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【人】 女主人 ダーラ (54) 2024/02/23(Fri) 08時半頃 |
【人】 女主人 ダーラ (56) 2024/02/23(Fri) 08時半頃 |
[
リッキィが養女であること、義父が魔法使いで現在は学生である事
立派なお家。
今日から、あたしも此処に住むのね……ちょっとドキドキしてきちゃった。
ねえ、お家の中を案内してくださる?
[まずは、これから世話になる家を知る事にしよう。一通りの紹介が終われば一度自室に戻って諸用を済ませた後、リッキィの元へ向かうだろう。]*
[今の家族構成や外観などは、相談事の際にでも
ぽつぽつと彼に話していたように思う。
それから想定されるものとさほど外れぬ外観の屋敷ではあるはずだ。多分。]
私も、初めて足を踏み入れた時はどきどきしました。
……主に飾ってある美術品を壊したら
お金どれくらい弁償しなきゃいけないかなって。
案内。じゃあまず、蔵書室からかしら。
私も養父も、部屋に居なければ大体そこにいるし。
[などと話しながら。手をひき、家の中をひととおり。
案内すれば、一旦はわかれて。
その間に諸々の書類を用意し、
蔵書室の横にある小部屋にて、書類を取り出し
簡素なテーブルの上に置く。]
ええと、雇用契約書なんだけ、ど。
毎月の給料と、休日なんかの福利厚生と
勤務内容とか、諸々書いてあって。
あと、制服とかも。来客の案内とかするときだけはね。
普段は自由なんだけど。
[諸々話を聞いた養父が用意してくれたんだけど
これでいいかしら?とすすっと差し出す。
奴隷の買い取り、ではあるものの
従者として働いてもらうのであればきちんと
雇用契約書を用意しておきなさい。とは養父談。
週休二日は少ないのかしらと考える不安な私は
まだまだ、雇う側としての自覚は足りない模様*]
[今はまだ、お互いに店での姿しか知らないけれど。
ゆっくりと、知っていければいいなと思う。
選ばれたというなら、
選んでもらえたのなら、
それに見合うだけのものを与えよう。]
そういえば養女でしたっけ。
うふふ、目に浮かぶようだわ。
ええ、ご主人様。よろしくね?
[洋館にしては小規模な、しかし『パルテール』の店内よりはずっと広い屋内を見て回る。
最初に案内されたのは、この屋敷で1番大きな部屋……蔵書室であった。]
まあすごいお部屋……
これ、全部が魔術についての本かしら……?
…………物語もいくつかあるのね。占術についての本も。あたしもここの蔵書をお借りする事はできるかしら。
[これでも元々は魔術士の端くれである。我流かつ本当に魔法が身につくのか、よく分からない修行ばかりしてきたが。こうも沢山の『魔法』の本があると、探究心が疼いてくるというものだ。]
[蔵書室を後にして他の部屋を巡る。食堂、浴室、お手洗い、庭などなど。流石に個人の部屋に押し入ったりはしなかったが、おおよその住人についても把握した。
厨房にいた使用人や、庭師の方にも挨拶をすませ。今は外出中の養父や彼の従者達へは戻り次第声がけをする事にして。
最後に案内されたのは、新しい使用人の部屋……つまりは自室である。
暫く使っていない客間をひとつ開放したとの事で、中には一通りの生活用品が揃っていた。
中で身支度をしていいと言われたので、一人部屋に残る。]
(『パルテール』の時もそれなりに良い部屋だったけれど、流石にそれ以上ね。)
[自然と吐息が溢れる。自分の人生で1番、よい待遇をされている瞬間かもしれない。
掴んだ幸運は離さないようにしようと、心新たに意気込んだ。]
[身支度といっても特に改めて大きく手直すような事もないので、必要ないものだけを部屋に残してリッキィと合流する。
──雇用契約。
そうか、そういう事になるのか。今までは自由業と強制された仕事しかしてこなかったから。こういう形式ばったかたちは初めてである。
……契約書自体は、幾度となく(意味を持たないとしても)使ってきたから目を通した事も記載方法も知っているが。]
ありがとね、リッキィちゃん。
……随分としっかりとした職場じゃない。制服は、お部屋のクローゼットにあったやつね?了解よ。
個人で使えるお給料とか、休日まであるのね。お店では休日なんてほとんどなかったから、新鮮だわあ……
[『パルテール』の従業員に決まった休みの日は殆どない。体調不良の際など、休暇が無いわけではなかったが。客の要望があれば休憩中でもすぐに接客に向かわねばならない。
個人的な給料などもあるようなので、個人的に必要な物は徐々に買い揃えていこうと決めた。]*
おっかなびっくりしていたら、
養父に笑われちゃったのよねえ。
今でも時々揶揄されるのよ!
