10 冷たい校舎村9
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[ぼたんはその時に生み出された。
何もない闇の中から、大丈夫だよ、って、 恐怖で引き裂かれそうな私の心を留めて繋ぐための友達として、現れた。**]
(206) 2021/06/08(Tue) 19時半頃
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[一緒に帰り道を歩きながら話をする仲を、 友達だと呼べないのなら、何が友達なんだろう。
私はそういう気持ちでいて疑わない。 私の人生にはいろんな意味での友達が多い、と思う。]
(256) 2021/06/08(Tue) 21時半頃
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[>>192階下から聞こえる鳩羽くんの声。 利美ちゃんのことを探しているようだから、彼も同じことを考えたのだろう。 こういうのは同じ考えの人が多ければ多いほど安心できる。]
あんな怖いの、もう1回よく見てみるのも御免だけど、 大丈夫、お化け屋敷みたいなものだから。
[思い付いた慰め言葉は微妙だった気はする。 お化け屋敷と例えたものの、狭くて暗い空間は苦手なので、 入ったことはなく、イメージでしかない。]
(257) 2021/06/08(Tue) 21時半頃
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[>>229芽衣ちゃんの手を取る。暖かい。 >>230>>231渡したボタンを受け取ってくれたので、微笑みを返す。 恐怖で心が挫けそうな時のおまじない。 芽衣ちゃんにも届いてくれたらいい。
手を差し出した時に私の指の側面の傷を見られたらしく、 近くの水道に連れて行かれた。]
大したことないから。いいよ。
[そう言いながらも指を流水で洗い、綺麗にしたら、 芽衣ちゃんは取り出した紺色のハンカチで指を包んでくれた。]
(258) 2021/06/08(Tue) 21時半頃
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……ありがと。 ふふっ。
[交換の形になったから、そのほうが気楽だ。 ハンカチはありがたく受け取ることにして、微笑んだ。]
そうだね。 なんとなくそうなっちゃうね!
[>>233私たちはいつも約束をしない。 一緒に帰るのは時間が合った時だけだし、先の予定を確約させない。 なんでか知らないけど、そういうふわふわ感も悪くは感じなかった。]
(259) 2021/06/08(Tue) 21時半頃
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[……でも、彼女に話さずに半端にあやふやにしたことは、 しっかり精算しなきゃいけないな、と思う。
>>233いつもの通学路でもない、 冷え切った薄暗い校舎の中で、カッターナイフを小石のように蹴りながら、 静かに話を切り出していく。]
……前に終わらせたままだった話の続き。いい?
[指の傷を、紺色のハンカチ越しに軽く撫でて一呼吸を置く。]
(260) 2021/06/08(Tue) 21時半頃
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変だなって思ったら笑ってくれてもいいんだけど。
私には幼稚園の頃からの友達がいてね。 その子は私が一人の時に話しかけてくるんだけど。 私以外の、他の人には見えないらしいんだ。
私にとっては普通にいるように感じるのに、 いるよって言っても誰も信じてくれないから、 なんか、だんだん疲れてきて。
ずっと忘れようとしてたんだけどね。 やっぱり、ダメみたい。
(261) 2021/06/08(Tue) 21時半頃
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[芽衣ちゃんにとっては、急に怪談のような話をされたと思うだろうか。 こんな状況で、私がふざけたことを言っているのだと。 残念ながら、これが隠そうとしてたことなんだけどね。]
その友達のことを忘れるのが正解なのかなって悩んでたから、 芽衣ちゃんにちょっと聞いてみようかなって、 ズルいことを考えてた。
……ごめんね。なんか。
[あの時からずっと胸の支えになっていたことを、ようやく吐き出した。 こんな突拍子もないこと、話されても困るだけだろうけど。 茉奈ちゃんに相談した時みたいにもっと早く決断できていれば良かった。 後ろめたさを抱えながら、私は芽衣ちゃんに気まずそうに謝る。**]
(262) 2021/06/08(Tue) 21時半頃
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店番 ソフィアは、メモを貼った。
2021/06/08(Tue) 21時半頃
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[話すことは話した。 笑われるか、困らせるか、それとも蔑まれるか、 リアクションをいくつか想定していたけど、 >>284案外軽い反応が返ってきて、ホッとする。]
……そういや、そうだね。 何回か見られてたもんなあ。
[>>285あれはたしか、聞かれて私が誤魔化したはずだ。 長年の経験で誤魔化すほうを優先してしまったがゆえの、浅はかさだった。
>>286>>287芽衣ちゃんの考えを聞きながら、 手に込められる力をじんわりと感じていた。]
(311) 2021/06/08(Tue) 23時半頃
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……。
わかる。わかるなー! それ。
[つい笑ってしまいながら、そんな相槌を打つ。]
何か抱えてそうな人に踏み込んでさ、 一緒に背負うのって、重いもん。 触れないようにして、楽しいことだけ共有したいじゃん。
