31 私を■したあなたたちへ
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(密星へ個別送信)
密星さん、丁寧にありがとうございます。
灰羅さんともお話しました。
今後の身の振り方は考えるところがありますが…
るくあさんと個人的交流があった先生に、
そのようなお言葉をいただけて救われます。
一生をかけて向き合っていくつもりです。
(灰羅へ個別送信)
雛子ちゃんと色々話したのですが、
彼女の境遇を聞いて(とはいえ詳細は分かっておりません)
僕の元に引き取ることにしました。
家出人受け容れる事もよくある世界ですので
細かいことは問題ないのですが、
帰還してから僕が刑務所に入った場合には
出てくるまで、懇意にしている役者に預けようと思います。
いずれにしても彼女のことは僕がすべて引き受けます。
必要あるか分かりませんが連絡先を記します。
中村屋一門 中村綺羅之介
×××-× ×-××
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[眩しい日差しを避けるようにそっと睫毛の上に掌を かざしつつ、ごくゆっくりと回るゴンドラの連なりを 興味深げに見上げた。 乗ってしまえばどれでも同じだと思うだろうか。 でも、折角乗るのだからと、少し考えて。]
あれに乗りましょう。
[一台を選び出す。 指し示したゴンドラが、下からは落ち着いた色に 見えていたのに、実際は金だったことに気付くのは 実際に目の前に来てから。]
(344) azure_blue 2023/11/27(Mon) 12時頃
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?? 思ったよりも……派手……? あっ、乗り込むために、止まってはくれないのね…!
[当たり前のことを口にしながら、 タイミングを見極めてゴンドラに乗り込んだ。**]
(345) azure_blue 2023/11/27(Mon) 12時頃
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(中村へ個別送信)
『 雛子から、アンタの付き人になるという
連絡なら来たよ。
俺はあの子の保護者じゃないが、
あの子のことは妹みたいな存在だ。
俺からいえるのは、
泣かせるようなことはしないで欲しい。
それだけだ。よろしく頼む。 』
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―― 園内 ――
クリスマスローズ。 薄い花弁の可愛いお花だから るくあさんのイメージにもぴったりですのね。
種を手に入れて、落ち着いたら ……私、またここに植えにきます。
[好きな花はなかなか話題に上るものでもない。 るくあの好む花を彼が知っていたことに 助けられた気分で、ありがとうございます、と 礼を口にして微笑んだ。]
(355) azure_blue 2023/11/27(Mon) 16時半頃
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―― 観覧車 ――
[灰羅さんの言う通り、 ゴンドラは内装の色も金になっていた。 茶金の座席シートは単独でならシックと 言えなくもないと思ったけれど……]
本当。全部同系色に統一されてる…… これそのものが、クリスマスの飾りみたい。 派手だけど、面白いかもしれませんね。
[宇宙コンセプトとは少々趣が異なるが ツリーのオーナメントの中に居るようで 物珍しくもあって、きょろきょろと見回し。 座席の片側にそっと腰を下ろした。]
(356) azure_blue 2023/11/27(Mon) 16時半頃
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[初めての観覧車。 足はゴンドラの床に付いているのに、 ゆらゆらと覚束ない浮遊感があるのは この島への船や遊覧船とも似ていた。]
え…っ……あれを…? ええ、生徒のリクエスト通り撮りましたけれど。
[彼の要望に瞬いた。 生徒に見せるものなのだから、彼相手に 躊躇するのはおかしいとは思いながらも、 データを保存した私用端末を取り出す。]
(357) azure_blue 2023/11/27(Mon) 16時半頃
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…。 データ送信ならまだしも、こんな風に 直接ひとに見せるのって、恥ずかしい…… …はい、これです。 ……ちらっと見たら返してくださいね…?
