人狼議事


14 冷たい校舎村10

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【人】 七星拳 ナツミ

[ それなのに、あたしの中にはあの日から、
 ひめちゃんを恨む気持ちまであるんだ。
 あたしはひめちゃんを壊した。
 だけど、あたしもひめちゃんに壊された。
 そんな気がするんだよ。

 あたしの中のひめちゃんの輪郭は、
 どんどん淡く、薄くなっていくのに、
 そのことを申し訳ないと思うのに、
 同時に雁字搦めにされてる気もする。
 ひめちゃんに支配されてるような気がする。
 ひめちゃんはもういないのに、
 今もあたしは、ひめちゃんにぐちゃぐちゃにされてる。
 そんな気がするんだよ ]

(400) 2021/11/10(Wed) 23時半頃

【人】 七星拳 ナツミ


 ……ああ。

[ チンって音が鳴って、エレベーターが止まる。
 エレベーターの扉が開いて、足を踏み出せば、
 屋上の重い鉄製の扉の前。
 小さな人影を見つけて、あたしは呻いた。
 そこから先へは行かせまいとするように、
 扉の前を陣取っているのは ]

 ひめちゃん。

[ あたしの、たったひとりの親友。
 ずっとそう思ってた、垂澤姫乃だった ]

(401) 2021/11/10(Wed) 23時半頃

【人】 七星拳 ナツミ

[ 一歩。また一歩。
 踏みしめるように、あたしはひめちゃんに近づいていく ]

 久しぶりだね、ひめちゃん。

 「そんなことないわ。ずっと一緒にいたもん」

[ あたしの言葉に、ひめちゃんは返事する。
 だけどその声は、機械を通したみたいな
 人工的な声だった。
 よくテレビで見る、音声は変えてありますっていうやつ。
 だって、あたしはもう、
 ひめちゃんの声を忘れてしまったから ]

(402) 2021/11/10(Wed) 23時半頃

【人】 七星拳 ナツミ


 ううん。久しぶり、だよ。

[ あたしは首を横に振る。
 多分、あたしはひめちゃんに言い逆らったことなんか、
 今まで一度もなかったと思う。
 だってあたしにはひめちゃんしかいなかったもん。
 あたしはたったひとりの親友に、
 全力で依存して、縋りついてた。
 だからこれは、初めての反抗だったかもしれない ]

(403) 2021/11/10(Wed) 23時半頃

【人】 七星拳 ナツミ


 ごめんね。
 あたし、ずーっとひめちゃんのことだけを考えて
 生きてくつもりだったのに。
 でも、できなかった。

[ ごめんねって言いながら。
 申し訳なさそうに眉を下げながら。
 本当にそう思いながら、でもどこかで、
 愉快な気持ちがなかったって言ったら嘘になる。
 ひめちゃんの思惑通りにいかなくてごめんね?って
 あたしちょっと、いい気味だって思ってる。
 だってあたしはひめちゃんにぐちゃぐちゃにされたから ]

(404) 2021/11/10(Wed) 23時半頃

【人】 七星拳 ナツミ


 「ひどい。ひめ、ななちゃんのためにしんだのに」

[ ひめちゃんがあたしを詰るようなことを言うのも、
 多分初めてだった。
 ひめちゃんはいつもあたしのことを全力で肯定して、
 めちゃくちゃに甘やかしてくれた。
 そうやってあたしを飼いならして、
 依存させてたんだよね?
 だから、あたしは首を横に振る ]

(405) 2021/11/10(Wed) 23時半頃

【人】 七星拳 ナツミ


 違うでしょ?
 ひめちゃんが死んだのは、あたしの為じゃない。
 自分の為でしょ。

[ あたしの中に、ひめちゃんの存在を焼き付けるために。
 あたしの人生を縛って、支配するために。
 そのために、ひめちゃんは自分の命を使った。
 それは、あたしの為じゃない。ひめちゃん自身の為だ。
 狂ってると思う。
 狂わせたのは、あたし? ]

(406) 2021/11/10(Wed) 23時半頃

【人】 七星拳 ナツミ


 だけどね、あたし、馬鹿だからさ。
 もうひめちゃんの顔も思い出せないんだ。

[ ごめんね、ってあたしはもう一度ひめちゃんに謝った。
 ひめちゃんとの距離は、もうたったの3歩分くらい。
 それなのに、あたしにはひめちゃんの顔が見えない。
 もやがかかったように、顔の部分だけぼんやりしてる。
 だってあたしは、ひめちゃんの顔を忘れてしまったから ]

