人狼議事


34 【ペアRP】花人形たちが紡ぐ夢【R18】

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視点:


そう、なんだ。 
じゃあ、今日一日じゃ案内しきれなかった分、
いろんなお店にいきましょう。

あのビスケット、友達とその従者に好評だったから、
養父のお土産に私も買いに行きたい。

大通りから裏に一本入ったら
すぐのところにある煉瓦造りのお店に確か、
東洋のものとか占のものとか、置いてあったような

市でも掘り出し物で見つかるかもしれない。
あるといいね。買いたいもの。

[最初は、買い忘れ防止にビスキュイのお店に行こうと促した。
その店に訪れた際に、彼の顔なじみにあうのなら。
何時もの緊張しいの様子を見せてしまったあとに、
ビスケットを何枚入りを買おうか、真剣に悩むといった
くるくる変わる表情を見せることになるのだろう]



ありがとうね。
うん、時間はいくらでもあるのだから。少しずつでいいわ。貴女のお気に入りのお店に行って、あたしの気になるお店に行って……

……これじゃあ、デートみたいね。

[冗談っぽく笑う。
なんだか、主人と従者というよりは。別な関係性の様に錯覚してしまう。これも彼女の人柄が成すものであろうか。それとも、己の気持ちの問題か。

占術道具屋にも行ける事になったので、上機嫌にビスケットを売っているお店へ向かう。

そこには馴染んだ顔が女性と子供を連れて訪れていて。……かつての常連さんと、その妻子であった。数日ぶりの再会に、彼はものすごく驚いて。そして涙ぐみながら嬉しそうに己へ妻子を紹介してくれた。

こちらも「新しい主人」を紹介し、積もる話もそこそこに今は勤務中だからという理由で程々に切り上げ。次は休日に会う約束を取り付けた後、ビスケットを買って店を出た。]


…………見ていて飽きない子なのよね。

[どのビスケットを買うか悩んでいるその顔に、先程まで緊張していた面影はない。

そういう所が可愛いのだけど、と呟いたら。元常連さんに聞こえていたらしく「惚気かい?」と問われてしまい。珍しく口籠る羽目になったのは、余談という事にしておこう。]**


[母親のことを褒めて貰えたら。
まるで自分のことのように嬉しくなって、喜ばしい気持ちでいっぱいになってしまいます。]


屋敷自体は、貴族の中では小さめな部類に入るのではないでしょうか。
ただお庭は無駄に広いので。
私もどこに何が咲いているか、把握してないくらいです。


[今度一緒に探しに行きましょうよ。
その指輪に咲いた百合も、君が好きな花も、どこかにあるかもしれません。]


花はお日さまの光があるからこそ輝く、そう思っていたのですが。
···最近は、夜の花の方が魅力的に見えます。


[艶やかな君を見て、目を細めます。
足元の白の花弁たちも月灯りで煌めき、夜風に揺れていました。]


······裏切るんですね。
あなたって人は、全くもう。


[そういうとこも好きだから、怒るに怒れないじゃないか。
まぁ、今逃れても、明日には頭を下げ。
新しい住人になる君は、注目の的になるのでしょうね。

だったら、今のうちに独り占めしておこう。
なんて、子供みたいに我が儘なこと考えていました。]


···では、お静かに。しっー、ですからね?


[正面の大きな扉を軽く押して、君に一緒にただいま。]


[こっそり帰るのなんて初めてだから、
生まれてから今まで、ずっと住んでいた屋敷の中が。
まるで初めてここに訪れたみたいに感じました。



こそこそと。
君に耳打ちしながら、屋敷の中を案内します。
たまに物音が聞こえたら。
立ち止まって辺りを見渡したり、肩を僅かに震わせたりしながら。

正面、右側の階段を登り。
蝋燭の灯りが並ぶ長い廊下、深紅のカーペット上を進んだ突き当たり。
そこにある、私の部屋まで向いました。]



[君の手を引いて自室に招き入れると、静かにドアを閉めました。]


······ふふっ、夜って楽しいんですね。

ロイエさんが隣にいるからでしょうか。
いつも通りの風景も、何気ないことも、色鮮やかに感じます。


[口元を緩め、微笑みかけると。]


ようこそ、ここが私の自室です。

···明日には、空き部屋を綺麗に掃除しますので。
今夜はここで、ゆっくりして行ってください。



だいぶ歩かせてしまいましたね。
···ヒールを履いた足は、痛くないですか?

湿布ならこの部屋にもありますし。
···くたくたなら、ベットで寝てしまっても大丈夫ですよ。


[ひとまずお互いの休憩を兼ねて、一緒にソファに座ってから。
首を傾け、君の顔色を伺いました。]**



 これで、小さめ。
 ……。

[唖然としたようなのを返して。
 お貴族様って、色々と規格外よね……って改めて。]

 坊ちゃん、近いうちにおうちの中を詳しく案内してよ。
 ひとりじゃ覚えられるか、わかんない……。

[そんなふうに駄々を捏ねてみる。
 その時に、お庭を回るのもいいかもね。
 そして、目当ての花があるかも探しましょう。
 百合より綺麗な花に、巡り会えるかもしれないし。]


 そう?ふぅん……?

[夜の花がお気に入りだという彼。
 ……それだけさっきのお花がお気に入りなのかしら?
 と。何気なく隣に顔を向けたら、
 細めた目と目があったから。]

 ……何よ。

[って、ふてくされたように返してみた。
 別に不機嫌になった訳じゃないの。
 思わせぶりな視線と言葉に……
 気恥ずかしくなったのを、隠しただけよ。]



 だって……私、初日から
 先輩たちに、怒られたくないもの。

[体良く乗っかるだけよって、ふっとね。
 でも、私に会いに来て、夜遅くまでお話してくれた
 坊ちゃんが怒られるのも可哀想だから。
 作戦中はできるだけ、協力してあげましょう。]

[貴方にとっては帰りの言葉を投げかける場所。
 私にとっても……これから、只今の場所になるところ。
 呟きに短く肯定を返して、屋敷の中を進んでいく。
 立ち止まったら立ち止まるし、肩を震わせていたら
 「誰も見えないわ」って、小さく教えてあげた。]


[小綺麗なお部屋の中へ入ったら、ドアが閉められて。
 着いたのは彼の自室、だと言う。
 嫌味のない、落ち着いた雰囲気の装飾品や家具たちを見て
 あぁ、坊ちゃんらしいお部屋だわ……って、感じる。]

 過ごしやすそうなお部屋ね。品があって。
 あら、早速口説くおつもり?
 気が早いわね、坊ちゃんは……

[そんな事を言って緩く微笑んで。
 やっぱり、嫌な気はしない。
 こういう言葉の数々も……坊ちゃんだから、かしら。]

 このぐらいは平気。……でも、
 後で足がだるくなりそうな予感は、するかも。

[ゆっくりしていいと言うなら、遠慮なく。
 ちょうど坊ちゃんのお隣に座りたかったから、
 ソファに座ってくれたのは好都合だった。
 顔色伺いに微笑んで首を傾げる。平気よ。]


姉妹 ロイエは、メモを貼った。

2024/02/26(Mon) 01時頃


で、ででデート?!

[思わず裏返る声や心臓に悪い。
憧れるほど綺麗な彼の冗談に
私の胸の鼓動が早鐘を打っているのがわかる。

彼の知り合いに紹介された時に、緊張しいの様子を見せてしまったのは
この影響もきっとある。はず。

彼が石畳を歩く様子は機嫌良さそうで。
一緒に歩く私も。楽しくあり、ドキドキもしと
何だか感情が忙しなく。
昨日までと違う今日は、刺激的だ。

とはいえ、根っこは変わらないので
東方の占の道具も取り扱う店に来た際は
やはり色々な魔術の道具の鑑賞に夢中になって
しまうのだろう**]



[ビスケット屋や、占術の店を見て回った日以降も。己は新しい主人と共に、充実した日々を過ごしていた。

薬草摘みに入った森では珍しい草花を知り、
市街へ繰り出せば見たこともないような物……主に魔術道具を……知る事ができた。

そうして休日になれば、蔵書室の本を読んで過ごし──ときおり養父に捕まって、長い長い魔術講義に付き合わされもした……興味深い話は沢山聞けるので楽しくはあるが、とにかく長くて下手したら深夜まで付き合わされる時もあった為、時期は慎重に選ぶようになった──
外ではかつての常連と、今度は本当に『知人』として接するようになり。

あっという間に、ひと月が過ぎた。]


はい、確かに賜りました。

[手にあるのは、初任給。
今日まで働いて稼いだお金。

……何に使うかは、もう決めてある。]


リッキィちゃん、ちょっといいかしらあ?
一緒に行きたい場所があるの。

[今日は学校の休日と、あたしの休日が重なる日で。それなら丁度いいと己が主人へ声を掛ける。

承諾が取れ次第、彼女と共に街へと繰り出すのであった。]*



ふふっ、何でもありません。


[つんとしたお返事。
こういう反応をする時は照れているのだと、学んできました。
······君にまた一歩、近付いた気がします。]


はい、お任せください。

屋敷の案内は、本来は女中に頼む仕事なんですが。
今回は特別に、当主自ら案内することにします。

···ロイエさんは、私の恋人ですからね。


さ、さ、誘ってませんよ!?!?!?


[動揺した声が自室の中で響く。
先ほど静かに移動していたことが、無駄になりそうなくらいの音量です。

誰もそんなことは言っていないというのに。
きっと君の『口説く』という言葉を、そういう意味に捉えてしまったのでしょうね。]


·······ただ、こう。
もっと、いっしょに、···いたいな。と思っただけ、です。



[本音が、ぽろ、ぽろ、と零れていく。
顔が熱くなってしまう前に、話題を変えることにしましょう。]


でしたら、ここでゆっくり休んでください。
···あ、寒い、ですよね?

そこまで気が利かずにすみません、今の暖炉の火を···。


[そうして、立ち上がろうとした時に君に引き留められました。]



······。

······そう、ですね。
私は暖炉の炎がいらないくらい、温かいのですが。


···ロイエさんは、まだ寒いですか?**


 あっ、ふぁぃっ!!
 一緒に行きたい場所、ですか?

[煙さんが我が家で従者となって、ひと月がたった。
機関の休日。私は蔵書室から持ってきた本を
ベッドの上で寝そべりながらだらしなく読みふけっていたので、
彼の姿が見えて慌てて正座して、件の発言を耳にした]


 勿論。
 あ、でもちょっとだけ支度してもいいですか?