[写真を表示して、彼に向けて手渡した。 もぞ、と足を揃え直して、視線を逸らす。 間近で見える反応は、羞恥しか生まない。]
謎だったあの紐、衣装のコードだったみたいです。 なにか大がかりな宇宙艦隊モノの 女スパイのような役どころの衣装なのですって。
[一応、の説明を付け足しつつ。 端末が返ってくるのを落ち着かなげに待った。*]
(358) azure_blue 2023/11/27(Mon) 16時半頃
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―― 観覧車 ――
[携帯端末が使えなくなっていることを忘れていた。 元々、無くても困らない程度の使用頻度だから 数日電波が入らなくてもさして問題はなくて。 ただ、無断欠勤ともなれば学校からの連絡が 入っているだろうからそこだけは少々心配か。]
ふふ。大変でした。 着方の見本があるわけでもないので、もう、 コードも飾りもそれらしく付けるだけにしてしまって。
[似合っていると言われても 喜んで良いもの……?と悩んでしまう。 まぁ、生徒に請われたとはいえコスプレをすることも 人にそれを見せることも最初で最後だと思うので。 有難く受け止めつつ――続いた言葉には はた、と首を傾げた。]
(367) azure_blue 2023/11/27(Mon) 20時半頃
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[もう少し着飾ったら、と言われて む、という顔になる。]
……暗に、地味って言ってます? これがスタンダードですの。
テーマパークといったって、 いい大人がひとりで来るのに 浮かれた格好、できないわ。
[失敗があったとしたらロングスカートで来たことだ。 遊園地にはもう少し動きやすいほうが良かった。 ぷくぷくしていたが、礼と共に端末を返されて、 それを受け取りながら、視線を彼へと戻した。]
(368) azure_blue 2023/11/27(Mon) 20時半頃
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………いいえ。 ……何、でしょうね。 こう言ったら失礼かもしれないですけど。 灰羅さん、…最初から、ずっと、 なんだか危なっかしかったですし。
[貸衣装屋での短いやり取り。 互いに初対面にも関わらず、あの応酬だけで 「もしや」と直感的に感じるくらいには。]
あなたの抱いていたそれと同じではないけれど、 私は、昔、似た性質の情念に 長く触れていたことがあって。 だから、……放っておきたくなかったんです。
(369) azure_blue 2023/11/27(Mon) 20時半頃
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[続いた問いは>>366 直ぐには意図が伝わらず、数度瞬く。 昨日のやり取りを辿ってみて、漸く得心した。]
……もしかして。昨日の銀の館で、 私が口を滑らせたこと……?
[彼の確認は、そういうことだろうか。 大丈夫かと問われたら答えは『大丈夫』になるが 詳しい話を自ら口にするのは躊躇われた。 今ならば虐待として議論を呼ぶ話になってしまいかねず あまり気持ちの良い話ではないと思われたからだ。]
(370) azure_blue 2023/11/27(Mon) 20時半頃
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―――…、 私は、大丈夫。 もう、終わったことだから。 全部、昔に置いて来たことです。
……自我を持つことが赦されない、 自由のきかない環境に、18まで居たの。 長く、そうやって雁字搦めだったものから 突然突き放されて、私がわたしではなくなって。 世界のすべてがなくなったように思えて――…
[悩んだ末に、抽象的な表現にとどめた。 詳しく、と言われれば別だが、今は このくらいの表現が適当だろうと。 何となく、彼の表情を伺うことが出来ず、 視線は随分と高くなった外に向いた。]
……
(371) azure_blue 2023/11/27(Mon) 20時半頃
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灰羅さんの傷とは、決して、“同じ” ではないんです。 状況も、きっと全く違います。
でも、あのとき、あなたの心が どういう場所に居るのかだけは なんとなく、分かる気がしてしまって。 それで、色々言ってしまったのね。
[見誤れば見当違いもいいところのそれに、 感謝している、と言われてしまって。 改まってのその言葉に、何と言っていいか 言葉を探し、探し、ぽつぽつと。]
(372) azure_blue 2023/11/27(Mon) 20時半頃
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……灰羅さん、昨日よりもずっと 落ち着いているように見えるから。
それだけでも、 よかった、と、思って――…
[昨日の今日なのだ。 傷はまだ真新しいまま其処にあるのだとしても。**]
(373) azure_blue 2023/11/27(Mon) 20時半頃
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―― 観覧車 ――
……… うん。
[無理に引き留めたようなものに、 私の出来たことに対して見合わないほど、 十分すぎる礼の言葉をいただいてしまっている。
だから、大丈夫だと告げる彼へは、 視線を合わせての微笑みに留めた。]
(385) azure_blue 2023/11/27(Mon) 22時半頃
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空が近い ――… 生きてきた中で、今が一番高い場所に居るのね。
[視線のほとんどを前方に据えていたし 時折逃れるように窓の外に向けた視線も形だけ。 いつの間にかゴンドラを囲むのが 空の蒼と海の碧になっているのに、息を呑む。 いつか焦がれた空だ。 高い高い所に行けば 手が届くと思ったこともあったのに。]
(388) azure_blue 2023/11/27(Mon) 22時半頃
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あ……。 あの船がそう? 思ったより随分早く、 …。
[島に閉じ込められたことに 特に不都合も不便もない。 どことなく、夢の終わりが近づいているような 残念そうな声になってしまう。]
灰羅さんは、 この後、どうしますの?
