34 【ペアRP】花人形たちが紡ぐ夢【R18】
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···それでこちらが玄関です。
[正門を真っ直ぐ歩いた先にある、大きな扉を手で指すと。
人差し指だけ残し、唇に当てました。]
実は、こんなに夜遅くまで出歩くのは初めてのことなんです。
見回りのものに見つかったら、怒られてしまうかもしれませんね。
······ですので、バレないように、静かに行きましょう。
[しっー。くすくす。
君に、悪戯を企てている子供みたいな笑みを向けました。]**
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[使用人にも奴隷とそうでない者がいるだろうが 奴隷をまともに人間扱いする人物は珍しい時代だ。 彼女の家がどういった家か、 彼女がどのような教えを受けて育ったかを ジャーディンは知らない。 知らない以上は、今まで見てきた屋敷を 一般的な例として考える以外ないのだ]
(211) 2024/02/25(Sun) 20時半頃
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[怖さを受け入れてもらえただけで それがいくらか和らぐのを感じた。>>207
けれど彼女が続けた言葉は、 ジャーディンの新たな不安を呼び起こす。>>208 いつまでもここで働けるわけではない。 誰かに気に入られて買われれば当然そうなる。
オーナーがドールをお払い箱にしたところは ジャーディンは見たことがない。 皆、買い手がついて店を去っている。 だがもし長い間買い手が着かず、 とうとうドールとしても働けないような 年齢になってしまったら……。]
(212) 2024/02/25(Sun) 20時半頃
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[彼女の元でしばらく世話になるのは、彼女の言う通り 悪い選択肢ではないのかもしれないが>>209] カコ様は、庭仕事を引き継いでくれそうな 新しい使用人がほしいんですよね。 だったら、既にそういう経験がある人のほうが 手っ取り早いんじゃないですか。 [「あなたが連れて帰りたいのは『僕』ではなくて、 『誰か都合のいい使用人候補』なんでしょう」 そう馬鹿正直に言葉に出すのはさすがに問題発言だと いくらジャーディンでも察しがついた]
(213) 2024/02/25(Sun) 20時半頃
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お客様がご満足されるまでお付き合いするのが ドールの務めですから。 またのご来店をお待ちしております、カコ様。 [謝る彼女に薄い微笑みを返したが、 それは言うなれば営業スマイル。 先日彼女に見せたものとは異なっていた。 ジャーディンは意識してそういった表情を 浮かべることは少ないが、客とのやり取りで 気分が和めば今のように微笑むことはあった。 出口で彼女を見送ると、バックヤードにブーケを置き また次の指名までは給仕をして過ごすだろう。]*
(214) 2024/02/25(Sun) 20時半頃
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[夜遅くに歩くことは、基本なかった。
夜はパルテールの中でお客の相手をしていたし
家にいた時も、夜は寝る時間だったから。
だから暗い道を歩くのには、新鮮な気持ちを抱いて]
夜の外を歩くのも、楽しいのね
[って、白い息を吐きながら。]
[誰かと歩くのも楽しい。
隣の人の足音が聞こえるのもたのしい。
暖かい手を繋ぐのも。
久々、そんな感覚も思い出す。]
お店から見えてたの……貴方のおうちだったのね?
大きいわね……。
[あの、建物の合間から見えていた家が今は目前に。
いざ近くで見ると、家ももちろん大きいけれど。
お店からは見えなかった、庭園もあって。
土地も広いのねと、少し圧巻された。
夜更かしさんの灯すあかりが、カーテン越しにゆらめく。
生垣や花壇を都度見つつ、歩きながら相槌を打つ。
おとなしげな白い花弁を持った花は、
月に照らされて、少し神秘的な様を見せている。]
夜もお花が楽しめるなんて、素敵。
奥様、趣味が良いのね?