[まあ、他者視点ならすごくおもしろかったろうから
わからないでもない、当時の私の挙動不審さ。
――そんな思い出だけだったこの廊下も。
今日、君と一緒に歩くことで別の思い出としてまた
いつか思い出すことになるのだろう。きっと。
蔵書室に真っ先に案内するあたりが
この養父にしてこの義娘あり。という感じではあるが、
彼が感嘆する様子に。すごいでしょと嬉しそうに私は頷いている。]
そうなの。義父は魔法使いでもあり
魔術に関しての研究者でもあるから、
古今東西あらゆる体系の魔術の本が収められているの。
[美術品より価値が高い本も低い本もよりどりみどり。
多分値段は安くてもここの本1冊が紛失するほうが、
廊下に飾られた花瓶が紛失するより私たち親子はショックだろう。
魔術師でも変わり者の2人であった。]
物語も、伝承、フォークロアあたりなんかは特に
古い魔術の口伝を混ぜているものもあるから、
なるべく色々なものを収めているの。
占術は時折交易商から購入したりしてるから、
多分まだまだ増えるはず。
――もちろん!我が家の本は
我が家で働く人にはぜひ読んでほしいって義父も言っているわ。
[でも読書の最中義父にとっ捕まったら魔術理論で何時間も会話させられるから
部屋に持って帰って読むのをお勧めするわと付け加えた。]
[ほかの部屋を巡った後。再び戻ってきた
貴方へ渡す、雇用契約書。
文字が読めないとかそういった心配はなかった。
だってお店でメニュー表読んで注文している姿を見ているし
何より、会話をする中で彼の知性を感じることが多々あったもの。
会話の間、話題振りや聞き上手さは地頭の良さと
受けた教養を感じさせるもので、あったから。]
給与と待遇をなるべく良いものにすることが
長く勤めてもらえるコツだって、養父が。
我が家はこれなんですけど、その。
……大丈夫そうで、よかったです。
[もっとお給料ほしい!とかあったらどうしようかな。
と考えていたが。好感触そうでほっとしている。]
お店、休日殆どなかったんですか?
お仕事、大変だったんですね。
[すごいなぁ。と感嘆しつつ。
良ければ、サインを。と
契約書の最後の文字の下の空白を指し。
サインが無事もらえたら。]
まだ養父が帰宅するまで
ちょっと時間、ありそうですけど。
――何かしたいこと、ありますか?
例えば蔵書室で読みたい本を、何冊か選ぶとか。*
それは……そうでしょうねえ。
[なんだかんだと言いつつも、養父との仲は良好なようである。蔵書を褒められて誇らしげな姿に、彼女が「父」から愛されて育った事が伝わってくるようだ。
……何歳の時に引き取られたのか。元の家族の事はどう思っているのか。
なるほど、お義父様は研究もなさっているのね……とっても立派なお方なのでしょうね。今から緊張しちゃうわ。
[実際に出会っても緊張よりは興味の方が勝りそうだが。自分の師とは別の、魔術士。我が師とも違うその人は、どのような教えを説いてきたのだろう。
ただこの段階でも分かるのは、とても良い師匠だろうということ。魔術の話をする彼女は、いつだって煌めいているから。本当に『魔法』が大好きなのだろうし、そう育てた義父の教育の賜物であろう。]
ありがとう、ではお休みの日には遠慮なく読ませていただくわ。
まあ、あたしなら大丈夫よ。直接の主人は貴女だけど、お義父様のお話を聞く事だって、大切よ。
[蔵書は自由に読んでいいとの事。休日の楽しみが一つ増えた瞬間である。
……仮に、義父に捕まったとしても自分ならある程度までは大丈夫……のはず。実際に会わないと分からないけれど。]
……しっかりしたお義父様ね、本当に。
過不足はないわ、ありがとう。
お休みが無いわけでは無かったのだけどね。立場的に自由時間は少なかったから。
[文字の読み書きは師から一通り教わっていたので、問題はない。契約書を前に、何故か雇用主の方が不安そうにしているというのも少し可笑しなはなし。
ダーラは丁寧に奴隷を扱う女性であった。しっかりと休息を取らせる時は取らせてくれはする。ただ、業務の都合上あまりドール達に融通を利かせはしなかったが。
契約書にサインをし、ひと段落ついた。
……丁寧には綴ったが、少々筆圧が強く癖のある字である事は否めない。]
そうねえ。お義父様を待っている間、さっそく本をお借りしようかしら。
貴女のオススメを、教えてくれる?*
な、納得された!
[がーん。と顔に書いてある私である。
私が引き取られたのは8の頃。
元の家族と過ごした時より、養父と重ねた時間のほうが
もう長く、なってしまった。
そのことは、煙には伝えているだろうけれど。
――元の家族のことを、『パルテール』で語る機会には。
私の笑顔は歪になっていなかったろうか。
自ら望んで、自身の才能を売ったことを告げた際に
止めもせず、喜ぶことしかしなかった
当時の、家族の様子については
多分彼には、語っていないと思われる。]
世間的には立派だけれど、
お気に入りの毛布がないと眠れないし
朝食にハチミツヨーグルトついてないと
駄々をこねて料理長を困らせたりする
ちょっぴりこだわりが強い
でも、自慢の養父だわ。
[欠点を含めて。私は養父を尊敬し、敬愛している。
内包する子供っぽさのエピソードは、幾らか彼の緊張を和らげることはできたろうか。
最初に示されたのは 学べ。 ただ1つである。
溢れるばかりの蔵書と紐解き方の基礎に導かれ
あとはもう寝食そっちのけで魔術を学ぶことに没頭する
似た者親子の出来上がりであった。]
本当に大丈夫?