[遥か向こうの点から、すぐ目の前のひとへ。 先延ばしにしていた問いを向けた。*]
(389) azure_blue 2023/11/27(Mon) 22時半頃
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(一斉送信)
『ボクはるくあとずっと一緒に居たいから、
ここに残るよ。
キミたちは気にせず、日常に戻って。』
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―― 観覧車 ――
後始末……
[大々的に救援を呼んだことが 外部にどう受け止められるかという危惧はあった。 孤島での数日間が彼等――彼に、不利益を齎すのではと。 説明を付けられる用意があるのなら 全て任せるしかないのだけれど。]
…… 口裏は合わせるつもりです。 灰羅さんにも、キラ様にも。
私に出来ること、なにか他にあったら 遠慮なく言ってください。
[危ない事はしないと約束してくれているから。 彼の返答には、ゆっくりと頷きを返す。>>392]
(440) azure_blue 2023/11/28(Tue) 07時頃
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[遠く眼下に見えるキラキラとした夢世界。 救援が来て、遊園地を後にして島を出たなら ゆるやかに現実に戻ってゆくのだろう。
一歩踏み出せば夢は終わる。 きっともう、会うこともないのだろうなと。 そう、どこかで思っていた。]
……… え
[だから、灰羅さんの言葉の意味が 私にはすぐには飲み込みきれなくて。 彼が捉えた私の瞳は、どこか呆けたような 色をしていたかもしれない]
(441) azure_blue 2023/11/28(Tue) 07時半頃
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……っ、
[私の反応を待たず連ねられる言葉に 明確な彼の意志を見取り、瞳が揺らいだ。 彼の声は、穏やかな海に白波を立てる強風の如く 無意識に遠い世界に境界を引くことで 一時の凪を得ていたこの心にまで小波を立てる。]
私、 は ……
[腕を取る彼の手が、大きくて、熱くて。 何か口にしなければと思うのに、 声がまともに出てこない。 泣き出しそうな心地ですらあった。
心彷徨わぬように繋ぎ止めるこの手に 重ねても良いのだろうか。僅か先の未来を。]
(442) azure_blue 2023/11/28(Tue) 07時半頃
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………あと数時間で、 忘れる準備を していたの。 たぶん、無意識に。 ………でも、
[一歩でも近づこうと、シートに浅く腰掛け直す。 我彼の距離はそれでも意外と遠く感じられて 意を決したように腰を浮かせると、彼の隣へ。
ゴンドラは僅かに傾いてしまうだろうか、 この数日間で、揺れて傾き続けた私の天秤のように。
そうして、そっと肩に額を預けた。]
(443) azure_blue 2023/11/28(Tue) 07時半頃
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私も、また、あなたに会いたい。
のぞみは出来る限りで叶えてあげたいし ……応急手当が必要な時は、できたら頼ってほしい。
………ふしぎね。
[たった数日で、こんな気持ちを抱くことが あるなんて思ってもいなかった。ぽつりと呟く]
もっと深くまで、あなたを知りたい。
[空に二人きり。 誰に聞こえているはずもないのに 囁くほどにまで声を落とし伝えるのは――『是』。]
(444) azure_blue 2023/11/28(Tue) 08時頃
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教えてくれる?
[私の腕を取るその手に、 もう片方の掌を重ね置いた その意図が伝わるだろうか。
寄り添う身体を少し離して僅かに目を上げれば きっと、視線は再び交わって。小さく微笑む。*]
(445) azure_blue 2023/11/28(Tue) 08時頃
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[キラ様のことも、元より口外する心算はない。 彼等を取り巻く事情についても、 私は良くは知らないために、静かに首肯した。
私に課されるものがあるとすれば、 無断欠勤への学校への説明義務だけ。 救援要請が発されていたことを加味すれば 必要以上に責を負うこともないだろうから。 大丈夫ですと首を振ってみせただろう。]
(474) azure_blue 2023/11/28(Tue) 14時半頃
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………そうなの? あんなに 余裕そうに見えていたのに。
[顰めた声で、くすくすと。 内緒話でもするかのように、笑う。 昨夜。空っぽだと切実な響きを以てして 彼が口にしたその箇所にも、 叶うならそっと指先を添えて、するりと撫でた。]
(475) azure_blue 2023/11/28(Tue) 15時頃
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[いつの間にか天辺を越えたのだろう。 彼の腕に引き寄せられた瞬間、その肩越しに 陽を受けた水面が白く輝くのを見る。]
―――…
[近づく顔が重なる前に、そっと瞳を閉じた。 高度を下げるゴンドラ、身も心も 空に居られる時間はあとわずか。 短い間に、繋がった箇所から どれほどのものが伝えられたことか。]
(476) azure_blue 2023/11/28(Tue) 15時頃
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――――― ―――――
……涼しい。
[ゴンドラを降り、風に身を浸す。 夏の終わりの日差しは今日も変わらず、 けれど空の高さや雲の形は間違いなく 季節の移り変わりを示している。
彼は先に降りただろうか、後に続いたか、 ふと思い出したように、その顔を見上げて]
(477) azure_blue 2023/11/28(Tue) 15時頃
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