人狼議事


28 僕等(ぼくら)の

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【人】 超心理学会 ヒイラギ

[大和命の戦闘が終わり、地上に転送させられた>>3:355その直後の事だった。]

[────名を、呼ばれたのは。]

[康生は、胸元に手を置いた。いつもの仕草だ。そのままの姿勢で、残るパイロット一人一人の顔を見回した。天道縁、本郷真弓、乾恵一……そうして、口を開く。]

……なぁ。誰か、呼ばれた?

[恐らく……いや、確実に肯定の返事は返って来ないだろう。ドクンドクンと強く、五月蠅い程の鼓動が手の平に伝わる。常とは明らかに異なる、焦りと緊張と絶望に割り込まれた様な、違和感を覚えさせる程に脈を打ってしまっているのが、自分でも解ってしまった。]

や、俺も呼ばれてないよ。
呼ばれてはないんだけど…さ。

────次は、俺だって思っといて。

[それは、ある意味では正解で、ある意味では不正解だ。]

(0) 2023/08/19(Sat) 00時頃

【人】 超心理学会 ヒイラギ

[名を呼ばれたのは、“私”なのだから。]

(1) 2023/08/19(Sat) 00時頃

【人】 超心理学会 ヒイラギ

─契約者の名は─

[康生が入力した氏名は、自分の物ではなかった。]

  氏名:柊木達見
  ID:Hiiragi
  PW:twinheart
         ・・・・
[柊木達見。 ──康生の父である、“私”の名前だ。]

[なぜこんな事をしたのか。理由は単純だ。康生は、今も私と共に生きていると信じている。そして、私自身がレヴァンゲリオンの直撃世代でありファンなのを、康生は知っていたからだ。家に在るBlu-rayBOXも、嘗て私が購入したものだ。]

[私は、レヴァの最終作の映画を見ずして一度目の死を迎えた。康生は映画の話を知ると、態々Blu-rayを全て視聴してから映画館に赴いたのだ。共に生きる私が喜ぶかも知れない、ただそれだけの理由で。自分が興味を惹かれた訳でもない映画を、体調が回復しきっていない時期だったにも拘らず観に行った。この子は、そういう子だ。そういう子なのだ。憧れのレヴァに似たロボットを操縦出来たら、私がどんなに喜ぶだろうと。そう考えていたのだろう。]

(2) 2023/08/19(Sat) 00時頃

【人】 超心理学会 ヒイラギ

[この氏名やID、PWの入力自体には、何の意味も無かった>>1:@23。だが、契約の際に板へと触れた身体──康生の中で脈打つ心臓──“私”は、命として認識されたのだろう。康生の五感を借りているだけの存在でも、意思や言葉を何一つ伝えられずとも、私は康生の胸の中でまだ生きているのだと。]

(3) 2023/08/19(Sat) 00時頃

【人】 超心理学会 ヒイラギ

[通常、臓器を提供するドナーと、移植を受けるレシピエントが知り合う事は無い。手紙での連絡こそ可能だが、匿名性は互いに保たれる。]

[だが、例外が一つだけ存在する。それが、親族優先提供の意思表示だ。特定の個人を指名する事は出来ないが、移植を待つ親族が居た場合に、親族への提供を優先して欲しいという意思を事前に示す。その“親族”の範囲は、非常に狭い。親子か配偶者のみに限られており、兄弟姉妹さえ不可能だ。私の両親は早くに他界していたから、妻の明日香か息子の康生だけが対象だった。身体的な事情を考えれば、ほぼ康生に限られていたも同然だ。表明しない理由など無かった。妻も、他の親族に移植される可能性もある事を承知の上で、表明自体はしていた。息子が移植を待っている状態なのに、意思表示をしない親なんて居ない。仮に居たとしても、私達夫婦はそうではなかった。康生を支える為には生き続けなければならないが、もし万が一死ぬ様な事があるなら。そして、それでも心臓が無事であるなら、あの子にあげたいと願っていた。]

(4) 2023/08/19(Sat) 00時頃

【人】 超心理学会 ヒイラギ

[その願いは、叶った。ある冬の日、康生の容態が危ういと連絡を受け、私は病院へと車を走らせていた。勿論気は逸っていたが、そういう時こそ慎重に運転する様に心掛けていた。康生の容態が悪くなるのは、初めての事ではない。あの子なら、きっと今回も乗り越えてくれると信じていた。信号は青。前の車と充分な車間距離を保ったまま交差点に進入し────其処からの記憶は無い。]

