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ーー僕は目を逸らしてきた、だけ。
(84) 2023/11/11(Sat) 18時頃
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ーー自宅/応接間ーー
彼の告げる言葉は酷く冷たく響いた。親友であり、恋人のような立場の相手を殺すなど、彼が”出来る”として辛くないはずはない。考えた末の結論。
だが、僕にはそう見えない。 そんな答えはどんなに考えても愛しているなら出てこないだろと、思っているから。
彼は胸元に手を当てる。いつもの仕草だ。 僕は置いていかれたような、突き放されたような気持ちになった。彼にそんな意図はなくとも。
まるで、僕以外の誰かの方が余程大事で、彼の胸にいるみたいに感じるのは何故?
「強いんだね、コウは。」
楽になりたい、は弱音だ。
病や困難に毅然として立ち向かう彼は、最期まで戦い抜いた千映や大和と同じように立派である。
兄もきっと彼のような立場になったらこんな風になるんだろうか。
(85) 2023/11/11(Sat) 18時頃
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そんな高みから僕を見下ろす彼が、僕を愛するなんて、あり得る?
信じられない。
もう、信じられない、信じられないッ
みんな、嘘だ、嘘だったんだッ
遊びだ茶番だごっこだ、 そしてーー
憐れみだッ
信じていたかったのに。 信じて、いたかったのにーー
「ーー……黙れ。お前は、僕を騙した。騙したんだッ」
違う。彼の愛は形が違うだけ。
(86) 2023/11/11(Sat) 18時頃
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「赦さないッ僕をなんで傷付ける?なんで苦しめる?
ふりをするなーー愛してるふりなんか、するなッ!」
肩を押さえつけていた右手で拳を握る。ソファーの上で僕は彼に馬乗りになり、その凶器を振り下ろす。
顔面に。
ーーやめろ!!
鈍い音がして、骨に痛みが走る。でも、止めない。 二発、三発と続けたら彼の美しい顔面はどうなるだろう。
「はぁッ、はぁッ……これでも僕を愛してるかい?コウ。こんな僕をッ
抵抗しろよッ嫌だと逃げろよッ 僕なんか嫌いだと言ってみろッ
ーー君を赦さない。僕は絶対に君を赦さないッ」
(87) 2023/11/11(Sat) 18時頃
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肩が熱かったんだ、あの日。 ボールを投げようとしたら、力が入らなくて。
ぽとり、と地面に落ちて。 僕は倒れた。
そう、簡単なんだよ、人なんか。 簡単に壊れるんだからね。
ーー駄目、だ。駄目だよ……
僕の脳内に僅か残る理性が薄れたのは。 彼を殴りながら僕の身体が変化していたから。
熱く、硬く、滾る。 脈動が伝わる。
生きている証拠。 雄としての欲望。
(88) 2023/11/11(Sat) 18時頃
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力、勢い、支配、漲って満ち満ちて充足する。
弱さをはね除ける。
「ーー壊してやる。」
ーー僕は、勃起していた。*
(89) 2023/11/11(Sat) 18時頃
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─乾恵一の家 応接間─
[「強いんだね」と彼は言った>>85。]
[康生は強い子だ。けれどその強さは、天賦の才ではない。恵まれているから得られた物ではない。 ──真逆だ。強く在れるのは、弱くては生きられなかったからだ。純白で居られるのは、穢れを知らないからだ。真っ直ぐで居られるのは、曲がる事が出来なかったからだ。希望だけを瞳に宿すのは、絶望を映す余地が無かったからだ。]
[弱る事も穢れる事も曲がる事も絶望する事さえも、康生には許されていなかった。それらは簡単に死へと直結し、命を奪うから。生まれ育った環境が、この子をこうしてしまった。綺麗な世界で育った、綺麗な子供。“普通”の生き方が許されない子供。だから康生は、強く穢れなく真っ直ぐで、希望に満ちているのだ。]
[……傍から見れば、さぞ眩く輝いて見えただろう。輝く事しか出来なかっただけだと言うのに。]
そんな、つもり──……。
[「騙した」と言われ>>86紡ぎ掛けた否定が、「赦さない」という言葉で途切れた。胸元の手が、ぎゅっと握り締められる。康生は今、彼の言葉で明確に傷付いた。傷付けられた。]
