールはここにあるぜ?
[いつの間にか、エレベーターの中にバスケットのゴールがあるシュールな光景になっていた。]
もう降参してえ。 んなこと気にせずに、ずっと猫と遊んでいてえよ。
[そう口にした途端、エレベーターはゆっくりと遠ざかっていく。教室と、エレベーターの床との間に深くて暗い谷が広がりはじめる。]
(+12) 2021/11/13(Sat) 09時半頃
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んじゃあ、オレが"勝ち"を貰っちまうってことで。
[その言葉を聞いた時、再びオレの足が動いた。 負けず嫌いなのは、譲れねえか。
なぜかそいつの手には、あの日の答案用紙>>0:477が握られていて。]
こんな安挑発に負けてられっかよ。
[床の端までやってきたが、そこで再び足が止まってしまう。 元々身体能力で身長を補ってきたんだ。ジャンプ力には自信がある。それをもってしても、ギリギリの距離。 迷っている間にも、エレベーターはどんどん遠ざかっていく。]
(+13) 2021/11/13(Sat) 09時半頃
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[休め、何も変わんねえ>>2:213と言われた。 その言葉が脳裏によぎる。
そんなこんなで迷っていれば、後ろから唸り声が聞こえてきた。]
シャアアアアア!
[いつの間にか、猫は恐ろしげな黒豹に姿を変えていた。 そしてその声はご丁寧にも
全く可愛くないと言われた、オレの猫語。]
(+14) 2021/11/13(Sat) 09時半頃
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[行くも地獄、帰るも地獄。 だけれど中途半端はもっと地獄。 進退窮まったオレ。
普通の人だと認められない? いいや、違うな。 普通の人でなんて、いられねぇんだ。
いずれどちらかを選ばなきゃいけない時が来る。]
(+15) 2021/11/13(Sat) 09時半頃
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[黒豹は襲い掛かってくる5秒前。エレベーターは届かなくなる5票前。 ようやく理解した。オレは休みたかったって言うより、1番でなくなるのが怖かったって言うより。
消えちまった心の炎に火をつけて欲しかった。
誰かにケツを叩いてほしかった。]
当たって砕けろ! もうどうにでもなれ!
[迷っていても、まず動け。バスケを始めた日に、先輩から教わった至言。 だからオレの体は宙に浮いていた。]
(+16) 2021/11/13(Sat) 09時半頃
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甘くねえか。気合いだけで乗り切れるほどは。
[迷いはどこまでも追いかけて来る。 迷いの正体はどこまでも逃げていく。
ジャンプした途端にエレベーターは遠ざかるスピードを上げた。 黒豹は教室から跳んでなお、オレのすぐ背後まで迫ってきた。]
もう少し早く決断していれば。 ああ、これが。
後悔ってやつか。
(+17) 2021/11/13(Sat) 09時半頃
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[あと数十センチ、エレベーターの縁に手は掛からなかった。 僅かな差でボールを奪えなかった、インカレの時のように。
黒豹の爪に己の肉体が切り裂かれるのを感じた。]
嫌だ。オレはまだ!
[そこで確信を持つことができた。 この世界を作ったのは、オレじゃねえ。]
(+18) 2021/11/13(Sat) 10時頃
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[なあ、どこかで聞いているのか。見ているのか。 どこにいるとも分からない、そいつに向かって。 お前は死のうとした時、どう思った? やっぱり嫌だと思ったのか、それとも。
痛む体、落ちていく感覚。 それはどこまでも続く。
答えは聞かねぇよ。 おめえが何と言おうとオレは、こんなので納得する奴がいるなんて、こっちのがマシだと思ってた奴に気付かなかっただなんて。
認めねえ。]
(+19) 2021/11/13(Sat) 10時頃
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[後には爪跡の残るマネキンがエレベーターに転がっているだけ。
届かなかったはずのエレベーターの中にあったマネキン。 その意味は、雄火自信にも分かる日は来ないだろう。]
(+20) 2021/11/13(Sat) 10時頃
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─── 現実世界 ───
あっ、この野郎! いってえー!
