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[翻弄される、とはこういうことをいうのだろう
快楽の波に絶えず浸されて。
貴方の声が、まさぐり、摘まみ、擦り。
念入りに私を染め上げる指の感触が強く、つよく。
――違和感はやがて物足りなさに変化させるように
知らぬ無垢を希求する慾へと変えてゆく。
絶頂の瞬間。頭の中が白くなったかのようで
脱力すると同時に彼の腕の中に体を預けた。
すぐにそれは、褥へ降ろされることになるのだが。
お疲れ様と労わりながらも、
貴方の目はまだ満足に染まってはいない。
寧ろ欲を耐えるような眼光が、色眼鏡越しに煌めく。]
[貴方の影が、私の上に落ちる。
――問いかける様は、懇願みたいね。]
ほしいわ。
煙さん。
[ちょうだい。
囁き声とともに貴方の方へと手を伸ばし
頬を撫でながら微笑もう。
わたしは選ぶ。
だからあなたも、私を選んで。*]
……ありがとう。
[了承されないとは露ほども思っていなかったが、改めて下された判断に感謝する。
頬へと差し出された手を握って微笑む。
ベッド横にある小机の引き出しから、いつぞや手渡された『あるもの』
着物から下穿きを脱ぎ取り、もうとっくの前に張り詰めてしまっていた自身へ取り付ける。
……初めてなのに妙に手際よくできてしまった己の器用さを褒めよう。]
[横たえた彼女の秘所へ自身をあてがいながら、深く呼吸をする。]
……挿れるね。
[本当はもっと優しくしたかったけれど、最後の理性の糸が千切れてしまった頭では無理であった。
狭く柔らかな肉の感触は、あまりにも甘美で。一気に奥まで突き入れてしまう。]
…………ッ、
痛くは、無い?
[辛うじてそれだけ尋ねる。返事が来るかこないかの状態で堪えきれず抽送を行う。彼女の身体を気遣える余裕なんて、もう無かった。]*
[性に対しての興味はほぼなかった私だが、
一歩どころか十歩くらい進んでいる友人らの会話は耳にしていた。
初めてのときは、痛いらしい。
やめられない、とまらないのだとか。
その経験から同性に走った友人1名が少し怖い顔で忠告してきた。
もしも痛みが強ければ、ちゃんと相手に言いなさい。と。]
―― ぅ、 ぁ。
[今、その言葉を思い返している。]
[十分解し濡らしてくれたとはいえ未通の場所だ。
貫くほうも、貫かれるほうも痛いに違いない。
力を何とか抜こうとするが、中々うまくいかない。
多分、一気にだからこそ一瞬の衝撃ですんだのだろう。
律動にあわせ揺れる私の体に、鈍痛と快楽が綯交ぜで襲う。
痛いだけじゃないのだと知った。
手を握って笑んだ
余裕を失う、今の顔。
何方もがとても綺麗で。痛みより見惚れるのが勝る。]
煙さん。
[揺さぶられながら、名を呼ぶ。
痛みを問われた時には、衝撃に喘いで返せなかったが。
―― あのね。]
[あぁ、そういう男らしい顔も出来るんですね。
唾の飲み込み、まるで初な少女のように胸を高鳴らせた私は。
君の腕の下で、いったいどんな表情をしていたのでしょうか。]
·······お気に召したのなら、何よりです。
[自身の膝から上がってくる、舐めるようにじっとりと撫でる手。
背中が震えているのは、恐怖ではなくまだ知らぬ悦への期待から。
腰をくねらせて、逃れることもせず。
·······私は君の指を、受け入れた。]
[最初に感じたのは異物感。
当たり前です。
女性の秘部と違い、何かを受け入れる為にできていないのですから。
力を緩めようとしても、君の指を外へ追いやろうと自然と力が入ってしまいます。]
······本当に、これであってるんで、ぁっっ!
············は、ぃ?