[なのに──足りないと言わんばかりに、拳が振り下ろされた。]
(90) 2023/11/11(Sat) 21時半頃
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最初は確か、俺からだった。
高校生になって、天文部の扉叩いて。 そしたら、同じ入部希望の新入生が何人か居たんだ。 そん中で俺が真っ先に話し掛けたのが、ケイだった。
『あ! 同じクラスの奴だよな!? えーっと、確か……乾! そう、乾だ! 合ってるよな? 俺、柊木康生! あ、折角だしLINE交換しようぜ!』
入学直後の俺は今以上に遠慮がなくて、距離詰めんのも早かったから、一気に捲し立てちまってさ。 ケイは、助けを求めるように匡先輩の方を見てたっけ。 匡先輩の説明で二人が兄弟だって知って、じゃあ下の名前で呼んだ方がいいなってなった。 「仲良くしてやってくれ」って匡先輩に言われて、仲良くする気しかなかった俺は「はい!」って二つ返事で答えたっけ。 ケイ本人には、ちょい引かれちまったかな〜って思ったけど、LINEしたらマメに返してくれてさ。 友達ができたの嬉しかったし、クラスも部活も一緒だったから、俺らが仲良くなんのは結構すぐだった。
つまり、最初からそんな感じだったからさ。 何となくだけど、わかってたんだ。
(91) 2023/11/11(Sat) 21時半頃
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──ケイが俺に、匡先輩がしてた役割を求めてたってこと。
でも多分、俺は失敗した。うまくできなかった。 俺は匡先輩じゃないし、昔のケイを知ってるわけでもない。 匡先輩がケイにしてたようにケイを愛そうなんてしてみても 失敗すんのは当たり前で、失敗するってわかってた。 ……騙すつもりなくても、ケイがそう感じるの当然だよな。
それでも続けてたのは、ケイが親友だってのもあるけど 俺がケイにしてやれることなんて、これくらいしかなかったからってのが大きい。
これは、献身ってより“贖罪”だ。
(92) 2023/11/11(Sat) 21時半頃
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ケイが今悩み苦しんでるのは全部、契約しちまったせいだ。 本当ならケイは、契約なんてしなくてよかったんだ。 するはずもなかったんだ。 他の誰より、ココペリに不信感を抱いてたんだから。
『……コウがそうするなら』 ──俺さえ居なければ。
だから、この痛みは罰なんだ。 抵抗しろ? 逃げろ? ……そうする権利、俺にないだろ。 そうすればケイが助かるってんならするけど、違うし。 それに俺、言ったんだ。『嫌わねーって。約束する』って。
俺、ケイとの約束、ちゃんと守るよ。壊されたって。 だってもう、そんくらいしかしてやれねーから。
……ごめんな、父さん。 俺のこと、壊される為に生かしてくれたわけじゃないって、わかってんのに。
(93) 2023/11/11(Sat) 21時半頃
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[左手の爪が、ソファーに立てられる。抵抗してしまわない為に。そうまでして康生が自ら抵抗を封じる理由がわからない。彼の言う通り>>87反撃までせずとも、逃走を試みるくらいしたっていいだろうに。]
ッ、う、ガ……ゲホッ、っは……!
[結局、康生がしたのは顔を背けて咳き込む事くらいだった。鼻っ柱でも折れたのか、血が気管に流れ込んで噎せたのだ。口の中にも鉄の味が染み出してるから、口内も何処かしら切れていそうだ。]
[康生は勿論、私も暴力に慣れている訳ではないから、今どうなっているのか判らない。視界を共有しているから、鏡でも無ければ顔の状態を知る事さえ出来ない。痛いと言うより、熱かった。後で腫れるかも知れない。明日香が見たら、どう思うだろうか。そんな心配が過る。]
(94) 2023/11/11(Sat) 21時半頃
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[……だが、単なる暴力だけでは終わりそうになかった。視線が其方へ向かないから、康生は気付いてないのだろう。「壊してやる」という言葉>>89、獣の如き息遣いが持つ意味に。]
[──やめろ。もう、これ以上この子を傷付けないでくれ。確かに康生は、君の求める愛を返せてなかったかも知れない。だが君だって、康生の求める愛をくれてはなかったじゃないか。この子の不在を否定して、生きているという価値観を押し付けて。「愛してる」と口では言いながら、康生を傷付けてばかりだったじゃないか。あたかも自分だけ傷付いた風に言うな!]