[意識を取り戻した時、瞳には病院の天井が映っていた。見知らぬ天井というフレーズが一瞬過り、それから事故を起こしてしまったのかと焦った。康生の容態も悪いのに、私まで入院なんて事になれば、明日香の心労──現実には、そんなものでは済まなかった訳だが──はどれ程のものになるのかと。まず、身体がどれだけ動くか確かめようとして、何一つ動かせない事に気付いた。まるで全ての神経が切り離されてしまったかの様に。]

(5) 2023/08/19(Sat) 00時頃

【人】 超心理学会 ヒイラギ

[だが、感覚はある。感覚はあるのに、動かせない。いや、違う。私以外の意思で動いている。妻の、息子を呼ぶ声がする。視界が其方へとひとりでに動き、泣きはらした眼の明日香が映る。「母さん」と喉から出た声は、記憶に在る康生の物とは随分違って聞こえたが。それが却って事実の認識を早めた。]

[私は、康生の身体の中に居る。明日香から康生へと向けられた説明が、それを裏付けた。私はやはり事故に遭っており、その際に脳死状態に陥ったのだと。助からない私と、助かるかも知れない息子──妻は、移植に同意した。その選択を恨んではいない。寧ろ感謝している。私だって、逆の立場であればそうしただろう。明日香がそれを望んでくれると信じて。「お父さんは、康生の中で生きてるの。これからは、ずっと一緒よ」と言う明日香の言葉を聞き、康生は胸元へ手を伸ばした。手の平から、私の鼓動が伝わって来る。麻酔の切れ掛かっていた其処は酷く痛んだけれど、康生は手を離さなかった。酸素マスクの中で呟いた「父さん」という言葉は、私に──私にだけは、はっきりと伝わった。次から次へと涙が溢れた。それは紛れもなく康生の涙だったが、私も共に泣いていた。]

(6) 2023/08/19(Sat) 00時頃

【人】 超心理学会 ヒイラギ

[明日香には本当に申し訳ない事をしてしまった。やり残した仕事も、心残りもある。けれど、これから康生に広い世界を見せてやる事が出来るかも知れない。何より、その成長を誰より近くで見守る事が出来る。明日香の傍に居る事も出来る。そう考えれば、これで良かったのだと思えた。]

[紛れもなくこれは、私に起きた“奇跡”だった。]

(7) 2023/08/19(Sat) 00時頃

【人】 超心理学会 ヒイラギ

[あの日から約四年────声を聞いたこの日から、私達親子の最期の一週間が幕を開けた。*]

(8) 2023/08/19(Sat) 00時頃

超心理学会 ヒイラギは、メモを貼った。

2023/08/19(Sat) 00時頃


超心理学会 ヒイラギは、メモを貼った。

2023/08/19(Sat) 00時半頃


【人】 超心理学会 ヒイラギ

─退院直後 海辺から教会へ─

成程なー……?
じゃあ俺も、その内照れんのかな。

[彼の照れに関する説明>>3:298>>3:299を聞きながら、康生は首を傾げた。彼の回答と、自分が独りの身体ではない事実とが上手く繋がらなかったからだろう。こう答える時点で、康生は彼を好きだとと思っているし、一緒に過ごすのも楽しいと思っている筈ではある。後は自覚だけか、と考えているのかも知れない。彼にとって、その“好き”がどれ程重いか、全然解っていないのだろう。だから、貝殻を受け取って彼が泣いた時も、大いに慌てた。]

えっ、ケイ!? ど、どしたんだよ。泣くなって〜!
あ、ティッシュ使うか?

[涙を拭ってやる事は出来ないから、康生はポケットティッシュを差し出した。それから、彼が落ち着くまで宥めた。]

(11) 2023/08/19(Sat) 01時頃

【人】 超心理学会 ヒイラギ

─退院直後 結婚式 教会─

あ、はい。初めまして、柊木康生です。
佐藤さん……ワタナベウェディング……結婚式?