[びりびりと身体全体に電流が走ったかのような感覚。
驚いて身体を半分起こすと、下半身のそれが緩く立ち上がっているのが見えました。
······先ほどのは痛みじゃなくて、もうしかして快楽?]
····あ、まって。····そこ、ダメです。
[未知の感覚に警告音が鳴った。
これを知ったら戻ってこれなくなると、理性が言っている。]
···いっ、······ぁっ、んっ。·····まっ、て。
[腸壁をなぞられ、こりこりと腹の奥を押される度に。
先ほどの、段々と頂きに登り詰めるようなものとは違う。
まるで無理やり快楽の頂点まで引き上げられるような、猛烈な快感に襲われる。]
[2本も飲み込んだ秘穴から溢れる白色のハンドクリームは、
君が私の身体を大切に扱ってくれている証。
そこに陰茎の先から滴る透明な液体が混ざれば、綺麗な白は濁ってゆく。
ねっとりと蜜のように艶めくそれは、3本目の指を飲み込みたいという合図。
········さぁ、もっと奥まで、君の手で暴いて。]**
[私の下にいる男は、私の顔を見て。
驚いたような視線を向けたから、
あらと自分の顔に手を当てて治そうとしたのだけど。
目をそらす気のない様子を見ていればどうやら、
悪い気持ちのものでは、なかったとわかったから]
……今日みたいな日、限定ね。
[って、人差し指を口に当てた。
また私のお相手をしてくれれば、見れるかもね。]
[私の指を押し返すように動く肉の壁。
……きつい。指がぎゅうぎゅうと締め付けられる。
それでも、もっと質量のあるものを受け入れさせるには
柔らかく解してやらなきゃ。と。
指を動かして、好いところに当てて。]
ね?気持ちがいいでしょう?
[反応を見れば、笑って見せた。]
[まったを掛ける声に、痛ければ辞めようと考えたけど。
行為への気持ちよさが混じっているのに気づけば
……辞めずに、菊の中へ指を割り入れた。]
[言葉の抵抗が止めば、私をたどたどしく呼ぶのだけが残る]
[肉の押し戻す力が弱くなればなるほど。
締め付けが弱まれば弱まるほど。
貴方の体液や何やらでしろくなった孔に、
クリームを足した指が増えていく。
この指の付け根が埋まるまで。
三本を容易く飲み込むようになったら]
……坊ちゃん。
[蜜が夜光に照らされ妖しく輝くさまや。
貴方が喘ぎ、蕩ける様が。
淫猥な光景に、あてられて。
てらてらとした指を抜いて、
坊ちゃんへの前戯の中でも衰えを知らなかった
己が屹立に添えて。]
指、飽きたでしょう?
いれてあげる。
[返答を待たずに。
ずぶずぶと自分のを、解した肉壁の中に、
埋めた。]
ん……ふ。
[小さく喘いで。先から少しを入れただけで、腰が砕けそう
このまま腰をふれば、
私は気持ちよくなれるかもしれないけど……
坊ちゃんは、どうかしら……。
なんて考えていたら、そういえばと思い出す。
私によく張形を手渡して、責めさせる客が前言っていた。
こういうのは、最初は浅く抽挿を繰り返して。
自分の形に慣れさせてから……
ゆっくり、深く突くものだと。
覚えていて良かったと思いながら、それ通りに。]
[浅い腰振りですら、唇の間から官能のうめきをこぼして。
奥まで入れた時には、「んぁ……っ!」
なんて女のような高さの嬌声をこぼしたから。
竿役としては少し情けなかったかしら。]