 「だったら、もう、しんじゃおう?」

[ 謝るあたしにひめちゃんは言う。
 甘やかすみたいに。歌うみたいに。
 やっぱりそれは、機械音声だったけど ]

(407) 2021/11/10(Wed) 23時半頃

【人】 七星拳 ナツミ


 「しんじゃったらもう、これ以上いらないものは
  入ってこないでしょ?
  だからね?ななちゃん、しんで?」

[ いいでしょ?ってひめちゃんは言う ]

 「だってひめは、しんであげたよね?
  だったら今度はななちゃんの番でしょ?」

[ ほら、って指差されて振り返って見上げれば、
 あたしの真後ろに、いつの間にかひもが下がってた。
 輪っかになったひもが。
 ご丁寧に踏み台まで用意してある。
 そんなの、一瞬前まで絶対なかったのにね ]

(408) 2021/11/10(Wed) 23時半頃

【人】 七星拳 ナツミ


 そっか……そうだねぇ……。

[ あたしはまじまじとひもを見る。
 そのひもには、見覚えがあった。
 きっとあの時のと同じやつだ。
 だけど見たところ、切れ目が入ってるようには見えない。
 そりゃそうだよね。今回のひめちゃんには、
 あたしを生かす理由がない。

 終わりにできるなら、それでいっか。
 あたし、そんなことを思う。
 終わりにしちゃえば、あたしももう、
 これ以上ぐちゃぐちゃにならずに済む。
 ひめちゃんが死んで、あたしも死んで、
 これでお相子。イーブンで、ご破算。
 それでいいじゃない?いいよね? ]

(409) 2021/11/10(Wed) 23時半頃

【人】 七星拳 ナツミ


[ あたし、「いいよ」って言おうとした。
 いいよ、わかったよ。これでおしまいにしよう ]
 

(410) 2021/11/10(Wed) 23時半頃

【人】 七星拳 ナツミ


 ……………………やだ。

[ ――――――――――――――――――――あれ? ]

(411) 2021/11/10(Wed) 23時半頃

【人】 七星拳 ナツミ

[ あれ、あたし、今なんて言った?
 いいよって言って、全部終わらせるんだよね?
 だってあたしはもう、
 これ以上ぐちゃぐちゃになりたくなくて、
 だから ]

(412) 2021/11/10(Wed) 23時半頃

【人】 七星拳 ナツミ


 ……やだ。あたし、死にたくない。
 あたし、友達がいるんだ。大事なものがあるんだ。
 「死んで」じゃなくて「いなくならないでほしい」って
 言ってくれる友達がいるんだよ。
 だから、やだ。
 死にたくない。

[ あたし、ぐちゃぐちゃなのに。
 そんな自分にうんざりなのにさあ! 
 もんどーむよーで入ってきたみんなが、
 あたしのどこかをあっためるから。>>187
 だから……だから、
 あたし、死にたくない。
 死にたく、なかった ]

(413) 2021/11/10(Wed) 23時半頃

【人】 七星拳 ナツミ

[ ああ……そっか。
 あたし、やっとわかった。
 この世界の主はあたしじゃない。
 あたしじゃなかったんだ ]

(414) 2021/11/10(Wed) 23時半頃

【人】 七星拳 ナツミ

 「そんなの、許さない」

[ ――――だけど。
 ひめちゃんがそう言った途端、体が動かなくなった ]

(415) 2021/11/10(Wed) 23時半頃

【人】 七星拳 ナツミ


 「ななちゃんにはそんなもの、いらないの。
  ななちゃんには、ひめがいればいいの」

[ 動かなかった体が、勝手に動きだす。
 は!?え!?やだ!
 よいしょって足が勝手に踏み台に上った。
 目の前の輪っかに首を通す。
 やだ!やだってば! ]

 「大丈夫よ。だって一回やったことがあるでしょ?」

[ やだ!そんなことない!あたし死にたくないんだってば!
 ひめちゃんの声を否定したくて、
 必死に首を横に振ろうとするけど、
 やっぱり体はあたしのいうことを聞いてくれない。
 声も出せない ]

(416) 2021/11/10(Wed) 23時半頃

【人】 七星拳 ナツミ

[ タン、とあたしの足が勝手に踏み台を蹴り倒す。
 体が宙に浮いて、
 一瞬後、ぐっと首にあたしの全体重が乗った。
 息ができなくて、
 苦しくて、
 気が、遠くなって、

 ――――――ブツッ!

