32 Zug Zwang
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きみは自らの正体を知った。さあ、村人なら敵である人狼を退治しよう。人狼なら……狡猾に振る舞って人間たちを確実に仕留めていくのだ。
どうやらこの中には、村人が1人、共鳴者が2人、智狼が1人いるようだ。
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ちゅー!
ちゅー!
がりがり、がりがり。ケージの縁をひっかくと、うろうろ、うろうろ右へ左へ駆け回る。木の洞に目もくれず、夜中じゅう走り続けるのだった……
(0) 2023/12/17(Sun) 22時頃
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[穏やかな寝息を立てている。
…ともすれば首を上げ、大きくひと欠伸。 クンクンとその場で鼻を嗅いでから そろり、と飼い主の膝から降りて 室内を歩き始めた。
そうして一通り部屋の中を探索し終えれば また飼い主の方へと歩み寄り、足元で丸まって。]*
(1) 2023/12/17(Sun) 22時頃
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は? …… [不機嫌顔から出てきた「起こした理由」は 青年が想像もしないものだった。 それで思考が止まった挙げ句、 何を言い足すこともできなくなり、 青年はただただ話し相手をじっと見つめた]
(2) 2023/12/17(Sun) 22時半頃
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[どれだけ沈黙が続いたのか、 それとも長く感じたのは青年の主観だけか。 漸く動き始めた頭で別れ際を思い返し] そんなに、また会いたくなるような 別れ方でしたか……?
[解せぬ様子で首を傾げながら問うさまからは、 青年はそうは思っていないことが窺えようか。 青年からすれば、彼がどこまで聞き届けたものかも、 届いたとして、どんな風に彼の心に響いたかも、 そして彼の抱える事情も、何もかも 想像の及ばないことだったのだ]
(3) 2023/12/17(Sun) 22時半頃
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[祝いはしないと伝えたのにも関わらず 満足げな微笑を見れば、それもまた解せずに眉を顰めた。 一方で睨んでくる姿は可笑しく思えて笑いを漏らす。 彼がチェスについて語る熱の入りよう、 趣味はともかく『特注品』のチェス盤を望むこと、 さらには自ら開くゲームさえチェスを模すこと。 どれを取っても彼がチェスを心から愛することに 疑いの余地はない。 死すら恐れず、ただ 「チェスができなくなるのは困る」と言ってのけた その言葉さえも本心なのだろうと青年には思えた]
(4) 2023/12/17(Sun) 22時半頃
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あなたがする『駒扱い』は、 相当に気に入った相手に向けたもの、 ということはわかりました。 ぼくの父の場合は逆ですね。 人間扱いする相手のほうが好意が上。 ……そんな相手がいたのかわかりませんが。
[望みかと問われた言葉には答えず、己の解釈を告げる。 青年は彼からの思いに頓着してはいなかった。 どう思われていようが特に気にならず、 どう思われたいかの願望も特にない。 それは青年の彼への評価が由来というよりは、 青年の心を深く蝕む思いのほうが理由なのだろう]
(5) 2023/12/17(Sun) 22時半頃
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あれからゲームを続けたのなら、 お気に入りの駒も増えたのではないですか?
[問い返した言葉は話のついでであった。 そうやって駒を愛しながら盤を見れば、 気に入る動きをする駒は他にも見つかるだろうし、 中には彼の気に入る戦果を挙げる駒もあったろうと。 青年が参加したゲームの中で 彼が他の参加者にどう接していたのかなど 確認しないまま眠りに就いていたこともある。
彼がこのように駒に入れ込むことが 珍しいのかどうか、青年には見当がつかなかった]**
(6) 2023/12/17(Sun) 22時半頃
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……? さあな、一般的な別れ方なんて俺は知らない。 あんたと会話した内容は忘れた部分もある。 思い出せる部分でも、…呆れた気持ちが 再度湧く所もある。
ゲームの内容でも無い所で 「嬉しかった」なんて言われなければ こんなに気になる事もなかったんだろう。
[ゲームに参加した事で願いが叶い、それ故嬉しい。 ゲームを通して得られた絆が嬉しい。 そうした感謝の言葉ならあったかもしれないが。
そうではなく、あれは、 個人に向けられたものに感じられて。]
(7) 2023/12/18(Mon) 07時頃
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[何故先の回答に そこまで驚いているのかはわからず。 …だが、ああ確かに、決裂はしたか。 とは思い出しはして。
自身も疑問ではあるが それでも行動に至った理由を、 思考を探し、まとめながら答える。
言葉にした事で漸く理由に辿り着けた気もしたが 果たして回答に足り得ただろうか。]
(8) 2023/12/18(Mon) 07時頃
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人間の方が信用ならないだろう。 自身の得を優先し、他者の事なんて考えない。 どれだけ相手が苦しもうが意にも介さない。 …どころか、…。
[心が冷えていくのを感じる。 語るのも馬鹿らしくなり言葉を切ったが、 どれだけの美点を語られようと人間に対しての 不信は揺らぐ事は無いだろう。
…許せる相手がいるとすれば、 ――――、くらいで。]
(9) 2023/12/18(Mon) 07時頃