[奥まで入れてからは、あなたの手が布団に落ちてあるなら
それを手で握って。ベッドに、私のちからで縫い付けて。
そうでなければ、好きなように遊ばせながら。
……徐々に抽挿をする速度も上がって。
あっという間に、教えられたセオリーを捨てて
興奮のまま腰を振り続けるけだもののできあがり。
……もっと淑女然として
魅力的に抱いて差し上げたかったのだけど。
初めてだからかしら。つい……歯止めが効かなくなって。
かろうじて、行為中の愛撫として……
べろをねじ込んで。
坊ちゃんの口の、貪れるだけをむさぼったのは
今思えば乱暴すぎて……愛撫と呼ぶには適してないかも
しれないけれど。
腰をうちつけながら、あなたに聞く。]
·······かはっ。
[ ···君が私の中に入ってくる。
誰にも踏み込まれたことがないところに。
先っぽが埋め込まれただけで息が出来なくなるほど苦しい、そして何より。]
·········はぁ、はぁ。···あつ、い。
[ 昂った熱量は、普段は氷と同程度の体温しかない私には熱すぎました。
身体の内側から溶けてしまうのではないかと錯覚してしまうくらいに。
それが私の腸壁を押し広げて、中を暴こうとしている。
入って、抜いて、···そしてさらに奥へと。]
[ 君の昂りを刺激するような、気の効いた言葉も発せないまま。
口から零れる小さな呻き声は、嬌声よりも悲鳴に近い。]
·······やめ、ないで。
[ それでも続けて欲しいと願うのは。
愛おしい君が、私を愛してくれる事実が嬉しかったからです。]
······ぅっ、んっ。······はっ、ぁっ。
[ その声に甘さが混じり始めたのは、私の身体が君の全てを受け入れたころ。
指では触れられなかった場所まで押し込められ、君が可愛らしい嬌声をあげた瞬間。
······未知の感覚に強張っていた私の表情が、緩みました。]
[ 私の言葉が後押ししたのか、それとも限界だったのか。
頭の脇で弱々しく沈んでいた手に、君の指が絡まり。
こちらを見つめる瞳は、腹を空かせたの肉食獣のようでした。]
[ 君が狼なら。
私は君の獲物の、か弱い羊さんでしょうか。
······あぁでも、羊はこんな淫らな声で鳴きませんね。]
·····ぁっ、ぁん。······す、き。
[ 先ほど散々弄られた好いところに狙って、荒々しく突き続けられる肉棒。
優しさの欠片も残っていなさそうな腰の動きに、私は女性のような高い艶声をあげることしか出来ませんでした。]
········っっ。
[ 上の口も荒々しく愛撫されて、呼吸が足りなくなる。
苦しいと自然と身体に力が入ってしまうもので、それは秘孔も同じ。
きゅぅっと中が締まると。
僅かばかりの余裕がなくなり、君のものに沿うような形へと変化する。
先ほど触った時に、熱い視線を見つめたせいで細部まで分かってしまった。
腸壁をなぞる反りたった竿、最奥を突く鈴口、···そして、びきびきと浮き上がった血管まで。]
[ 今、私が誰に抱かれているのかを。
視界だけでなく、感覚からも理解させられてしまう。]
[ そうして私は、終わり際に君の名を呼び。
君の腹に目掛けて勢いよく精を吐きだして、······君の下で、果てた。]
**
[内側の肉の、温度はどうだったのかしら。
……普通の人とおなじ?それとも、多少なりは冷たい?
