18 星間回遊オテル・デカダン
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[襲撃の場にはいたが、基本的には手を出さず眺めていた。]
流石の手際です、ミツボシ。
[ロバートの亡骸に近寄り、指で毛皮に少し触れてみる。
生きていた頃は、結局撫でることはなかった。この犬は撫でられることが好きだったようだが。]
おやすみなさい、ロバート。
[祈りの形に指を組み、少しの間瞑目する。
教祖としてのアルクビエレがいつもしていることを、取り繕う必要などないこの場でも、これはする。
エフとは少し違うが、拘りと言えばそうなのかもしれなかった。]
[アメーバ状だった肉体を、半分だけ人の姿に戻す。]
まあ、ざっとこんなもんじゃて。
[不定形の半身から触手を伸ばし、毛皮を撫でる。
アルクビエレのように労わる動きではなく、可食部を探しての行為であったが。]
ぬしはいい奴であったよ、ロバート殿。
その勇敢な心、我の糧にさせてもらうからの。
──昨晩/襲撃前──
[念を遮断したままだったエフからの念が届く]
すまん、今日の襲撃には参加できない。
どうにもこの体の心因的なダメージがデカくてな……。
[自室でベットに寝そべるエフの視線の先には、人の手には程遠い、肉色の重たい粘液が垂れ下がっている]
うまく擬態できねぇんだわ。
[いつものように瞬時に擬態することができない。まるで体が人の形をとるのを拒否しているようだ。
その一言を残し、エフの念は再び遮断された]
[自分の足で、というのは正しくない。
それには自律してメンテナンスを行う機能はあったが、
自我というものはなかった。
製作者が死に、その体が腐り落ちていく横で、
ただ美しくそこに在り続けた。
そうして、いくらかの月日が経った後。
星喰いアメーバがこの体を見つけて、喰った。
アメーバがこの体から得たものは、
アルクビエレという名と、
観賞用に作り出された美しさだけだ。]
エフ。
あなた少し体から影響を受けすぎなのではないですか?
ビジェでの出来事は確かに、当事者ではないわたくしから見てもひどいものでしたが。
まあ、お大事になさってください。
[なんだかでろでろになっていそうなエフを労りつつ。]
いいですよね、すぐに死ねる生き物は。
我々は頑丈であるが故、そうもいかない。
[可食部を探すミツボシに場所を譲り、犬の体を見下ろして。]
……冷凍、というのは。
痛いものなのでしょうか。
[誰に問うでもない、独り言のような思念が漏れた。]
[アルクビエレは"慈悲深い"。
誰にでも優しく、誰にでも微笑み、
誰の手も取ろうとする。
平気で人を殺しておきながら、
本心から誰もが救われてほしいと願っている。]
[それは破綻した論理でも、矛盾した思考でもない。
アルクビエレにとって、
死はひとつの救いの形であるからだ。]
[『星喰いアメーバ』には焼却と冷凍が効く。
アルクビエレは焼かれた同胞を見たことがある。
表面から焼け崩れ、再生をしようとしても叶わず、さりとて全てが一瞬で燃え尽きるわけでもない。外側からじわじわと、少しずつ崩れていく。熱と痛みの中で。
――ああ、我々はこんな風に死ぬのか。
――こんな風にしか、死ねないのか。
並外れた再生能力を持つということは、楽には死ねないということだ。
死というものを思うたび、過るのは同胞を包んだ炎だ。
苦痛と絶望と怨嗟に満ちた、長い長い断末魔だ。
故に、一瞬で訪れる死というものは甘美なものに思えた。
ただ、他の生物にとっては別にそうでないということを、
アルクビエレはあまり理解をしていない。
いいですよね、などと。
そんな言葉が出てくることが、何よりの証明だ。]
[エフからの連絡を聞いて、やれやれと首を振る。]
エフ殿はほんに難儀な体をしておるのう。
無理はするでないぞ。今はまだ良いが、人前で擬態が解ければ大変なことになる。
[そう話す間にも女の触手はしきりに動き、なるべく毛皮を汚さぬよう、内側の血肉をすする。]
死に、良いも悪いもないと思うがの。すぐに死ねるからと言って、楽とは限らんよ。
[脳裏によぎるのは、軍人としての記憶だ。女は、多くの死を見届けてきた。傷病で長い間苦しみ抜いた者。一瞬で命を奪われた者。そのどれもが、辛い記憶として残っている。
……星喰いアメーバのいち個体としては、おおよそ理解できないが。女としての記憶は、全ての死を「辛いもの」としてインプットしているらしかった]