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気に入りの駒?…ああ。 悪くない奴は確かにいたよ。 けどお前と同じ役で良い奴はいなかった。 折角最初のものより強化してやったのに、 どれも序盤で尾を掴まれ敗けていった。
だから、あんたは特別だったんだろうな。
[淡々と、特に感情も挟まずに 状況を報告するかの様に質問には答える。 確かに良い動きをする駒はあった。 だが、]
最後に話をしたいと思ったのもあんただけだったよ。
(10) 2023/12/18(Mon) 07時頃
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[改めて考えてみれば 不思議なものだと自分でも思う。 けれど事実、あの部屋から出て、自ら赴き、 不可能であろうとも手を組まないかと 声を掛けたくなったのも彼くらいだった。
聞かれでもしなければ言う内容でも無いかと 相変わらず仔細は切って。]*
(11) 2023/12/18(Mon) 07時頃
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[彼の説明を聞いて、改めて年月の経過を思い知る。 青年にとって、あれは昨日のことのように近い出来事。 しかし生者にとってはそうでないと実感してしまった]
……聞こえていたんですね。 そんなに思い出深い言葉でしたか?
[茶化し気味の言葉を投げ返しながらも その声は落ち着き払い、沈んでさえ聞こえただろう。 人のいない側の肘掛けに頬杖をつき、視線を逸らす。 自然、青年の眺める先は床や空席になったが、 視界にあるものの意味を拾うことはないまま 人間について語る声に耳を傾け]
(12) 2023/12/18(Mon) 14時半頃
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……そういう人間がいるのは事実ですが……、 そればかりではない……とぼくは思います。 あのゲームの中でだって、そうだったでしょう。 他者を道具のように利用しようとした者もいれば、 手を取り合って共に生きようとした者もいる。
裏切りに怒り、嘆き、苦しむのは信じていたからこそ。 ……ぼくにはどれもありませんでしたが。
[裏で謀られ命を落としたとき、青年が感じたのは安堵。
怒りも嘆きも苦しみもそこにはなく、 ただ、全員を殺さずに済んだことに安らいだ。 それは誰のことも信じていなかった裏返しでもある]
(13) 2023/12/18(Mon) 14時半頃
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[問いに返ってきたのは特に感情の篭らない、 事実報告のような語りではあったが。
その内容に青年が向けた視線は、意外そうなもので]
……そうなんですか。 よく参加者に声をかけるのかと思っていました。
[淡々と語られた内容ながら、 彼の言葉遣いが理由で素と感じてしまったせいだろう。 青年の内には浮かんでくる感情があって、 軽く目を閉じ、頭を小さく振った。 その思いを振り払おうとするかのように]
(14) 2023/12/18(Mon) 14時半頃
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[けれど青年には同じ役を与えられた者たちに 思うところが別にあって、話し相手を横目で見やり]
あの役は想像以上に重いものです。 他なら誰かと手を取り合うことも可能でしょうに、 あの役だけは最初からその道を断たれる。 生還……、勝てる望みも薄い。
そこで少しでも多くを巻き添えにしようとするか、 細い勝ち筋を追うか、は人それぞれでしょうが……。
あなたの目的からしたら、1人でも多くの 犠牲者が欲しかったのではないですか。
[青年は結局ひとりの犠牲も出さずに敗けた。 彼の期待に最も沿わなかったと解釈しているのだ]
(15) 2023/12/18(Mon) 14時半頃
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ぼくは少数の犠牲を出した末に自分も死ぬ道は、 ……敗けが見えている道は選びたくなかった。 だから策を練った末、たどり着けさえすれば 勝てる道を見つけましたが、結果はご存じの通りです。
そういう策を明かせる相手はあなただけでしたし、 ……ぼくの勝利を願う者がもしいるなら、 それもあなたたちだけであろうと。
『味方』と称するのはそういう意味です。
[ずっと意図が通じていなかったらしい言葉の補足をして、 青年は戦いの日々を思い返した。 開戦と同時に青年の心を蝕んだものは、 永い眠りを挟んだ今でも、変わらず在り続ける]
(16) 2023/12/18(Mon) 14時半頃
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[『嬉しかった』という言葉が出た理由を、 青年はもう語ったつもりでいる。 しかしながら彼がまだ気付いていないのなら、 もう少し放っておこうかとも思っていた。 それは青年自身、もう少しその気持ちに 整理をつけたいからでもあり、 先ほど新たに呼び起こされかけた思いに 少し向き合う時間が欲しかったからでもあった。 彼にとっては随分昔の思い出話かもしれないが、 青年にとっては昨日のような出来事の話なのだ。 一度ついた頬杖はそのまま、視界には無人の光景。 もし沈黙が起きれば、暫しそのままにするだろう]*
(17) 2023/12/18(Mon) 14時半頃
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[青年は思い返す。
自らの人生を。
父の手駒として過ごす間、何を思っていたのかを。
全く異なる形の駒扱いを受けた今は、
ひとつ、思うことがあった。
父への報復を考えた理由は、
駒扱いが不服だったのではなく──
愛されたかっただけではないのかと。
普通の親子のように ]**
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思い出…という程時間も経ってない。 一年と少し、か?
