23 あの春の廃校だけが僕らの学校だった。
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[なんだか、わなわなしてる]
心配せずとも、
その為にずっと下積みして来ましたから。
若頭は何も憂うことなく、
お仕事をこなしてくだされば構いませんよ。
というか、
もっかいきくわ。
なんで、こんなとこにいる?
口説こうと思って。
俺からもひとつ訊いていい?
電話、
なんで捨てなかったの。
はあ?
まだ、ヤりたりねえのか?
つか、お前、そんなナリで、金も持ってるなら、
いくらでも誰でも抱けるだろ。
電話は、
うるせえな。こっちの勝手だろ。
縁が切れないままで、
ここまで来たんだからさ。
………………やっと、会えた。
話をさせてよ。
……長い話になると思うけど。
[取り出した石を放り投げる。黄緑色。]
[投げられたもの、反射的なら受け止める]
くっ。
お前、バカだろ。
勝手にしろ。
[もうとっくに手が覚えている操作で、
一本の電話を掛ける。
それからのことは、カメラの外の、お話。]**
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―― 先のおはなし ――
じゃあ、シチューにしましょうか。 この間ネットで見たレシピが美味しそうで、 いつものシチューをすこし改良してみようと思うの。 …お歳暮のソースも助かるわ。 それ使ってまた何か作っても、いいし。
[冬のある日。いつものように、今夜のメニューを話し合う。 指を絡めて隣を歩けば、冬の寒さも苦にならない。]
(433) azure_blue 2023/05/06(Sat) 00時半頃
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……それって。
[奏人くんの並べたメニューに、 ぱちりと目を瞬かせて、少し頬を染めた。 宿泊のお誘い、もちろんわたしにNOの言葉はない。 その頃にはすっかりうちの両親にも公認になっていたし ――父親は渋面をしていたが―― もう、電話1本入れれば何も言われないはず。]
(434) azure_blue 2023/05/06(Sat) 00時半頃
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[受験に失敗したと聞いたときには、 だいぶ驚いたけれど、彼らしいなと笑ってしまった。 あの頃もずっと先輩と呼んでいたし、年上の彼が 同じ学年になるというのは不思議な感覚だけれど。 4年間、同じ環境で同じ時間を過ごせると思えば、 全く悪いことではなかったから。]
うん。 わたし、講堂が気になって。 それと、学食のメニューも……見にいかない?
[遠回りで大学見学。 ぶらぶらとしたデートももう心地良く慣れたもの。]
(435) azure_blue 2023/05/06(Sat) 00時半頃
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[途中、足を止めた彼を不思議そうに見る。]
……あ……
[グラウンド。気を遣われたのがわかった。 彼を見上げて、先の道を見て。 躊躇したのは一瞬。強く、大丈夫と頷いた。]
このまままっすぐ、進みましょう。 怖くないわ。 奏人くんが手、繋いでくれてるのだもの。
[廃校からグラウンドを見下ろした、あの時のように。 彼と一緒なら、この先も、未来を真っ直ぐに見据えて、 歩き出すことができるはず。** ]
(436) azure_blue 2023/05/06(Sat) 00時半頃
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