[返ってきたミツボシの言葉に、考え込むような仕草をみせた。]
そういうものですかねえ……
苦しみは短い方がいいと思うのですが、確かに、死ぬこと自体には良いも悪いもありませんね。
[納得したのか単に思考を切り替えただけか、顔を上げて。]
そう、あの元海賊ですが。
我々の仲間だった、と言ってしまうかどうか、ですね。
サラは恐らく「減っていない」と言うのでしょうが。
どちらにしろ、次はきっとわたくしが検査をされるでしょう。
まあ確かに、肉体的な苦しみは短い方が良いかもしれぬがの。精神的な苦痛は変わらんと我は思うぞ。
ともあれ、この世界には色々な価値観の者がおる。我が正しいとは限らんよ。気にせんでおくれ。
[肉色の塊だった胴体から手を生やし、ひらひらと振る。]
うむ。今日のところは検査を免れたが、明日は受けることになるじゃろうな。
せめて少しでも信頼を買うべく、サラ殿と意見を合わせるべきかもしれん……と我は思うが。
しかし、あやつも喰ってみたかったのう……みすみす逃がすとは、惜しいことをした。
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― 朝・自室→廊下 ―
[当然のようにあまり、よくは眠れなかった。 顔面にメイクテクスチャを厚めに貼って 目の下に深々と巣食った隈を隠す。
不安に苛まれる心を覆うために、 せめて見た目くらいは繕っておきたかったのだ。
ミームの客室は次なる犠牲者のものとなってしまった客室とは離れていて、PJの悲痛な声 >>14がその耳に届くことはなかったが。 胸騒ぎを抑えきれず、当て所なく部屋を出る。]
(23) 2022/05/08(Sun) 17時頃
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[ミームにとって一番気がかりな沙羅の部屋がどこか、 昨晩はついに訊かなかった。 万が一にも自分が気づかぬうちに侵食を受けていたときのことを考えれば、そうせざるを得なかったといえ、そのことを少し後悔する。
ため息交じりに廊下の端に凭れ、個人宛のメッセージは届いていないらしい、と確認しようとしたところで、PJによるジェルマンの疑いが晴れた旨の簡潔な情報を得る。>>17
昨晩彼を信用したのは、正しかった。 それを裏付ける情報にほんの少し、安堵して。]
(24) 2022/05/08(Sun) 17時頃
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ミームは、ふる、と小さく身震いした。
2022/05/08(Sun) 17時半頃
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― 廊下 ―
[それから、本日の追放者 >>#1について知る。 知らぬ名前だった。心当たりもない。 ただ、冷凍追放された、ということは。
疑わしく思われて、票を集めたということ。 誰かの行く末―もしかすれば、それは永遠に宇宙をさまようことになるかも知れない運命を―を決める、あるいは、決められるのだということ。
実際にそれを突きつけられると、 背中に冷たいものが触れたように想う。]
(28) 2022/05/08(Sun) 17時半頃
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いえ、ずっとひとりでこういうことを考えてきたもので。
他の意見が聞けて、非常に参考になりました。
[手だけ人型になったミツボシを見て、ふふ、と笑う。]
そうですね、今日のところは合わせておいてもよいかもしれません。正しさの証明……とやらになればよいのですが。
[それから、しばらくして食堂のエフのところへ。]
擬態を保てる程度には回復したようですね。何よりです。
[流れ落ちているギョウブの写真を見て、]
……ミツボシ、あなたが目をつけていた彼。
結構不摂生だったようですよ。
[これは食べなくてよかったかもしれませんよ。などと言った。]
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― 廊下 ― あら、潔白のジェルマンじゃないの。おはよう。 無事でよかったわ。
[>>31 見知った顔にからかうように言うが、安心したような声が漏れたのはたった一瞬で。]
……ジェルマン、なのよね?
