32 Zug Zwang
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10時間……。 [長くも短くもない、というのが青年の感想だった。 それより早くに彼の気が済めば、その時点で 終わるのだろうことも想像できる範囲ではあった。 しかし首を傾げられる理由は掴めず、 訝しげに眉を寄せ] なんです、その顔は。せっかくの機会です、 ぼくも無意味に過ごしたくはないのですが。 [抗議めいた言葉を吐き、窓へと視線を戻した]
(0) 2023/12/19(Tue) 22時頃
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[それから一歩、窓辺に向けて踏み出して、 また足を止め] ……達せられそうですか、あなたの目的は。
[横目で見やって問いかける。
10時間のうち幾分かはもう使った後だろうが、 正確に確認せずとも、 まだ半分以上は残っているとは思えた。 しかしその時間で足りるものなのかは、 純粋に疑問だった。
彼にはまた首を傾げられるのかもしれないが、 青年にとっては確かめておきたいことだった]*
(1) 2023/12/19(Tue) 22時頃
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[凝視の理由は察せず、 今度は青年が首を傾げることになった。 白銀の盤について語り始めるのを聞けば、 一旦は言葉を挟まずに聞き] もっと残り少ないかと思っていましたが…… 9マスですか。 それだけ死ぬかどうかは作りによるんでしょうね。 [とはいえ完成するように作るのだろうとは思えた。 開催を繰り返しているのなら、 知見も増えているだろうと。 詳細まで思い浮かべる気には到底なれず、 視線を窓の向こうへ戻したが]
(6) 2023/12/19(Tue) 23時頃
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……ぼくが尋ねたのは、 あなたがぼくを起こした目的、のことです。 何かしら用があったんでしょう?
疑問があるなら解決していってください。 協力はするつもりです。 また後で起こされてはたまりませんから。 [気にしたのは白銀の盤ではないことを伝え、 応接室で唐突に問われたことが用件かと 予測の上で告げる。>>0:45 ここで永遠に眠るつもり、と告げた思いは 今でも変わってはいなかったから]
(7) 2023/12/19(Tue) 23時頃
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[窓に歩み寄ると、食堂の裏手の風景を眺めて] ここから白銀の盤が見えるのか、 興味が湧いて来たのは事実ですが。
興味があったのはそれだけですね。 [話題に上る程度ならそれほど気にはならずとも、 あれは血塗られたものであって、 持ち主は本心からそれを綺麗と称する。 その事実は青年にとって、やはり受け入れ難いもの。 それもまた、変わってはいなかった]*
(8) 2023/12/19(Tue) 23時頃
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[だが、青年の望む永遠の眠りさえ
ここで与えられるのは仮初めのものでしかない。
誰にも邪魔されない永遠の眠り、
二度と醒めない永久の眠り
──肉体の真なる死。
それがこのままでは決して得られないと
気づいてしまった今は、
ひとつ。
青年に叶えたい願いが生まれていた]**
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[彼が悩む様子を見せた末に出した結論は、 青年にとっては投げ遣りさを感じるもので] ……本当にいいならいいのですが……、 気が変わるなら早めにしてくださいね。 ……、
(14) 2023/12/20(Wed) 08時半頃
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[届くかも定かでない呟きを漏らす。 この静まり具合なら届くのかもしれないが。 白銀の盤が見えると聞いて窓の向こうを探すと、 極夜の闇に閉ざされた中、彼の言う通りに チェス盤の最後列がかろうじて目に入った。 その向きで置いてあったのか、と 今更な感想を抱きもしたが、 見えることが確認した以上、青年の興味は失せ] 本当ですね。 煌々と照らされよく見える、 なんてことにならず幸いでした。 [淡々と言って窓辺を離れた]
(15) 2023/12/20(Wed) 08時半頃
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[好きに過ごせと言われてちらりと彼に目を向け、 続く言葉を聞きながら座る席を選ぶ。 結局、彼らから数席離れた 斜向かいの位置に腰を下ろして、再び頬杖をつき] 望むことですか、……そうですね。 あなたが現実に戻った後、 ぼくの体を殺しておいてくれませんか? [要望しながらも、叶うとは思っていない様子で。 何の期待も籠もらない瞳を彼に向け、 そのまま食堂内へと視線を流した]**
(16) 2023/12/20(Wed) 08時半頃
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[恨みがましい視線と苦々しげな声音が、 青年に共感を抱かせた。 文脈や程度は違えど、青年も彼に対し そのような感情を抱いたことはあったから。 たとえば嬉しさを感じてしまう言葉を かけられたとき、などに] ……あれは断片です。 あなたへの思いは一言では表せない。 なかには、あなたにとって わかりやすい思いもあるんじゃないですか。