[今が楽しければそれでいいし、私は私を嫌いな人とは関わらない。 そんな考えで生きてきた私だもの、 芽衣ちゃんがそういう風にしていたことは、痛いほど分かる。]
(312) 2021/06/08(Tue) 23時半頃
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自分にとって大事なものを大事にできるなら、それでいいと思う。 誰もそんなの、責めたりしないよ。
私、芽衣ちゃんと話して気を紛らすことができて、 すっごく楽しかった。
[ささやかな帰宅部の活動だったけど、 それが私にとってどれだけの救いだっただろうか。]
(313) 2021/06/08(Tue) 23時半頃
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[>>288芽衣ちゃんが何もない虚空に挨拶をする。 ぼたんは私が一人きりの時だけ現れるから、残念ながらそこにはいないけど。 感謝するように笑った。]
……だよね。 何度も忘れようとしたのに無理だったから、 もう、そういうものなんだよね。
私のことは結局私がなんとかするしかないから。 聞いてくれただけで、良かった。
[これは空元気ではなくて、本心から。 忘れよう忘れようと隠していたあの子の存在を上手く共有できて、 そんなに気負うことをしなくてもいいのかなって、思えてきた。]
(314) 2021/06/08(Tue) 23時半頃
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ありがとね、芽衣ちゃん。 ありがと。
[一緒にいると言ってくれて、繋いだ手は暖かい。 このまま並んで歩いていたいけど、 利美ちゃんを探したほうがいいのかな、とも思う。]
……落ち着いたら、やれることをやりに行こっか。 利美ちゃんを探して、ここから出られないなら泊まる準備して……。
あ、そういえばお腹もすいてきたなぁ。
[恐怖と緊張で感じなくなってたはずの空腹が戻ってきたような気がした。*]
(315) 2021/06/08(Tue) 23時半頃
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店番 ソフィアは、メモを貼った。
2021/06/08(Tue) 23時半頃
店番 ソフィアは、メモを貼った。
2021/06/08(Tue) 23時半頃
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[>>333お互い、空腹をしっかり感じるぐらいに気は紛れたみたい。 なら安心かなって思えた。]
そうだね……。 教室に戻ってみたほうがいいかな。
[>>334芽衣ちゃんの提案には頷く。 あんなことがあって慌ててここまで来たから、 今はどういう状況になっているのか。]
私も教室に行くけど、ちょっとトイレに寄りたい。 先行ってて?
[ほんの少し寄り道してから戻ろう、と意思表示をした。 もちろん教室には向かうつもりなのに変わりはない。]
(338) 2021/06/09(Wed) 00時半頃
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うん、みんなで帰ろう。 同じ場所に詰まってたら、人間ダメになっちゃう。
[>>335当然のように全員で帰ろうと。 この校舎が尋常ではないことは分かっているし、 あの遺書のようなメールは何も解決していないけど、 揃って帰らなければ意味がない。そう思う。]
もちろん。またお話ししようね。
[ああ、あの時、心理テストって言って誤魔化した私みたいだなって思えて、 >>336芽衣ちゃんを微笑ましく見て、初めての約束をした。]
(339) 2021/06/09(Wed) 00時半頃
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[カッターナイフを蹴るのにも慣れて、器用に道を開けていく。
芽衣ちゃんが階段に向かうなら、 その手前で私は女子トイレに入ろうと道を曲がるだろう。*]
(340) 2021/06/09(Wed) 00時半頃
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わかった。 いろんなこと、聞いてもらおっかな。
[>>344別れ際に返事をする。 私にしか見えない友達のことを、共有する人が増える。 それは良いことなのか、それとも? 分からないけど、芽衣ちゃんのことを信じることはできる。
そして私の話を聞いたもらった分、 私は芽衣ちゃんの話を聞こう。うんと聞こう。 話したくなったらで構わないから、また。
卒業まで、春になるまで。 残る時間は少ないけど、残されてはいる。]
(352) 2021/06/09(Wed) 01時半頃
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— 女子トイレにて —
[水の流れる音を聞きながら、 外した紺色のハンカチを再びきゅっと包み直す。 傷は本当に浅く、もう痛みは感じない。]
『ひとみ、平気?』
うん。
[また背後から聞こえてきた声に返事をして、 息を吸い直すと、目を閉じて覚悟を決める。
そして、振り返った。 声の主を。「ぼたん」の姿を、見る。]
(353) 2021/06/09(Wed) 01時半頃
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『お腹すいたんじゃない? 朝から何も食べてないんでしょ? 早くみんなのところに行った方がいいよ。』
(354) 2021/06/09(Wed) 01時半頃
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[いつもと変わらず可愛く話しかけてくる声の主の、その顔は、 ぐずぐずに崩れた肌に、2つの目が歪に浮かんでいて、 頬まで走った裂け目が、微笑んでいるようなぎこちない形を作る。]
(355) 2021/06/09(Wed) 01時半頃
