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サラちゃんの病気、ちゃんと治ったぽいんだよね。
まだ検査とかはあるんだろうけど。
その上お金まではって話だった。
ま、お前は断るよね。伝えとく。
[賞金を譲る行為自体は訝る癖に、自分は「胡散臭い」で断るんだからちょっと面白い。そうやって自分を遠くに置きたがるのに、俺なんかの心配をしてくれてさ。]
…………うん。
けどさ、飯ン時に言った通り、
俺はお前にまた会いたいから。
明日スマホ買ったら一度電話する。夜かな。
出ても出なくてもいいけど、番号だけ覚えといて。
[何とか整った寝床に桐堂を誘導して、電気を消してきてからその隣に転がった。抱き締めたくて仕方なかったけど、止めておいた方がいいのかな。背を向ければ安心する? でも嫌だし。とか考えてたらなんかよくわからない直立不動になっていたかもしれない。]
…………。
じゃ、おやすみ。*
泣かないで、大和。
[指を濡らす雫を抄って、それでもやまないならそっと唇を寄せる。悔恨の味。
やっぱりNGワードが連発されて、嬉しいのと恥ずかしいので顔面が熱すぎる。もう言わなくていい、どうやって塞いでくれようと思案は一瞬。
口の端に、強めに噛みついた。がぶっと。]
……涙、止まった?
[背に回された腕はきつくてきつくて。
夢のはずなのに、もう既に逃げたい。**]
[柔らかい。彼女はどこまでも柔らかだ。
その唇はしっとり少年の涙を拭うのか。
彼女にまだ苦しみが残るのを知りながら、
少年は歓喜に震えた。
ーー赦されたように、感じたから。]
ん…?!ッ!
[噛まれた?!ちょっと痛いけど大丈夫。
ふ、と表情緩めて。]
ーー止まった。やっぱり俺はいつも、
お前に助けられてるな。最高の相棒だよ。そして。
……俺の最高の女の子なんだ。
[背中に回した手を、彼女の短くなった髪に。
指ですく。優しく、永遠を刻むように。]*
また。会いたい。
嬉しいこと言うな。
[でも、もう、ないだろうな、と思う。
じゃ、何で教えた?
そうだな。
そういうのあってもいいじゃないか。
それだけ]
電話はでれたら、でるわ。
ま。一回はしてもらわないと、
お前の番号わからないからなあ。
ま、でも、
無理しなくていいよ。
[そして、布団を用意してもらえば、
そうだな、こっちの負担あったし、と寝転ぶ]
ああ、そうだ。
約束は守ったからな。
もう、お前とはこういうことしないから。
[さてと、と、伸びをして、
ごろ]
疲れたろ、さて、おやすみ
[背中を向けて、目を閉じた]**
電話掛けるのに無理とかある?
[少し笑って、うん。それでいいから、と呟いた。
「こういうこと」なんつう言い回しが控えめでいじらしくて、堪らなくなるけど。我慢する。
約束はもう、しなくて良くて。
いつかの未来に交わる縁を、心から希うだけだった。]
…………ん。
[疲れたろ、とか。
さっきの今でも言ってくれるその声が、孤独なつもりの狼を救ってくれたあの響きとまるで変わらないから、俺はどうしようもなく涙を溢す。向けられた背中から、それでも伝わってくる体温を、ずっと感じていたかった。]
[
翌朝、多分ちょっぴり寝過ごした後、桐堂が出て行くならば土産を持たせて送り出す。こっそりポケットに忍ばせた、サンストーン。]**
ん。ま、電話は簡単だよなあ。
[そして、そのまま、鮫島に背中を向けて寝た。
ヤツがどんな顔とか見ない。
見れない]
[次の日、
朝起きたら、
とても綺麗な朝だった。
そんなに物がない、簡素な部屋だったけど、
朝日はちゃんと部屋を照らした。
なにより、
なんだか、あたたかい。
爽やかで気持ちがいい。
でも、
出て行かなきゃな]
[鮫島が寝てるうちに身支度を、整える。
電話の電源は、あえて、まだつけずにおいた。
どちらにしろ、
戻るところは自分のうちか塒しかないから、
過去が消せなかった段階で、
もう、生きていくのに選択肢は限られてくる。
ともかく]
ん?起きたのか?
おまえ、学校はどうなってるん?
行くんなら、着替えとか、
ああ、制服、私服なのか。
へえ。
[そんな他愛もないことを喋って。
そして、持たされた土産は、
綺麗な蜜柑の色の石]
ああ、そんなんあったな。
[自身もポッケから、黄緑の石]
いるか?