 突然。ひもが、切れた。
 あたしは床に叩きつけられる ]

(417) 2021/11/10(Wed) 23時半頃

【人】 七星拳 ナツミ


 げほげほげほっ!

[ 突然酸素が体に入ってきて、あたしは盛大に咳き込んだ。
 必死に酸素を吸い込む。
 だけど、自由になるのはやっぱりそれだけだった ]

 「あ、そっかあ。
  ななちゃん、重くなっちゃったもんねえ」

[ のんびりした声が近づいてくる。
 ああ……そっか。
 小学生の体重を支えられたひもは、
 高校生の体重には耐えられなかったか。
 って、あたし本来は高校生ですらないんだ。
 本当はもう19歳だもん ]

(418) 2021/11/10(Wed) 23時半頃

【人】 七星拳 ナツミ


 「仕方ないからひめがやってあげるね」

[ 仰向けに転がされた。そしてあたしに影が差す。
 あたしの顔を覗き込むひめちゃんの顔は、
 やっぱりもやがかかって見えない。
 ひめちゃんが両手を伸ばしてきて、
 ぐっとあたしの首を絞めた。
 体重をかけて、全力であたしを絞め殺そうとする。
 体を床に叩きつけられて、酸欠で、
 やっぱり体はぴくりとも動かせなくて。
 あたしはただ、見てることしかできなかった。
 ちょっと涙が出てきたけど、
 それがどういう涙だったのか、自分でもわからない ]

(419) 2021/11/10(Wed) 23時半頃

【人】 七星拳 ナツミ

[ ひめちゃん。
 忘れちゃって、ごめんね。
 最後にそれだけ言いたかったけど、
 その言葉にだけは「ざまあみろ」なんて気持ちは
 ひとかけらもなかったんだけど、
 やっぱり声も出せなかった。
 かろうじてごめんねって動かした唇、
 ひめちゃんには読み取れたかなあ? ]

(420) 2021/11/10(Wed) 23時半頃

【人】 七星拳 ナツミ


   [ ひめちゃんは、あたしのすべてでした ]
 

(421) 2021/11/10(Wed) 23時半頃

【人】 七星拳 ナツミ

[ ひめちゃんは、あたしのたったひとりの親友で、
 ひめちゃんの分まで、あたしは生きなきゃいけなくて、
 あたしは一生、ひめちゃんのことを胸に、
 生きていくんだと思っていました ]

(422) 2021/11/10(Wed) 23時半頃

【人】 七星拳 ナツミ


    [ 本当に、そう思っていたんだよ ]
 

(423) 2021/11/10(Wed) 23時半頃

【人】 七星拳 ナツミ


   [ ねえ、ひめちゃんの思惑通りだった? ]
 

(424) 2021/11/10(Wed) 23時半頃

【人】 七星拳 ナツミ

[ でも、人は忘れてしまう生き物なんだ。
 本人の意志とは関係なく。
 指の隙間から砂粒が零れ落ちてくみたいに、
 少しずつ少しずつ、
 あたしの中から思い出が零れ落ちていく。
 そこだけは、ひめちゃんも計算外だったかもしれないね。
 ごめんね ]

(425) 2021/11/10(Wed) 23時半頃

【人】 七星拳 ナツミ

[ でもね、あたしは、それでも。
 真実を知った今でもね、
 ひめちゃんのこと、嫌いになりきれないんだ。
 やっぱりあたしはひめちゃんがすきだよ ]

(426) 2021/11/10(Wed) 23時半頃

【人】 七星拳 ナツミ

[ ――――ああ。でももう、
 ひめちゃんはあたしのすべてとは、言えないなあ。
 今のあたしにはひめちゃん以外にも、
 大切にしたいものがある。
 好きな人たちがいる。
 そしてね、その中には、
 この校舎の主さん、あなたのことも、きっと、

            ――――――…………きっ、と ]

(427) 2021/11/10(Wed) 23時半頃

【人】 七星拳 ナツミ

[ ――――――――――――――――――――――――― ]

(428) 2021/11/10(Wed) 23時半頃

【人】 七星拳 ナツミ

 ―― AM8:50 ――

[ 屋上の扉の前に、一体のマネキンが転がっている。
 全身をぶつけた跡があり、髪は乱れ、
 首には小さな指に絞められたような跡がついている。 
 顔には涙の跡のようなものもあるが、
 その表情は、どこか笑っているようにも見える ]**

(429) 2021/11/10(Wed) 23時半頃

七星拳 ナツミは、メモを貼った。

2021/11/10(Wed) 23時半頃


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