人狼議事


29 constellation

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……けど、瑠璃川がしなくてもいいんだ。
すげえ酷い話になるけど……。
死んだら、パイロットは交代できる。

[感情を無理矢理押し殺した、静かな声で康生は語る。]

──瑠璃川に限らず、さ。
「んなことするなら死んだ方がマシ」だってんなら
文字通り、そうやって逃げてくれていいんだ。

[逃げたい者が全員死という形で逃げ出せば、いずれは私か康生の番が来る。そうなれば自分がするからと、そう言ったに等しい。二席分を占めているのだから、当たる確率が相応に高いというのも計算の内だろう。]

[柊木康生は大和命ではないから、そんな道しか示せなかった。*]


珊瑚宮連邦 ルリは、メモを貼った。

2023/11/18(Sat) 05時半頃


【人】 珊瑚宮連邦 ルリ

──数年後の私たち──

「うん、私もマーメイドの素敵だなって…。
 命くんもそう思ってくれたなら嬉しい!」


>>46実際、そう考えてたところで意見が一致したから破顔してしまう。
身体のラインがはっきり出てしまうのは少し恥ずかしいけど、それでも足の付け根の少し下からふわあっと広がるレースが少し透けて、本当に綺麗だったんだもの!
少しドレスの裾が長いけど、お母さんのヴェールもすごい長いからきっと合うと思うの。
それはぜひつけて欲しいって父さんにも言われていたからね。

でも、誰を誘うかについては少し考え所だった。

(64) 2023/11/18(Sat) 13時頃

【人】 珊瑚宮連邦 ルリ

「命くんがお友達誘いたかったら良いのよ?
 私も命くんが誘うなら何人か誘うし…。」


勿論、天文部のメンバーは誘う予定だし、専門学校の友人はどちらかと言えばプロの技を見たい人が多い。あと圧倒的に女子が多い。
ただ、恵一くんと柊木くんと一緒にやるから同性婚に否定的な人は誘わないけどね。
>>47さまざまな決め事の中で、勿論大和くんに友人がいないとは思わないけど、ほら、飲み会とかもお互いあまり参加しない気がして。
私は誘われても家事があるし、参加した時も早めに帰っちゃうから…だって早く帰って命くんに会いたい。命くんのご飯作らなきゃって。
飲み会に参加した時はお迎えに来てもらったり、お迎えに行ったりもしたかもね?
まあ何が言いたいかと言えば、私のために友人関係狭くなってたりしないよね?ってこと。
もしまだ私が誰にも会えてないなら、これからもよろしくお願いします、とかもしたいもん。
あっ、私は無理してないよ!楽しんで学生生活してます!

(65) 2023/11/18(Sat) 13時頃

【人】 珊瑚宮連邦 ルリ

そうして、迎えた晴れの日。
私はブループルメリアを使った白と青を基調としたブーケを手に、マーメイドラインのドレスを身に纏う。
髪の毛をアップにしてキラキラした宝飾品もつけて。けどいつも身につけていた黒檀の婚約指輪も今は外して、お母さんの長いヴェールを被る。
そうして父さんと並んでヴァージンロードへ。


父さん、もう涙ぐんでる。
私はドキドキしながら、父さんの腕に手を添えて長いその道を歩いていく。

大好きな、唯一の人のところへ。**

(66) 2023/11/18(Sat) 13時頃

【人】 珊瑚宮連邦 ルリ

──数年後の私たち──

『私はマーメイドラインのにしたよ!
 私も綺麗だと思ったし
 命くんも似合ってるって言ってくれたしね。

 あ、もし康生くんがドレス着るなら
 プリンセスラインかAラインが似合うかなあって。
 どうかなあ?
 それとも、タキシードドレス?とかにするの?』


>>70式の前、恵一くんから送られてきたメッセージにはそう答えた。
一緒に、ドレスを選んでいた時に命くんに撮ってもらったドレス写真も送る。
マーメイドドレスで身体のラインがよく出てるそれは、レースもたくさんでとても綺麗。
髪型とかはいつもの私だけど、ちょっとお澄まし顔で写ってた。
康生くんはどんなの切るんだろうなあ。
なんとなく、恵一くんがドレスじゃない気はしてるんだけど。

