31 私を■したあなたたちへ
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―― 銀の館 ――
[吐露するつもりのなかった過去だけれど。 復誦されれば、視線だけで静かに頷いた。 私の促しは強引だっただろうか。 癒えない傷痕を暴くような真似だっただろうか。 絞り出すようなその声に、耳を傾ける。 天井プラネタリウムの淡光しかない場所だけれど 時々相槌のように、頷く気配は届くだろうか]
(9) azure_blue 2023/11/23(Thu) 07時頃
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………っ…
るくあさんが亡くなられた傷がまだ新しいのに 血の繋がった妹としての存在があなたから 切り離されてしまったから……?
[ここ、と示された場所を見詰める。 もし、それが契機で苦しみを深めてしまったのなら。 心の空洞が広がって、中身が零れ落ち からっぽになってしまったというのなら]
さっき、あんなことを尋ねなければ ここまでには、ならなかった ……?
(10) azure_blue 2023/11/23(Thu) 07時半頃
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[ならばいっそ、思い出さない方が まだ彼にとって、良かったのだろうかと思う。 彼らに何が起きていたかを 私は正確に知り切れていない。 それ以前に、私は彼のことを何も知らず ほとんどの物事を、推し量って話すしかない。 その無知が事態を悪化させたなら 自分が赦せなくなりそうだった。]
(11) azure_blue 2023/11/23(Thu) 07時半頃
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……いいえ、 謝ることじゃ……。
あなたという人がわからないままよりは、いいです。 ムキになるでも、怒るでも、 吐き出してくれたほうが。 私こそ、物言いがきつく感じたら、許して。
[積極的に死を望んでいるわけではないと知って 緊張から来る身体の強張りは僅かに解ける。
心底から死にたいわけでもないひとが 命を棄てることを良しとは出来ず、 それには肯定も否定もすることができなかったが。 どう考えていたかはわかりました という意味合いで、頷いた。]
(12) azure_blue 2023/11/23(Thu) 07時半頃
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心に怪我をしたり、胸に大穴が空いてしまうと 癒したり、塞がるまでに時間がとてもかかって その間、ずっと……苦しいから。 灰羅さんの喪失感も、空洞も がんばって抱えてなんて、とても言えません。
……でも、だからといって 向こう側に落ちていくなら止めたくなってしまうの。
心にたくさん休息をとって、栄養もとって、 よく考えてからでも遅くはない……って 無茶を言って、捕まえていたくなりますの。
腕一本、伸ばすことしかできないのですが それでもね、
まだ、生きてほしいと、思ってしまう。
(13) azure_blue 2023/11/23(Thu) 08時頃
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…… やっぱり踏み込みすぎかしら、ね。 ただのお節介ばかり言っていること 自分でも分かっていますわ。
[顔を斜めに背けて、目許を擦り。 無理に微笑んでもみせるけれど、ここが 薄暗がりで良かったと思うくらいには失敗している。
アポロを開いていないから、この島全体が るくあの墓標だということは未だ知らない。 でも、確かに彼女の気配を感じる気がしていた。 この島に着いたその時から。 いま、話をすることが出来たらいいのに 声が聴こえているなら力を貸してくれたらいいのに。 と、非現実的なことを強く願ってしまう。 祈るように瞳を伏せた。**]
(14) azure_blue 2023/11/23(Thu) 08時頃
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―― 銀の館 ――
[私の“お節介”は、そうと言われつつも そのまま受け容れて貰えたようだった。]
……… ぁ …… よかっ ………
[胸が詰まる心地がした。 思わず両手を胸に置き、細い息を吐く。 少なくとも今ここで、相手の命が 失われることはないということへの。
説得というには嘆願に近い私の言葉を 何故聞き入れてくれたは分からない。 それでも、彼の声が、先刻よりも ほんの僅か落ち着いて聞こえることが嬉しかった。]
(41) azure_blue 2023/11/23(Thu) 20時頃
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…… ありがとう ……ございます。 はい。充分です。
[ふたつの短い礼の言葉がぶつかって、瞬いた。 軽く肩に触れる手に、一瞬肩が跳ねるも 少し間を置いて、小さく微笑んだ。
この人の前に居る時は殆どいつも 緊張や不安で気を張り続けていた私の、 初めての、笑みらしい微笑みだったかもしれない。 これもまた、薄闇に紛れて行く。]
(42) azure_blue 2023/11/23(Thu) 20時頃
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それで、どうしましょう? …戻ります………?