…………、……ごめんな、ケイ。
[心の声を荒げる私とは対照的に、康生は唯、静かに呟いた。*]
(95) 2023/11/11(Sat) 21時半頃
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人間の価値とは何によって決まるのだろうか。
その行いか、功績?偉人と呼ばれる人間を基準とするならそうかもしれない。 客観的な評価としての価値は。
では、自己評価による自分の価値はどう決まるのだろうか。
自分視点だけで価値を見出だせる者は少ないし、独り善がりであるとも言える。
この場合も往々にして、他者評価が大いに影響するものだ。
何をして他人からどう評価されたから。 そして、どういう自分であるから、他人からどう好かれたか。
僕は。
乾恵一は、幼い頃に兄の庇護下でぬくぬく育ってしまった為、自身の意思で何かをするのが苦手だった。
何だって困れば兄がやってくれた。その甘やかしを庇護と呼べば有り難くもあるが、自分でやらなければ人は何も出来なくなるものだから。
(96) 2023/11/11(Sat) 23時半頃
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友達を作らなかった。 兄がいればいらなかったから。
否。それは真実ではない。 誰も僕に魅力を見出だすことがなかったんだ。近寄ってくることがなかった。
僕に価値なんかないから。
ちやほやされたのは中学時代、野球で活躍した間だけ。 それだって皆、僕が壊れて野球を出来なくなったら離れていった。
路傍の石を笑うことが出来ない。それが僕。
必要とされない無価値な人間。
そんな僕に声を掛けてくれ、つまらない僕を友達として、親友まで想ってくれた康生に僕はどれだけ感謝したかわからない。
僕は瑠璃川珊瑚、柊木康生との出逢いにより、野球という遣り甲斐を失って沈んでいたどん底から引き起こされた。
ーー救われた。
(97) 2023/11/11(Sat) 23時半頃
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ただある意味の残酷はここにあったと言える。
僕が自身に”もしかしたら価値が少しでもあるんじゃないか”と勘違いしてしまったこと。
彼らの輝きのおこぼれを錯覚したこと。
二人が悪いわけでは決してない。兄ですら、甘やかし過ぎたのは弱い僕を護るのにそうせざるを得なかっただけだし。
結果出来上がった心の隅々まで腐った汚水みたいな僕は。 ただの自業自得。
今になって漸く吐いた息が溝臭いだろうけど。
ーー元々こんなだ。
誰もが目を背ける、鼻をつまんで顔をしかめ遠ざかる。 それが普通、当たり前。
他人から愛されるなんてあり得なかった。 大切にされる価値がなかった。
(98) 2023/11/11(Sat) 23時半頃
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判っている判っていた判ってるんだ、判ってるんだから!!……どうか。
暴かないで、欲しかったのに。
(99) 2023/11/11(Sat) 23時半頃
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ーー自宅/応接間ーー
殴った方が痛いと感じるなど随分勝手だろう。 僕の拳には僅かに血が付着していた。 勿論彼の血である。
じんじんと響く痛みは、彼が感じるものと比べ物にならないほど小さいはずなのに、僕は顔を歪める。
「汚れちゃったじゃん……手が。」
手の甲を口許に運び、ペロッと舐める。よく血の味は”錆びた鉄のよう”と表現されるし実際そんな味なのだが、何故か美味しいと感じて。
「……ははッ、甘い。」
嗤った。僕は嗤った。 彼がさっき嗤ったのは全く違う歪んだ笑顔を浮かべる。
殴られた彼が苦しそうに咳き込んでいるというのに。
(100) 2023/11/11(Sat) 23時半頃
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僕は彼に口汚く喚いた。もう何度も彼の誠意を穢すような、傷付けるような言葉を十分に吐いているのに。 彼を理解しようとせず、心を閉ざしたままに叫んだ。
「なんだよ、こんなことされても聖人ぶるの?無抵抗主義ってやつ?
ーー”強い”なァ、コウは。
強くてカッコよくて、頭も良くて、みんなに好かれてさ。
ほんと羨ましいね。」
壊れて、し
むしろこの時彼が言い返してくれた方が救われたなんて、我が儘過ぎるだろうか。 しかしそれが事実なのだ。
この期に及んで謝罪を口にする彼が、契約の時の事を考えているなんて僕にはわからない。
まるで取り繕ったように感じたからカッとなる。
(101) 2023/11/11(Sat) 23時半頃
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「黙れッーー偽善者。」
再び伸ばした手で前髪を掴む。
サラサラして手触りのいい彼の髪。 いつか指ですいてみたいなんて憧れた金糸のような柔らかを、僕は乱暴に引っ張る。
彼の身体の上に僕がいるから、ある程度までしか持ち上がらない。
それでも、僕が殴った為に赤く腫れた顔が間近になった。
こんなになっても彼は。 いや、むしろ血に染まった彼はむしろ普段より、美しい。 神々しいまでの美が暴力により引き立つなんて。
だが、そんなにも美しい彼は、 僕のものではない。 未来永劫僕のものにはならない。
(102) 2023/11/11(Sat) 23時半頃
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「……キスしたらどうなるんだっけ、君。 なんて言ってたっけ……忘れちゃったけどさ、実は初なふりしてるだけだったりしない?
