18 星間回遊オテル・デカダン
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[冷ややかな声が響く。]
どなたですか、痕跡など残したのは。
……まあ、我々以外に迂闊者がいた可能性もありますか。
[アシモフ記念宇宙港は大きな港だ。
目的地の捕食者がすれ違う可能性はなくもない。]
[聞こえた声に一瞬足を止めた。無人の廊下でその様子を見た者はいない]
おっと、お仲間発見だ。
アンタ……教祖さんかい?
[くつくつと笑い声が漏れる]
ようこそ、オテル・デカダンへ。
服飾商 PJは、メモを貼った。
2022/05/03(Tue) 11時頃
[グラスを傾けて、笑う。]
そういうあなたは……デザイナーの方でしたか。
以前下見には来ましたが、
変わっている場所もあるようで。
色々とお詳しいのでしょう?
[この船について。と、先に侵入していたらしい同胞へ。]
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― 大食堂 ―
[大食堂でも、そこに居た者たちの会話を遮るようにして、船内放送が流れた。通常のアナウンスと違い、ノイズ混じりのものだ。 そこから緊急性が伺えて、PJはおしゃべりをやめた。]
……――――、
[危険生物、と聞こえた。 途端、ロバートがソファから飛び降りる。 頼もしくも守ってくれているようだ。彼が周囲を警戒する後ろ、考え込むようにしながら、アルクビエレに「そうだね」と相槌を打つ。]
あぁ、危険生物と言っていた。 じきに館内放送もあるのかしら?
アシモフ記念宇宙港といったら、 アルクビエレ、あんたが乗ってきた所だったね。 その時、危険生物だなんだって話は 何とも聞かなかったのかい?
(9) 2022/05/03(Tue) 11時半頃
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おお、おお。その声は、先に会った船員と……噂に聞く教祖殿ではないか?
これは頼もしい。
[微笑んで唇を舐める。]
下見、ねぇ……。
いつ頃の話かわかんねぇが、こっちは頻繁に改装改築しててな。まあ、多分アンタが前に乗った時と色々変わってるよ。
[最近の変わった場所を思い浮かべる。バー、劇場の拡大、ショッピングモールの店舗入れ替え……あまりにも多すぎる。常に変化するこの船は、さながら代謝を繰り返す生き物だ、と。
そんなことを思った]
……多いな、伝えるのは難しい。後で端末かなんかに送りたいところだ。
証拠が残るの嫌か?それなら表向きの面識を持って、正当に渡せるようにしたっていいぜ。
[悪戯をたくらむような声色で 潜り込みやすい場所も増えた と一言加えた]
おっと、さっきのお客さんもお仲間だったか。
[善良な客人と思っていた人物が同胞であった事実に、エフは笑い声を漏らした]
アンタ、教祖さんと違って初めてだろ?ああ、どうせだから教祖さんに送ろうと思ってたデータ、送ろうか?
なぁに、それっぽい口実がありゃ端末に入ってても何の問題もないやつさ。
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[絢爛な大食堂をぐるりと見渡す。 ロボットたちから説明がある様子もない。 もしもPJを探しているエフの顔が見えたなら、顔見知りの彼に手招きくらいはするだろう。>>11]
丁度いいところに来たね、ぼうや。 アシモフ記念宇宙港で危険生物の痕跡……ですって。
[そう肩をすくめるようにした。]
こちらの方が乗ってきたところだけれど 騒ぎがあったかどうかは分からないそうよ。
[そうアルクビエレを片手で示し、紹介した。]
(12) 2022/05/03(Tue) 12時頃
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[続いて響く声は、この船では聞き覚えのないものだ。]
ええ、表では教祖なんぞをやっております。
[色々と都合がいいのでね、と笑う。]
あなたは……きっと会ったことはないですね?
