人狼議事


23 あの春の廃校だけが僕らの学校だった。

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ああ、妹虐めた奴をつい殴っちまってさ。あんときは停学中だったんだ。

[全然気にしていない。あの時は春、今はーーもう夏だ。

甘いの大好き!珈琲を飲む彼女の横顔は大人びて見える。]

アメリカ?!まじかスゲー!
え、もう大学なの?
そっか…


[アメリカの位置すら危うい少年に難しい説明はやめよう。

空気が変わった。彼女のそれまで滑らかが、ゆっくりーー]

……スゲエ。奇跡だ。
え?犠牲…あ、消費?

あー!そう言えば。

[ポケットからスマホを取り出してキリノのLINEを見せた。]

これ!ほら書いてある。
アイツ、運ステータス使ったらしいんだよ…マジ、それいけたのビックリなんだが。


でもーーでもさ?サラの病気が治り、ニジノも脚が治ったなら。

アイツのちょっとした不運ぐらい、問題ないよ…

本当に、良かった。

[しみじみと嬉しさを噛み締める。]

向こうに行ったら大変だと思うが、お前ならきっと大丈夫。
ーーカッコいい彼氏作れ。
お前、可愛いから。


……そういや。
一発殴るはもういいの?
殴っていいからブロック解除してくれんか。

[お願い!ニジノ様!と手を合わせて頭を下げた。


[クルーエル社に関しては。]


や。知らねえ。本当は怒鳴り込むか放火を考えたが、今うち工場経営やばいしな。三人家族力を合わせてる時だから。

んな余裕ないんだ…。

[そんな少年は、違う意味で大人びたかもしれない。]

ーー…。

[他愛ない会話だ。彼女がもう恋をしないなら二人は友達。当たり前。だから、鮫島研吾の話もしなかった。彼女は関係ない…。]


ニジノ。お互い頑張ろうぜ。

[握手を求める。小さな手を然り握れたら幸い。

そろそろ残り時間は少ないだろう。少年の胸に込み上げる想いはあるもーーただ、彼女を見送ろうと決めた。]*


[カロリー制限さえなければ、トッピングもキャラメルナッツ盛り盛りにするのに。タピオカミルクティーの味を思い出しながら、眼前で遠慮なく甘い物を頼んでいる相手を睨んだり。理不尽。]

 妹さんの足は……ん、でも
 聞いてると大丈夫そうだね。

[差し出されたLINEを、少し身を乗り出して読む。嗚呼、此方の世界だとスマホの画面は覗き見れるのだ。運ステータス、にピンとこなかったが、腎臓一個なくなった、とかじゃなくてホッとした。しかし、世紀の不運男とかになってしまったら、沙羅が大変なのではなかろうか、とか老婆心。
 ……なんかめちゃくちゃなコトも書かれてた気がするが、目を滑らせておいた。若干、視線が冷ややかになったかも。]

 犠牲は、それだけ……?
 一応お礼言っておきたいから、
 後で本人の了承がとれたら
 桐野のLINE、教えて。

[彼氏とか殴るとかブロック解除とか。勝手なことを言う、と唇を尖らせた。]

 スケート続けてる間は、
 彼氏作る暇なんてないったら。


[スマホで時刻を確認する。アラームが鳴るまで、後僅か。]

 んじゃあ最後に、さっきの返事ね。

 VRの中での恋はおしまい。
 もう、椿の花はないからね。

 だったら共鳴相方に戻るか、
 って言ってもこの通り、
 アメリカに留学するから
 もうさすがに助けてもあげられない。

 友達とか元彼とかもやっぱりなんか違うしー、

[ゲーム内で6時間。現実世界ならきっと数分。ちょっと火遊びで火傷した、と言うには濃厚すぎる体験だった。]


 あっ、そうだ! ファンだったらいいよ?
 ……なんて。さすがにもう、
 ファンがつくほど上手くは
 滑れないだろうけどね。

 今更、私の魅力に気付いて
 もっと大事にしとけば良かったー
 なんて思っても遅いんだから!

[そうして、目の前でブロック解除してあげた。桐野の連絡先を教えて貰うためだ、と建前で。]

 もう、長々病んだ連投しないでよ。
 私の練習時間削るようなら、
 またブロックするからね。


[差し出された手を見詰めて、少し腰を浮かせる。]

 〜〜〜〜っ、さすがに、怪我の脚一本分の恩は
 返さないと、不義理だし。
 みんなが、アンタが最後まで頑張ってくれたおかげだし。
 もう、あの時のノルマは達成でいいから、
 ――……そのご褒美とでも?