だってこんなに気持ちいいんだよ、キスは。」
康生が合宿直後に倒れたのが僕とのキスのせいであるのを聞いてはないが、薄々気付いてはいた。
彼と性的な接触をすれば致命的なダメージを与えると。
僕はその後彼への愛に気付き、そういう交わりがなくとも彼を愛せる、傍にいたいと思ったけれど。
ーー壊せるんだ、こうすれば。
髪を掴んだまま、僕は前屈みになり唇を奪った。 彼の小さくて形のいい柔らかを乱暴に、強引に。
否応なしに舌を捩じ込む。唾液を求めて内部を蹂躙する。
雨竜先輩と初めてのキスをした時、僕は全身滝に打たれたみたいな衝撃を受けた。 唇から広がる甘い痺れは極上だったんだ。
(103) 2023/11/11(Sat) 23時半頃
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ーーそこに愛がなくとも。
彼の舌を吸い唾液を啜る行為はすなわち僕の唾液をも送り込む事になろう。
それは強力な毒となるのだ。 彼の体内に回れば彼を蝕みーー壊す。
血の味が混じる。僕は恍惚の表情を浮かべて深い口付けを成し遂げる。
「ーー、はぁ、」
呼吸が苦しくなるまで続け、僕は彼を解放した。ただし、優しくソファーに寝そべらせてなんかやらない。いらなくなったボールを投げるみたいに、叩きつける。 ソファーの木製部分、肘かけに彼の後頭部が当たるように。
(104) 2023/11/11(Sat) 23時半頃
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やっぱりキスはいい。 ブナの木の下ではゆっくり味わえなかった康生の唇を堪能し、僕は満足の息を吐く。
気持ちが昂り全身が熱くなった。
もっと、もっとだ。 気持ちよく壊したい。
僕を愛してくれない彼を壊してーーそう、楽になりたい。
僕は弱いから。
そうだ、壊してしまえば楽になれるんだ。 そうしたら辛いことはなくて、愉しいことばかりで、気持ちよくて。
最高じゃないか!
ーー僕の救いは、こんな形であったんだ。やっとわかったよ。
存在が堪えられないほどクズな僕は、既にまともに働かなくなった頭でそう結論づける。
(105) 2023/11/11(Sat) 23時半頃
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“まともでいるなんて、堪えられない”
(106) 2023/11/11(Sat) 23時半頃
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ふわふわしてきた。可笑しくて仕方ない。 僕は無意味にゲタゲタと嗤う。 さぞ不気味であったことだろう。
「ああ、なんか愉しくてたまんないや。……さァて。」
鼻唄を歌いながら彼の上から降りる。逃げるなら最後のチャンスだ。勿論、走り出した瞬間に腕を掴んで引き摺り倒すだろうけど。腕力でも体力でも瞬発力でも僕は負けないから。
彼が逃げないなら、僕は彼の足元に移動する。
「コウ、右足と左足、どっちがいい?」
カラリとした口調にて問う。 彼はその意味を悟るだろうか。*
(107) 2023/11/11(Sat) 23時半頃
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─乾恵一の家 応接間─
[咳き込む合間に見えた彼の表情は、まるで悪魔の様だった。血を啜り、それを「甘い」と宣う>>100のだから、実際悪魔と変わらない。康生の謝罪は悪魔の逆鱗に触れた>>101らしく、前髪が引き抜かんばかりに掴まれた>>102。]
い゛ッ!! 俺、は……
[痛みに滲んだ視界が薄く開けば、間近に彼の顔が在った。何事か言い掛けた康生の声が、告げられた内容>>103に止まる。引き攣る程に見開かれた瞳が、康生の衝撃を物語っていた。吐息が掛かる距離で、震える言葉が紡がれる。]
なんで────ケイ、誓うって……ゃ、ッ!
