15 青き星のスペランツァ
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― 船内通路 ―
[いつものように、自室から職場である談話室へ向かう道すがら。常と変わらず大きなかぼちゃ頭を左右に揺らしながら、てくてくと犬の四肢で通路を歩いていたところ。 ふと、首から下げた端末が、ぶるりと振動する。ちかちかと赤く点滅する。おや、と思う。けれどもこの犬の体とかぼちゃ頭では、すぐに端末を確認することができない。談話室に向かって走っていく。いまいるところなら、自室に戻るよりそのほうがずっと早い。 かしょんと開いたドアの向こうへ跳びこんで、テーブルにごとっと端末を置く。こうしないとうまく画面を見られないから。赤いランプの点滅を浴びながら、画面の表示をたしかめる。]
アーシモフ、アシーモフ、アシモーフ……。
(15) 2021/11/09(Tue) 04時頃
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― 談話室 ―
[何度か頭の上に載せたことがあった。背中に載せて歩いたことも。座ってぼうっとしている間に、通り道にされたことも。 だけどもう、アシモフには二度と自分の上を走り回ってはもらえないんだって、端末の表示が言っていた。 あのやわらかくて温かい滑らかな毛皮と、小さな肢が触れることも。 かぼちゃ頭が揺れる。あの白いちいちゃな塊のことを思い出して、びっくりするほど悲しいのに。かぼちゃ頭の奥にあるのはランタンじみた明かりだけで、そこに涙の蓄えはなかった。ただじっと端末を見つめるだけ。泣くことはできなかった。そのことを知ってしまった。この先もずっと。**]
(16) 2021/11/09(Tue) 04時頃
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ランタン ジルは、メモを貼った。
2021/11/09(Tue) 04時半頃
ランタン ジルは、メモを貼った。
2021/11/09(Tue) 04時半頃
[花を供えながら、ヨーランダにしか聞こえぬようにぽつりと呟く。]
死んでもうたら花なんてもろたって、
うれしいかどうかようわからんけどなあ。
でも、綺麗やな。
[献花台に花を置いたからといって、アシモフが生き返るわけでもない。
いくら時間を置いても、それを確かめることになるばかりだ。
溜息を吐くように毛がしぼむ。]
あしもふ はな みる ない。
はな ぎろちん あしもふ あう する あいさつ。
はな きもち。
[カプセルの中にいるアシモフが花を見ることはない。だが、花を供えることは会いに来たと伝える手段だと、ヨーランダは思っている]
ぼく しぬ はな もらう うれしい きっと。
しぬ おもう される うれしい。
しぬ ぼく わすれる される かなしい。
しぬ わすれる しない ぼく しごと。
[死んでからも自分のことを思ってもらえたら、きっとうれしいだろう。故郷では忘れ去られた存在だからこそ、強くそう思う。
ヨーランダは「人の記憶から忘れ去られたときに人は二度目の死を迎える」と思っている。
もしかすると覚え続けていることが、墓守の本当の仕事なのかもしれない]
あいさつかあ。なるほど。
置いとるだけやとただの死体やけど、花置いたら周りは綺麗になるし、そいたら傍に寄りたくなるし、見た目もええ。
[弔いの意識が薄いギロチンが、ヨーランダのいう"きもち"を汲めたのかはわからない。ただ、一定の合理的な納得はいったようだ]
……ウチなあ。
いつかは"ママのために"死ななあかんねんな。
せやからあんま考えたことなかったなあ。
"自分"が死んだらどうして欲しいかとか。
[ギロチンのいうママ——不死の女王は、己が死なない代わりにその分体たる子供らの死の記憶を望む。
ギロチンたちの星では、死は個人のものではなく女王へ捧げるものなのだ。
ギロチンが『スペランツァ』に乗り込んだのには、そういった死のサンプルを収集する目的があった。
みんなには内緒やで、と毛玉に目が埋もれる。
あくまで研究のためと募られた乗組員たちの死を、研究材料としてではなく星の意向として観測することを望むのは、星空間倫理にも抵触しかねないからだ。]
しぬ さびしい ちがう おもう。
[棺ごしにアシモフの頭を撫でる。声をかけても聞こえることはない。
それでも冷たい棺に眠る者たちに声をかけ続ける。覚えているよと、側にいるよと]
ぎろちん しぬ ない。
しかし かのうせい そう、 ぎろちん ほしい こと ぼく する。
[そうならないことを望んでいる。だが、もし、万が一そうなったら、ヨーランダはギロチンの望んだことをするだろう]
ぼく しる ぎろちん、 ぎろちん ひとり。
[ギロチンの言葉から
「きっと目の前にいるギロチンは、母体にとって端末の一つだろう」
とヨーランダは考えた。だが端末だろうが何だろうが、ヨーランダにとってギロチンは今目の前にいるギロチンだけなのだ]
ぎろちん しぬ きもち、 まま ないしょ。
きもち じぶん だけ。
[だからそうなったときは死の記憶は捧げても、『スペランツァのクルーであるギロチン』の抱いている気持ちだけは捧げないで、自分のもののままでいてほしかった]
[アシモフが撫でられている姿をじいっと見る。
死したものが惜しまれる、という、女王だけが持つ特権を、他の星の者はいとも容易く持っている。
そのことがすこし羨ましくも思えた。]
うん……ヨーランダはんに覚えてもろてたら、
さびしくないかもしれへんな。
みんなにお花もろて、話しかけてもろて……
時々、キレーなもんが見たいなあ。
[羨ましくなったから、つい饒舌に希望を述べる。
死を個人のものだと思えないギロチンにとって、死んだあとにも自分自身を想ってくれる者がいるというのは、それだけで甘美な想像だった。]
……ないしょかあ。おもろいな。
死人に口なし、ていうんやろ?バレへんやん。
[用法は微妙に違ったが、それは間違いなく、いま生きているギロチンにとっては救いの言葉だろう。
嬉しそうに膨らむと、ヨーランダの痩躯に飛びついて、思いっきりまとわりついて、毛だらけにした。]
[ギロチンの要望にこくりと頷く]
はな いっぱい ある。
みんな いう だいじょうぶ?
とくべつ ぎろちん はな いっぱい そなえる。
[そうなったとき、ここに来た人にギロチンがそう言っていたと伝えていいか。そう言っている]
うん、 ないしょ。
ぼく ぎろちん ふたり ひみつ。
ぼく いう ない。
まま しる ない。
[ギロチンの種族のことをヨーランダは知らない。だが、一人だけ、一人くらいは変わり者の、記憶を独り占めするようなのがいてもいいと思う。
ギロチンがまとわりついた男からは、仄かに獣のにおいがしたかもしれない]
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