[流石に服は着替えていたものの
思いっきり部屋着であった。
外出用の服に着替えて、彼とともに街に繰り出す。

どこへ行くのだろう。道具屋?それともビスケットのお店?
パン屋だろうか。などなど、歩きながら考えて。*]



 ふふ。特別扱いって、私大好き。
 一緒に見て回ってね、坊ちゃん

[おうちデート、しましょうね。
 ……なんて、なんてことないふうな笑顔で
 付け足して言ってやったら
 また照れ照れの坊ちゃんが見られるのかしら……。
 って、少し迷った。]



 うっさい、何よいきなり。
 誰か来たらどうするの……。

[さっきは静かにしようって言ってたじゃないって、
 不満気な目を向けて。
 自室に連れ込んでおいて甘い言葉を吐いて
 誘ったつもりは無いんですって、この坊ちゃん。
 ……口説くのと冗談で言った事に
 それらしさを匂わせたは匂わせたかもしれないけど
 はっきり誘ってないなんて言われると……
 それなりに、傷つくのだけど?]



 へぇ、そう。
 私、こんなに綺麗でいるのに。
 私には誘う程の魅力が無いと仰るの。
 恋人なのに。

[嫌味ったらしくもう1回繰り返してあげましょう。
 「恋人なのに。」って。
 私には性的魅力を感じないとおっしゃるの?
 …という感じ方は、少し意地悪で大袈裟かもしれないけど
 本人にその気がないのも、何となくわかる。
 坊ちゃんってお店の時から"こう"だし……。
 そういう人に惚れたんだから仕方ないわねって思って。
 その場では多少つんとはして見せるけど。
 後で冗談よって、付け足して笑ってあげる。]



 寒くない。
 坊ちゃんが暖かいから。
 暖炉、いらないから……

[付けようとせず、ここに居て?って
 可愛こぶった声でおねだりした。]**


【人】 姉妹 ロイエ

── 少し過去 ──

 これ、私に?

[その日の邂逅で坊ちゃんから渡されたのは
 氷でできた薔薇の花。
 所謂魔術を見せられたのは、その時が初めてで。
 無から氷ができたのを、ぽかんとした顔で
 眺めていたのを思い出す。]

 あら、お綺麗ですこと。

[グラスにいけられた透明な華に少し目を奪われて。
 せっかく素敵なものを見せていただいたから、
 今までは自分から触れようともしなかったのだけど
 少しは、"それらしい"雰囲気に持っていってあげようと
 私にご指名をする人は、だいたいは……
 恋人同士がするようなことを、お望みの方々だったから
 貴方も、なんやかんやと口で言いながら。心の中では
 "そういう事"を望んでいるのだと、一方的に思っていた]

(33) 2024/02/26(Mon) 16時半頃

【人】 姉妹 ロイエ

[喜んでもらえるかしらと思いながら、
 手を伸ばしたのもつかの間。
 貴方は血相変えて慌てて手を引っ込めて。
 私は、ちょんと指先に触れただけなのに。
 それなのにこの手に残る、目の前の華より冷たい
 温度はなぁにと、私も少し驚いて。
 少し気まずい時間が流れた。]

[『驚かせてしまったでしょうか』なんて、恐る恐る聞く
 貴方。手の冷たさを指しているのは、何となくわかって。
 手が冷たいのを、気にしている風だったから。
 それが何故なのか分からずとも、馬鹿正直にそうだとは
 言えないわね……と考えて。]

(34) 2024/02/26(Mon) 16時半頃

【人】 姉妹 ロイエ


 貴方の勢いにね?

[と冗談を添えて口角を上げて。
 また手をとって、私の手で温めてあげたの。
 もう一度触ってくるとは夢にも思ってなかったらしい
 坊ちゃんが、面白いぐらいに慌てていて。]

 どうしてそんなに、狼狽えてらっしゃるの。

[触られた具体で面白い人ねとくすくすと笑って、
 それとなく、人並み超えて冷たい
 その手の理由を探った。]

(35) 2024/02/26(Mon) 16時半頃

【人】 姉妹 ロイエ

[その時に、ご病気についての詳しい話をお聞きした。
 治療法の見えぬ不治の病を、お患いなのだと言う。]**

(36) 2024/02/26(Mon) 16時半頃


···失礼、しました。

さ、誘うほどの魅力がないなんて、ありえません!
あなたは誰よりも綺麗です!!!


[反省して直ぐに、また大きな声を出してしまいました。
気恥ずかしさやら。申し訳なさに包まれて。
赤い頬を隠すように、口元を手を当てて、俯いたでしょう。]


······綺麗ですよ、本当に。
手を伸ばしたくなるくらい、魅力的です。

···それに、私もそういったことに興味がない訳では、ありません。
··············これでも、男ですから。


[お店と此処じゃ場所が違う。関係性だって。
客と従業員から、恋人に変わりました。

君のことを意識しないはずがありません。

···そもそも意識していたからこそ。
匂わせた言葉に、大袈裟に反応したのでしょう。]


···ただ、あの。
その為に購入したと思われるのが、嫌なんです。

······ロイエさんのことを、愛していますから。




··········。

····わ、わかりました。あなたの望むままに。


**



はあい。待ってるわね。

……支度は終わったかしら?
さあ、行きましょう。

[恐らくは部屋着から外出用の装いをする為の時間だろう。少し待って、部屋から出てきた所で目的地へと向かった。

道中、いくつか馴染みの店を通り過ぎるたび、少し話題に出したりもする。

例えば、占術道具を扱っているお店。意外としっかりした道具が揃っていたので、最初に訪ねた時に品々の値段を記憶しておいた。……特に、炉は。「帰りにあの店には寄るからね」と主人に告げて、今は通り過ぎてゆく。]


[通りを抜けて、次の小道に入った時。
……あまり近付きたくない店の横を通る事になるので、そこは気持ち早足で過ぎる。

別日、「普段はあまり行かないけれど、ここでしか売っていないものがあるの」と言われ立ち寄った場所。そこは少々性的な用途に使うものを多く取り扱っている店で、
……あろうことか店主は『元常連』だった。それも『性的奉仕』を求めてくる方の。

店主の女を見て笑顔を引き攣らせる様子に、リッキィは疑問を抱いたようだったが。彼女としても長居はしたくないらしく、早々に必要品を取りに行った。]


[リッキィが離れた隙を見て、店主の女に色々話しかけられた。「急にいなくなってびっくりした」「あの小さな子が今のご主人様?ふーん……」など、特にリッキィの方へ視線を向けていたような気がする。

「もう俺はあの子の従者ですから」と断りをいれたら、「じゃあコレを貴方に売ってあげるから、今度来た時にお金払ってね」と『あるもの』を渡された。

「……使う予定なんてありませんよ」と言ったのだが、店主の女は含み笑いを返すだけで返品は受け付けないようだった。仕方ないので主人に見えないよう、こっそり懐へしまっておく。

……この店は、別な休日に1人で寄ろう。
現主人に、店主と自身の関係が察されてないと良いのだが。]


[閑話休題。

そうしてしばらく行った所で、入ったのは小さな小物屋である。多分、リッキィは知らない店だろう。

あまり広くはない店内で、手作りの品々が並んでいる店であった。そのどれもが丁寧に、可愛らしく並べられている。]

着いたわ、ここよ。あたしが行きたかったお店。
少し前、お義父さまのお使い帰りに偶然見つけてね……お給料を貰ったら、買い物をしようと思っていたの。

[そう言いながら、アクセサリーが並ぶ棚へ。刺繍で彩られたそれらをひとつ手に取る。]

ねえ、どれが特に可愛いと思う?*



 あらぁ。

[また大きい声で、大胆なことを。
 その告白に口をあけたのを手で隠しつつ
 手で隠した口の形は、徐々に満足気なのに変わって
 最終的には満面の笑み。]

 嬉しいわ、坊ちゃん。
 今までそれをお仕事に活かしていたのに、
 坊ちゃんだけ誑かせてなかったら、どうしようかと思った

[ふふふと嬉しそうに笑う。ついで、そんなことを
 気にしていたのと目をぱちぱちと。]

 別にそれでも良かったのに。



 愛しているなら……**




そんな言い方されたら、断れないじゃないですか。
·······あなたは、ズルい人ですね。


でも、ロイエさんそういったところも愛おしく思います


[君の色が移った唇で笑う
今度は私の方から顔を近付け、口付けをしました。]



······っぁ。


[押し当てるだけの拙いものを返すと。
肩を上げ下げしながら、浅い息を繰り返す。

何度、呼吸を繰り返しても。
君に惑わされた頭がくらくらして、息が苦しい。]


···私で、いいんですか?


[目と鼻の先にいる君に、再度確認をしてから。
私は君の手を引いて、望まれたままベットに連れてゆく。]




[···自分自身の手で、バックの奥に押し込んだ貞操帯の鍵も一緒に。]

.



どうしたら、外しやすいですかね?
······私に、教えてください。


[そう聞くと。
普段使っているベットのマットレスを、軋ませた。]**



 ふふ。坊ちゃん、こう言うのに弱いものね。

[くすくすと笑う。
 あなたが飲んでくれそうな言い方を知っている
 ぐらいには、あなたと沢山お話したから。
 お人好しの坊ちゃん。貴方が断れないのならば……
 私はその優しさに、付け上がっていくだけなのよ。]

 坊ちゃんがいい。

[口付けを幾度か繰り返す。押し付けるだけの静かなもの
 だけど。
 1度おさまった熱情にまた火をつけるような心地の
 ものでもある。]



 気になるでしょう?坊ちゃんも。
 私が、どっちなのか。

[間近で教えてあげる……って、
 最後に耳元で、少し低くて甘い声で囁いて。]

 そうね……、とりあえず。
 一緒に寝そべりましょう。

[鍵穴は背面部にあるのだけど。
 私はとりあえず、横向きに寝て。
 ここに来てと示すように、腕の中へ呼ぶ。
 ……つまり、向き合って一緒に寝る形になるかしら?
 私の背中に片手なりを回せば十分、鍵穴にも届くし。
 私は坊ちゃんを抱きしめられるしで、一石二鳥よね。]**


 おまたせ、しました!