[石の意味とか知らないけれど
でも]
じゃ、もう、物騒なことは考えるなよ。
[そして、部屋を出ていくだろう]**
[学校は去年のうちに休学届を出していること、学年の扱いが実際どうなっているのかは実は不明なこと、このまま退学をしようと思っていることなどを他の他愛ない情報と共に告げて、それで名残惜しい時間は過ぎていってしまった。
差し出された黄緑の石に、小さく息を呑む。]
うん。頂戴。
[握り込んで、押された念には苦笑で頷く。
軋んで閉じた部屋の扉の、錆のかたちをすっかり覚えてしまうくらいの間、そのままの姿勢でいた。
翌日、夜を待って、一本の電話を掛ける。
規則的に鳴り続ける呼び出し音は、少しだけ心臓の音に似ていた。]**
【人】 聖愛色同胞 ノッカ
(355) azure_blue 2023/05/05(Fri) 14時頃 |
【人】 聖愛色同胞 ノッカ
(356) azure_blue 2023/05/05(Fri) 14時頃 |
[それから、どれくらいか後]
------- -------
(おい、電話かかってるぞ?)
(ああ、いいんす、これは出なくて)
[免許を取得し、車の運転をしている。
ぴっちり着込んだスーツの内ポケットが震える。
電話だとわかれば、横の兄貴が、こちらを向いて指摘するから、
いつものように答えた]
(なんだ?女か?)
(まあ、・・・・そんなとこっス)
[あれから、結局は、母親の縁で、
この界隈を仕切る親父の世話になることになる。
でも、こんなガキ一人に、なんで、そこまで執着するのか。
夜の蝶ジェニファーの謎が絡む話となるが、
それは、また、別の物語だ。
今は、改めて、組の構成員として、
日々、勉強や仕事をしている。
そして、電話は2台。
その、古い電話に登録されてる番号は、もう一つだけだけど。
着信履歴だけ。
いつまで、鳴るかは、わからない。
そのうち、きっと、鳴らなくなるだろう。
鳴らなくなったら、
完全に捨てられるな、と]**
う、うん? そーなんだ?
[おイタの成功に北叟笑んで、能天気に頷いていられたのは、最高の相棒、まで。
こういう時の声や手つきが、必要以上に甘くて。急に相手が年上なことや、異性であることを意識させられるから。ペースが乱されて悔しいやら、ひっくるめてもどかしいやら。]
…………大和のくせに、大和のくせにー。
[主導権が諦めきれず、てしてし胸板を叩いて反意を示すことしばし。梳る指の心地よさに抗えず、目蓋を閉じてその体温に身を預けた。**]
─ 数年後 ─
[今思い返しても勉強漬けの日々だった。
本来ならば高校の最終学年度を収めていた筈の年は特に狂気の沙汰だったろう。ほぼ丸一年を使ったとはいえ、高校の就業課程全てを浚いながら高等学校卒業程度認定試験、平行して大学受験までをこなしたのは我ながらやり過ぎだった。
合格後は休む暇もなく司法試験対策(規定は緩くなっていたとはいえ)、資格を取得してからも修習、インターン、ローからの同期との情報交換という名の飲み会の頻度も酷かった。お陰で筋肉が若干落ちてしまった。学閥絡みの検察への引き込みから逃げ切れたのは奇跡のようなものだった。
何はともあれ。
今日、こうして無事に弁護士として正式に雇用されることが出来た感慨は十二分に深いものだった。
希望通りの、アンダーグラウンドに強みを持つ事務所だ。]
[誰かの荷を背負いがちだと指摘されたのはいつのことだったろうか。その特性を歪みなく発揮出来る分野でもあり、また一般的な倫理観から離れたところに在る自分には向いていると自然に思えたのがこの仕事である。
或いは、再びあいつに出会えたとして、あいつがどんな環境に身を置いていたとしても助けてやれる、そんな思考がなかったとは言わないのだが。]
まずは陳述書の清書ね。
はいはい、どんな下働きもしますよーっと。
[あれから数年、不定期に掛け続けた電話は、未だにコール音を響かせてくれている。その声が聴けることはなかったが、途切れずにいてくれることが嬉しかった。
いつか
背広の胸ポケットには、唯ひとつの石が収まっている。]**
【人】 聖愛色同胞 ノッカ[どれほどの時間の後か。 (408) azure_blue 2023/05/05(Fri) 22時頃 |
【人】 聖愛色同胞 ノッカ ありがとう。あったかい。 (409) azure_blue 2023/05/05(Fri) 22時頃 |
【人】 聖愛色同胞 ノッカ (410) azure_blue 2023/05/05(Fri) 22時頃 |
【人】 聖愛色同胞 ノッカ (411) azure_blue 2023/05/05(Fri) 22時頃 |
【人】 聖愛色同胞 ノッカ
(412) azure_blue 2023/05/05(Fri) 22時頃 |
🍊
【人】 聖愛色同胞 ノッカ[滑らかに伸びやかに羽根を広げるその様は、 (418) azure_blue 2023/05/05(Fri) 23時頃 |
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