[伝えたものだけが全てと思われるのが不本意で 青年は補足を試みるが、果たしてどう響くのか]
(23) 2023/12/20(Wed) 14時頃
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[白銀の盤は青年にとって、
好んで眺めたいものではない。
かつて死地に選んだのは、自分が殺した者たちを
悼むのに相応しい場所と思ったからだ。
それが人の血で彩られていることも、
持ち主が好んで作り上げていることも
激しい嫌悪を呼び起こすもので。
共に眺めても心が荒むだけのものだ]
[もし青年が最後の1マスを彩る権利を得たら
迷わず盤の持ち主を選ぶだろう。
最後に持ち主の命を捧げて完成する、
持ち主には決して使えないチェス盤。
美しい物語だ、と青年は思う。
もしそうして完成することがあったなら
そのときこそ青年も理解するだろう。
白銀の盤がいかに“綺麗”かを。
けして訪れない可能性の話]
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[青年の要望に、彼は“わらった”。
当然の事実を指摘する言葉に引かれるように 青年の視線は再び彼に向いて、 その言葉と笑みから読み取れるものを探し]
……、気が進みませんか。 [少なくとも軽く考えての返答ではなさそうだ、と 感じた末の問いかけを呟いたが、 返答には期待しないまま、少し視線を落とした。 テーブルが邪魔しなければ、 彼の犬が見えたかもしれない]
(24) 2023/12/20(Wed) 14時頃
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別にあなたでなくともいいのですが、 他に頼める相手がいませんので。 ぼくに命があれば あなたと心中でもよかったのですが、 そのときは犬たちを先に送らねばなりませんか。 …… [彼らの向こうにある壁を視界の中心に移し、 ある種の夢物語を日常会話のような軽さで呟いて、 ふと、何か思いついたように言葉を切り]
(25) 2023/12/20(Wed) 14時頃
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……ヴィーシャ。 ぼくは父に復讐をするつもりでした。
どんな風にかは以前もあなたに 語ったことがあるはずですが……、 父を殺す気は無かったんですよ。 なぜだかわかりますか? [言葉を重ねながら彼に視線を戻す。 脈絡のない話と思われるのかもしれないが、 青年の中では繋がっている話だった。 青年が死を望む理由。 それを彼に話しておきたい気分になったのだ]**
(26) 2023/12/20(Wed) 14時頃
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……ええ、そういった思いもありますね。 それだけでもありませんが。 恨み言は……、あれ以上は特にありません。 [嫌悪や不快感などはかつての決別の折に すでに充分語ったと青年は感じていた。 今から改めて言いたいような追加の思いも 芽生えてはいない。 ゆえに視線も向けずに聞いてやると言われても 追加で言い足すことはしなかった]
(32) 2023/12/20(Wed) 20時半頃
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[彼が笑みを浮かべながら語る言葉を聞くと、 なるほど、と納得したように呟く。 次いで頬杖を外し姿勢を正して、彼に向き直り] そう聞こえましたか、それは失礼。 ぼくの息の根を止めようが、 社会的に罪になることは無いのではと 勝手に思っていたんですが……、違うんですかね。 まさかこのゲームが法的に許可されたもの なんてこともないでしょうし。 [敗者を永久睡眠の形で保存し続ける理由を 青年は理解してはいないが、殺したところで 殺人の罪を被ることにはならないだろうとの想像で。 彼と運営陣との関わりには想像が及んでいなかった]
(33) 2023/12/20(Wed) 20時半頃
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それと……、あなたは使い終わった駒を ひとつ殺そうが気に留めないかとも 勝手に思っていました。 ぼくの思い違いであれば謝罪しましょう。 [いかに気に入っていようと、 ゲームが終わるたびに総入れ替えする駒。 気にかかることがあったから会おうとしただけで それほど大きな思い出というわけではなかろう、 というのが青年の想像だった。 そうでないなら相当に悪辣な侮辱となったろうと。 それはさすがに青年の意図しないことだった]
(34) 2023/12/20(Wed) 20時半頃
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……真面目なんですね、あなたは。
[ぽつ、と彼の思い詰め方を見た感想を呟きもして]
(35) 2023/12/20(Wed) 20時半頃
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[仮定の話でも犬を守ろうとする彼の言葉には 青年は目を瞬き] ええ、彼らに罪は無いでしょうが……、 あなたが言ったんですよ。 「犬たちを看取ってやれなくなるのは困る」と。