[大丈夫、スカートに皺はついていないはず。
外出着に着替えて、彼とともに目的地へ。
とはいっても、私は煙さんが何処に行こうとしているのか
まったく知らされていないので。
未知の場所。或いは知っているかもしれない場所。
想像しながら。思案しながら。
歩くこのお出かけを、楽しんでいた。

馴染みの店を通り過ぎるたび
ここじゃないんだ。とふと思ったり。

帰りに寄るといったことから、
目的の見せは更に先の方なのだ。と思いつつ
頷いて、一緒に歩く。

ショーウィンドゥに飾られた、魔道具たちを横目にして。]


[小道に入った時。
前に行ったお店にいくのかな?と思ったけれど
彼は早足、私は小走りで通り過ぎることになる。

用途が良くわからないものが置いてあり
何に使うんだろう。と興味津々で棚に置いてあるものを
彼が店の女主人と話している間に見ていたのも記憶に新しい。

残念ながら全く、彼と店主の関係は察していなかった。

もし、察したとしたら。
私はどんな感想を抱いたのだろうか。

――どんな感情を。抱いたのだろうか。]


[彼の目的の店は、小物屋だった。
少し小さな。可愛らしいものがたくさんの。]


 わ。こんなところにお店、あったんだ。


[知らなかった。と
ボビンのシュシュや編みぐるみやら。色々な飾られている商品らに目を奪われて。
煙さん、かわいいものが好きなんだなぁ。と話を聞いて私は思ったのであった。
なので、刺繍で彩られたものを手に取り
どれがかわいいかと尋ねられたら。]

 
 私はこれ、かな。


[アクセサリー棚の物を手に取って尋ねる彼の近くにあった
利休鼠と瑠璃色の布でできた、蝶々の髪飾り。
それに色合いが、少し彼に似ている。]



[私はお人好しではありません。
······君だから、断らないんですよ。]


·······かしこまりました。


[君が自室のベットに横たわっている様は見るのは。
なんとも言いがたい、高揚感に包まれます。

安らかな眠りの場だったものが。
君がいるだけで、扇情的な場所に生まれ変わるのだから不思議なものですね。

乱れた黒のドレスから覗かせた白の脚。
そこ向けた視線を隠す余裕もなく、熱を帯びた瞳を君へ向けていました。]



えぇ、気になります。
······隠してあるなら、尚更。

私に教えてください。
ロイエさんことも、あなたが好きなことも。


[君に言われた通りに隣に寝そべって、横を向くと。
そこ整った顔が目の前にあって、惚れ惚れとした表情を浮かべました。

君の背中へ片方の手を伸ばすと、それを腰骨へと滑らせて。
秘部を隠す貞操帯へと落としていく。]


[革製のそれに触れると。
錠のある場所を見つける為に、指先で軽くなぞりました。]


···これじゃ見えないから、鍵を開けるの大変、ですね。
······ふふっ、焦れったい、です。


[手を届かせるのも、それを見つける容易ですが。
鍵穴の見えない錠に、指先で持つような小鍵を差し込むのは中々難しいもの。
······今のように焦っている状態なら、尚更。]

もう片方の手も背中に回し。
もぞもぞと身体を動かして、悪戦苦闘する度に。
布越しに密着した身体が擦れて、甘い息が漏れました。]


······んっ、やっと開きましたよ、お待たせしました。**


[ 幸いにも、関係性は察されていなかったらしい。……もしも知られたら、どんな反応をされるんだろう。「お仕事だから」と赤くなりながら納得されてしまっていただろうか。

それとも、]



そうなの。あたしも知らなかったなあ……
可愛いお店でしょ?

[まずこの街の地図を見たのが店を出てからなので、当然と言えば当然なのだが。

彩り豊かに、ひとつ一つが丁寧に作られた品々の並ぶ店。見つけた時に、最初の買い物はここにしようと決めた。

アクセサリー達の中から彼女が選んだのは、品の良い色合いの蝶の髪飾り。]

それがいいのかしら?
……綺麗だし、可愛いわ。

うん、それを買いましょうか。

[色味が己に近いから、という理由で手に取られたとは露知らず。髪飾りを手にして会計を済ませる。ありがとうございました、という店主に手を振りながら店を後にした。]


はい、これ。
リッキィちゃんにあげる。

…………やっぱり。とっても可愛いわ。

[そう言って、先程まで自身が手にしていた品を彼女の髪へと飾る。

彼女が選んだそれは、麦穂色にとてもよく似合う。

最初の給料は、自分を導いてくれたリッキィへの贈り物に使おうと決めていた。モノを大切にしてくれる主人に感謝の気持ちを込めて、形のある品を贈りたかったから。あまりお洒落に関心はなさそうだったけれど、こういう贈り物は喜んでくれるだろうか。少し心臓の鼓動を早めながら。]

それじゃあ行きましょうか、占術道具屋に。欲しいものがあるのよね。

[少し気恥ずかしさはあったけれど、悟られないように、自然と手を繋ぎながら占術道具屋まで歩いていった。

……ほんのり耳の先が赤くなっている事に、気づかないでほしいと願いつつ。]*


[坊ちゃんのベッドは、私の前寝ていたのよりふかふかで。
 それとやっぱり、坊ちゃんの匂いがして……
 ……平時なら落ち着きを覚えるだろうそれは、
 今は興奮を煽るような心地を得るものの気がして。]

[腕の中に来たら、ぎゅって抱きしめてあげた。
 隙間なんかないぐらいに……
 近づけばもっと、鍵穴にも届きやすくなるでしょう?]

 教えてあげるから……
 早く、開けて?

[じれたような声で。ここまで焦らしたのは私なのに。
 開けようとしているのに私の手を添えて、
 ここよって教えてあげるみたいに誘導したのは
 親切からじゃなくて……
 ……もっと焦らせて、困らせてみたかっただけ。
 そんな顔が見られたら、満足気に微笑んだでしょうね]


[いざうしろに手が伸びれば、
 少し身体を震わせて声が漏れた。
 鍵穴を探る手がたまに皮膚に触れて……少し腰がうねって
 お返しにと耳朶を甘く噛んで、キスをして。
 リップ音を聞かせるように。]

 ふふ、ありがとう

[かちゃりという音で窮屈さから少し解放されて。
 ……もうこれをつけることもないのでしょうと
 少し感慨深い気持ちになった。
 耳をはんでいた顔を元の位置に戻して。
 革のそれを、するりと外して。
 股を坊ちゃんの足に押し付けたら、貴方の腿にでも
 少し鎌首をもたげたののぐりとした感覚が、
 伝わるでしょうね。]



 身体、男なの。

[蠱惑的に微笑んで見せてから、やっぱり不安になって
 少し眉を下げて寂しげにわらって、様子を伺う。
 ……気にしないとは言っていたけど、いざ男と分かったら
 どう思うのかしらって思って。
 普段の振る舞いも相まって、
 気味悪く思いは、しないかしらって。]**



[手元に集中していたせいで、君への注意が逸れていました。
耳を味わうような行為に、肩を震わせ大袈裟な反応を返したでしょう。]


···あの、ロイエさん。
······は、早く開けて欲しいなら、意地悪しないでください。


[満足げな顔をじっと睨みます。
焦らされて余裕がないのか、不機嫌そうな顔をしていたそうです。

かちゃりと鳴った錠。
これでやっと自由になれて、ドールという立場から解放されたのかな。
そう思うと、より達成感に満たされました。]



[貞操帯に隠された秘部。
そこを視認するよりも先に、太ももに当たる熱さを感じました。

下へと視線を向けると。
性が男であると緩く主張をしているものが見え、驚きで目を見開きましたが。

その理由は君が心配していることと、真逆だったでしょう。]



[自由になった左手で、寂しげな頬に慰めます。
···私のほんのり冷たい肌で、君の気持ちが落ち着きますように。]


なんでそんな顔をしてるんですか?
ロイエさんの性別がどちらでも好きだと、前にも言ったでしょう。

あなたが男でも女でも構いません。
······そのくらいの覚悟を持って。
婚約を申し込んだのですから、安心してください。


いいじゃないですか、似合ってますよ。そのドレス。
···これからも、あなたらしく生きてくださいね。



[柔らかく微笑めば。
安心感を与えようと肩口に手を回して、身体ごと此方に引き寄せようとするでしょう。]


私の鼓動が早くなってるのを感じたり、聞こえたりしますか?
······私は、今、あなたと同じ好きを抱いていますよ。**


[不機嫌そうなのに、「駄目?」と指をゆっくりなぞったら。
 それでやめてあげる。手の方へのいたずらは。
 耳は気が済むまでやるけど……。
 それも、あなたが鍵を入れるまでの間の話だから。
 長引くかそうでないかは貴方次第。]

[押し付けたのは……、なんでかしらね。
 自分が自分のを見たくなかったのと、
 あとはやっぱり、坊ちゃんに
 期待はずれと失望されたくなくて、
 つい……隠しちゃったのかも。]



 そうだけど……。

[さっきの夜の街みたいな手の温度。
 冷たいだけじゃなくて、どこか温かみがあるそれに。
 頬を撫でられてゆっくりと視線を逸らしていた。
 真っ直ぐ見らながら慰められるのは、
 なんというか……、むず痒くて。
 むず痒さに耐えきれなくなっている間に、
 心の広さまで見せつけられて。なんだか情けない、私]

 覚悟、ねぇ……
 坊ちゃんって、こういう時は男前よね。
 普段は、可愛いのに。

[そういうところも嫌いじゃないわって、小さく。
 婚姻のお話、断らなきゃ良かったって改めて後悔
 の念が生まれている。]



 うん、聞こえる。
 どくどくしてる……、

[されるがまま抱かれて。
 いつの日か私の手から逃げたのは、
 私の幻想だった気がしてくるぐらい。
 ……最近の坊ちゃんの行動は、甘くて暖かい。
 それも、覚悟ってやつがそうさせるのかしら……って
 腕の中で考えてた。]


 好きに決まっているじゃない。
 坊ちゃんのこと好きだから、買われないように待ってた……

[って、坊ちゃんの肩に顔を埋めた。]**



······可愛いは余計です。


[先ほども思った不満を口にすると、じとーとした視線を向けたのも一瞬のこと。
嫌いじゃない、という好きの言葉が聞こえたら、すぐに機嫌を直したでしょう。]


ただ勢いだけものではなく、ちゃんと考えた結果です。
···少しばかり、先を考えすぎたような、気がいたしますが。

······そのくらい、私はあなたに惚れてるんですよ。



[より密着する、
布越しに君の鼓動が力強く動いてるのが感じられるくらい、近くに。

混ざりあった体温は、温かいを通り越して熱くなっており。
私の身体は、甘い雰囲気だけじゃ満足できそうにないことは。
考え間もなく分かってしまい、そのことに苦い笑みを零しました。]



[おでこに顔を近付けて、髪の上から口付けを落とす。
押し当てる時も離す時も優しく、その行動は慈愛に満ちていました。]


······続き、したいです。


[今度は私がお願いを囁く。
性目的の客と同じになりたくない、なんて口では言っておきながら。

お香よりも甘い匂いに惑わされた頭では。
このまま何もせずに寝ることなんて、考えられませんでした。
······熱と期待を帯びた声で、君を誘う。]


······夜は、まだまだ長いですよ。
一緒に、夜更かししましょう?**


 可愛いし、お洒落。
 ……手触りもいいし。

[布でできたもの、硝子でできたもの。
店主こだわりのハンドメイドの品々は、
目にも楽しく、指でふれても触り心地が良い。

彼よりも長くこの町にいて。こんな素敵なお店に気づかないで過ごしていた私。
これからは、店の開拓でもしてみようかしら。と少しだけ思うのだった。

選んだのは、貴方に似た色合いのもの]


 うん、これが素敵だなって。


[きっと、彼に似合うだろう。
中性的でありながら、魅力を引き出すであろうものとは私の見立て。
会計を済ませて店を出る際に、曇天を舞う碧落蝶々が
長い髪を彩れば。綺麗だろうな。と思うのであった。]


 え?