[パンツスーツの女性に確認を取られ、康生は素直に名乗る。だが、何が何だか解らないと言った様子で首を傾げていた。彼が何をするつもりなのかを朧気乍ら察していた>>3:297のは私であり、康生ではないのだから。共に教会へと通されながら、彼からも正式に結婚式をしたい旨>>3:304>>3:305が伝えられた。康生はそれを聞くと胸に手を当て、少し考え込んだ。内容は解らないが、康生としては私に何事か相談していたつもりなのだろう。そして口を開く。]

二人きりってか……俺としたいってことなら、いいよ。
やろ。服も用意してあるってんなら、ちゃんと着替えてさ。
あ、ただちょっと流れとか確認したいから、待って。

[私が常に一緒に居るのだから、康生の感覚では二人きりでも何でもない。父親同伴の結婚式だ。なら、先程私に訊ねていたのは参列の意思か。断ったらどうする気だったんだ。……いや、断れる訳が無いのだが。主に身体的な意味で。康生はスマホを取り出し、一般的な結婚式の流れを検索する。その中で、ある項目に目を留めた。]

(12) 2023/08/19(Sat) 01時頃

【人】 超心理学会 ヒイラギ

んっと、キスは…………どうしてもしたいなら、触れるだけのにしてもらってすぐアルコールで拭くとかすればイケるか……?

[要は感染しなければいい、という考えらしい。事情を知らない相手に対してすると失礼極まりない行為だが、事前に断りを入れればそうはならない。康生なりの妥協点が其処だった。そしてもう一つ、意外な事を口にした。]

俺、あれやりたい!
一緒に入って来るんじゃなくて、中でケイが待ってて、俺が歩いて入って来んの。
他は、ケイのしたいようにしてくれていいからさ。

[説明が下手なので、解り難かったかも知れない。要するに、康生はバージンロードを歩きたい──私と共に、彼の元まで歩みたい──のだと、そういう事だった。勿論、彼は私の存在等知る由も無いが。]

(13) 2023/08/19(Sat) 01時頃

【人】 超心理学会 ヒイラギ

って、え……? これ、俺着んのこっち……?
マジで言ってる?
や、ケイがしたいっつーんならいいけどさぁ……。
ヘンな風になっても文句言うなよー?
こんなの着たことねぇんだから。

[本当に知る由も無い筈で、康生がバージンロードを歩きたいと要望する等、予知能力でもない限り分からない筈…なのだが。彼が康生に用意していたのは、何故かウェディングドレスだった>>9>>10。しかも、康生は特に抵抗が無いのか普通に着ようとしている。私には息子しか居ない筈なのに、今から花嫁の父になるらしい。せめて順序を守って欲しい。嫁に出すとも婿に出すとも言った覚えは無い。口が無いので当然なのだが。]

[兎に角、康生は花嫁衣裳を一揃い身に付ける事となった。母親似なので当たり前なのだが、在りし日の妻の姿と重なってしまい、私は何とも言えない気持ちになった。*]

(14) 2023/08/19(Sat) 01時頃

【人】 超心理学会 ヒイラギ

─大和命戦のあった日 縁士へのLINE─

[私が声を聞いた日。解散してから、康生は天道縁士へとメッセージを送った。死ぬ前に、彼とは一度話をすべきだと考えたのだろう。]

『なぁ縁士、なるべく早い内にちょい会えたりしねぇ?』
『無理なら、このままLINEでもいいんだけどさ。やっぱ顔見て話したいよな〜って』
『できれば、二人だけがいいんだけど』

[康生の指が、スマホの上を滑っていく。手短かに、それだけを送って反応を待った。*]

(15) 2023/08/19(Sat) 01時頃

超心理学会 ヒイラギは、メモを貼った。

2023/08/19(Sat) 01時頃


超心理学会 ヒイラギは、メモを貼った。

2023/08/19(Sat) 01時頃


超心理学会 ヒイラギは、メモを貼った。

2023/08/19(Sat) 01時頃


超心理学会 ヒイラギは、メモを貼った。

2023/08/19(Sat) 01時半頃


【人】 超心理学会 ヒイラギ

心の中って、普通は見えないしわからない。
俺は割と単純だし、言ってることが大体全部答えだし本当だし正解だけど。
ちょっとだけ補足しとく。

自慢にもならないけど、死に掛けた回数ならこの中の誰より多い自信があるんだ。俺。
両親から貰ったものだし、あんまりこういう言い方したくないけど……生まれ持った俺の心臓は、わかりやすく言えば欠陥品だった。
止まり掛けた回数は、記憶にあるものだけを数えても両手両足を超える。実際止まったのは片手くらい。
今はもうずっと止まってるから、“回数”って表現するのも変な話だけどな。

死に掛けた回数がバカみたいに多いから、死にたくないとは思わなかった。
……って言うか、人が死ぬ条件が“心臓が止まること”なら、俺は四年前にもう死んでる。
そして、生きてるのは父さんだ。そう考えてた。
父さんの心臓は、父さんの身体が無くなった今も、ずっと休まずに動き続けてるから。