[どこから忍び込んで来たんだ。野良猫に引っ掻かれた痛みにオレは飛び起きた。
いつの間にか体育倉庫のマットで眠ってしまっていたらしい。 だからあんな夢、見たのかな。 夢の中で寝ているのも変な感じだけれど。]
(+21) 2021/11/13(Sat) 10時頃
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今何時だぁ? つーか、部員共誰か起こせよ。早く下校しねえと、また守衛のおっさんに叱られちまう。
[焦りとともに、時間を確認するためにスマホを開けた。 そこには、見たことない量の通知が。]
(+22) 2021/11/13(Sat) 10時頃
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かわ・・・・・・い?
[正夢か。 いいや、そんなちゃちなもんじゃねえ。 とにかく、こんな時にする事はただ1つ。]
迷っていても、まず動け!
[体育館から飛び出す。もう扉が開かないだなんてことはなかった。 オレは病院へ向かって自慢の快速を飛ばす。 どんな試合よりも、速く走ることができたオレは、病院へ飛び込むのだった。**]
(+23) 2021/11/13(Sat) 10時半頃
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[ 我に返った莉希ちゃんは体を離そうとしたかな。>>+1 だけどあたしは離してあげない。 離すもんかってぎゅうぎゅうしちゃう。
莉希ちゃんの内緒話に、あたしはうんって頷いた。>>+2 こんな突飛な話、あの校舎に行ったあたしたち以外の人に 話しても、信じてもらえないかな? だけどあたし、誰かに話したかった。主張したかった。 文化祭主要メンバーのあたしたちには、 こんな絆があるんだー!みたいなこと。 だから和歌奈ちゃんは帰ってくるって 和歌奈ちゃんが助かることには、確かな根拠があるって あたし、多分そう主張したかったんだと思う ]
(+24) 2021/11/13(Sat) 11時半頃
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[ 連れ戻せなかったのにって莉希ちゃんは言った。>>+3 その言葉にどきっとする。 私も和歌奈ちゃんを連れ戻せなかった。 なんにもできずに帰ってきちゃった。 でも、今あたしが気になったのは、 莉希ちゃんの声が、自分を責めてるように 聞こえたことだった ]
莉希ちゃん。 ……自分のこと、責めちゃ駄目だよ。
[ 先生の「責めてやるな」の中には、 今校舎にいるみんなだけじゃない、 あたしのことや、莉希ちゃんのことも含まれてると思う。 和歌奈ちゃんがもしも……もしも、帰ってこなくても。 あたしたちに、自分を責めるなって。 先生はそうも言いたいんだと思う ]
(+25) 2021/11/13(Sat) 11時半頃
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あたしもさ……なんにもできずに帰ってきちゃったし、 今も和歌奈ちゃんがどうして飛び降りちゃったのか、 わかんないままだけど。 でも、あたしたちがあの校舎に呼ばれたことにも、 きっと何か意味があったって思うんだ。
[ 帰ってきちゃったあたしたちは、 もう信じて待つことしかできない。 全員帰ってくること。>>+4 和歌奈ちゃんが、帰ろうって思ってくれること ]**
(+26) 2021/11/13(Sat) 11時半頃
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[現実に孵った……もとい、帰ってきた。]
(+27) 2021/11/13(Sat) 16時半頃
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— 自宅 —
[背中がとても冷えている。 どうやら壁に凭れかかったまま眠っていたらしい。
首筋をさするけど、そこに傷はない。 あまりにも明晰な夢を思い出していた。
いや、もしかしたら夢じゃないのかもしれない。 人の頭の中に閉じ込められるという話が本当であれば、 自分はまさに、あそこから帰ってきたところなのだ。
確かめるようにスマホを開けば、 >>3:+3>>3:+8虎次郎と飯尾先生からの連絡が入っている。
自殺をしようとした人物の名前がそこに添えられて。]
(+28) 2021/11/13(Sat) 16時半頃
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……なんだよ。 そういうことかよ。
[夏見さんのマネキンを一緒に運びながら、 どうにも妙な感覚を覚えたけど、 あいつがそうだったなんて突きつけられれば、 頭の中がぐるぐるして訳がわからない。
あの場所でずっと何を考えていたのだろうか。 俺にはやっぱり分かりそうになくて。]
(+29) 2021/11/13(Sat) 16時半頃
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