ですから、あなたの命を奪う前に 叶えて差し上げようかと。 心残りは無いほうがいいでしょう。 [あるいは、それは 全ての希望を絶つことかもしれないが。 とはいえあくまで仮定の話。返答があればともかく、 青年がこの話を無理に続けることはないだろう]
(36) 2023/12/20(Wed) 20時半頃
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[最後に尋ねてみた問いへの答えは無かった。
先の彼の追い詰められたような様子を思えば、 今無理に続けるべきでない話題と青年には思えて。 一旦この話題は保留にしておくか、と 青年もまた沈黙で応じた]*
(37) 2023/12/20(Wed) 20時半頃
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[そんな事はどうでもよかった。
ただ何故か
裏切られた心地がした
変えたくもない人間への評価を
揺さぶる様な気を起こさせておいて
結局俺を陥れるのか と ]
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……そんなことはありませんが、…… 聞きたくないなら言わずにおきましょう。 [それ以外の感情と言われて呟きを返しつつ、 視線は自然と逸れた。 青年自身も認めづらい感情だから、ではあるが この流れでは別の意図に伝わるかもしれない。 そうは思っても、そこまでの配慮をする気は 青年にも起こらず、そのままにして]
(42) 2023/12/20(Wed) 22時半頃
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[開催者側の事情を聞けば納得した様子で]
罰則ですか。あなたには不都合でしょうね。 ……さほど影響が無いだろうと 思ってのことだったんですよ。 そもそもあなたが生真面目に叶えるとも あまり思っていなかったのもありますが。 [彼の無表情には心を閉ざされた思いがした。 その思考から目を背けるように視線をずらし]
(43) 2023/12/20(Wed) 22時半頃
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[敵意の籠もった言葉を受けて再び彼に視線を戻し、 睨みつける視線を少しの間見つめ返した後、 薄い笑いを浮かべて肩をすくめた] そもそも仮定の話ですよ。 ここでやっても意味がないでしょう。 あなたに与えられるのは仮初めの死でしかない。 それに、ぼくが本当にその気なら、一切仄めかさず 友好的に振る舞って不意を打ちます。
[彼にもその愛犬にも、何もする気が無い。 そういう意図の言葉でもあり、 ここまでの態度は裏に何か考えてのことではないとも 伝えたつもりの言葉ではあったが、 意図通り伝わらずとも諦める気は青年にはあった]*
(44) 2023/12/20(Wed) 22時半頃
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[もし彼の目の前で犬を殺して見せて
彼が絶望の淵へと落ちてくれるなら、
突き落としてやろうかという思いも
浮かばないでもなかったが。
ここは生者にとってはアバターとして立ち寄る
現実に準じた夢の世界。
そう思えばこそ、何をする気も起きはしなかった。
何をしたところで、彼らは現実に戻っていく。
そこに青年が起こした行動の影響は残りはしない。
であれば、何をするのも無意味。
青年の頭に浮かぶ考えはどうしてもそうなるのだ]**
[過去に受けたいじめや暴力から発症し、
未だに精神的負荷を受け続ければこうして
平常を蝕むそれは
心的外傷後ストレス
トラウマ
フラッシュバック
そう呼ばれている。
…少しの時間さえ置けば収まるだろう。
さて。
残る時間は、後 ]*
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え、…… [言わずにいられなかったと言わんばかりに 返ってきた言葉の内容に青年は目を見開いた。 叶える気があったのか、 たとえ「命を奪え」という願いでも。 その考えに至ったときになってやっと、 彼にどのように思われていたかを理解した気がして] ……ヴィーシャ、……
[名を呼んでみたが、続く言葉は口から出なかった]
(48) 2023/12/20(Wed) 23時半頃
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[少なからずの罪悪感とともに
抱いてしまった思いがあって、
青年は己の記憶が消えやしないかと願った。
それが不可能なことはわかっていても]
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[その話し相手が胸の辺りを強く掴み、 呼吸を乱すのを見れば、さすがに安否が心配になり]
大丈夫ですか? ヴィーシャ…… [青年も席を立ちかけたが、 自力で動けるらしいのには気付き。 追い込んだのは自分だろうという思いもあって 彼の後を追うことはせず、 食堂から出て行く姿を見送る。 その後を犬がついていかないのなら、 食堂内やキッチンを見回して犬の姿を探し求め、 見つけたなら彼の後を追うよう促すだろう。 言葉が通じるかはともかくとして]
(49) 2023/12/21(Thu) 00時頃
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