俺の中で。

だから、俺は絶対に死ぬわけにいかなかったんだ。
死にたくないだとか、死ぬのが怖いだとかは思えなくても。
この身体が死ぬってことは、俺に今の人生をくれた父さんを死なせてしまうということだから。

(21) 2023/08/19(Sat) 02時半頃

【人】 超心理学会 ヒイラギ

俺の人生は、何もかも全部父さんから貰ったものだ。
父さんが居なければ、俺は病院から出る事無く一生を終えるはずだった。
友達の誰とも、出会うことさえなく終わってた。
だから俺は、父さんと共に生きて、父さんを少しでも喜ばせたい。
母さんはもちろん、それ以外の人を一人でも多く幸せにしたい。笑顔で居てもらいたい。
父さんが後悔しないような、父さんが誇れるような生き方をしたい。

……そう思ってたのに俺、契約>>1:24>>1:25しちゃったんだ。
俺が先頭に立って契約なんてしなければ、誰も死なずに済んだのに。
ごめん、みんな。ごめん、父さん。
どれだけ謝ったって>>1:477>>1:478、きっと足りない。

とっくに死んでた俺が、みんなのこと殺しちまった。
カガセンに言われる>>3:@10まで、俺はずっとそうやって自分のこと責めてたんだ。

(22) 2023/08/19(Sat) 02時半頃

【人】 超心理学会 ヒイラギ

まあ、俺の椅子(てかベッド)もあったの確認してからは、俺も生きてたのか〜ってなったけどな。
まだうちに在る父さんの椅子を、俺が見間違えるはずない。あれ特注らしいし。
ベッドの方が一般的な物だったから、最初に聞いて>>2:348誰か名乗り出ないか待った>>2:365んだ。
でも誰も名乗り出なくて、ベッドは間違いなく俺の椅子>>2:436だった。

俺も生きてたってなると、パイロットの数が合わない>>2:#2>>2:437
だから、父さんの椅子に今座ってるやつは契約してないってこと、俺は知ってる>>3:28
俺が死んだら、多分バレるってこともわかってる>>3:29
それでも、文字通り棺桶まで秘密持ってこうとしてるのは────多分、俺のエゴだ。

(23) 2023/08/19(Sat) 02時半頃

【人】 超心理学会 ヒイラギ

そのこと自体は悩みの種だけど、俺と父さんが二人とも生きてるんだって知れたのは、よかったって思ってる>>3:133
ずっと父さんと生きて来たってのは、俺の妄想でも何でもなかった。
時々父さんに話し掛けてた>>1:253>>3:118のも、多分全部聞いてくれてる。

カガセンの言ってた通り>>@39、俺はいつも父さんが力を貸してくれてる気がしてて。
だから、ちょいなんかあったりしても、割とすぐ立ち直れるんだ。
多分、すごいファザコンってやつ。

しょうがないよな。父さんが全部を俺にくれたんだから。
父さんが居なかったら、ケイやみんなに会うことも、世界がこんなに綺麗だって知ることも、なかったんだから。*

(24) 2023/08/19(Sat) 02時半頃

超心理学会 ヒイラギは、メモを貼った。

2023/08/19(Sat) 02時半頃


― 元の地球での回想 ―

 まぁ、それは、
 神の采配? ってやつだからな。

[なんて、冗談めかして笑ったけど。]

 相楽を殺した俺が、責任を取るのは必然だよ。
 選択の結果の、責任は取らないと。
 俺も、こうなるつもりでやった事だし。

 ……縁士は助かるんだから、喜べよ。

[助かるというのに、憤っている様子に、ふっと笑って。]


[引き継ぎ戦に連れて行け、と言われると。]

 そうだな。
 俺は、絶対に戦闘放棄もしないし、勝つけど。
 不慮の事故とか、戦闘前に殺される様な事でもあったら、
 パイロットが不在になるし。

[そう言って、頷く。]

[そうして、次の地球へ行く時に、プレゼントの眼鏡をそっと持ち込んだ。**]


【人】 超心理学会 ヒイラギ

─大和命戦のあった日 縁士へのLINE─

[返信を確認すると、康生はすぐにスマホへと指を走らせた。]

『んじゃ、縁士んち行っていいか?』
『うちもダメってくらい、人に聞かれたくない話だからさ』
『最寄り駅、どこ? そこで待ち合わせようぜ。明日でいいか?』
『時間はそっちに合わせる』

[康生の母親は、絶対にこの話を聞かれてはいけない人物の一人だろう。彼女にとっては、息子と夫を同時に喪うという事に他ならないのだから。]