なら養父も喜ぶわ。
[なんだかんだで、本を読んでもらったり
自分の話を聞いてもらうの、大好きだから。]
[そして雇用契約の諸々の手続きが終わり。
その際に、彼のパルテール時代のことの一端を、聞く。
大事にされてはいる物の、やはりドールとしての
立場があったのだなぁと改めて知るのだった。]
本を借りたい?じゃあ
となりの蔵書室にいきましょう。
ええと、おすすめは蔵書棚の15棚目の上の方にある、
睡眠の魔術に関しての本なんだけれど。
[あれ、覚えられたらいつでもどこでも
安眠できていいんですよね。などと言いつつ蔵書室へ。
よいしょよいしょと梯子を使って本を手に取り
彼に差し出す様は、手慣れたものであった。**]
[リッキィが元家族について語るとき、普段『魔術』に対して見せるような熱意はどこかへと去ってゆき。少しなんとも言えないような表情になっていた事を、思い出した。
……あまり触れられたくない話題なのかもしれない。語りたくない事に踏み込むのは、よろしくない事であるので。店の方でもそれ以上その話題について触れることはなかった。]
あらあら。
随分と可愛らしい所もあるのね。
お会いするのが楽しみだわ。
……そうね、彼の語る『魔術』のお話にも、興味があるしね。
[彼女の表情からも、語り口からも。養父への愛情が伝わってくるかのよう。今や彼女にとっての『本当の家族』は、こちらの魔術研究者である養父のいるこの家なのだろう。
それでよいのだ、と思った。
血の繋がりなんてなくたって。幸福で温かなものをくれる、安らげるそこが『家庭』なのだから。
……さて、自分の方はどうだっただろうか。
…………自分も、彼女の『家族』の一員として、相応しくあれるだろうか。]
ありがとうね。
では、まずはその本から読んでみることにしましょうか。
[『パルテール』時代の話も少し口に出しつつ。彼女からおすすめされた『睡眠の魔術本』を受け取る。
……小柄な彼女が、高い梯子を登って本を差し出す様子は少々危ないのではないか、と危惧したが。普段から慣れた所作はそういった危うさは一切なかった。
それだけ、日常の動作として染み付いているのだろう。
受け取った本を手に、隣の小部屋へ移動し。机を挟んで向かい合わせになる。彼女も、何冊か自分で読む用の本(あるいは、次に己へおすすめしたい本)を持ってきている。
試しに数ページめくってみたが、かなり興味深い事が書いてあるのが伺えたので、これはつい読み耽ってしまいそうだなと思った。]
……本を読んじゃうと、会話よりそちらの没頭しちゃいそうだから。
せっかくだし今お話しましょうか?
あたしの、昔話。
[読書に耽るのも悪くはないが、まずは。
新しい『ご主人様』に聞いてほしいと思ったから。
少し長い話をすることにした。]**
一応、本人は威厳のある魔術師として
ふるまってるつもりらしいんで。
可愛いっていうのは本人には言わないであげてくださいね。
[多分すねちゃうから。
でも、魔術の話に興味を示してくれるのは、
きっと喜ぶと。義理の娘は嬉しそうに笑むのだ。
私にとっての家族は養父と、その使用人の皆。
今の私にとっては、そうなのだ。
其処に貴方が加わるというのが、
とても、嬉しい。
相応しさとかよりも、家族でありたいと
君が思ってくれるだけで良いのである。
少なくとも私は、そうなのだ。
ぜひぜひ!!
睡眠の魔法なら、読みながら実践とかしても
安心だから、やってみても大丈夫ですからね!
[なお、私はそれをやって小部屋で爆睡し、
それを見つけた養父に、せめて布団で寝転がってしなさい。
と言われたのも良い思い出だ。
本の縁の跡がほっぺにくっきりはっきり
ついたことは、内緒にしておこう、煙さんには。
机を挟んで向かい合わせに座る、貴方とわたし。
私もまた、何冊か魔術の本を持ってきていて。
もしも寝落ちたりなんかがなければ
次はこれをどうぞ!と勧める用の本は一番上に。
手元にある読書用の魔術書以外の、あとで読む用のものは下に。
本越しに彼が頁をめくる様子を、興味深く窺っていると――]
[本から私に視線を映し。
問う言葉に。1つ、縦に頷く。
私もまた、本を閉じて貴方に向かい合い。
――続く貴方の、昔の話を待っている。*]
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