[な、ものだから。
――貴方の髪ではなく。私の髪にと差し出されたそれに
思わず不思議そうな、惚けた声を出してしまった。]


 いいの?
 あ、ありがとう……。


[麦帆に留まる蝶々は、
彩雲を纏う美しい瑠璃の翼を広げている。

折角の初任給だというのに、いいのだろうか。
――でも、とても、うれしい。
2つの感情が胸の内を巡りながら、私の頬を染める。]


 あ、うんっ。
 あのお店だよね。さっきの!


[私の声、裏返ってないだろうか。
手を繋ぎながら、どきっとしてる鼓動は伝わってないだろうか。
自分のことで手いっぱいの私は、染まる貴方の耳の先には気づかねど
どこか普段よりも余裕のないような
貴方の様子は

少しだけ珍しい、と。思う。*]


[かっこいい坊ちゃんも好きだけど。
 可愛い坊ちゃんはもっと好きだったから、
 ふてくされたのに笑顔を返して見せた。]

 坊ちゃん、正直で可愛い。

[続きをとせがむ声を聞いて。
 坊ちゃんの事を抱きしめながら腰を撫でながら。
 おでこへのキスが終わったら、次は私がキスしてあげる番
 深い深い口へのキス。そのうち舌もねじ込んで。]

 坊ちゃんはお口とおてて、どっちが好き?

[って、キスの合間に尋ねながら。
 股の方にそっと手をはわせた。坊ちゃんのも、
 私ののように、なっているのかしら……って。]**


[ 気にいってはくれているみたいだから、大丈夫きっと喜んでくれると、自身を鼓舞しつつ。これで迷惑がられたら、とか。らしくもなく弱気な考えすら過ったが。

……杞憂で済んだようだ。
頬を染めながら、感謝の言葉を伝えてきた事に安堵する。]



そう、この先にある、前にもいったお店。
久しぶりに占術をやりたくなったから、道具一式を揃えようと思って……

[彼女が照れているのは、分かる。曲がりなりにも好意を寄せられている自覚はあるので。その好意が、どこまでの段階の物なのかは分からない。憧れ止まりであるのか、それとも、

……余計な事を考えそうになったので『師の教え』を脳内で復唱しながら、占術道具屋へ。

西方魔術師には珍しい、東方魔道士には馴染み深い道具が並ぶその店で、以前から目星をつけていた品を購入する。一度に給与を使い切る訳にはいかないので、いくつかは次回の給料日の時に。買った道具は全て自分が持ち運ぶ。

蝶の髪飾りをした彼女は、店内ではどう振る舞っていたっけか。いつもの様に珍しい道具を見つめていたのだろうか。

一通りの買い物を済ませたら、帰宅。
それなりに荷物が多いので早めに自室へと向かう。]


リッキィちゃん、ちょっとだけ手伝ってくれる?
少し買いすぎちゃって……

部屋に並べるのを手伝ってほしいの。

[灰占に必要な小型の炉は勿論、筮竹や盤、壁掛けなど。買った物は多岐に渡る。持ち帰れるくらいにしておいたが、部屋に置くには少し時間がかかりそうだ。

重い物はそこまで多くないので、風水などの位置を指示したりはするが。2人でやればすぐに終わるだろうと思って、彼女を部屋へと招いた。

……招いてしまった。]*



·······嘘は、つけない性格ですので。


あ、そう、···そうですね。
······では、手でお願いします。


[正直な話、経験がないのだから好みなんて分かりません。
自身の穢れたものを君の口内に押し込むのを嫌だった、ただそれだけ。

···だって、従わせるみたいで、恋人らしくないじゃないですか。]


[服越しに軽く触れられただけ。
それだえで甘い声が漏れでてしまう口を、きゅっと噛みします。

股ぐらのそれは、今からする行為への期待に膨れ上がっており。
細身のスラックスを押し上げて、苦しそうにしていたでしょう。]


······ズボン、脱いだ方がいいですよね。


[普段は意識せずに行う動作も、甘い雰囲気に飲まれた頭では手間取ってしまい。
その焦れったさに、また顔を歪めました。]




···ふぅ。
······あの、これは、邪魔ですか?


[やっと布を一枚脱ぎ捨てれば、解放感から息を吐く。

下半身にフィットした黒のボクサーパンツの横。
男性らしく細ばった太腿、そこに巻き付けてある白シャツを留めるガターベルト。
その隙間に指を滑らせると、軽く引っ張って見せました。]**


 占術、色々なやり方があるんでしたっけ。
 私の通ってる機関にも、占術を修める子がいるけれど
 その子は水晶玉でしてたっけ。


[なお、テストの出題範囲を占うのによく使用されており成功率は3割程度である。
当たった時はもてはやされて恥ずかしいし
外れた時はがっかりされるのさみしい。とは本人談。

恋愛占いや健康占いなんかは更に成功率下がるので
専ら学業方面しか頼まれないのだとか。

彼の占いは、どの系統のものだろう。
興味は湧けど、今質問攻めにするのはな。と
隣を歩きながら、思う。

脳内で復唱されているものにも気づかず
彼が占術のための東方の道具を選ぶ際には
店内に飾られた八卦盤をみながら。何書いてるのかしらとか私は呑気に考えていた。]


 勿論。
 東方の道具って、見てるだけで面白いし。



[帰宅後のお願いには快く頷く
だって、飾りながらじっくり見られるのって最高じゃない。
頷きの際に揺れる蝶々の飾りは、嬉しそうに羽搏く様。

小さくとも、平民一家の出である。
力仕事だってお手伝いできるわよとばかりに
ひょろ腕で力こぶを作るポーズをとる。


おじゃまします!とお部屋に入った私は。
何をどこに置けばいいかしら。と
彼の指示を仰ごうと、振り返ってみつめるのだった。*]


[ふぅん?と意外そうに。
 手よりお口の方がみんな好きだと思ってたから。]

 遠慮しなくていいのに。

[だからそんな事を。慣れてるのに、私。って。]



 そうね、汚したくないのなら。

[坊ちゃんが自分から、服を脱いでくれているのにも
 ときめいた。
 細身のスラックスから出てきた足に、男らしさを感じて
 きゅんとする。……長細いだけの私のとは、
 似ているようで少し違う。
 ベルトの隙間にねじ込まれた指を少し見て]

 それがあると……上着を脱がす時に手間かしら?

[って、シャツのボタンをぷつぷつひとつずつ外しながら。
 とりあえず、素肌に手を突っ込み余裕が欲しかった
 だけだから、全部脱がさなくてもいいのだけど。]


[口を吸うのに飽きたら、首筋やら肩やらなんやら
 に、舌を這わせて。……短くて、ややハート型のそれ。
 焦らすように上着のうちから胸や腹に指をはわせながら
 黒い布の上から陰部を撫で擦る。
 かりかりって先の方を軽く爪で引っ掻いて。
 この布すら窮屈そうになったら、
 中のものを出してあげる。
 かわいいかわいい、坊ちゃんの陽物。
 ……こんなところまでも綺麗に見えて、
 うっとりしちゃう。坊ちゃんのお体はなんでも綺麗で
 とっても好き。
 するならこっちの方がやりやすいからと、
 坊ちゃんを起こしてあげてベッドに座らせて、私も対面に。]



 好き。坊ちゃん。
 私でいっぱい気持ちよくなって?

[潤滑油代わりに、私の唾液を少しわけてあげて。
 手のひらで先をくりくりと円を書くようにしながら
 竿の方は大切そうに手で包んで、
 ゆっくりとしごいてあげる。
 好きよって囁いて、たまに深いキスをせがんで、
 あなたの唇を舌でトントンとノックした。]**



そうそう。有名な所だと、四柱推命とか、易占とか。いろんな種類があって面白いのよ。

あたしが1番得意だったのは『灰占』っていう、炉と火掻き棒……あたしは煙管(相棒)でやってたけど……を使うやつ。まあ『師』の解釈と方式が混じったものだから、ちょっと一般的な方式じゃあないんだけどね……

水晶玉……ちょっとだけ触れたことがあるわね。西方の占術も、学んでみようかしら……

[主人と占術についての会話を弾ませつつ。お義父さまって占術はどの程度取り扱っているのかしら、と今度話してみようと考えた。]



ありがとう。
じゃあ、まずこの壁掛けから……

[可愛らしく(本人としては頼もしそうなつもりだろう)引き受けてくれた主人に、軽いものを手渡して部屋の内装替えを手伝ってもらう。

使用人の為に用意された部屋は、クローゼットにベッド、机や椅子など一通り必要な物は揃っている。いくつかの家具の上や壁などに、買った品々を手際よく配置していく。

風水の心得も少しはあったので、家具の位置はこう、と時折指示をだしながら。元気に動き回る彼女は、髪飾りもあってか蝶のようで。
あっという間に部屋には東方の占術道具が彩りとなっていった。]


これでよし……っと。
少し休憩しましょうか。

[道具を全部飾り終わったので、小休止を挟む。これから何をしようか。さっそく占術道具を用いても良いし、しばらく部屋で読書も考えたが。]

さっき話してた、占術の事についてでもお話ししましょうか?実践してる所も見せてあげてもいいし。

[手伝ってくれた小さな主人へ、お礼も兼ねて部屋で一緒に過ごす事にした。]

椅子、一脚しかないのよねえ……どちらかベッドに座った方がいいかしら。

[……先に言っておこう、この時点では下心みたいなものは…………ほんのりあったかもしれないが…………無かった。本当に。]*


 星での吉凶を見るの1つとっても、
 星宿を参照したり、北天の巡りをみたり
 ……とか、だったかな。

 灰での占い。
 灰の散り具合?とかなのかしら。
 
 西洋のもので興味があるなら、
 水晶のもので詳しいのだったら友人が教本は持ってるから
 貸してもらえるように言ってみる?