[そこで漸く、館の入り口の方に視線を遣る。 そのこころは、キラ様――中村さんの メッセージに応じて其方に向かうか、それとも、 という確認だったのだが。
どのようにするにせよ、私は首肯すると思う。*]
(43) azure_blue 2023/11/23(Thu) 20時頃
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―― 銀の館 ――
[忘れてた、と告げる彼に、黙って頷き返す。 日常生活でも、なかなか人命を意識する ことは多くない。 務めていたという病理研究所では 身近に扱う分、なおのことそうなのかもしれない]
外の星……… はい。 そういえば、パレードのこと 忘れかけてしまっていました。
[灰羅さんに付いて館を後にする。 途中、一度だけ館の中を振り返ると、 投影盤の向こうに、何かが光っているように見えた。 目に焼き付いた残光かしら、と双眸を瞬く。 そうして、夜風を吸い込む。]
(50) azure_blue 2023/11/23(Thu) 22時半頃
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涼しい。 ……もう、夏も終わりですね。
[プラネタリウムの淡色の光とはまた異なる 遊園地のネオン。熱気よりも清涼に寄った外気。 薄闇に慣れかけた瞳には眩しすぎるそれら。 何処かに足を向けるなら、それに付いて。 なんだか不思議な気持ちでいた。*]
(51) azure_blue 2023/11/23(Thu) 22時半頃
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(音声による一斉送信)
『 お呼び立てした客人諸君。
……こんな言い回しは大仰だな。
るくあの名を使って、
キミたちを招んだの俺だ。
先ほど、どうやら自白もあったようだが。
巻き込んだキミらには申し訳なく思ってる。
今、誰の手配か知らんが遭難信号が発せられた。
明日かあさってには救援が来るだろう。
それまで、
ここでの時間を楽しんでほしい。 』
『 ああ、俺に文句のあるヤツは
いつでも殴りに来てくれ。』
(灰羅へ個人送信)
『黒須ワ個人としては、
お招きいただいてむしろ感謝しています。
未だ、故人のことが全て
理解できたわけではないですけど。
診断が心臓麻痺だったことを思えば、
るくあ本人が遺書等を残してはいなかったんでしょうし、
彼女の死を知り、悼み、眠る地も分かったことで
この島に来た当初の目的の殆どは達成されましたから。
ありがとうございました。
どうぞ、お 兄さんも、ご健勝であられますよう。』
(中村への個別メッセージ)
『あなたが煙崎さんを死に至らしめた旨、
かしこまりました。
では、あなたが兎坂庵にご来店いただけるのは
全ての片がついて落ち着かれてから、
ということになりそうでしょうか。
私はもうしばらくは現役で店長をしておりますので、
いつでもご来店お待ちしておりますね。』
(煙崎灰羅への個人メッセージ)
『そっか。君が僕たちを招いたんだね。
それについては、僕は特に気にしていないけれど。
今後、君はどうするつもりなのかな?
君の答えによっては、
僕は君を殴りに行くかもしれないけれど、
正直に答えてくれると嬉しいな。』
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―― エレクトリカルパレード ――
…… すごい……!