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[忘れようとして「ぼたん」の姿からずっと目を背け、 可愛らしかった面影だけを忘れて、それでも全てを忘れることができないでいる。
文化祭の頃からずっと、顔を合わせずに返事だけをしていた。 向き合おうとしなかった。
半端な私の未練が、この子を傷付け続けている。 ぼたんを傷付け、殺しかけ、こんな姿にしてしまったのは私だ。]
(356) 2021/06/09(Wed) 01時半頃
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[>>1:322「幽霊の方が一度捕まえれば離さないってさ、 そういうケースもよくあるもの。」
茉奈ちゃんに相談した時に言われた言葉を思い出す。 果たして、ぼたんが私に執着していたのだろうか。 それとも、ぼたんに執着していたのは……]
(357) 2021/06/09(Wed) 01時半頃
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……ごめんね。
[そう呟いて顔を背け、女子トイレから出る。
忘れようとしてごめんなさい。 忘れきれずに、そんな姿にしてしまってごめんなさい。
どこからか溜め息が聞こえた。 ぼたんのものか、そうじゃない別の誰かのものか。
脇目も振らず、3-9教室を目指す。**]
(358) 2021/06/09(Wed) 01時半頃
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店番 ソフィアは、メモを貼った。
2021/06/09(Wed) 01時半頃
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— 2F廊下 —
[教室へ向かうまで長い廊下。 そこを進んでいたら、向こうから人影が見えた。>>459]
茉奈ちゃん。
[手を振り返す。今はもうさっきよりは落ち着いている。 表情に明るさは浮かべられたかな。]
大丈夫。 あの、怖いやつ見て動揺しちゃって。 私も芽衣ちゃんも。
[茉奈ちゃんはどこまで知っているのか分からなかったので。 そう言いつつ、怖いやつというのは3年10組のマネキンであることを、 どうにか手振りで伝えようとする。]
(498) 2021/06/09(Wed) 19時頃
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心霊現象のオンパレードみたい。 もう考えるのやめようと思う。
[両手を上げてやれやれのポーズ。 いろいろな意味で疲れたけど、もう諦めの境地であることをアピール。
茉奈ちゃんが何かすごいアドバイスを持ってたらいいなあ、なんて、 そんな軽い気持ちで。**]
(499) 2021/06/09(Wed) 19時頃
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同化……。
[>>530茉奈ちゃんの口から飛び出た言葉に、 驚いて息を呑んで、鸚鵡返しする。 同化って。想像するとそりゃあ怖い。]
そ、そんなこと……。 気を抜かないように気を付けないと……。
[詳しい茉奈ちゃんが言うなら否定もできなくて、 気を付ける、なんて漠然としたことを言うしかなく。 別の意味でやっぱり背中が冷えてしまう。]
(538) 2021/06/09(Wed) 21時半頃
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[>>531利美ちゃんは帰れたのか? 結局、探し切れていないから断言することもできない。 けど、私の願望を言うのはいいのかな?]
利美ちゃんがいなくなって、人形が残ってる。 なんか、そういう決まり、なのかな。
人形がここで死んだってことは、 人間のほうはもう、ここにいなくて……。
帰れているといい、と思う。
[この世界のルールを解くのは詳しい人に任せるしかない。 けど、帰れていてほしい、と私は思っている。*]
(539) 2021/06/09(Wed) 21時半頃
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店番 ソフィアは、メモを貼った。
2021/06/09(Wed) 21時半頃
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[ふむふむ、と茉奈ちゃんの語る推測を聞いている。>>555 お次の可能性は殺人鬼。どちらにしてもあまり考えたくない。 怪談としては非常に極上だと思われる。 何故なら私は十分に肝を冷やしている。
>>556私の希望というか願望に、彼女も頷いてくれたから、 ひとまずは良かった、と思う。]
(585) 2021/06/09(Wed) 22時半頃
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私? 帰りたい!
[>>557即答を返した。 ここにずっといて良いことは何もないと感じている。 閉鎖された場所はやっぱり嫌いだ。]
両親が心配してる……のは、もう気にしなくていいのかもしれないけど。 ずっと息苦しくてダメだなあ。ここは。 閉じ込められてるって思っちゃうのは、ほんと、ダメ。
[ここまで喉から吐き出される素直な言葉。 そうしていて、なんとなく気付く。]
(586) 2021/06/09(Wed) 22時半頃
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本心ではここから出たくない人が、 いる……ってことかぁ。
茉奈ちゃんは……違う?
[あのメールの送り主が望んで作った校舎なら、 そういうことになるのだろうかと思えて。]
……おなかすいたな。
[考えて頭を使うと、空腹感がやって来る。 何か食べて休もうと思っていたところだった。*]
(587) 2021/06/09(Wed) 22時半頃
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