(110) 2023/11/19(Sun) 12時頃

【人】 珊瑚宮連邦 ルリ

結婚式当日は、式の前にお互いに顔を合わせる機会があったから、その時に嬉し恥ずかし──だってとっても命くんカッコいいもん。
だから褒められたなら、私も命くんカッコいいよ、と小さくも素直に伝えていた。

ヴァージンロードを歩く。
父さんと一緒に、きっと母さんもそばにいる。
義理のお母さんはもう家族席にいて──知ってる人も知らない人も沢山チャペルに座っていた。
モニターだから、写真を撮るプロの人たちも多い。
ちょっと恥ずかしいけれど、一緒にヴァージンロードを歩いて、命くんのところにたどり着くと両親に守られていた私はそこで終わり。
私は、涙涙の倒産から手を離して微笑みを返し、そうしてから命くんの隣に向かっていく。


ステンドグラスからキラキラと光がこぼれ落ちる中、私たちの誓いが始まった。

(111) 2023/11/19(Sun) 12時頃

【人】 珊瑚宮連邦 ルリ

「はい、誓います。」


>>74司祭の言葉に私も誓いを返す。
少し緊張するけれど微笑みを浮かべて。
互いに向かい合い、命くんがまず私の手を取って指輪をはめてくれた。
選んだ結婚指輪は星座や星をモチーフにした指輪ブランドのものが気に入って、その中でも南十字星をテーマにしたと言う指輪にした。
四角のダイヤをレールの様に並べたデザインは普段使いがしやすいらしいし、引っ掛かりがないからこれからの生活にも支障がなさそう。
それに人生の航海を迷わず進める様見守る南十字星というテーマに惹かれてしまった。
そんな指輪を左薬指にはめてもらい、今度は私の番。
命くんの手を取り、指輪を手にする。
ゆっくりと彼の左手薬指に嵌めて──少し視界がぼやけたのは、本当に嬉しかったから。

誓いのキスを。そう言われて、命くんを見つめる姿勢からそっと俯いて軽く膝を曲げる。
彼がヴェールをあげれば、普段とは違ってしっかりとメイクされた私の顔があって。

(112) 2023/11/19(Sun) 12時頃

【人】 珊瑚宮連邦 ルリ

姿勢を正すと、私は命くんに微笑みかけてから瞼を下ろす。
少し顎を上げて、誓いの瞬間を待った。**

(113) 2023/11/19(Sun) 12時頃

私の場所。それは、もし大和くんと結ばれた後だったら変わったに違いない。
自宅のソファ。若しくは、リビングのテーブルと椅子──なら椅子の方になるのかな?
大和くんと結ばれる前に選ばれたその腰掛けは、家でも使っているものだった。

それは、父さんの仕事を見にいった時に座る椅子だった。
それは、母さんの安否を心配しながら座っていた椅子だった。
それは、コトコト鍋を火にかけながら様子を見て、父さんを待つ椅子だった。

母さんが、座ってた椅子だった。
今でもこの椅子は、私の家のキッチンにある。
それを知るのは私の家に来た人だけ。


──if・瑠璃川珊瑚の戦い──

私が指名されたと伝えた時、恵一くんは泣いてくれたね。
でも、私は最後じゃなくてよかったと思ってたんだ。
だって。私は、最後に選ばれたら絶対に楽な道を選ぶから。
たぶん、戦いが始まる前に命を断つだろう。
ハロに手をかけないのは絶対に私と大和くんを同じ場所に眠らせてくれると思っているからで、それ以上でもそれ以下でもなかった。
いつまで経っても、私の中ではハロは私を巻き込んだ側──敵のままだったから。


「泣いてくれてありがとう。
 でもね。
 私、やっと大和くんと一緒にいられると思うと
 ちょっとホッとしてるんだ。

 ──今の私は大和くんが
 1日でも長く生きてほしいと願ってくれたから
 それだけで、生きてるから…。」


そして、次の人にバトンを繋げるためだけに戦うのだ。
私がその選択肢を狭めてはいけないと考えている。
…だって私と違って、生きたいと願う人はいるでしょう?
私たちと同じ状況になってもなお。
だから、私は巻き込まれたみんなのためだけに戦うのだ。
生きて幸せに暮らしましたとさ、となる誰かさんの為には戦えなかった。