[東洋と西洋の占いって混ぜて使うのって出来るのかしら。
彼の使う灰占が方式が、師となった個人のものが混じったものというのなら。
……系統が違うから難しいのかしら。

うちの家にある西洋の占術のものは、
養父の母親が使っていた
タロットの物が多かったような。とか考えながら
会話を貴方と、弾ませていた。]


[帰宅後、煙の部屋の内装替えを手伝いつつ
こうして部屋が変わっていく姿を見るのは
なんだか楽しいな。と思いながら壁掛けを整える。

東洋の方では、色と方角で何かあるんだったっけ。
と、聞きかじりの知識を思い返しながら四隅をみたり。
お手伝いが終わるころには、
すっかりエキゾチックな内装に。

これから、もっと増えていくのかしら。東洋の道具。
――と、考えていると。]


 えっ!
 見せてくれるんですか!やった!
 占術のこと、知りたいわ。


[なんと。理論だけでなく。
もしかしたら実践してくれるかもしれない。
東洋の占術、みたい!しりたい!
知的好奇心を刺激された私は。目を輝かせつつ彼を見る。

椅子かベッドかにどちらかが座らねば
座席がないとぼやく彼に、
じゃあ私こっち。と即座にベッドに座る無防備なご主人様が私だ。

だって、実践するのに灰を使うなら。
飛沫、ベッドに飛ぶと寝るとき汚れるかもしれないし。

という、下心どころか占い実践してもらう気満々の
魔術師見習いがそこには、いたのだった。*]



なるほど。
邪魔なら今すぐに、···ぁ、まってくだ、さい。

[外れたボタン、シャツの隙間から、君の手が入ってくる。
骨や筋をなぞる指先の艶かしい動きが、ガターベルトを外そうする自身の手を動きまで乱してゆく。]


······あの、まだ、脱いでないんで····まっ、て。


[静止する声なんて届かないみたいに。
私の身体を弄っていた手が、今度は私の下半身に伸びていきました。]



[竿の方を、ゆっくりしごかれているだけだというのに。
頭がびりびりして、思考が『気持ちいい』に満たされて、溺れしまいそうになる。

快楽に身をよじらせ、そのうち縋るものが欲しくなると。
君の肩口に凭れかかり、体重を預けたでしょう。


中途半端に乱れたベルトが、本来の用途を発揮する訳もなく。
ただ私の太腿を飾るだけのものへと、成り下がってしまい。

私が身を震わせる度に。
留め具の部分がベットの布地に擦れ、微かな金属音を鳴らしたような気がしました。]



[耳元で熱い吐息を震わせ。
特に腰を跳ねさせながら、君から与えられるものを受け入れ続けます。
体重を預けるだけじゃ足りなくなると、両腕を肩に巻きつけるようにして君の身体を抱きしめたでしょう。]


··········ぁっ。


[我慢できずに漏れでた嬌声。
それを狙ったのか。
僅かに開いた口から捩じ込まれた君の舌が、私の口内を弄ぶ。]



[···息が苦しくなって頭がぼぅっとする。]

[呼吸を求めて、また君へ口付けを求めて、そしてまた呼吸を。
そうして、唾液が混ざり合い。
どちらのものか分からなくなった透明な液体は、
私の喉を通って、胃の中へと落ちてゆく。]


[······甘い。
そんな感覚がしたのは、きっと気のせいでしょう。]**



そうよ。詳しいのね?

灰占ってあまりメジャーでは無いからね……炉に残った燃え残りの灰を掻いて、その模様から吉凶を見るの。

貸していただけるなら、是非。

[方式を混ぜて使う事はしないが、占いの方法が増えればそれだけで楽しいから。実質趣味の教養に近い。

主人の知人からも知恵を貸して貰えそうなので、そちらとも今度、話をしようと思った。]



そんな前のめりにならなくても、占いは逃げないわよ……

灰占は……今日はちょっと難しいかしら。燃やすモノが無いしね。

手軽に実践できるやつ……人相占いにしましょうか。

[好奇心旺盛に飛びつく姿は、見慣れたものではあるが。迷わず人の寝具の上に座られると流石に困惑してしまう。……特にそういう意図はない、と唱えながら。簡単に見れるものという事で、人相占いをする事にした。

……「他にも色々あっただろうに何故それにした」と、この時の己自身に野次を飛ばしたい。]


じゃあ少し失礼して……

[ベッドに座った彼女の顔に向き合う。その貌をよく見て、触れる。骨格から、パーツの位置までじっくりと。

……当人は野暮ったいと言われがちだとは言うが、こうして見ると中々に整った顔立ちである。華やかではないが、素朴で、純粋そうで。眼鏡に印象が持っていかれてしまいがちだが、大きい目からは力強さも感じられて。]

……良い貌ね、生命力を感じる。目の周りが特に……人に好かれる形だわ。黒目と白目のバランスもいい。


それから、唇も。意外とふっくらとしているのね……愛情を注ぐのも、注がれるのも、上手なかたち。


[指先が彼女の唇をなぞり、その形を覚えようとした刹那。


…………衝動的に、己の唇をそこに重ねていた。]*


 面白そうだな、って興味。あったから。
 
 残りの灰を掻いた模様で?色々な法則がありそう。
 絶対同じ模様が出る、ってわけでもないだろうし。

 じゃあ、話してみるわ。
 多分快く貸してくれると思う。


[何せ、私や友人にも隙あらば占術を極めてみないかと
勧誘してくる人物なのだから。
機関の魔術師見習いは割合癖の強い者が多い。

――私含めて。

そして、他者の魔術に対して興味津々な者も多い。
私は、特に。
なので前のめりになる私への窘めにも、
反省はしつつ仕方のないことだと主張したい。]


 確かに。
 レポートの書き損じのものとか、
 取っておくべきだったかしら。

 人相占い!面白そうね。
 私、一体どんな結果が出るのかしら。


[金欠とか言われたらどうしよう。
いや、それより勉学に難ありとか言われたら。

まあ、東洋の端の諺に、当たるも八卦というのがあるらしいので
その金言を信じてしまおう。と内心の言い訳。
良い結果が出ますようにと、じっと彼を見つめる。

期待と、高揚と。

水晶占いを初めて見た時のように。]


[そして爆速で後悔していた。


――顔がいい!


そう、顔がいいのだ。それがとても近くにあるのだ。
あまつさえ、形よく美しい指が振れるのだ。
頬の輪郭、否。骨格をなぞる様に。
或いは、眦や瞼の様子などを知る様に。


顔がいい。
声もいい。

つまりはとても間近に、私は美の極を見ているようなものだ。

思わずはわわ、と真っ赤になってしまう。
緊張が襲ってきた。羞恥も襲ってきた。
結果は、占い結果があまり頭に入ってこない、それに尽きる。]


[慈しむようになのか、或いは確かめるようになのか。
なぞるように、弧を描くようにして指先がかすめる唇

――離れた、と。思ったら。

指ではない感触が。
もっと近い距離で、貴方の瞳が私を、見ていた。


 声を出すことすら、忘れ。彼を見る。*]


[私が自分のより冷たい肌の質感を、楽しんでいる時
 坊ちゃんは止めてと言いたげな声を出していたみたい
 ベルトに一目やって]

 いいのよ、無理に脱がなくても。
 付けたままでも……なんだか。

[坊ちゃんの白い肌に巻きついてるのが、扇情的に見えて。
 含み笑いをして「興奮する」って教えてあげた。]

[肩ら辺に抱きつかれて、少し身体を震わせる。
 不意に触られたのを、昂っている神経が敏感に
 拾い上げたのか、坊ちゃんが少し冷たく感じたのか
 きっとそのどちらも。
 でも……今日の坊ちゃんのお体全体は
 いつもよりもっと暖かい気がする。……気のせい?]


[布擦れの音や金属の少し動くようなのや……
 あなたの熱の篭った声を聴きながら。
 1番耳に入ってくるのは口内でつくられる水音。
 何度も何度も舌を絡めて。彼の口の中をたっぷり味わって
 口を遠ざけた時に、つうと糸が伝うのが好き。
 架け橋みたいで綺麗だと思うの。]

 ふふ、坊ちゃん。私にこういうことされるの、
 好き……?

[ふぅと1度、坊ちゃんのを触っていたのを離して
 口の銀糸を拭ってから。]

 私は坊ちゃんのお身体触るの、
 大好き……。いっぱい、可愛いのが見られるから。

[ぐりぐりと掌で先っぽをいじめていたのをやめて
 手の全体で先も包み込んで。竿の方と同じように上下に。
 力加減を弱めたり、強めたりしながら動かす……
 精を吐くのを促すみたいに。]



 何時でもいっていいからね……?

[なんて言葉も息を整えていそうなあなたの耳元に添えて。]

 私の手を、あなたのでよごしてほしいの……。**


[夜道を滑る馬車は、やがて聳える邸宅の敷地へと。
 分厚い門扉が、下男の手で押し開かれる。

 庭先では、花々が見頃を迎え始める季節だが、
 夜更けの今は、月下に朧な輪郭が見えるばかり。
 ただ、門扉に括り付けられた灯りに、
 枝垂れるウィステリアが照らし出された。

 馬車を降りると、玄関から繋がる
 天井の高いホールを抜ける。
 進む足音は、敷かれた絨毯が吸い込んだ。
 マントルピースの暖炉の上、先代の父と母が
 佇む肖像画を、シャンデリアが柔らかく照らす。]


[さて、ジャーディンを何処に通そうかと考える。
 客人を招いて晩餐会も開くダイニングルーム。
 居心地の良い応接間。異国の本を並べた書斎。
 自室に通しても良かったが、連れ帰ったばかりの
 彼には刺激が強そうだ。]


  まずは、食事ね…、

  そういえば、パルテールではどうしていたの?
  他のドール達と一緒に?


[控えるメイドに、軽食の用意を申し付ける。
 もてなしをすれば、彼にまた恐縮されかねないと踏んで、
 パンと温かなスウプと、コールドミート程度を。
 自身には、チーズとフルーツ、それにワインを。]


[お互いに、目は開いたままで。視線同士が交差する。

はっと我にかえり、すぐに離れる。
俺は何をしているんだ?]

…………あ、その。ゴメン。綺麗なかたちしてたから、つい…………

[多分それだけでは無いのだ、衝動的に及んでしまった理由は。
ずっと、心の奥底に仕舞い込んでいた本能が、理性を食い破ろうとうごめいている。

……軽い接触程度なら、ときおり店でする事はあれど。性的な意図を載せた触れ合いは一切彼女とはしなかった。望まれていないから、自分はドールだから、という理由でどうにか覆い隠して。]


…………もう一回、する?*


[ジャーディンを伴ったのは、大窓が庭に面する
 開放的なパーラー。
 今は、窓枠が夜暗の漆黒を切り取る。
 時折お茶会を催すガラスのテーブルと椅子が
 置かれている。
 ダイニングのそれよりは、ずっと小振りの設え。
 カコが庭を眺めて、お茶を飲むこともよくある場所だ。]


  どうぞ座って。
  食事の間に、差し当たっての着替えや
  身の回りのものは、部屋に用意させるわ。


[引かれた椅子に座り、ジャーディンにも向かいの
 席に着くよう促す。
 直に軽食の準備は整った。]


[ジャーディンのグラスには葡萄ジュース。
 カコのグラスには、赤ワインが注がれる。]


  ようこそ、ジャーディン。

[彼の方へと軽くグラスを掲げ、
 葡萄の馥郁とした香を薫る。
 一口含んでから、彼にも食事を勧め、
 フルーツを摘み始める。]  


  明日は、執事長とメイド長に会ってもらって、
  近いうちに園丁にも。

  与えられた仕事をこなすうち、
  自ずと得手不得手も知れるでしょう。
  好きなことや、新たな興味も
  出てくるかも知れない。




  けれど先ずは、何よりも。
  私と、それにこの家で暮らすことにも
  慣れて頂戴。

 
  ここが、貴方の終の棲家。

  ───ここで生きて、ここで死になさい。
  ジャーディン。

[言葉の傲慢さに反して、声音は柔い。
 彼が選べないというのなら、選ぶまで。
 一度己を選ぶと言わせた以上、
 もう躊躇いはなかった。]**


[綺麗な顔が、離れていく。

視線は絡み合ったままで。多分、私は茫然として。
そのまま顔を真っ赤にしている、ことだろう。


 「つい」

だと、彼は言う。

麦穂の、くすむ金色の髪で
赤縁の野暮ったい眼鏡の子でも

唇が綺麗な形なら。触れたくなるの?