[急にしどろもどろ早口になった。色々限界だったらしい。耳の先が熱くなってくるのを自覚する。
 汗ばむ手を握って、軽く引いたところで

   ――彼の頬に唇でかすめて。

 あとは踵を返すと、搭乗口まで全速全力ダッシュで逃亡するのだった。**]


[こうしてもう一度逢えただけで少年の心は満ちた。
伝えるべきことも伝えた。だから、彼女の答えに薄く微笑み。]

…うん。

[それ以外、言葉にはならない。]

ファン、よいな。応援団長でどう?
旗を振るよ、でかいの。アメリカから見えるように!

[どんと胸を叩いた。]


[ブロック解除はありがたく。キリノのLINEや余計な個人情報も適当に流す。知ったことではないな!]

……

[ごめんは言えない。だから、黙るしかない。
黙るしかない…]

いやそんな俺病んでる⁉️

[はい!誰かが全力で答えそう。

そんなーーそんな時間が終わりを告げる。
急に彼女がそわそわ早口。なんだ?

手を引かれてぐらり。傾くバランス。]

ーー…

ポカンとする少年の頬に。触れる。彼女の優しさ。]


ニジーー…

[もう彼女は走り去っていた。まるで風のよう。]

……ありがとう。

[呟いた少年は指先で、頬を撫でた。

愛おしげに。]**


一人暮らしなのか。
ふうん。

[どんなうちなのだろう?
 とりま、片されるカップを見つつ、席を立つ]

腹減ったわ。**



コンビニは寄るつもりだけど、
ガッツリ食いたいなら弁当屋も覗く?


[電車に揺られて数駅。
なんやかんやと買い込んで、随分と久し振りに思える自室の鍵を回した。相変わらずドアは軋む。

入ってすぐのシンクにとりあえず袋を安置させて、奥へと案内する。案内っつっても、短い廊下の先の一部屋しかないんだが。]

あ、トイレとシャワーは
さっきのキッチン台の正面な。手前がシャワー。

[万年床の手前の卓袱台に、座布団なんかはなかったが、ともあれ座ってもらおうか。
手早く支度して、食事に有りつく。]

あー……
なんか変な感じ。胃が動いてる。*


お邪魔、しま、す・・・?

おお、なんかまともな部屋だ。
すっげ。


つか、なんで一人暮らしなんだ?
どっかから出てきたのか?

[案内を受けつつ、キョロキョロと非常に楽しそうです。
 とりあえず、テレビとかあるのかな?とか]

とりあえず、でも、落ち着く部屋だな。うん。

[図々しく、どっかり]*



[部屋にテレビはない。そもそも必要最低限の家具しか置いていなかった。私物は殆ど処理してしまっていたし。そんな部屋でも落ち着くと言ってくれることに、何故だかほっとした。

しかし、そうか。
まともじゃない部屋にこいつはずっと居たんだな。]

や、まあ。
縁故はなるべく断ってたっつか……。

[何の為に、とは言いにくい。まあ済んだことだ。
フェイドアウトさせた友人達とも、そのうち連絡を取ってみようか、なんてことを考えられるようにすらなっている。]

えと、親は一応、隣県に住んでる。

お前は?
元々都内住み?

…………つか、これからどうすんの。*


隣県か。
縁故断ってたってのは、
まあ、いろいろ準備してたってことか?

ま、でも、そこは、聞かないでやるわ。

[テレビもない、スマホもない、
 そんな部屋で、友達を殺すことを考えてた。
 こいつの見てくれからは、想像できにくい]

俺は、都内だよ。
まあ、一番賑やかなとこ、にある、くだらない店の使われてない衣装部屋で寝泊まりしてる。元のうちのアパートは、ガス水道電気、全部止められてるから、実質物置みたいなもんだ。

[それでも、母と暮らした部屋は、残されている。
 戸籍も住民票もある。
 ただ、その部屋の名義は、

 組の幹部だ。

 母と、どうやら関係はあったのだろう]


あ、親はいない。

あ、いや、母親はいない。
親父は知らん。



[聞かないでやるとか言いつつ大体正解を出してるようなものじゃないか。肩を竦めて、牛丼の残りを掻き込んだ。ペットボトルの緑茶で仕上げる。]

衣装部屋かあ。
まあ暖は取れそうか……?