お葬式のことを思い出す。
誰かを呼んだわけではないけど、拒みもしなかったからパイロットメンバーは来ていたかもしれない。
ああ、でも、ハロには出てこないでとお願いしていた。
あくまでハロは私の敵。巻き込んで大和君を死に追いやり私やみんなの命も奪ってしまう側だから。
お葬式の間、私は泣き腫らした目で大和君の1番近くにいた。
数珠を握りしめて、涙はこぼさなかった。もう沢山たくさん涙を溢して、でも大和君は生き返るわけはなかったから。
祭壇に飾られたお花は少なくて──それでも、来てくれたみんなにお花を入れてもらう。
菊よりこっちが好きだと、白い百合を沢山用意してもらっていたから、大和君は白い百合に覆われていった。


白い百合に覆われた大和君の額に手を添える。
冷たくて、命を感じられなくて。その時、私は枯れ果てたと思っていたのにまた涙を流してしまった。
離れたくない。このままでいてほしい。それでも火葬を選んだのは、より長い時間を共にいようとしたなら肉体の保全が難しいと判断したからだった。
腐らせてしまうよりは、きちんとした手続きをして共に在りたい。本来なら親御さんに連絡をするところだろうけれど、さまざまな混乱の中でそれがうまくいかないらしい事は分かったから、父さんに頼んだのは完全な私のわがままだけど。
冷たい唇にキスをする。
そして納棺を見守って──。


「みんな、来てくれてありがとう。
 ──大和君もきっと喜んでる。」


そうみんなに頭を下げて、私は火葬場へと父さんと二人で向かった。
二人でよかったと思う。何なら一人きりがよかった。
棺が運ばれてしまう。あれを何と呼ぶのかわからないままだけど、棺が、大和君が、向こう側に行ってしまって…。


「やだ…。」


いつものお坊様が眉を顰めながらも読経を続けてくれているのに。


「いや、やだ、大和君、大和君…!!!
 燃やしちゃ嫌、ダメ、死んじゃやだ、
 私の隣にいてよ、ずっとずっと──!!!」


私の慟哭は叶うことはない。
泣き崩れる私を横に、死者の弔いが続けられる。
父さんは私の肩を抱きしめようとしてくれたけど振り払ってしまった。
一人になりたくないけれど、誰でも良いわけじゃない。
大和君じゃないと嫌。
大和君じゃないとダメ。

──泣く事で大切な人が生き返るのならば、どれだけの人が生き返れるのだろう。
母さんの時にもそれが叶わない事を知っているのに、私はそれでも涙を止められなかった。


『大丈夫だよ。毎日ちゃんと食べてるもん。
 大和君も美味しいって。』


柊木くんの心配するメッセージに、私はそんなメッセージと共に写真を送る。
大和くんの前にご飯を並べたもので、それが答えだ。
ご飯を一人分しか作らないくらいの理性はあった。あったけど、そうでもしないとご飯を食べられなかった。生きていけなかった。
大和くんの願いを叶えられなかった。
でも、最後の優しさが手元にあるから何とかやっていけたんだ。
誰かに会う気はあまり無かった。
ハロは敵。だから、情報収集するつもりもなかった。

ただ私の望みは。
誰かの選択肢を狭めない。
大和くんの願いをなるべく叶えて、最期は一緒に眠る。それだけだったから。


嗚呼、でも──。
そう、こんな闘いにどうやって勝利する?


生憎、私は頭が悪い。成績が悪い。でも、──何故だか人一倍察しが良い瞬間がある。
だから嘔吐した。
そう、私は瞬間的に察してしまった。
どうせこの世界を終わらせるのなら、この世界の人間全て根絶やしにして仕舞えば良いんだって。
恵一くんが戸惑う気持ちも分かるよ。だって、対人で戦闘で勝利なら、相手が戦わないなら不戦勝にしてくれても良いのにね?
でも、そうはならないらしい。
相手のパイロットを絶命させるまでそれは続く。
差し出されたハンカチに手を伸ばしかけたけど──伸ばした手をグッと握り込んだ。
これは、私が使うべきじゃない。
恵一くんか、恵一くんが大切な人が使うべきだ。
私が汚したらダメになっちゃう…。


「ハロ、吐瀉物を除去だけして。
 それくらいできるでしょ?」


私の中でハロは敵だから冷たく言い放つ。
雑菌だらけだろうそれを、柊木くんもいる空間で放置していたらその方が危ないだろうから。
だって彼らは、まだ生きてる。私よりも長く。