[移動式装置を取り巻く光の粒が、 ひらひらと舞い踊り、辺り一帯を照らしている。 近付けば近づくほど美しく、楽しく、眩しいそれに 思わず息を呑んで、距離を保って近づいた。
モナリザはスタッフ役とダンサー役を兼任し、 前進しながらパフォーマンスを行っている。 彼らの動きは可愛らしく、時にコミカル。
賑やかに空を彩るホログラムのひとつひとつにも 視線を移して、一心に見詰めていた。]
(73) azure_blue 2023/11/24(Fri) 17時半頃
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…… 綺麗……。 はい。遊園地で、こうやって観るのは初めて……
[初めての遊園地。 もちろん、初めてのパレード。
宣伝広告などで目にすることはあったが パフォーマンスや演出、音楽は 想像するしかなかったのだと 傍らからの問いにはそう返答を返す。]
(74) azure_blue 2023/11/24(Fri) 17時半頃
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こんなに心躍るものだとは、知りませんでした。 ……ふふ。モナリザさんたちも頑張ってますのね。
[灰羅さんが誰かに合図をする様子に気付けば>>63 私もそちらに視線を向けて。 他にも、招待客の姿が見えるなら私も会釈を。 ―――パレードも終盤だろうか。 スポットライトの元、モナリザ達の描く幸福な物語。 おしまいに、舞台出演者挨拶のように頭を下げる彼らに ぱちぱちと小さく拍手を送った。]
(75) azure_blue 2023/11/24(Fri) 18時頃
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[るくあへ向けた言葉を耳が捉えてしまうと>>64 何も言わずに傍らに在りながら、 私も目を伏せ、生前の彼女を思い描く。]
―――… るくあさんも、 きっと、一緒に見ているわね。
[此方を向く気配を捉えたから>>64 彼の方へ、彼と同じく向き直る形で 静かにそう口にして、微笑んだ。**]
(76) azure_blue 2023/11/24(Fri) 18時頃
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(灰羅へ個別送信)
灰羅殿。
一斉送信のメッセージは、見た、けど
僕の処遇は。
法に任せる
そういう解釈でいいの? *
(中村へ個別送信)
『 アンタが聞いたという、
るくあの言葉を信じるよ。 』
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[途中、傍らの人がアポロを操作すると 予想した通りに間もなく私の方にも通知が入った。 モナリザによるSOS>>3:29は、 地上に居た私にはそれと察することは出来ない。 ただ、首謀者としての告白メッセージを 重い気持ちで見つめ、端末を閉じた。]
ジェットコースターはまだハードルが…と 言いたいところですけれど。 この際、何でもお付き合いします。 ……行きますのね、終わらせに。
[恐らく、キラ様―― 中村さんの所と予測を付けて。]
(94) azure_blue 2023/11/24(Fri) 21時頃
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[ふたりの文面からも、彼らが互いを 害し合うとは思えないけれど、自然、 案ずるような眼差しになるのは隠せない。]
私も、今夜は戻ります。 眠れなくてロビーくらいには降りるかもしれませんが。
明日、楽しみにしていますから…… どうか恙無く、無事で。 約束、です。
[何時の間に天秤が傾いてしまったのか、 自分でも分からないままに、そう言って。 送ると言ってくれるのは素直に受け入れるだろう。*]
(95) azure_blue 2023/11/24(Fri) 21時頃
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(灰羅に個別送信)
ホテルの503室にいるよ。
ドアストッパー嚙ませてるから開く。ご自由に。
必要ならロビーのカフェに降りる。
(卯木へ個別送信)
『 あまり、驚いちゃなさそうだな。
どうするかねえ、
今となっては、何も行き先が決まっていない。
今から中村に会ってくるが、
それで何か変わるものかも判らない。
アンタには文句を言う、首謀者を殴る資格がある。
ヤツとの話が済んだら会おう。 』
(煙崎灰羅への個別メッセージ)
『そうだね。あまり驚いてはいないかも。
灰羅さんの反応が、
あのノートを見るまでは、
あまり混乱しているように見えなかったから、かな。
了解。
僕は今からテーマパークから移動して、
一旦ホテルのロビーで待っているから、
中村さんとの話が終わったら、また連絡ください。』
ミツボシは、/* 思う所、じゃないな、裏話!海透さんとすれ違っちゃった、おやすみです**
azure_blue 2023/11/25(Sat) 00時半頃
(卯木に個別送信)
『 待たせたな。
今、ホテルのロビーに……、と 』
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