27 【crush appleU〜誰の林檎が砕けたの?】
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…──おう。
[名前には、そう応えた。 呼び返すか逡巡し、少し止まり。 それでも呼ばなかった。
今は、まだ。**]
(-68) 2023/08/04(Fri) 22時半頃
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─ 美術館長室 ─
[どこに行けばいいか、誰に何を聞いたわけでもないが 二人で手をとり進む足は自然と美術館長室へ向かっていた。 回谷は謝りたいと言っていたが >>95 謝る必要性はないんじゃないか、と思ったことは黙っておいた。 夢の主には夢の主にしか感じることの出来ない思いもあるだろう。
子供になっていると言っていたが戻っていることも知らないまま。 美術館長室の扉の前につくと、その扉を叩く。]
田端、居るか。
[手には本もなかっただろう。 仕舞う時間は、ノックから返事をするまで幾らでもあったのだから。*]
(97) 2023/08/04(Fri) 22時半頃
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/* いやさすがに付いたら手は離すだろ…!ww まあそう焦らず時間をおくれよ、 同期だし話したいことだってあるのだから。
(-69) 2023/08/04(Fri) 22時半頃
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ん? でかいな、もう子供はやめたのか。
[扉が開けばさすがに手は離したと思うが >>98 直前が見えていたのなら、まあ仕方はない。 別段隠すつもりもないがその手を離し、館長室の中へと入る。 適当に椅子に座れば、そこにはお茶の気配もない。]
顔を見に来た。
[必要か必要じゃないか。 そんな天秤にかけないでほしいが 言葉にしなければそれが伝わることもないだろう。 最期に死に逝く人に、言葉こそかけずとも顔を見るくらいは 残された者としてしてくれてもいいと思うが それもこれも全て、自分の価値観だ。*]
(99) 2023/08/04(Fri) 23時頃
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/* ちょっとヘイト乗った表現になっちゃったかもしれない… すまない。 難しいねぇ、逆の立場だったら自分もそう思っちゃうかもしれないし。 いやほんとむしろ何故大藤が死ななかったんだよマジで
(-71) 2023/08/04(Fri) 23時頃
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だろうな。
[子供が寄り付くことは今までもなかったし なんなら大人でも寄り付くことの方が稀有ではあった。 もし田端が子供のままだったら悲惨な地獄と化していただろうが そんな現実が来ていなくてよかったと思う。
そっけなく返されるには別段何を返すわけでもない。 普段もお互いそういう仲だったろう。
回谷がおずおずと話しかけているのを聞きながら 口を挟むものでもないなと、少しの間だけ目を瞑っていた。]
(105) 2023/08/04(Fri) 23時半頃
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/* >>106 俺もハラハラしている。 なんかヘイトでも買ってしまったかな、すまんな。
(-72) 2023/08/04(Fri) 23時半頃
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[目を瞑ると見えるのは暗闇。 真暗で、真黒な、深い色。
いいな。
この色にしよう。
暗室の色にも似て。 ロータリーの光の届かない場所にも似て。]
(-75) 2023/08/05(Sat) 00時頃
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ん? ああ、どうする?
[伏せていた眼を開けると、部屋の明かりに少し眩暈を覚えた。 チカチカする視界の中で田端の視線と唸り声が聞こえ 回谷はそれにどう返すのか。 照れて断るような気もするし、恥ずかしがりながらお願いする気もするし。
どうあれ、メイクアップをまじまじ見るほど野暮でもない。 回れ右、という言葉も素直に頷いて。>>109]
頼んだ。 終わったら、すぐに戻る。
[メイクの方法や良し悪しも何もわからないが 田端なら上手いことやってくれるのだろう、と 美術館長室を後にした。]
(110) 2023/08/05(Sat) 00時半頃
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─ B1F カフェ ─
[ゆっくりと足を進めていたのはカフェの方。 手摺に、彫刻のようにくっついていた黒い蝶は いつの間にか何処かへと飛んでいってしまったようだ。 そこに姿は既にない。
カフェの中に入れば、そこにはまだ福原の用意した食べ物が並んでいた。 いつの間にか自分の手から消えてしまっていたおにぎりも。 味噌汁、コンソメスープ、肉じゃが、目玉焼きハンバーグ。 スイートポテトやイチゴ牛乳寒天もあった。
ひとつずつ取って机に並べ。]
(111) 2023/08/05(Sat) 04時頃
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誰かいるか?