[制止の言葉は、音にならず塞がれた。康生が自分の体質について打ち明けた時、彼は言った筈だ。「君を生命の危機に曝すような事を、しないと誓うよ」と。今の彼は、悪意を以て康生の生命を危機に晒そうとしている。幾ら激昂したにしてもやり過ぎだし、人が変わってしまったかの様だった。]
(108) 2023/11/12(Sun) 01時頃
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んッ……! んん、っふ……!
[これまでの関係や信頼を全てひっくり返す如き振る舞いに、康生はどれだけショックを受けただろう。目を見開き、身を硬くし──それでも、康生は抵抗しなかった。私は、この異常事態に混乱する。ブナの木の下でキスされた時、康生は事態に気付く事さえ遅れたものの、気付くと同時に彼を突き飛ばした。正しく拒めていた。]
ふ…………ん、ぐっ
[今は右手で胸元を握り締め、左手はソファーに爪を立てたまま、持ち上げようとさえしてない。口内の傷を舌先でなぞられても、血混じりの唾液を啜られても>>104。送り込まれるまま、自身にとって猛毒に等しい唾液を飲み下す。]
う……んぅ…………んっ、ふ……
[執拗に繰り返される内に、身体から力が抜けて行く。右手は胸元から滑り落ち、左手ももう爪を立ててはいなかった。痺れる様な感覚が口から広がり、肌が粟立った。こんなに早く発熱する筈が無いにも拘らず。]
(109) 2023/11/12(Sun) 01時頃
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ふぁ…………あぐッ!
[解放される頃には脱力しきっていたから、後頭部を強かに打ち付けた。もしかしたら康生は、僅かな間、意識を飛ばしていたかも知れなかった。ゲタゲタと嗤う声が鼓膜を震わせても、視界を閉ざしたまま動きが無かったから。]
…………、……みぎ、あしと……ひだり?
[ただ幸か不幸か、彼からの問い掛け>>107に薄く視界が開かれた。確認する様な呟きと共に、軽く頭が振られる。当然だが、打ち付けた後頭部が痛んだ。康生は自ら痛みを与える事で、意識を保つ助けにしたらしい。 ──やはり、この子は強い。その想いは、問いへの答えを聞けば増々強まった。]
……選ばせてくれんの?
(110) 2023/11/12(Sun) 01時頃
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なら、両方頼んでいいか? そっちのが、ケイも楽しめるだろ。
[……私の推測が正しければ、彼は「どちらの脚を折られたい?」という意図で質問を投げた筈だし、それが解らぬ康生でもないだろう。事実、質問に対する回答としては噛み合っている。]
合ってるよな? そういう意味で。 違うんなら、言ってくれ。
[だが、噛み合っているというだけだ。選ぶ選択肢としては最悪に近い。何か、策でも有るのだろうか。雑談でもする様な軽い口調も、いつも通りと言える笑みも何もかもが、この場にそぐわない物だった。*]
(111) 2023/11/12(Sun) 01時頃
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ーー自宅/応接間ーー
それはさながら小さな獲物をいたぶるようであったろう。
彼に勝る力で支配することなたより、僕は”強さ”を鼓舞した。 何としても崩れない、そう、まさに殉教者が堪え忍ぶような彼の態度に苛立ちを高めながら。
加害者の本質は弱さだ。 弱い犬程よく吼えるとはその通りで、弱いからこそ必死に自らを強く見せようと振る舞う。
動物が背伸びしたり毛を膨らませて身体を大きく見せようとするのもそうだ。 元々強い動物はあんなことはしない。弱いからこそ、弱い側だからこそ、するのだ。
僕は知ってしまった。 彼との歴然とした差を。
元々眩しいと感じていたし、僕はそれに及ばないと判っていたのだが、その差を見せ付けられた。
(112) 2023/11/12(Sun) 08時頃
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彼はまだ僕を信じていたらしい。危害を加えないと。
確かに彼の病状を聞いた時に僕は誓った。当たり前だ、ただの友人ですらそれは真っ当な行為だから。
けれど僕が、彼の言葉から思い出した”誓い”は別のものだった。
「誓い?ーーああ、教会でのやつ?」
ーーキスは寸止めするよ。 僕を信じてほしい。
あの時そんな風に言ったっけ? そうだ、僕は言った。 手袋を用意し、食べ物に気を使い、彼を最大限に労った。
そして茶番に及んだのだ。 偽りの結婚式というーー
「なんか僕ら誓ったね?子供みたいに。 君は女の格好をして、僕を受け入れるふりをした。
(113) 2023/11/12(Sun) 08時半頃
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