「恵一くん、ありがと…大丈夫。」


ウソ、全然大丈夫じゃない。
だけど私は、そう言って大和くんを抱き直して座り直す。
柊木くんのコメントにも冷静に頷いた。
そう。私はそれに気づいてしまったから。
そんな事、私には耐えられない。怖い。そう思えたけど──。


「…あは。そんなの、ダメだよ…。」


私は柊木くんに乾いた笑いを返す。
だって、それは一番の悪手だ。


「そんな事したら、私が1番嫌だった事を
 誰かに押し付けることになるんだよ。
 私が嫌なのは、誰かの選択肢を狭めない事。
 だから、最後のパイロットになるまで
 そのバトンを繋げる為に私は戦うの。
 そこから逃げたら。

 …コイツらと同じになってしまう。
 また別の人を巻き込む可能性がある。」


ジロリとハロを睨みつけてから私は前を見つめた。
目を一度閉じてからスウ、ハア、と深呼吸を幾度か繰り返す。


どうしてこの地球のパイロットは逃げ出したのかな?
たぶん説明はあるはず。このままだと負けてしまう。48時間以内。もしかして、戦う事を放棄して──此方にも勝たせないようにするのは何かの意趣返し?何だろうか。
それとも、もしかして意識不明の重体で戦えない──いや、それならコクピットの中で死んでるはずだよね。たぶんだけど。
考えても考えても仕方がない。
だから私はゆっくりと目を開けた。


「──殲滅戦、始めるよ。
 見たくなければ見なくて良いから。

 こんな事、私一人で…十分だもの。」**


【人】 珊瑚宮連邦 ルリ

──数年後の私たち──

そう言えばちょっと忙しくはなるけど、お互いの式には参列することになる。
お色直しとは違うけど、タキシードもドレスも脱いで正装をお借りして臨むんだ!
私はピンクのドレスで、内側は袖なしの肩が露出したワンピース、でも透ける生地とレースを沢山使った上着をつけて式に参列させてもらったの。
こういうのも楽しいね!
また披露宴の時は一度ウエディングドレスに戻るんだろうけど、一緒にワイワイ、こんなのも楽しくて良いなあって思うんだ。
幸せになる人が一人でも多い方が素敵だもの!

(118) 2023/11/19(Sun) 18時頃

【人】 珊瑚宮連邦 ルリ

順番からドレスをどのタイミングで脱いでとか着続けるとかはあるけれど、とにかく私の式では私たちが主役。
私も普段しない格好の命くんに見惚れて。


「私も…愛しています。」


>>116お互いの囁きはみんなに聞こえなくて良いの。
私たちだけに聞こえていればそれで。
いつも私の隣にいてくれる命くん。
写真をとられているのも気づかないくらいあなたに夢中で、であった頃よりもずっとずっと好きになってる。
ずっとあなたに恋をしている。
今は激しい思いではないけれど、温かなそれは平和になった今常に隣り合っていたいもの。
このあたたかな感情をこれからも大切に生きていたい。
決して後悔しないように、あなたと二人で。

(119) 2023/11/19(Sun) 18時頃

【人】 珊瑚宮連邦 ルリ

長いキスを終えて、私も小さく吐息を溢した。
ほんのり頬を染めて、これでみんなの前で愛を誓い合ったんだと改めて幸せを噛み締めてしまう。


「うん、…これからずっと、ね♡」


彼の手を取り歩き出す。腕を組んで、祝福のライスシャワーと祝福の言葉を浴びながら。
ブーケトスを受け取ってくれたのはだれかな?真弓ちゃんかな、七尾ちゃんかな?
それとも他の誰かかもしれないね。
青空にブーケが舞う。
華やかな声と、華やかな雰囲気に私は満面の笑みを浮かべながらまた命くんにキスをして。