まあ、声でだいたいの居場所はわかりますから、
問題はないでしょう。
こちらこそ、頼りにしていますよ。
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しかし、ぼうやの方も何も聞かされていないのね。
[彼は船内デザインを担当していると聞いている。客よりも早く情報が回ってくる可能性も考えたが、現状はそうではないらしい。]
……そうねえ。 あたしが今気になっているのは、寧ろ“それ”なのよ。
[エフの表情を確認しながら]
いかにも危ない生き物が出たら 誰か気づきそうなものだけれど 何も話にきいてはいない。 だから、実際この船は無事なのかもしれないわね。
ただ、あたしは昔出入星管理のほうで 働いていた事があって。 いるのよね。ハエみたいなやつとか…… ノミみたいなやつや、何かに擬態するやつが。
[親指と人差し指で小ささを表現した。]
(13) 2022/05/03(Tue) 12時頃
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ああ、やはり。
見覚えのない店ができていると思ったのですよ。
[提案には、喉の奥で笑うような音が返る。
ほどなく、物理的にも近くにやってきたエフを見れば]
さすが、仕事が速いですね。
これで堂々、お近づきというわけだ。
[同胞の提案()に笑みを深める。]
ほう、データ。よければ送ってもらえるかの。
なにせ我はこの船に来てから日が浅いでの。右も左もよう分からぬ。
[女自身も船に来たばかりであったし、この女に"成り代わった"のも船内でのことだ。ゆえに船のことには詳しくないのであった。]
[周りにいる人物に気取られぬよう、細心の注意を払って念を飛ばす]
OKOK、うまいことそういう方向に話を誘導してくれ。
俺はそういうのが下手でね、ババァとロバートに悟られないよう、いい感じに持って行ってくれ。
[そして聞こえてきた女の声には]
了解だ。
そうだな……後でどっかで落ち合おうか、そこで“親切”なスタッフの俺が“親切心”でお客さんにデータをお渡ししよう。
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[エフが身震いする。彼の様子を見ていたついで、当然飛び散るフケも視界に入っている。>>15>>17]
あらやだ、頭が痒いの? 中にはシラミみたいに髪に潜むやつもいるのよ。 大抵はよく洗えばおちるけれど……
[嘘とも本当ともつかぬ調子で言った。]
ほほほ。 内装がウリの船でもあるんでしょうに。 働かせるばかりで冷たいものね。
[外部スタッフ相当のエフよりも、この船について知る部分があるかどうかは笑うばかりで肯定も否定もしなかった。]
(21) 2022/05/03(Tue) 13時半頃
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そうなのよ。恐ろしいわね。 だから大抵、よく調べられているはずなのだけど。
[それからエフの『なんかの間違い』という見解についても、たしかに、と頷きを返した。]
思えば、そんな事もあったわね。 あの時の滑稽さといったら、思い出しても可笑しい。 危険なニュースも知る事なく過ごせる船だから アンテナは時々壊れる位が丁度良いのかもしれないわ。
[声を立てて笑った。]
とにかく、どの異星のニュースかは知らないけれど 臨時ニュースをするくらいの生き物が どこか近隣の星にはいると見るのが賢明よ。 補給でどう立ち寄るかもわからないのだから 注意なさいね。
[眼鏡でわかりにくいが、PJの視線が、エフの顔のあたりから、フケを飛ばしていた頭の方へ……チラチラ。]
(22) 2022/05/03(Tue) 13時半頃
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……ロバートも。 あなたいいおとこだから こんな時、勇敢に戦ってしまいそうでおそろしいわ。
[犬の背に手を置き、一度、二度、労わるように撫でた後、残り僅かになった片手に持ったグラスの中身を空にする。]
(23) 2022/05/03(Tue) 13時半頃
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― 大食堂 ―
……ところでアルクビエレ。 出て来た港がニュースになっていて 出る前はお祈りに集中していたらしいじゃない?
あんた、自分の体が心配じゃなくて? ……、……よろしかったら調べてみましょうか?
[グラスをロボットに返却しながら、《銀光教団》の教祖の高い位置にある顔を見上げた。 それから1秒もたたず、はたと気が付いた。 ツートンカラーの歯を見せて笑う。]
見知らぬ婆さんに、こんな事を言われるほうが よっぽど心配だったかしらね。
[失礼な物言いだったかもしれない。 軽い調子で「ごめんなさいね」と謝った。]
(27) 2022/05/03(Tue) 14時頃
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うむ、了解じゃ。我は頃合いを見て居酒屋を出ようと思う。その後適当なところで落ち合おうぞ。
[聞こえてきた声に了承の意を返す。]
ところで、ちと気になったのじゃが。ぬしらは共におるのかの?
なんならそちらに出向いた方が良いか?
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[ロバートの触れた背中はいつもより少し固い。 なのに見上げてくる犬の顔は、笑顔だ。さっきまで尾を振る余裕もなかった彼は今、気遣いをしてくれていると理解する。>>26]
ええ。あんたも心配してくれているんでしょう? 優しいのね。大好きよ、ロバート。
[耳の間、頭のてんこつの毛をちょんちょんとつまんだ。]
この船はとても清潔だけれど もしノミが心配になるような時は あたしが洗ってあげるわね。
(30) 2022/05/03(Tue) 14時頃
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……出入星管理。我々の天敵ですね。
このPJという女。
少し、注意した方がいいかもしれません。
[呟く声は、僅かに硬い。]
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― 大食堂 ―