――ことばがきっと足りない、あなたと、わたし。
でも、1つだけ。]


 煙さんは、したいの?


[尋ねると同時に、手を伸ばす。
貴方の頬には触れられたかしら。


触れられたなら、頬から唇の方へと指を動かして。
上弦の月のように弧を描こうか。


ああ、確かにそうね。
綺麗なかたちをしていたら。触れたくなる。
”選ぶ”の、ならば。]



 私はそうね。してみたいわ。*
 



……………あのねえ…………
ちょっとは躊躇しなさいな、口調がこれだから忘れてるかもしれないけれど。

……「俺」は男だよ?


[先程問うたのは己の方だと言うのに、この言い種である。ある種の最終通告に近い。

――蠱惑的な笑みを浮かべられて、ぞくりとしたのだ。普段はすぐに引っ込んじゃうくせして、そんな顔も出来ちゃうのか。本当に、この子は。

人の気も知らないで。]


……したくないのなら、
お誘いなんてしないでしょ。

了承は取ったから、ね。

[己へと触れた手に、自身の手を重ねて握り。
再び口付ける。今度は重ねるだけのものではなく、より相手を求めるように。舌先で唇を突き、隙間から忍び込ませる。「逃げちゃ駄目」と言い聞かせるよう、唾液を絡ませて、深く深く。]*


 
[夜道を馬車で進むのは初めてのことではないが
 思い出はどれも憂鬱だった。
 
 今も不安が無いわけではなく、夜闇に刺激されてか
 ジャーディンは重い気分になっていた。
 
 やがて屋敷へとたどり着けば
 灯に照らされたウィステリアに迎えられ、
 馬車を降りて入った邸内は
 絨毯のおかげで靴音が響かない。
 
 暖炉の上に飾られた夫婦らしき肖像画は
 恐らく彼女の両親であろうと当たりをつけた]
 


 

  食事は、はい、ドールたちは皆一緒に。
  自分たちで作ることがほとんどでした。
  材料はオーナーが用意してくれました。
  
  
[料理ができない者は互いに教え合うか
 オーナーに教えてもらうか、
 あるいは作る以外の仕事をするか。
 
 質素なメニューを用意してもらえば安堵して、
 彼女の後をついてパーラーへとたどり着く]
 


 
 
  あの……カコ様と一緒のテーブルで……?
 
 
[案内してもらった席は彼女と一緒のようだ。
 そのことに戸惑って問いかける。
 呼びかけは彼女の返答通り、今までと同じだ。
 
 主人との同席がこの屋敷のルールだというなら
 従う以外にないが、ジャーディンにとっては
 あまりにも慣れないことであった。
 
 グラスに葡萄ジュースが注がれたのには気付いても
 彼女に応じるようにグラスを掲げる知識はなかった]
 


 
 
  着替えは持ってきました。
  パルテールで着ていたものですが……。

  他のものを着るべきでしたら
  そのようにいたします。
  
  同室の方にご挨拶しなければ。
  
  
[接客のためと用意されたものの他はない。
 眠るときは下着である。
 
 使用人は相部屋とジャーディンは思い込んでいる。
 過去、短い間勤めた勤めた屋敷は
 いずれもそうだったからだ]
 


 
[彼女はやはり、奴隷を一人の人間として
 尊重してくれる人のようだ。
 
 その慣れない扱いには末恐ろしさがあったが、
 一方で安心できることもあった。
 
 『ここで生きて、ここで死になさい』
 
 死をこの家で迎えて良いのだと、
 これ以上どこかに行くことを考えなくていいのだと
 そう保証してもらえることに心が安らいだ。
 
 ここでどんな扱いを受けることになるかは
 日々を過ごしてみなければわからないだろうが、
 何度も路頭に迷うよりは命を絶たれたほうが楽――
 奴隷の人生とはそういうものだろう。
 もうパルテールに戻ることはないのだから]**
 


 わ、忘れてはいないけれど。
 でも煙さん、は煙さんだと思ってて。


[憧れて、綺麗だなと思っていて。話し上手で。
仕事を真面目にこなす人で。気遣いのひとで。
指折り数えることができる、貴方の良いところ。

そんなあなたが呆れたようにつぶやく言葉に、
反射で反応すれどもあまり育たぬ危機感は未だ蕾。

されど情緒は未成熟でも。
成年している、娘なのだ。

重ねた手をほどくこともせず。
――触れるだけのものから、口の中へと侵入し、
互いに絡む舌に。混ざる唾液と、鳴る水音に。

息すら、忘れてしまう程。
知りたがりの娘は、逃げることすら忘れて。]


 ――  っ、ふ、 ぅ。


[口の端から時折漏れる声は、
口づけの合間の呼吸の仕方を知らぬ、証。

蹂躙される柔肉は、其れを味わう舌に濡れぼそり
取られた手の指が縋る様に、甲を握る。

くらくらするのは酸欠から?今の状態への酩酊?
或いは、
         両方*]



……あたしはあたし、か。

[彼女の言葉を反芻する。リッキィらしいといえば、らしい答えだ。……果たしてこの先まで行ってしまっても、そう思ってくれるのだろうか。

深く口付けた合間に漏れる声が、柔な口内の感触が、握り返される手が。その全てが己の本能に火を灯すのに充分で。

……それでも一応、ギリギリの所で理性が押し留めてはいる。性急に、コトを進めないようにと、戒めるように。

……許諾を得てしまったからには、彼女を満ちたりさせるまで。]


[頃合いを見て唇を離せば、互いに伝う銀糸が扇状的に見えて。酸欠と酩酊でぼんやりとしているだろう彼女へ囁く。]

…………失礼するわ。

[ベッドには座らずに、彼女の前の位置から動かないまま。唇と舌は彼女の耳朶や首筋に這わせて。着ている上着の前側だけをはだけさせ、肌着や下着をズラし胸部を露出させた。控えめだが形の良いそれに優しく触れる。

まだ中心には触れず、じっくりと焦らすように。もどかしそうにしてきた頃合いに胸部の最も敏感な部位へ触れ、首筋を責めていた唇を離して片方の先端へ舌を向かわせる。

そこもまた、ゆっくりと。快楽を拾いやすいように、時間をかけて愛撫する。]*



[君から与えられる快楽と。
内側から押し上げられ、高められた熱に、身体が溶けてしまいそう。

こんな経験は初めてで。
最初は手のひらだけだった温かさが。
二の腕、胸板から腹に広がり、そして今は口内まで。]


········んっ、はっ。


[つつかれた舌先に誘われるまま。
舌と舌を絡めあい、互いの口内を貪りあう。
つうと伝う糸の先には、満足そうな恋人の顔があって。

それを惚けた顔で見つめる自分がいるのだから。
······もうどうしようもないのでしょうね。]


[····私は、君に溺れてゆく。
何も熱いのは口内だけじゃない。

君の手で限界まで膨れあがった陰茎は。
浮き上がった細い血管たちが脈打っており、己の性を吐き出したいと懇願していました。]


······まだ、イキたくない、です。
···もっと、ロイエさんと。···一緒に。


[君を抱きしめ。
心の内を、途切れ途切れに喘ぐが。

君の骨ばった手と、まるでそれを追うように無意識に揺れる自身の腰が。
この願いを叶えてくれそうにありませんでした。]



[必死に意識を逸らして、足掻こうとしても。
絶頂に導こうと下から上へ、忙しなく与えられる快楽から逃れられる訳もなく。


ぐちゅぐちゅと響く水音が一際大きくなった瞬間に。

·············限界は、訪れた。]


·······んっ、ぁぁっ。


[嬌声をあげる、頭がちかちかして真っ白になると。
······陰茎が、内側から高まった熱を吐き出した。

びくびくと脈打って溢れでた性は。
君の黒いドレスまでもを白く染めあげた。
···あぁ、せっかく似合っていたのに。なんて後悔したのは翌朝のこと。
今は、手放しそうな意識を繋ぎ止めるので精一杯だった。]


·········はっ、はぁ。····はぁ。


[脱力した身体を、腕の中の君に委ねて。
肩で息を吸って、吐いて、吸って。

······熱を吐き切り。
やっと呼吸が楽になると、身体を起こして君の顔を見つめた。]


[蕩けた顔でそう伝えると、口付けをお強請りしたでしょう。

暫くして、思考が落ち着いてくると。
下半身に固いものが当たっていることに気付く。

ドレスの布地を捲ると。
性を吐き出しふにゃふにゃになった自身とは違う、質量を持ったままの状態のものがそこにあった。]


······あぁ、私ばかり気持ちよくなってしまって、すみません。

手が、いいんでしたっけ?
······したいです。···私に、触らせてください。



[口を小さく開くと。
舌先からつぅーと垂れる唾液を、自身の手のひらに上に集め。
ぬめりとした手を君の竿の方へやり、不器用に塗りたくれば。
···全体を手で大切に包み込む。


この行為が君の真似事だったと気付くはずもなく。
私は、手をゆっくりと動かし始めました。]**


[私との口でのまぐわいで惚けた顔を見せるのも、
 いきたくないと我儘を言い眉をゆがめるのも、
 好きだ好きだと必死に伝えるそれも、
 可愛い小さな穴から勢いのある精を吐いた瞬間も、
 意識を飛ばないようにと気を張るのも、
 落ち着くまでに、はぁと何度も息を着くのも。]

 好きよ、坊ちゃん。あなたのそういう所も……。

[少し手にかかったりしたのを適当に
 ドレスの布地でぬぐえば、
 ちゃんと起きてこちらをむけた坊ちゃんの頭に手を乗せ
 ゆったりと撫でた。]


[お強請りにこたえて口を開く。
 ちゅっちゅと軽いのを、貴方の唇に。
 ……もうすっかり、私の口紅はあなたの唇にもうつって
 しまっていた。
 私の口紅を宿した口であなたが私のを触ると言う。
 ……いい、光景だった]

 うん、触って。坊ちゃん。
 人にされるの初めて。……優しく、してね?