[よくよくその顔を見ようとした瞳はすぐに不安の色に塗りつぶされる。もし。検査のあとに成り代わられていたら?そんな限りのない疑念が一度頭を擡げると、その顔を睨まずにはいられなかった]
(33) 2022/05/08(Sun) 19時半頃
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あ……ごめんなさい、気づかなかったわ。 昨日ロビーに居たわね。ミツボシ、っていった?
[ふとジェルマンが声を掛けたのが自分だけでないことに >>18気づいて、はっとそちらへ目を向ける。じろじろと上から下までを見ながらもばつが悪そうに眉を寄せて、軽く挨拶をした。]
(34) 2022/05/08(Sun) 19時半頃
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[アルクビエレの意外な言葉()に、念話越しにもあっけにとられたような気配が感じられるかもしれない。]
なんと、まあ。そりゃあ確かに、元海賊というぐらいじゃしのう……
[良い暮らしをしていたのなら、裏社会に身を投じる必要はないだろう。自分のように軍人にでもなっていたかもしれない。]
獣くさいうえに酒くさい肉は、ちと……喰らう気がおきぬかもしれぬ。
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― 廊下 ―
[片眉を上げて顔をしかめたが、その胡散臭い仕草 >>38によって、心は少しだけ慰められた。ふんと小さく鼻を鳴らして。]
なら、今はそういうことにしといてあげる。 裏切ったらただじゃおかないから。
[なんて言うが、それはきっと何の牽制にもならない。 ただ、ジェルマンが潔白を証明されたことでひとまず冷凍追放は免れたであろうことを考えると、自分も検査をしてもらったほうが良いのかもしれない、と少しだけ、思った。]
(68) 2022/05/09(Mon) 01時頃
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わたしにはなんにも出来ないんだから、あの子のことを想うと……どっちかというと、疑ってほしいけれどね。 ……星喰いアメーバって、食べた相手に擬態できるんでしょう。もし私が成り代わってたら、……考えるだけで怖いでしょ。
[奇妙な礼の仕草 >>46に軽く首を傾げながら、まじまじとその姿を見る。人形のような、どうやって動いているのかいまいちわからないような格好。今のところミームの言葉に棘は薄いが、それは同時に距離を測りあぐねているかのようだった。]
(70) 2022/05/09(Mon) 01時半頃
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― 廊下 ―
[ふたりの会話によって、ようやく星喰いアメーバの犠牲者がロバートであったことを知る。喋る"犬"。 ミームの出身星には四足の"犬"はいなかったから、珍しいものだと遠巻きには眺めていた。もし言葉を交わしていても、友好的な態度は取ることが出来なかっただろうが、しかし、ミツボシの様子 >>61 から惜しまれていることくらいは察する。難しい顔で黙った。]
(71) 2022/05/09(Mon) 01時半頃
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ねえ、ミツボシ。 ……あなたが誰かを護れるかも、知れないんなら。 私の友達を……沙羅を、護ってあげてくれないかしら?