[エフについては頭を洗わせたかっただけだったので、アルクビエレのきょとんとした顔に、笑い声をたてた。>>31]
なら、それは一つ安心できるわね。
ええ。出入星管理で。 地元は人の出入りにも本当にうるさかったから 星に入ってくる生き物については 徹底的に調べたものよ。
[人体から『寿命』という概念を読み解き、更には特定の数量を他人に移すなどという技術を開発した以上、惑星『時』は情報の流出も、危険生物や未知の病による理不尽な死もひどく恐れた。宇宙進出についても、じつに臆病な星だ。 同時に、その研究の結実と、星が獲得した知恵を守りたいがため、より生物の構造に執着してきた歴史がある。]
採血をさせて貰うだけでも あんたの体の無事の多くを確かめられる。
(32) 2022/05/03(Tue) 14時半頃
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[そう話してから、一つの言葉でアルクビエレの表情が少し曇ったのが見てとれた。それに困ったように笑う。]
その顔は、あんたの仕事の成功の秘訣だね。 大勢の人から尊敬されて過ごしているんだろうに ちょっと船でお喋りした婆さんにも そんな顔が出来るんだから。
[子犬や小鳥、気の利いた食器、いじらしく咲いた花など、とても可愛らしいものを見る時のようにため息をついた。]
遠慮しすぎたみたいね。 そう、仲良くなれたから、心配しているのよ。
(33) 2022/05/03(Tue) 15時頃
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PJは、大食堂の様子に、また視線を配る。続報が聞こえてきそうな気配はまだない。**
2022/05/03(Tue) 15時頃
服飾商 PJは、メモを貼った。
2022/05/03(Tue) 15時頃
[ミツボシの提案に若干の間の後に]
いや、ここに来られたら俺がボロだしそうで怖いな。
……そうだ、アンタは食堂から出たら船内案内板の辺りにいてくれ、そこだったら“親切心”でデータを渡しても違和感はねぇ。
俺もできるだけ早く会話を切り上げてそっちに向かうわ。
ババァは警戒しとくに越したことはねぇな。
前歴もそうだが、何かと目ざとい。
……即座に排除すべき脅威、とまではいかないと思うがな。
[未だ接触していない誰かがより緊急性の高い脅威である可能性がある以上、PJに対しては警戒以上の対策は取らない方がいいと、エフは判断した]
ええ、そうですね。
[即座に排除すべき脅威ではない、には同意する。]
わたくしは先程魔法商人と名乗る男に会いましたが、
そちらはまだ、なんとも言えませんね。
お互い、もう少し情報収集をした方がよいでしょう。
[連絡先を渡しながら、声ならぬ声でそう囁いた。]
PJという女に要注意じゃな。了解じゃ。
我はまだ会うとらんが、見かけたら注意しておくことにしよう。
[直接接触したエフがすぐさま襲撃する必要はないと判断したのなら、そうなのだろう。]
ふむ。では我もなるべく他の人間と接触を図るとしよう。
危険因子を見つけるのは大事じゃからな。
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― 大食堂 ―
あら。デザインが決まっていたのに? 今度一晩あたしと食事に付き合ってくれるなら 『ぼうやが作っていたデザインが見たかった』と ぼうやのお上に申し出てみましょうか?
[そんな対価がなくても、無理やりお喋りにつき合わせる事なんて、何度だってあっただろうけれど。さらにいえば、それで彼の依頼者の意向が変わるかどうかは分からないし、継続して大金を落としているお客様の一言にどの程度の効き目があるかは不明だが…… ともかく、エフのフケが散っていく。>>34 ひどく忙しいことはよく理解できた。]
補給物資に何かあるとしたら…… ニュースが『発見を知らせるもの』だった場合 口にしている可能性だって考えなくちゃね。 ほほほ。あなたも食事をとったばかりなのじゃない?
[そう可笑しそうにした。 この立派な船の検疫がそこまで疎かどうかはPJにとっては考えどころだったが、ニュースを聞いた以上は注意するに越したことはないだろう。]
(50) 2022/05/03(Tue) 20時頃
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[ロバートのしっぽが横に揺れている。>>42]
他ならぬあんたの事だから。 ありがとうロバート。うれしいわ。
[ロバートに頭を触りやすいようにして貰って、彼の頭を撫でる瞬間が、PJは本当に好きだった。]
(51) 2022/05/03(Tue) 20時頃
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ええ。心配なら免許もあるわよ。
[そう笑った。>>44 昔とった杵柄というやつだ。]
そういえばあんたは、そういう人だったわね。 先に検査を受けたい子がいるかは、 続報が来るまで聞いてみることにしましょうか。
この船にどの程度の施設が揃ってるかも 確かめなくちゃならないし、 個人で出来る事となると、やはり時間がかかるもの。
[教祖という職業柄、あくまで“救う側”の立場をとる事が多いのだろうから。その観点から、別の人に検査の機会を譲りたくなる、というのは想像ができた。]
そうね。本当なら、あのニュースが出て、 船の名前が出た時点で皆を調べるのが一番よ。
[そうなると、何日も船から出られない日が続くのだろうから、どうせここに居るつもりのPJはまだしも、商人なんかは困り始めるだろうなと想像をした。]
(52) 2022/05/03(Tue) 20時頃
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そう……あんたを尊敬している人からすれば 馴れ馴れしいかもしれないわよ? あたしはその仕事をよく分かってあげられてないけれど あんたが特別な事もきっと大事なんでしょう?
[>>45 確認をとるように、首を傾げた。]
けど、あんた自身が嬉しいと あたしに言ってくれるなら今後は遠慮は無用ね。
旅先で友達が出来る、っていうのは こういう感じなのかしら。
[ふふっと小さく笑い声をたてた。]
(53) 2022/05/03(Tue) 20時頃
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