[なんて可愛こぶったことを、控えめな口ぶりで告げた。]


[欲しがるように私の手に押し付けるように揺れる腰を、
 間近で見たせい。私の愚息は、貴方があおるせいで。
 熱を増して。ここだけ特にあつくてくるしかった。
 あつくてくるしいこれを、坊ちゃんの体液と手とで
 包まれて……おぼつかない動きで、擦られる。]

 んっ……ふふ。

[感じたような声も出すけれど。それと同じぐらい
 含み笑いも返した。……私の真似っ子をたどたどしく
 する坊ちゃんが……かわいくて。]**


[私の言葉を繰り返す貴方は、
今、どんなことを考えているのだろう。

衝動なのか。それとも慣れなのか。
――或いは、興奮しているのだろうか。
優しく、性急ではなく余裕をもって触れる手は
未だ理性を残したよう。


離れる唇の温度が惜しい心地がする。
急に得られるようになった酸素を吸い込めば、
伝った唾液の糸がふつり、と切れて
濡れた唇を彩ることになる。


貴方の声での囁きは、まるでこちらの理性だけを溶かすよう。
衣類を肌蹴れば素肌に直接感じる春先の空気の寒さ。
胸部に触れる手や、耳や首筋を食み、擽る舌や唇の熱さが
より肉感を伴って今、行われていることが
現実であると私に、教えてくれる。]


 ――、 ぅ、ぁ。


[漏れる声を抑えるために、片手を口元へ。
揉むような、撫でるようにふくらみをあやす動きは
段々と擽ったさ以外の感覚を私に、植え付ける。
外気でか、或いは愛撫でか。
芯を持ち始めた先端へ唇が触れた際に肩が震えたのは
急所を食まれた生理的な反応であろう。

それが、芽生えた快楽を拾うようになり
内腿を擦るようにして。或いは口を押えぬもう片方の手を
相手の肩に置いて、肩口の服を握るようにするのも
彼が齎す私の、変化。*]



[絶頂まで登り詰めた後ならば。
頭を撫でる手まで気持ちよく感じてしまうのだから、
···もう、どうしようもないですね。ふふっ。]


·····っ。
はい、私も。···私もロイエさんが好きです。


[甘い息を漏らし。
一滴残らず性を吐き出そうと、未だに震える身体で、君に愛を伝えました。]


···あぁ、そっか。
触られるのは初めて、でしたね。

そうですよね、私と違って経験豊富だと思っていたけれど。
······当たり、前か。


[そう言うと、ベットの端に転がっている貞操帯に視線を向けました。
···肉体的にだけでなく、もうしかしたら精神的にも縛られて。
見た目以上に窮屈な思いをしていたのではないでしょうか。

そんな事を考え、反り立った君の陰茎に視線を戻します。]


···はい、優しくいたします。
痛かったら教えてくださいね?


[柔らかく微笑めば、手に包み込んだものを優しく動かします。
まるで頭を撫でるかのように、上から下へ、ゆっくりと。]



[改めて隠されていたと実感すると。
自分の身体と同じものだというのに、綺麗に見えてくるから不思議ですね。

ぷっくりと浮き上がった血管、雄を感じさせるそこを指でなぞり。
鈴口から漏れた先走り。
透明なそれを指先で掬って、また竿全体に擦り寄せれば。
多少は滑りやすくなったか、たどたどしかった手の動きも早まっていきました。]


ロイエさん、大丈夫ですか?
······気持ちいい、ですか?


[未だに熱が残ったままの瞳で、君の顔を伺いました。]**


[私は男だけど、貞操帯もできるだけ
 女の子と近いデザインのものをつけさせてもらってた。
 私がそうしたのだけど、それが例えば興奮を覚えた
 時とかに、苦しく思うときもあったかもね。
 ……まぁ、私がお仕事中に興奮を覚えた相手は
 居ても、坊ちゃんぐらいなのだけど。]

 うふふ、夢みたい。なんだか……

[いつもは清らかで、私の誘いすら手を振り払っていた
 性の文字とは無縁そうな坊ちゃんが。
 私の"もの"にその綺麗なお手手を伸ばして。
 自分の手につばすらためて、ゆるゆると愛撫をなさって
 ……あぁ、気持ちいい。
 肉体的な気持ちよさももちろんあったけれど。
 それ以上に、精神的な充足に背徳の思いや
 綺麗なものをけがしたような倒錯感を覚えて
 はぁ、と熱い息を吐く。]


[手が早まれば、これまた薄い腹をうねらせる。
 手の中の熱は貴方の手の熱とまざりあって同じ温度に。
 膨らんだり、凹ませたり。快楽を逃がすように
 手をうしろについて、背をうしろに傾けて
 少々天井を仰ぎ見た。]

 おてて、気持ちいい。
 ……1人の時もこんなふうにしてるの?坊ちゃん……。
 それとも、私にだけ?

[穴から溢れた透明な蜜を、いつもは本をめくるのだと言う
 節ばった指ですくいあつめて、塗って。
 それすらも潤滑油にされて……
 「いやらしい」と目の前の光景の感想を素直に口に出して
 うっそりと微笑む。]


[より快楽を得れば、背中がぞわぞわする心地。
 喘ぎ声も出して身体を小さく震わせながら
 貴方に抱きついて、己の身体を少し丸めるみたいにする。
 淫物は膨らみきって、精をつくる双球も
 ひくひくと動きはするけれど
 でも、まだ。出さずに我慢は出来るのよね。]**



ふふっ、わかります。
でも、夢じゃないんですよね。


[握った竿の熱が、顔にかかる君の乱れた吐息。
それらが、この晩が現実であると感じさせてくれます。]


いえ、一人の時に適当に済ませていましたから。
···こんなに丁寧に触れたのは、あなたが初めてです。


[先走る透明な蜜が、私に気持ちいいと教えてくれているようで。
手を動かしてる間に、また溢れてきたそれをまた指で掬うと。
ぼぅっと眺め、優越感に浸っていました。]


·······い、い、いやしい、ですかね?


[何だか恥ずかしいことをしている気分になり、逸らした視線の先は白く穢れたドレス。
仰け反った体勢のせいもあり、徐々に下へと垂れてゆくそれを眺めて。

·········す、すみません。
もごもごと、弱々しい言葉を発した主は、それはそれは赤く染まっていたそうです。]



·········。


[膨らみ切ったのに、まだ限界から遠そうな陰茎に手を添えて、考える。

最後までしたいとは、言ったけれど。
そもそも自分は、どっちをしたかったんだっけ。
君を抱く側、それとも君に······。]


[少し先、このベットに押し倒されて乱れる自分の姿を想像してしまい。
そんな不埒なことを考えてしまった自分の頭を横に振る。
余計なことを忘れようと、おざなりになっていた手を必死に動かしました。]


[ドレスに放たれた熱が徐々に温度を失っていくのに、
 愉悦を覚えた。この先、きっとあなたは私以外に
 こうすることは、ないのでしょう。
 貴方はこれから、こうやって命を宿せない
 私の身体に、何度精を放ってくれるのでしょう。
 そう思うと……たまらない気持ちになる。
 好きな男が、それが無駄になるとしても……
 私に子種を放ってくださるのが。
 うれしい。]

 いやしくていいじゃない。
 そういうことをするお時間でしょう?今は……

[意味ありげにわらう。
 あぁ私だけにこんな事をする坊ちゃん。
 そんなあなたが好きよ、私。]



[謝らないでと目を合わせて、眉を下げてみる。
 もごもごと口ごもっていらっしゃるのも、可愛い]

 ……もう、坊ちゃんってば。これ以上興奮させないでよ。
 手だけで治まらなかったらどうしてくれるの……?

[なんて、困ったように眉を寄せて見せた。
 ほとんど、本気の言葉。]


[心ここにあらずから、忙しなく私を絶頂に導こうとする
 その手に。
 先程まで貴方の胸をいじくりまわしていた手を
 そっと乗せて。]

 もういいわ、……ありがとう。

[って、静かに微笑みをたたえてみせたまま。]

 ごめんなさい。

[と謝る。
 明日は忙しくなるだろうからって、
 手だけで収めようとしたけれど。]

 ……もっと、したくなっちゃった。

[止められそうにないのと、そちらを上目遣いで見た。]**


[仕事でやり慣れている筈の行為なのに、いつも以上に理性が溶け落ちそうになっていく。

相手がリッキィだから、というのはきっと大きいのだろう。この娘が『性的な接触』をいつか求めてくるとしたら、どうなるのか。困惑もきっとしただろうが、興味がないわけではなかったのだ。

いつぞやに見ない振りをしたドール達が頭の片隅に過っていく。

成程、たしかに「触れられない、触れてもらえない」というのは……自己処理では治りきりそうにない。]


[肩を掴む手や、漏れ聞こえる声から快楽を拾ってくれているのは分かるが。

――まだ開花するには早いか。

もう少し丹念に責めてもよかったが、一旦胸への愛撫は止めて。直接的な刺激を与えるため、向かうのは、秘所。]

こっち、そろそろ触れるからね。
ちょっとスカートをたくし上げてくれるかしら。

[そう言ってから、まず内太腿に唇を落とす。退けられたスカートの下にある下穿きを邪魔にならない程度に脱がせてから、秘められた花弁へ舌を這わせる。ある程度濡れてはいた箇所を更に潤すため、特に敏感な芽の箇所は丁寧に、執拗に。]*



······だ、だから。
手だけで治まらなくなったら、困ってしまうから頑張っているんです。


[合わせられた瞳に言い訳を返し、気恥ずかしさから視線を逸らそうとしたでしょう。
先ほどした想像と、君が悪戯をするせいで。
集中出来ていないのは明らかで、手の動きが覚束無くなってゆく。]


·····え、まだ終わってない、ですよ?


[どうして、なんて狼狽えて。
不安そうな顔を覗かせた時に、僕の身体を引き寄せた君が囁きました。]


···········。



[ゆっくりと部屋を見渡すと。
ベット脇のラックに置いてあったボディクリームを手に取ります。

チューブ状で粘り気が強く、保湿性と持続力の高い白い液体。
普段は手につけて使っていますが、···今は、そういう時間でしょう?
これが、本来の用途に使われる訳がありません。

『もっと』について考える。
高揚した頬が熱い、今から何をするかは理解していました。
でも、未知への不安や恐怖は、沸き上がってくる熱情に書き消されてゆくようで。

浅い息を繰り返し、何か決意したように唾を飲み込むと。
微かに震える手で。
········それを君に手渡しました。]


[友人達が囀る恋の話や性の話。
魔術に夢中の自分は右から左に聞き流していたが
もっとちゃんと聞いておけばよかった。

己の胸元を可愛がる手が離れるのを、
体の内から湧く、不思議な感覚に耐えて潤んだ目で追う。
これで終わり、というわけではないのはおぼこでもわかるが。
いざ、下半身を曝すとなると―― 偏に自分自身で、
衣類をたくしあげて誘うとなると、羞恥に益々頬が赤らむ。

それでも、促しのまま口元を覆う手を離し
両手でスカートをもち上げる行為は
何処か背徳的な思いを己に、抱かせた。

――同時に、ぞくりとした興奮、も。]


[声を抑えるものは口元にはなく。
腿へ触れる唇には何とか唇を結んで耐えたものの
直接の、下腹部への刺激となると耐えきることができなかった。

特に、剥かれたことすらない芯が膨らみ、硬くなれば
花弁を唾液以外が濡らすことになるだろう。
腿の内側を愛液が伝う頃には、ひくつく秘所が彼の目に映る。

もうたくし上げる必要もないのだし、手を離せばいいものを
律義にスカートを持つ手は皺になるくらいにそれを握りしめ
相手に縋るすべすら、今は考えられぬままである。*]



[体勢が代わった。
背中に当たる、柔らかなマットレスの感触。
視界に映る、見慣れた天井と私を見下ろす君の姿。]


[上品に揃えられていた太股。
その片方を滑らせ、君が私の臀部に触れやすくなるように乱れさせました。]


·········んっ。


[口から零れたのは、何かを言いたげな甘い声。
店では散々口説いた癖に、このような晩では君を誘う言葉のひとつも口に出来やしない。]



······、
··············ぁっ。


[秘孔をなぞられ、指の先端が埋まった時に。····私は艶やかな声をあげた。]**


[広い廊下を歩きながら、
 付き従うジャーディンに返答する


  そう、では貴方、料理の心得は
  多少なりとあるのね。


[同僚と食事の席を共にするのも常だったようだ。
 ドール同士、話をする機会もそれなりに
 あったのだろうと安堵する。]

  貴方、煙とは親しかったの?
  私はよくお喋りに付き合ってもらってたんだけど。


[ジャーディンが困惑を滲ませ口にした
 疑問は、当然のことだった。
 使用人と主が食事を共にすることは
 まずないこと。]


  ──…、ええ。そうね?