「幸せ、お裾分けしてもしても溢れてるね。」


そんな事を囁いてウインクしてみせた。
だってこんなにも幸せな日々、夢見てた日が来るだなんて嬉しくて。

(120) 2023/11/19(Sun) 18時頃

【人】 珊瑚宮連邦 ルリ

披露宴は最初はウエディングドレスだったけど、合同なら高砂席が二組、私たちと柊木くん恵一くんの分。
お色直しでは私たちは着物の予定!
あ、カラードレスじゃなくて色打掛にしたのは…命くんの和装が見たかったから!
着物で登場したけど、指定の場所に行くと白いエプロンをつけてスタンバイ。
招待客の皆様に自由に具を選んでもらって、〆に新郎新婦で出汁をかけたお茶漬けを食べてもらうんだ!
奥さんとか女将さんぽくて似合ってる…と良いな?
だって披露宴のお料理は美味しいけどみんなにお腹を美味しく休ませて欲しかったし、キャンドルサービスよりは性に合うし、個々人ともお話の時間を取れるかなって…。
手紙より、こういう和気藹々としたのに時間をとりたかったもの。式場側からもお勧めされたしね。

(121) 2023/11/19(Sun) 18時頃

【人】 珊瑚宮連邦 ルリ

でも、命くんは私の旦那様だし、私は命くんの奥さんだよ〜!
キラキラした目で命くんを見る子もいたけど、結婚式への憧れって事で無かったことにしてあげるからね?まったく!**

(122) 2023/11/19(Sun) 18時頃

──if・大和の葬儀と珊瑚の戦い──

僕はまだ、珊瑚みたいに近しい人を亡くした経験がない。田舎の祖父母も健在だ。

葬儀にはまだーー慣れない。

下級生であり千映が亡くなり、その喪が明ける暇もなく大和の葬儀を迎える。

何度も友を失い続けたら悲しみも苦しみも麻痺するのか?
そんな事はない。

僕にだって価値があると言ってくれた大和。
最期まで珊瑚を愛し抜いた男らしい大和。

白い百合に囲まれた大和の死に顔は穏やかだ。
生きて眠っているみたいにしか見えない。


僕の悲しみ、僕の憤り。

恋人である珊瑚とは比べ物にならなくとも、こんな若く死ぬ理由なんかまるでなかった大和の死に抱えきれない想いで苛まれた。

葬儀の後にパイロットに選ばれた珊瑚。
大和の元に行けると語る彼女は微笑んでいたから、寂しい嫌だなんて僕は叫べなかった。

本当は、珊瑚を失うのが僕は凄く嫌だったし堪えられなかったが。

こんな地獄は何時迄続くのか。


珊瑚は僕のハンカチを受け取らなかった。それは拒絶でないのは、いつも優しい、優しすぎる彼女を知っている僕にはわかる。

吐瀉物を処理して欲しいと言ったのもきっと康生のためだ。

こんなに追い詰められて自分が大変なのに他人を慮る彼女は……本当に素敵な女の子だと思う。

康生のアドバイスは冷静で合理性の高い内容だ。しかし、結果論ではそうでも全滅させたらいいという言葉に僕は戸惑った。
珊瑚はーー自らでなんとかすると、力強く語る。

「……珊瑚、……」


立派過ぎる彼女。女の子なんだからもっと弱音を吐いてもいいのに。大和の死が彼女を強くしたのだろうか……愛の力が。

彼女は僕らに死の理不尽を押し付けた存在に最期まで抗う覚悟だ。

僕は珊瑚に頷く。

「君は出来る。君は独りじゃない。大和がいる……君の中に。」

僕は彼女の舞台を見守る。
どんな凄惨な光景からも目を逸らさないと心に決めた。*


珊瑚宮連邦 ルリは、メモを貼った。

2023/11/20(Mon) 08時頃


─IF 瑠璃川珊瑚戦─

[想像していたよりも、瑠璃川珊瑚はずっと冷静だった。康生の言葉にも、取り乱す事無く頷く。もしかせずとも、彼女も気付いていたのだろう。心が弱いから吐いたのではない。強く、受け止める事が出来てしまったからこそ、嘔吐に至ったのだ。]

[乾いたものながらも、気丈に笑って見せた彼女に、康生は奥歯を噛み締めた。]

瑠璃川……、……ごめん。それと、わかった。
もう「逃げていい」なんて言わないし……俺も、逃げない。

[右手を胸に当て、康生はそう言った。強く彼女へと向けていた視線が、モニターへと移る。「逃げない」という言葉には、恐らく二つの意味があった。一つは、“彼女同様戦い抜き世界を守る”というものだ。世界を守る事に躊躇する子ではないから、今更言うまでも無くはあったが。]


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