[インフラが止められてそんな場所に転がり込んでいても、携帯端末だけは外せないのが現代か。俺も早く買い直さないといけない。

言い直された言葉に、なるほど、と内心だけで頷いた。残したくないと言っていた過去について、俺は詳しいことを一切聞かされていない。前科の罪状くらいか。

それでも、余程の環境にいたのだろうことくらいは察しがつく。だというのに、どうしてこいつは。]

…………。

ハゲたクマのぬいぐるみ。

[ぽつり呟く。"これから"について答えてもらえていないことには気付かない振りをした。]*


ハゲたぬいぐるみ?
ああ、くだらんこと覚えてるな。

[いきなりなそんな言葉に、じっと、鮫島を見た]

結構、何も聞かないんだな。
いいけど。

[高校は通信制だ。
 今の時代、オンラインでも勉強ができる。
 でも、その環境も、実は確保しにくい。

 その店の手伝いに、端末を時々使わせてもらってるが、
 もちろん、ロクにできていないし、
 いや、檻の中の方がむしろ環境いいとか、どんだけ]

ああ、でも、
 あそこは、定期的にボーズにさせられるのは嫌だったな。

[ぽつり]*



うん。だってアレすげえツボったもんよ。

[見られている。
何となく、落ち着かない。]

いや聞きたいよ。
でもなんか、
……言いたくないのかなって、

[思うじゃん。と語尾を窄めた。何だろうな。調子が狂う。──そうだ、連絡先を聞かないと。筆記用具を取り出そうと腰を浮かせたところで、唐突に思える単語が飛び込んできた。]

ボーズ?
ああ…………なるほど。

[案外可愛いんじゃないかとも思ったが、口にはしない。俺は似合ったかな。益体もないことを考えながら、紙とペンを引っ張り出して桐堂の目の前にずいと差し出した。]


書いて。*


まあ、言いたくないな。
だから、聞かれないなら、絶対言わないな。

じゃ、この話はやめるか。

[そして、出された紙とペン、
 そこに、電話番号を書いた]

はいよ。
嘘じゃねえぞ。
でも、

なんか、いいな。

買ったら一番に登録しろや?

[へら]




……………………。

[何その笑顔。
言わせたいのか、言わせたくないのか、自分でもわからなくなってきて困った。番号だけが書かれた紙を受け取って、丁寧に折り畳む。]

すぐ買う……。
明日買う……。
一番にする……。

[月に届きそうなくらい折り畳みそう。]


あのさ、
…………また会いたい。です。*


お?
なんだ、蜜柑、めっちゃ素直じゃね?

[丁寧に折り畳む様を見つつ]

ん?

そうだな。
約束はできないけど、
暇があったら、連絡しろよ。

[麦茶のペットボトル開けつつ]

とりあえず、今日は、電話は切っとくか。

[そして、スマホをみれば、
 コラ!ガキ!どこにいる!って怒鳴ってるLINEが見えたので、
 電源オフと]



[何とか成層圏くらいに留めた紙をいそいそと仕舞って、プリンを開ける。電源の落とされたスマホに、どきりとした。いやなんか、始める前みたいじゃない? ってのは、俺の遍歴に問題がある訳だが。]

うん。する。

[どれくらいの間隔でどれくらいの頻度だったら掛けていいんだろうか。用件がある時しか電話を使ったことがなかったことに気付く。]

えーっと…………。

ああそうだ、
まだ聞いてなかったな、お前の活躍。

型番ってどうやって見つけたの?

[直接届いたのは俺の下じゃなかったが、桐堂がそれに貢献していない筈がなかった。その内容はとても楽しみだったが、ただそれより何より、もう少し話をしていたかった。]*


ああ、
型番か。

あれは、カプセルマシンの外側に貼ってあったから、
結構中から出れば、すぐにラプターが見つけてくれた。


俺は伝える方法がなかったから、よかったよ。
しかし、お前らよく考えたなあ!
本当、よくやった!!

[サムズアップで、にこ]*



へえ。カプセルから出られたんだな。
アレを思い付いたのはキリノだったけど、
ああいう抜け道考えるのって楽しかったな。

[それをクルーエル側が咎めなかったという事実が驚きではあったが。卓袱台の上に放り投げていたサンストーンの裸石を手に取って眺める。]

…………うん。
伝えられる方法、渡せてたら良かったな。

[ぴん!と立てられた指を視線の端にだけ捉えて、それから幾つか質問しながら"帰還後"の話を聞いた。途中で思い出して、柊の連絡先も改めて尋ねる。どうでも良い話もして、それでもやがて、話題は尽きてしまう。外はそろそろ暗くなる頃だった。]


今日、帰んの。*


まあ、とりあえず、
悪知恵だけは、働くってなあ!

ちなみに、結局、クルーエルのしっかりとした、目的とか本当のことってのは、わからなかったな。
ただ、あきらかに非合法ってやつはあると思うんだけど。

まあ、まだ、俺らの力は何か太刀打ちってはできないな。
そして、できないからこそ、
こつやって、放免されてるんだろうし。

[たかが高校生がガタガタいったところで、
 いくらでも、真実は塗り潰せるとと、いったところか]

ただ、どれくらい続いているものなのか、
死亡者が本当はどれほどなのか。

って、
これは、でも、俺の仕事じゃないか。


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