  普段は新しく来てくれた使用人には、
  すぐ執事長達と顔合わせして、
  他のみんなと一緒に食事を
  摂ってもらっている。


  ……今夜は、時間も遅いから。
  いつもこうしている訳ではないの。

[あくまで上下関係を保った上での
 厚遇を心がけているから、
 今宵の『ご相伴』は異例のことだった。]



  せっかく持ってきてもらったけれど。
  その服は、ここでは着ることはないでしょうね。
  持っている分には構わない。

  仕事に応じて仕着せの服もあるわ。
  側近く仕えてもらうのであれば、
  それに相応しい服装を。

[執事、従者、下僕等と、役割に応じて
 仕着せの服も異なる。
 執事であれば、黒のモーニングに白のウェストコート。
 晩餐会の給仕も務める下僕は、家の格を示すために、
 年若く見栄えが良いのが習わしだ。

 ジャーディンが白手袋を嵌め給仕をする姿は、
 なかなか様になることだろうと、思い描く。
 差し当たり用意させているのは、彼の自室での
 寛いだ部屋着だが。]


  貴方は、同室の者はいないわ。
  そもそも、貴方だけでもないの。
  住み込みの者は一部で、通いで
  来てくれているものも多いから。

[年若く仲の良さそうな者達であれば、
 相部屋もあるが。
 ジャーディンには落ち着かなかろうと、
 それは当面避けるつもりで。
 彼の部屋には、マーガレットを生けるための、
 水を満たした花瓶も用意されていることだろう。]

  今は両親もなく独り身だから、
  夜間にまで対応してもらうことはそう多くないの。

[夜更けの食事を簡素に済ませたのは、そのせいもある。
 話しながら、ワインを愉しみ、フルーツとチーズを
 食べ進め、食事は終わりに近づいていた。]*


[彼女から発せられる、甘く悦を告げる声が脳髄を焼き切ろうとする。意識しないようにしていた、下肢にあるソレが主張しているのも無視するのがそろそろ苦しくなってきた、けれど。
まだ、駄目だ。

唾液の他に、溢れ出してきた蜜によって濡れそぼった秘所の味を堪能して。そろそろいいだろうと口を離して指を挿れる。

爪は普段から短くしてあるから、異物感はあれど引っ掻いて痛がられる事は無いだろう。

様子を見ながら、少しずつ指を増やしていって。膣内で彼女が特に感じるであろう場所を探る。適度に敏感な芽に刺激を与えるのも、忘れずに。]


[頑張っていると正直に告げる坊ちゃんに、
 私の体液を擦り付けては必死に私のを擦るあなたに。
 可愛いと思うのと同時に、
 このかわいらしいひとをめちゃくちゃにしてやりたい
 なんて気持ちが湧いて。
 ごめんねとただ眉を下げた。
 もう……遅いかも……って。]

 終わってないけど……いいの。
 でもまだ、終わらせる気も、ないのよ。

[手はもういい。でもまだ続きはすると告げる私の目は。
 じっと、貴方の下を見て。
 背に回していた方の手で意味ありげに、尻をなでた。]


[やがて、ジャーディンが食事を終えたのを
 見届けると、グラスのワインを飲み干す。]


  では、そろそろ部屋に案内させましょう。
  今夜はゆっくり休んで。

  ……その前に。これが必要でしょう。


  ジャーディン。こちらへ。


[カコが取り出したのは、彼を水揚げする際に
 渡された貞操帯の鍵。]


[椅子にゆったりと腰掛けたまま、
 カコはジャーディンを傍へと呼ばう。]



  脱ぎなさい。


  どう使うのか、貴方が教えて?


[質素な食事に給仕は不要と、
 使用人は部屋の外に下がらせている。
 床面まで繋がる大窓から、昼間は陽が照らす
 開放的なパーラー。
 今宵彼を照らすのは、鈍く柔らかな燭台の光のみ。]*


[なにか決意したような坊ちゃんが、
 探していたものを手渡してくれた。
 あぁこれならお誂え向きねと微笑む。
 ……自分で封をあけるでなく
 あえて私に渡してくれたのなら、
 そういう事なんでしょう。……小さく了承の相槌をうつ]

 探してくれて嬉しい、坊ちゃん。
 ありがとう……嫌な様にはしないから。


[組み敷く時はつい、これからのことが楽しみだったから。
 口を三日月に歪めて、目を細めて。
 店で見せていた……修道服の似合うお淑やか然としたの
 とは、遠く離れた顔を見せていたかもしれない。
 坊ちゃんが足を片方開いて、
 私が触りやすいようにしてくださる。
 何も言わずともそうしてくれるのに]

 ふふ、坊ちゃん。初めてとは思えないぐらい……
 私を誘うのが、お上手。

[褒めて讃えて、頭を撫でて。
 白い足の、膝から。
 ガーターベルトの上も通って付け根まで一撫でしたら。
 つぷり、って。
 人差し指の先を入れてあげた。]


[小さなうめき声に気を良くしながら……
 まずは、さっきへこたれていた貴方のをちゃんと、
 元気にしてあげないとねって
 秘穴に入れた長細い指を浅く出し入れしながら。
 少し慣れて抵抗が薄れたぐらいに、中の質感が違う、
 こりこりした部分を指で擦って、きゅっと押して。]

 男の人って、おしりにもちゃんと気持ちいい所が
 あるんですって。こことか……
 人によっては前を弄られるより気持ち良いって聞いたわ。
 不思議よね……、突っ込む側の生物なのに。

[昔客に聞いたのを、受け売りで教えて。
 並に気を使っても、初めておしりで遊ぶのは
 きっと、違和感やら何やらが出てくると思うから。
 暫くは坊ちゃんがよくなるまで。
 怖がればキスを落として慰めてやったり。
 眉をしかめたら少しペースを落として。
 萎えそうならたまに、前もいじくってやる。
 貴方がこの後より気持ち良くなれるように……]


[そして、私が沢山坊ちゃんの、
 様々なお姿を見られるように……
 秘孔の指がもう一本、二本と増やしても大した違和に
 襲われなくなるまでは。]

 かわいい、坊ちゃん。
 とってもかわいい……

[うっとりとした口で、何度も貴方が愛おしいというのを
 言葉として吐いて、貴方の頭の中に刷り込むように……
 まるで蜜月の頃のふたりのように、
 仲睦まじく愛し合っていましょうね。]**


[あくまでも、奉仕なのだろうか。
貴方の指は優しく、傷つけないように私の中を蠢く。
異物感よりも、まるで新雪にゆっくりと、消えぬ足跡をつけられるように
或いは真白のカンバスに絵の具をゆっくり塗りこめるように。

――私に、貴方を教えてくる。]


 
[料理の心得を言われると、
 ジャーディンの表情は渋いものになった
 
 
  僕は、本当に簡単なものしか……。
  
  煙ですか。
  ときどき声をかけてもらいました。
  優しい人です。
  
  
[彼は佳い主人に巡り逢えたというが
 今はどうしているのだろう。

 同じ街に住んでいるのなら
 外出を禁じられなければ
 またどこかで出会うこともあるかもしれないが]
 


 
[彼女によると今回は異例のことのようだ。
 ジャーディンはそれを知って安堵した。
 常々主人と一緒では息が詰まってしまうだろう。
 
 執事長がいるらしいことだけは心に留め、
 服装に関して説明されると頷いた
 
 
  かしこまりました。
  取り決めに従います。
  
  
[どんな服装をさせられることになるのか
 ジャーディンには想像がつかないが、
 何であってもそれが命令なのだ。
 従う以外ないし、従うことで安心する]
 


 
 
  え? そうなんですか……。
  
  
[同室の者がいないと聞くと恐縮したが、
 住み込みの者が少ないと聞いて納得する。
 ほとんどは奴隷ではないのだろう、と。
 奴隷でなくとも屋敷に仕える者はいるからだ。
 
 彼女よりも遅いペースで飲食をしていたが
 彼女が食べ終わりそうなのに気付くと
 食べるペースを早める]
 


 
[程なくして食事を終えると、
 彼女もワインを飲み干した。
 
 呼ばれるままに席を立って彼女の元へ向かうと、
 貞操帯の鍵の使い方を教えるよう言われ、
 ジャーディンは戸惑いの色を露にしながら
 おずおずとズボンを脱ぎ落とし、
 シャツの裾を持ち上げた。
 
 燭台の鈍い光の下、貞操帯だけを身に着けた
 下半身が照らしだされる]
 


 
[未だジャーディンを拘束する貞操帯は
 陰部から腰骨より少し上までを
 縦横数本ずつの革ベルトで包み込む形をしている。
 
 性器は上向きに固定され、
 平時は若干の余裕があるサイズに見えるだろう。
 
 ギリギリのサイズの硬いベルトが通っているため
 引きずり下ろせないようになっており、
 腰に通ったベルトを緩ませるための南京錠が
 上部中央あたりについている]
 
 
  鍵は、この錠を外すために使います……。
  
  
[鍵を外すかどうかは、彼女次第。
 ジャーディンは彼女の動向を見守った]**
 


[指の抽送を少しだけ早めて、彼女の膣内に形を覚え込ませるように動かす。特に反応が良いとみえた部分は念入りに刺激する。

限界が近くなってきている事を察したら、秘芽へ添えていた方の指で強く摘み上げ。

……暫しして、か細い悲鳴にも似た声があがり。脱力した彼女の身体を支えるよう体勢を変えた。

体液が纏わり付いた指先で、主人の服を汚さないように。]


……お疲れ様。
気持ちよかった?

[まだ整わない呼吸をする彼女に問う。

慎重に、寝具の上にリッキィを完全に横たえさせ。指先を塵紙で拭いながら、逡巡。

……こちらも少々限界が来そうなのである。理性が、完全に本能に塗り潰されようとしている。

ギリギリを保ちつつ、
もう一つだけ主人へと問いかける。]


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