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【人】 犬ゾリ遣い ヴィーシャ
(84) 2023/12/22(Fri) 00時半頃 |
[結局俺に向けられていた感情は分からない。
ただ、『味方』という言葉に
振り返るよう乞う様なあの声掛けに
ずっと何かを期待されている様に感じていた。
そんなもの誰にも届く筈が無いと
自分が捨て去った願いと重なるようで
・・
それを他でもない俺が無視し、
切り棄てようとしたのだという意識に
いつまでも引き摺られ苛まれもしていた。
これで楽になるのだろう。
―――そうだと信じ込もう と。して。 ]*
[自ら死を望み、「心中でもいい」とまで言った者の
飲み物に毒がないと信じられたと
もし青年が知ったなら、
彼がさらに可愛らしく思えてしまうのだろう。
そのことに屈辱を伴いながら]
[『お前こそ、そんなに俺が好きだったのか。
それは残念な思いをさせたな』
あのとき彼に言い返された言葉に、
当時の青年は腹を立てもしなかった。
そうだろうか、と疑問を感じはしたが。
今思い返しても苛立ちのひとつも湧きはしない。
だが今は、そうだったのかもしれないと思いもする。
『好き』の一言で括られると
えも言われぬ不快感が渦巻きはするが、それでも
彼に向ける思いの一部は好意の類であろう、と
今の青年は認めないわけにはいかなかった]
[彼への好意に類する思いに目を向ければ、
彼に抱く嫌悪や軽蔑心が苦痛だ屈辱だと騒ぎ立てる。
逆恨みめいた思いや疎ましさに目を向ければ、
それを拒んで彼への愛着を語る心もまたあって。
その両方の折り合いがつくのが殺意なのではないか。
だからやけに真っ直ぐに彼に向くのではないか。
だからこれだけ捨て難い思いなのではないか。
そう思い至ってしまえば、青年は
自分の思いの屈折ぶりに改めて嘆きたくなった]
[今度こそ知られぬまま眠ろう、
あとほんの数時間のことなのだから。
青年はそう己に言い聞かせる。
その間、知られぬように耐えればいいだけで、
……もし耐えきれずに漏らしても
そこにいるのは彼と愛犬だけだから]**
【人】 犬ゾリ遣い ヴィーシャ
(89) 2023/12/22(Fri) 13時頃 |
【人】 犬ゾリ遣い ヴィーシャ
(90) 2023/12/22(Fri) 13時頃 |
【人】 犬ゾリ遣い ヴィーシャ
(92) 2023/12/22(Fri) 13時頃 |
[あの時『孤独』だろうと
俺に知らしめんとしたその言葉は、
俺からしてみたら青年自身にこそ
当てはまる言葉に思えていた。
生き方を指すのではなく
『孤独』という自体そのものが
あの時の青年を指し示していたかの様で
今も変わらずに、
………寧ろ、当時以上に『孤独』に映り
当惑する。
容を得た罪悪感が
意識に踏み入ろうとして ]
[―― 黙れ、と扉を閉める。
どうにしろ、
何かをしてやる理由なんて無いのだと。
無い筈だろと言い聞かせるように
意識の扉を頑丈に塞ごうと。 ]**
[彼が常の平静さを取り戻したように見えれば、
青年の内には名残惜しさが芽生えた。
取り乱し声を荒らげる姿も、
必死に犬を守るべく隠そうとする仕草も
それはそれは愛らしいもので。
当時意識に昇らぬよう勤めていても
いざ過去の光景になってしまうと、
もっと見ていたかったという思いが浮かぶ。
彼が願われれば死ぬ気さえ起こしていたことなど
青年には知る由も無かったが、知っていたなら
さぞかし愛おしく思ったことだろう。
この他に何が彼の心を乱せるだろう、どうやって
動揺させようかと、そんな思考まで巡り始め、
それら全てを今すぐ消し去ってしまいたかった]
[「狂ってる」
その表現が的確なものとして青年の心に馴染んだ。
狂ってしまったのだ。
そう思えばいろいろなことに納得できる気がして。
それがいつからなんて考える気は無かった。
彼に可愛らしささえ感じ始めたのは、
きっと狂気の果てに至ってのことなのだろう。
そう思ってしまえば諦観の中、
やけに和やかな安堵感が青年の心に染み渡った]
[もう、どこにも戻れはしないのだ。
ありとあらゆる意味で]
[青年は孤独ではあるのだろう。
実の母親と引き離された後、父は言わずもがな、
新たな母親にもまともな愛情を注がれず。
人当たりのいい好人物として育ってはきたし
極端な虐げを受けたわけでもないが、
距離の近い友人や恋人などいたためしがない。
ゲームに参加するに至って、やっと
気安く話せる参加者が数人できたが、
それも互いに素性を知らぬ間柄ゆえだったのだろう。
その彼らの誰とも話さないことを望み、
誰も来られない場所で独り眠ろうとさえした]
[実際には眠りに就く前に
数人と対話することになったし、
思いを分かち合えたはずの相手もいるのだが。
こうして起こされたことで
考えを改める機会を得てしまった。
それでも青年が実感することは無いかもしれない。
己の孤独を。
仮に実感したとしても、わざわざ
そこから逃れようとすることもないだろう。
元々、既に終わったはずの命。
今与えられたのも一時の幻想でしかないのだから]**
[必要の無い事は口にしない。
それはGMとしての公平さを保つ為であり
プレイヤーとして弱点を晒さない為であり
伝える必要が無いと判断したからだ。
余計な事等口にしない。…絶対に。]
【人】 犬ゾリ遣い ヴィーシャ
(96) 2023/12/22(Fri) 19時半頃 |
【人】 犬ゾリ遣い ヴィーシャ
(97) 2023/12/22(Fri) 19時半頃 |
【人】 犬ゾリ遣い ヴィーシャ
(98) 2023/12/22(Fri) 19時半頃 |
【人】 犬ゾリ遣い ヴィーシャ
(99) 2023/12/22(Fri) 19時半頃 |
[そうして今度こそ終わらせようと。
抱いた何もかもを流しきり
元へと還る
・・・・・
例外等無く
全ての人間を嫌い、憎んだままの自分へと。]*
[ただ嫌いと伝えるだけで、
そんなに体を強張らせる彼が
やはりどうしようもなく可愛らしく思え、
とうとう、反発する感覚さえ湧いてくれなかった]
【人】 犬ゾリ遣い ヴィーシャ
(104) 2023/12/22(Fri) 21時頃 |
【人】 犬ゾリ遣い ヴィーシャ
(105) 2023/12/22(Fri) 21時頃 |
【人】 犬ゾリ遣い ヴィーシャ
(107) 2023/12/22(Fri) 22時頃 |
【人】 犬ゾリ遣い ヴィーシャ
(108) 2023/12/22(Fri) 22時頃 |
[もう彼に抱いていたはずの嫌悪も何もかも
抵抗を示してはくれないことにだけ、
青年は少なからずの失望を覚えたが。
それもこの瞬間を以て
忘れていってしまう感情なのだろう]
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