15 青き星のスペランツァ
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[ハロは知っている。 自然界が生み出すものは、時として自分の身体よりもずっと大きく、重いことを。 ハロは知っている。 そんな事象に遭遇したら、一も二もなくまずは逃げ出すべきだということを。
けれど、体制を崩した今のままでは、反射的に飛び上がることができない。]
(153) 2021/11/12(Fri) 21時半頃
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あ
[何かに気づいたような小さな声。 反重力パンは無慈悲に落ちてくる大岩をカメラで捉える。
モニターからはすべての光が失われて、発信機の信号も同時に*途絶えた*]
(156) 2021/11/12(Fri) 22時頃
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雲水 ハロは、メモを貼った。
2021/11/12(Fri) 22時頃
『僕の星は発展のために多くのものを切り捨ててきました。真っ先に切り捨てられたのは僕ら……存在が非確定な伝承たちでした。誰の記憶にもなく、記録も消されてしまった者も多くいます』
[意を決したように息を吸い]
ほし でる する とき、ぼく しぬ ばしょ さがす してた、そう きぶん する。
しかし ふね たのしい、ぼく いきる したい なった。
たぶん しんだ でんしょう みんな そう、 いきる したい。
『だから、僕の知っているすべてを、できる限り生かしたい。キランディに伝えたい、チャーチドッグだけじゃない居場所のなくなった幻想たちを伝えたい。多少は歪んでしまうかもしれない、蘇らないかもしれない、それでも僕は一人でも多くの伝承を残したい』
『できることなら、一緒に伝承を伝えていきたい』
[しばしの間の後、申し訳なさそうなメッセージが送られる]
『……ごめんなさい。さすがに甘えすぎました』
…………死ぬ場所を探してた、か。
[咎める事は出来ない。自分だって、似たり寄ったりだ。死にたかった訳ではないけれど、自由になる手段が他に無いなら、死んだっていいと思っていた。だからこそ、危険が多い調査船のクルーとして紛れ込んだのだ。]
……甘えなんかじゃない。
生きたいって思えるのは、間違いなくいい事の筈だから。
アンタも、他の伝承も生きたいと願ってて……。
その為にオレが出来る事があるって言うのなら、この無駄に永らえてしまった命にも意味があるのかもって思えるし。
……生憎、オレは追われる身だ。
絶対って約束は出来ないけど、“自由”で居られる間は付き合うよ。アンタに。
[追手に見つかるまで。罪が暴かれるまで。鳥籠の中へ戻されるまで。それまでは、あなたに協力すると示した。]
『追われる身、か。なんでそうなったかは聞かないでおくよ』
『そうだね、この調査が終わってキランディがどこかに行くなら一緒に行こう。逃亡じゃなくて、伝承を伝える旅にさ』
[もしそうなったら自分はなんて呼ばれるのか、とヨーランダはどうでもいいことを考えていた。仮初のヨーランダという名前なのか、それともチャーチドッグなのか、はたまた彼が考えた名前なのか。
そんな本当にどうでもいいことだ]
『そんな先でギロチンに、もちろんギロチンじゃないけどギロチンに会って、三人でいろんなところに行きたいね』
『なんだろう、共犯者同士?』
なんて ね。
[くすりと笑い声が漏れた]
そうしてもらえると、助かるよ。つまらない話だし。
元より、当ての無い旅だ。
風の吹くまま気の向くままになりそうだけど、それでも良ければ。
[ただ逃げるだけではない、目的のある旅。そんな事が出来ると思ってなかったから、あなたの申し出がただただ嬉しい。]
……そう言えば、チャーチドッグっていうのは、アンタ個人の名前っていうよりは種族名に近い感じなのか?
ギロチンが、オレ達が知ってるギロチンじゃなくてもギロチンっていうみたいに。
[ギロチンもそうであるなら、共犯者同士、それぞれ名前を付け合うのもいいかも知れないと思う。自分とて『キランディ』は借りてる名だし、逃亡者である以上、元の名を名乗り直す事も出来ないから。]
……何にせよ、その日が楽しみだな。
それまで、改めてよろしくねん♡
[そう言って笑う声は、すっかりいつもの『キランディ』だ。]
『名前つけ合うの楽しそう。チャーチドッグは種族名ってことになるのかな?そう考えると僕自身は名前がないみたいだ』
[ヨーランダというの借り物の名前だ、つまりこの男には名前がないのだ]
うん きらんでぃ よろしく。
そのひ くる ないしょ。
ぼく きらんでぃ ぎろちん ないしょ なかま。
[その笑い声に返す言葉はいつもの片言の『ヨーランダ』だ]
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