[スタンプも何も無い簡素な文面は、随分と康生らしくはなかったが。これから彼と話す内容を考えれば、無理も無い話ではあった。]

(26) 2023/08/19(Sat) 03時頃

【人】 超心理学会 ヒイラギ

─大和命戦翌日 縁士の家─

[その翌日、康生は天道縁士と待ち合わせをし、彼の家を訪れていた。個包装の菓子が入った袋を手土産代わりにして。康生は、彼の家庭の事情をよく知らない。彼もまた、そうだろうが。「お邪魔します」等のお決まりのやり取りの後、康生は口を開いた。]

……縁士んちって、今誰も居ねーの?
や、話に入る前に確認はしとこうと思って。
俺は、母さんに聞かれたくなかったりするからさ。この話。

[確認が取れれば、康生はまずLINEの内容>>25について尋ねた。]

先に、縁士が俺に聞きたいことって何か、聞いていいか?*

(27) 2023/08/19(Sat) 03時頃

超心理学会 ヒイラギは、メモを貼った。

2023/08/19(Sat) 03時頃


【人】 超心理学会 ヒイラギ

─大和命戦翌日 縁士の家─

[ひたすらに生活感の無い部屋を、康生はきょろきょろと見回していた。大和命の提案で、康生とその母親も仮住まいに越してはいたのだが。越したばかりの仮住まいよりも、彼──天道縁士の部屋は生活感が無かった>>31。康生も、その違和感には気付いたに違いない。]

そっか……。 命、縁士にも言ってたんだな。大事な人を逃がすように、って。
じゃあ、聞かれないって意味では大丈夫だな。

[内容的には、大丈夫ではないだろう。持参したのは菓子だから、食べようと提案されれば康生は笑顔で了承した。飲み物については一応買って来た物も無くはないが、沸かしたお湯で淹れるお茶やコーヒーは飲んでも問題無いので、其方を頂いたかも知れない。]

[康生が彼に先に質問内容を尋ねた>>27のは、説明下手の自覚があるからだろう。突然言い出して、理解してもらえる可能性は低いと考えている筈だ。なら、質問してもらう形式の方が良い。そして彼の質問>>46は、ほぼ満点に近い物だった。]

(48) 2023/08/19(Sat) 09時半頃

【人】 超心理学会 ヒイラギ

や、大丈夫。
俺、「これ言っちゃダメなやつじゃね?」って思うことはあっても、俺自身が嫌だから言いづらいってこと基本ねーし。

[基本的に、康生は訊かれれば大抵の事は正直に話す。だから、今回もさらりと答えた。]

一つ目は流石にない……ってか、自覚なくてそうとかだったら俺がめっちゃビビる。
三つ目も、多分ない。明らかにおかしい時あったなら、逆に教えて欲しいくらい。

──二つ目が正解。臓器移植の経験がある。
俺の心臓、とっくの昔に止まってるんだ。

[そう言って、康生は胸元へと手を当てた。恐らくは幾度か目にしたことがあるだろう、いつもの仕草だ。今ならもう、その意味合いは自ずと解るだろう。康生は、自分以外の命をそうして感じているのだと。]

(49) 2023/08/19(Sat) 09時半頃

【人】 超心理学会 ヒイラギ

……俺、縁士に「なんであの椅子が自分のだと思ったんだ?」って聞こうと思ってたんだけどさ。
俺にそう聞くってことは、縁士はあの椅子が自分の物じゃないってのわかってて、しかも俺の…って言うとちょい違うけど。
あの椅子に心当たりがあるのが俺だ、ってのにも気付いてるってことだよな?
だから“一人の人間が二人分契約できる可能性”を片っ端から挙げて、俺がどれなのか聞いてみた。
……って考えてるんだけど。違うか?

縁士は、自分が契約してないって気付いてる。
────その前提で、間違いないか?