[それでもその間ずっと引っ掛かりはしていた。 寧ろ人と関りを持つ程に、より気に掛った。 他の誰からも向けられた事も無い、 詳細不明の感情。]
(18) 2023/12/18(Mon) 22時頃
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[自身の思う人間像に少しでも否定が入れば また不機嫌そうに眉を顰め。 …籠る様に目線を逸らし。]
…………理解されたいとは思わない。
[忌々しそうに呟き、 以降は聞く耳を持とうともしなかっただろう。 犬の居ない膝の上、重ねていた手を強く握り込む。]
(19) 2023/12/18(Mon) 22時頃
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[だが話題が移ろうならそちらへ向き、 告げられた内容を咀嚼する様に暫し黙る。 一つ、問われた内容に関しては。]
犠牲者数にはそれほど興味は無い。 足りなければまた開けばいいだけだ。
俺が見たいのは『面白いゲーム』だ。 俺の想定や思惑の通りに進むゲームも良いし 予想以上の結末を魅せてくれるのも悪くない。
あのチェックメイトも面白かっただろう? …あんたが勝っても、それはまた 面白かったかもしれないが
(20) 2023/12/18(Mon) 22時頃
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……見たかったな。あんたの勝つ所。
(21) 2023/12/18(Mon) 22時頃
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[最後の言葉は唯呟く様に。 相手に伝えようとした意図はなく、 視線も昔を懐かしむ様にか宙を漂って。
そうして『味方』の意味を考え始める。 考える内、足元で犬が寄り添っている事に気付き 耳の辺りを撫でようと手を伸ばす。 無事届けば満足するまで撫でて、 ]
少し席を外す。 ロバートに食事を用意してくる。
[沈黙が起きたならそれを契機にと 席を立ち、応接室の扉へと向かった。 ロバートと呼ばれた犬も尾を振り その後ろへと続き部屋を後にしようとする。]
(22) 2023/12/18(Mon) 22時頃
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[不意に
問とも呟きとも覚束ない吐露を溢す。 何の意図も無い、ただほんの少しか、 気になった。
答えがあっても無くても話は其処で途切れ、 「移動したければしてもいい」とだけ 後ろ手に伝え、気ままに部屋を後にした。
一緒について来ても何も言わないだろうし、 何処かへ移動しても、そのまま待っていても、 食事の用意が終われば今いるその場所へ 現れただろう。]*
(23) 2023/12/18(Mon) 22時頃
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……そうですか、1年……
[永い眠りに就くことになった今となっては、 1年ですら気が遠くなるほど長いと青年には思えた。
生きてさえいれば、そう長くは感じないのだろう。
そう考えてしまえば青年の心はさらに沈み、 この会話自体投げ出したくもなって。
それを抑え込むように、息を吸って、吐いた]
(24) 2023/12/19(Tue) 09時半頃
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[彼の不機嫌そうな表情と、 内に閉じ籠るような言葉を聞き、 青年は少しの間、彼を見つめた。
彼はどうも相当に人間が嫌いらしいと かつて白銀の盤で話した内容からも こうして再会した後の会話からも窺えた。
その理由として漠然と想像できることはあった。
だが子細に探る気はあまり起きておらず、 彼の好まぬ話題には触れぬようにするか、などと 内心では思いもして。 またひとつ、深く息を吐いた]
(25) 2023/12/19(Tue) 09時半頃
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[足りなければまた開く。>>20 それが容易なのを知っての言葉なのだろう]
……嘆かわしいことですね、 こんなゲームに興じる人がそれほど多いとは。
[中には切なる願いを胸に訪れる者もいるのだろうが、 まさしくゲーム感覚で人を殺す者もいるだろう。 やはり芽生えた思いから目を背けることは困難で、 そんな人間ばかりが大多数を占める気さえし始めて。 そうではないはずだ、と青年は緩く頭を振った]
(26) 2023/12/19(Tue) 09時半頃
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