[ジェルマンとの会話を >>61 >>69 しばらくは大人しく聞いていたが、意を決したように口を開く。それはいつもの居丈高な空気を持たない、心からの願いだった。]
(74) 2022/05/09(Mon) 01時半頃
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……お父様はうまく騙せても、私のことまでカモだと思わないほうがいいわよ。ジェルマン。 別に媚びなくたってお父様に告げ口したりはしないし。
[勿論承知の上だ。>>75 へらへらとした笑顔に釘を刺すようにキッと睨んで言い放つ。軽く舌まで出した。]
……そう。昨日から、あの子ったら怯えちゃって部屋に立て籠もってるの。無理やり連れてきたっていいことは無いし、だから。……昨日の護衛の話、まだ有効?
(76) 2022/05/09(Mon) 02時頃
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あらあ。素敵な特技だこと。 お父様がたいそう『お喜びになった』あのお〜っきな…… 玄関に飾ってある絵の額、知らないわけじゃないのよ。
[じっとりとした眼差しで一連のパフォーマンス>>77を眺める。呆れたように腕を組んで、頭上に視線を巡らせた。]
それよ。潔白が証明されているなら、少しは安心できるし。 ……まあ、あなたが万が一あのマダムと結託していたら、 その限りではないんだけど。
[ぴん、と弾くように指を差す。 除外しきれない可能性を口にすることはやめない。 それを、”一応は見越している”と自分に思わせることは、 彼女にとっては必要だった。]
(80) 2022/05/09(Mon) 02時半頃
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くーかん あっしゅく てんしゃ とうえい まじゅつ じゅしんふ もっと呼びやすい名前にして売り出したほうがいいんじゃない? ……ていうかそれ、ただの遠隔モニターじゃないのよ。
[少し時間はかかったが、完全に復唱した。 その上で子供のようにイーっと歯を剥く。 『ク』では魔術や魔法の類は発達しなかった。
充分に発達した科学は魔法と区別がつかない、 などと言ったのは誰だったか。]
ま。今のところはそれを信用しておく、 ……ってことにするしか、ないものね。
[お互いの腹の中が、どうあっても。 ロビーに誘われれば、特に抵抗なく移動するだろう**]
(82) 2022/05/09(Mon) 04時頃
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− 廊下→ロビー −
別に、……私の姿をした何かがサラを傷つけるかもしれないのが、嫌なだけ。
[友人のためというには些か自己中心的過ぎる想いだと、少なくともミームは考えている。 そのために微笑みから>>84居心地悪そうに目を逸らした。]
っ、ほんと?……ありがとう……! そうなの。サラ、きっと今とても危ないのよ。 あとでサラにも伝えておくから……
そうね、ロビーの話し合いが落ち着いたあたりにでも、また話しましょう。
[わずかでも安心できる材料を増やしておきたい。そういう心の動きから絞り出した願いがすんなりと聞き入れられると、瞳を輝かせて。その想いに偽りはないように見えた。]
(87) 2022/05/09(Mon) 11時頃
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− ロビー前・廊下 −
……それも、そうね、ごめんなさい。 もっと慎重になるべきだったかも。
勿論。 サラにだけ、意志を確認しておくわ。
[内密に、>>113 と促されれば慌てて口を押さえて頷く。もし今聞かれているのなら、到底間に合いそうにはないが。]
(124) 2022/05/09(Mon) 20時頃
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− ロビー −
[そうして、ロビーに入ってからは。残されていた映像で何度も繰り返し確かめた昨日の話し合いの空気よりも、重く、鋭いやりとりに気圧されて、口も開かず不機嫌そうに落ち着きなく髪を弄りながらソファに座っていた。
PJを最後に見た時を思い出す。 あれだけしっかりとしていた人が、今日ここにいないということが事態そのものよりももっと恐ろしく感じた。
ともすれば喧嘩を売るような物言いに>>111眉を顰めたが、ーーアルクビエレに伴われて姿を表した沙羅に目を丸くすると立ち上がろう、として]
……
[話を振られたアルクビエレへと目を向ける。 疑念と、不安と、未だ溶けない棘のある視線で。]
(125) 2022/05/09(Mon) 20時頃
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