[康生は、落ち着いた声色でそう確認した。「もし縁士に未契約者の自覚がなかったらどう伝えよう」とあれこれ悩んでいた様なので、話が早くて寧ろ助かった。これはこれで、康生としては考えないといけない事柄が増えたのかも知れないが。*]

(50) 2023/08/19(Sat) 09時半頃

超心理学会 ヒイラギは、メモを貼った。

2023/08/19(Sat) 09時半頃


【人】 超心理学会 ヒイラギ

─大和命戦翌日 縁士の家─

[天道縁士が出した飲み物は、意外と渋い物だった。「サンキュ」と軽く礼を言い、康生は口を湿した。]

[彼は、康生の話に驚いてみせた>>52。その様子に嘘偽りは無い様に思えたから、予測した彼自身も実際にこんな事が可能だとは知らなかったのだろう。]

臓器だったら何でもかは、正直わかんねーけど。
心臓って生死の判定に使うくらい重要な部分だし、それでってのはありそう。

あー、多分それ。そういう感じかも。
縁士はもう気付いてるかもしんないけど、次のパイロットは俺じゃないんだ。心臓の方。
俺は呼ばれてねーけど変な感じしたから、多分間違いない。
一般的な話じゃないから、普通は肉体一括りかもしんねーけど、俺に関しては確実にそう。

(59) 2023/08/19(Sat) 11時半頃

【人】 超心理学会 ヒイラギ

……縁士は、記憶転移って聞いたことある?
移植受けた後、ドナーの記憶をレシピエントが思い出す事があるってやつなんだけど。
俺は、はっきりとそういう体験があるわけじゃねーんだけどさ。
命も記憶も、心臓の中に残ってるんだと思う。

[通常のドナーとレシピエントと異なり、私達は親子だ。だから仮に記憶転移があったとしても、康生自身のそれと混ざって紛れた可能性はある。私には割とはっきり自我があるので、康生の方へ流れ出していないという線もあるが。]

ハロに? ハロって、んなこともわかるんだなー。
え、告発? するわけないじゃん。
逆に、どうやったら隠し続けられっかなーって考えてた。

ん、縁士が契約してないってのはすぐ気付いたよ。
二つ出てたけど、この身体が座るべき椅子だろうって思ったのは、今縁士が座ってる方だったし。
あれ一応特注だし、うちに同じのあるからさ。
病院のベッドのが、大分一般的じゃん?
だから、縁士がベッドの方使うってしてたら、俺はおかしいと思えなかったと思う。
代わりに、他のみんながおかしがりそうだけどな。その場合。

(60) 2023/08/19(Sat) 11時半頃

【人】 超心理学会 ヒイラギ

でも、見逃すって言うか……縁士が生きられるってのは嬉しかったからさ。
みんながそれ知ったらマズいよな〜ってのはあったけど、俺自身が死にたくないって必死になってないのもあって。
縁士自身が気付いてるかもわかんなかったし、最後に俺と縁が残る可能性も6%くらいはあったからさ。
俺が黙ってれば済むなら、黙ってようって考えてんだ。

[六席の中の特定の二席(私と康生だ)が、最後に残る確率がそれだった。実際は今回──20%を切り抜ける段階で、もう駄目だったのだが。それでも40%の所までは抜けたのだから、運がいい方ではあったのだろう。八割駄目なら諦めも付く。]

(61) 2023/08/19(Sat) 11時半頃

【人】 超心理学会 ヒイラギ

[彼は、徐に座布団を指した>>55。確かに見覚えがある>>56。他が曲がりなりにも“椅子”だった中で、これだけが椅子の形をしていなかったから印象的だった。]

見覚えあんなって思ってたけど……そっか。
二重契約はできなくて、別の地球から、な……。
よくハロ抱いてんな〜とは思ってたけど、そういうことか。

……ん? じゃあ、なんで縁士はまだ生きてるんだ?
敵の数より、契約したパイロットの方が多かったってことか?

[はた、と気付いて康生は問い掛ける。それ以外であるなら、今の契約者が生き延びる方法もある事になる訳だが。*]

(62) 2023/08/19(Sat) 12時頃

【人】 超心理学会 ヒイラギ

─退院直後 教会 結婚式─

[例えばの話、幼稚園児に結婚式ごっこを提案したとする。その場合、動揺する子の方が少ないのではないだろうか。康生は対人経験が極端に少なかった上、性的な接触が著しく制限されてるのもあり、恋愛的な情緒は幼稚園児のそれと大差無い状況だ。面白そうだからやってみたいだとか、検索結果に「花嫁と父親が歩く道」だとあったから花嫁役がやりたいだとか、そういった無邪気さしか無い。]

もー、なんで泣くんだよ〜。やろ、って言ってんじゃん。
それとも、始まる前から感動してんのかよ?

……ん。ちゃんと行くから、ケイこそ待ってろよな。
寸止めな、わかった。よし、んじゃそれで!

[康生は快活に笑い、話を纏めた。この後、控室に通されてドレスを目にし、驚く事になった>>14のだが。]

(63) 2023/08/19(Sat) 12時頃

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