[私の指輪に咲いているのも、ここにあるかしらって
指輪を月の光に照らし見て思った。
……後で聞いてみるか、なければねだってみようと。
貴方の、月の光でより白く煌めく、その姿を見て思う。]
へぇ?見張りさんが居るの。
[怒られてしまうというのに、それは嫌ねぇと眉を下げて相槌。
悪戯心が芽生えたらしい坊ちゃんに、
にこりとして見せた。……賛成するって。]
バレたら私、全部坊ちゃんが企ててましたって言うから。
[続いていたずらっぽく笑って返したのはそんな事。
先達にお目通りはしたかったけど、こんな夜中ではね。
夜明かりでぼんやりと顔を照らした
顔も知らない新米が来ては、
侵入者と疑われて、業務の妨げになるでしょうと考えて。
……それに、坊ちゃんが楽しそうだもの。
たまにはそうやって、遊びたい時もあるわよねって。
可愛い坊ちゃんの顔を見るのは大好きだから……
水をさすのは、今日はやめておいてあげる。]**
[彼女に対するイメージを問われれば。「いつでも好きな事に真っ直ぐで、おっちょこちょいだけど優しい可愛い子」と答えただろう。
……正直に告げればきっとまた赤くなってしまうかもだけど。
「照れなくてもいいのに、好ましいって意味よ。」と付け加えれば、更にその頬は赤みを増したりするのだろうか。]
触媒探しね。じゃあ、そちらにしましょうか。
ご主人さまの言う通りに。
そうそう、街に来てからはずーっとお店の中だったからね……お客様から外の話は聞けても、直接行く事はできなかったから。
案内してくれるなら、どこでも大歓迎よ。貴方の行きつけのお店とかも知りたいし……少し贅沢を言わせてもらうなら。
前にお客さんが教えてくれた、ビスケットの美味しいお店と、占術の道具が売っているお店に行きたいわ。
……でもこの辺には東方式の用具はあるのかしら……ま、無いなら無いで代用品でもいいわ。
[彼女と街を散策するのは、それだけできっと楽しいだろうから。どんなお店を紹介されたって構わないだろう。
しいていえば休日になったら、久しぶりに占術に興じたくなったのと。かつての顧客が教えてくれた店々を巡ってみたい、という気持ちがあった。]
[これは余談であるが。
「マリー・ビスキュイ」というお店を教えてくれた元常連は、妻子持ちの男性である。
……無論、性的奉仕を求めてではなく『会話相手』としての常連である。
なんでも、職場の同僚に「癒される店を教えてほしい」と頼んだら『パルテール』を紹介されてしまったとか。「思ってたのと違う」といった表情で怯え切っていた上に、やってきたドールが長身の怪しい男だったので、可哀想なほど震えていたのをよく覚えている。
いざ席に座れば、仕事の愚痴や家族の話などで会話が弾み、良い常連さんになってくれた。
……彼の家の側にある店で、よくそこで買い物をすると言っていたから。運が良ければ会えるかもしれない。]*
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え…… [彼女は問いに問いで返してきた。>>221 確かに使用人を求めるだけなら パルテールより安く買える場所は存在するだろう。 なのにここで買おうとするのは、 ……それだけ気に入ったから……?]
(225) 2024/02/25(Sun) 22時頃
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[都合のいい思い上がりはよそう、と ジャーディンは首を左右に振った。 彼女は花が枯れる前と言いながら>>222 花を長持ちさせる方法を伝える。>>223>>224 花が長持ちするなら、その分 次の来訪は遅くなるのではないか。 そんなことを思ってから、 ジャーディンは自嘲したい気分になった。 これでは彼女の来訪を心待ちにしているかのようだ]
(226) 2024/02/25(Sun) 22時頃
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[だが、営業終了後。
ジャーディンはオーナーからもうひとつ花瓶を借りて マーガレットを新たに部屋に活け、それから、 カトレアの茎の切り口をもう一度切り直した。
彼女に教えられた通りにしたつもりだ。 そうして翌日、窓辺を見てみれば、 そのまま萎れていくかと思ったカトレアは まだかろうじて咲いていた。
元気を取り戻すというよりは なんとか延命したという程度だが]
(227) 2024/02/25(Sun) 22時頃
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[このように花を贈られるのは彼女からが初めてだが 彼女はドールによく花を贈る人だったろうか? 記憶をたどってみても過去にそのような姿を 見た気はしないが、個人的な贈り物だ。 人目につかないように渡していたかもしれない。 都合よく考えては期待に裏切られるし 思い上がっても馬鹿を見るだけだ、と ジャーディンは己を戒めた。 次に彼女が訪れるまでは、 またいつも通りの日々が続くのだ]**
(228) 2024/02/25(Sun) 22時頃
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