同じなら同じで、熱を感じて少し腰が浮く心地になるし
冷たいなら……昂った熱を移すように
貴方のお腹の中をごりごりと掘削したのでしょうね。
熱さと苦しさに喘ぐ坊ちゃんもお可愛らしい。
けれど押し込む度に溢れる悲鳴の、悲痛なのを聞けば
切り上げるべきかしらと頭によぎりはして。
その時ぐらいに、坊ちゃんのお願いごとが聞こえてきて]
うん、やめない。
[って、了承のお返事を。
声に甘いのが混じった頃、私も奥の奥まで……
根元までを、貴方のからだに埋め込むことが出来て。]
[押せば女の様な甘い甲高い音を出す。
それ聴いて充足を得ながら。
腰から頭に送られる快楽の強さに溺れて。
腹をすかした狼は、目の前の美味いえさを
逃さないように捕まえて。
下からはしたなく、ばちゅばちゅと音を鳴らしながら
かっ食らった。骨の髄までしゃぶり尽くすみたいに
荒々しく。全てを味わいたくて
好き好きと私への愛をこぼす坊ちゃんのお口は
坊ちゃんのお味がして美味しいと夢中になって
特に長く味わっていたのだけど。]
っ……、
[それのせいか締め付けが強くなって、すこし眉をひそめる
けど……私を追い出さんとする秘肉たちは
私の形を覚えたように、ぴったりと絡みついていて。
きっと細部の形状すら、貴方にわかるみたいに。
……あぁ、慣れればさっきよりも気持ちがいいと
腰を打ち付ける勢いは衰えずに……]
ふふ。もう、私のからだのかたち、憶えちゃったの。
坊ちゃんの……えっち。
[なんて、額から汗の筋をひとつ垂らしながら]
[悦楽に焼かれた、懇願にも聞こえる声で
あなたを汚したいという欲望を吐き出しながら腰を揺らす
種付けんと短いストロークで早く。
奥の奥、本来なら女人の子を孕む部屋の戸をつつくはずの
動きは。
貴方の尻の中の、良い所をきっと擦り続けている。]
[坊ちゃんが精を吐いて、中がよりきつく締まった刹那、
私も、頭のなかが白に染まって、己の唇を噛み締める。
中で肉に揉まれていた愚息が一層ぶわりと大きくなって
中でびゅくびゅくと、精を鈴の口からはきだす。
より奥へ出すため、出しのこしが無いようにと
腰を押し付けぐいぐい先を肉にこすり付け、
……本能が、満足したら]
はぁっ……は、あっ……。
[荒く息を吐きながら、貴方の秘所を埋めていた
肉の棒を引きずり出した。
先程まで私が埋まっていたところには、
クリームのものかしら、白い粘液が残っていて
それが酷く、淫秘に見えた。]
んん……、
[落ち着いたら、甘えるようにうなって、腕を肩口に回して。
緩く自分の体重をあなたにかけて
抱きしめてキスを求めた。
坊ちゃんの腹に散らされた貴方の精液で
私の服なり肌なりが汚れるのも気にせず
貴方の尻の中の体液をかきだすのもせずに。
片付けをしなきゃとは、頭の中で思っているのだけど。
今は少しだけ……
繋がりあえたあとの余韻を、楽しみたかった。]**
[狭い箇所から締め上げらるのは、少々の痛みは伴ったが。それよりも耐え続けて解放された快楽の方が大きかった。
受け入れる側の方がずっと苦しいだろうと、思うのに、まともな理性が溶けた頭はただ彼女を貪る事しか考えられない。
最中、名前を呼ばれ、合間に「なに、」と返せば、]
[もう限界が近くなり、ただ自身が精を吐き出すための動きになる。優しさも気遣いもなく欲望を打ち込み続ける。本当は彼女とも悦を分け合いたいのに。
「初めて」の男なんてこんなものである。
突き上げて、揺すぶっって。最奥を暴いた刹那、]
――――……ぐ、ぅ
[薄い膜越しに、全てを吐き出した。]
[大きく息を吐いて、吐精の余韻に浸る。
一度出すもの出せば少しは冷静さは戻ってくるもの。
胎内へ突き入れていた自身を引き抜いて、避妊具を取り外す。……いつもより多く出した気がする。
溢れないように結んで屑籠へ投げ入れて、先ほどまで好き勝手に蹂躙していた相手……リッキィに向き直った。]
……俺の方だけ気持ちよくなっちゃって、ごめんね?
次は一緒にイけるようにするから。
[そう言って二つ目の避妊具を取り出す。
自分勝手に暴かれたのでは、彼女の方は達せてはいないだろうと思い、今度は彼女がよくなる事を心掛けるつもりである。
……後になって思うが、この時の俺、全然冷静になれてなかった。]*
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