[この夢は、先に目覚めた者も見ようと思えば見ることができると 黒の天使に教わっていた。 今ここに誰か居るだろうか。 自分から見ることは出来ないけれど。]
なあ、お前にとっては 回谷の夢はどうだった?
[ただの悪夢だったろうか。 それとも、違う何かだったろうか。 返る声があっても、聞こえなどしない。 虚空に投げる。]
(112) 2023/08/05(Sat) 04時頃
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いただきます。
[最後の晩餐が如く。 大量のごちそうに手を付けながら、時折辺りを見る。 居るか居ないかもわからない存在を感じながら。**]
(113) 2023/08/05(Sat) 04時頃
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…ああ。
[味噌汁に口をつけた頃。 その黒い天使はふと現れて。 一度視線をやると、軽く頷いた。]
来る気はしてた。 うちの後輩の手料理だ、美味いぞ。
[単純に後ろを向くだけでも良かったが >>114 女同士でしか話せないこともあるかもしれない。 着替えは想定してなかったが。
一人になればもしや、と脳裏にかすめた相手が向かいに座る。 それならこちらはこちらで、この相手にしかできない話をしようか。]
(117) 2023/08/05(Sat) 10時頃
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ん? お前たちはどうしても結婚式をさせる気か?
[並べられた選択肢のどれかに袖を通す事があるかは分からないが。 何だかおかしくて、少し口元が緩んだ。]
……すまんな。 心のどこかであんたを、悪いモノかもしれないと思っていた。
[死神なんかと呼ばれる類の。 そのようなものだとどこかで思っていた。 ──いや、今もどこかで思っている。 その事を隠しもせず、けれど口にするのは謝罪めいて。*]
(118) 2023/08/05(Sat) 10時頃
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/* やるんだ!?ww
かわいいねぇ(*´ω`*) 向こうのみんなは参列してくれるのかしら? 俺この後死ぬ気だけど大丈夫?(???)
(-84) 2023/08/05(Sat) 10時頃
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みんな個性的だが、 まあ、きっと大丈夫だろ。
[料理を残していった後輩も、それ以外の後輩も同期も。 この夢から覚めた後、研究室の仲間を失う代わりに きっと何かを得て、生きていってくれるだろう。]
回谷がやりたいらしいからな。 付き合うさ、どんな願いでも。
[結婚式でも葬式でもなんでも。 それがまだ生きている彼女の願いなら。 ただ、ファッションに詳しいわけでもない。 何を着ればいいかは任せる事になる。]
(126) 2023/08/05(Sat) 10時半頃
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そうか、難儀な仕事だな。 田端にぶん殴られなかったか?
[暴力的な者はいない、という言葉にはそんな冗談を返した。 いや、半分は本気だが。 田端ならやりかねないと思ったが、さて。]
アンタをロータリーで見た時は 綺麗だと思ったものだけどな。
[暗闇に掛かる光の梯子にいた黒い天使。 死んだとすれば自分なのだろうなと、ずっと思っていたから。]
(127) 2023/08/05(Sat) 11時頃
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[決まったことは覆せない。 ジタバタするだけ無駄で、意味が無い。 全て理解している。受け入れている。
それでも、ただ一度だけ。]
回谷の死を、自分のものと変えることは アンタの力じゃ無理か?
[味噌汁をすする手を止めて、 意味も成さない無駄な問いかけを落とす。*]
(129) 2023/08/05(Sat) 11時頃
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そうか。
[わかっていた答え。 けれど、思っていたより真摯な応えだった。 確かにもし入れ替わることが可能だったなら、 生きるより辛い十字架を負わせることになったかもしれない。 ならば交代出来ないことこそが、慈悲か。
ふっと、笑みが落ちた。]
(131) 2023/08/05(Sat) 11時頃
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回谷にも、誰にも。 死んで、欲しくは…なかったな。
[伏せた瞳から淡く一粒だけ落ちた雫と ここに来て初めて歪んだ声。 目の前の彼だけが見る事が出来たろう。*]
(-87) 2023/08/05(Sat) 11時頃
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プロポーズ、か。 ──考えておく。
[白いベルベッドの箱を受け取る。 片手に持ち、何事か考える気持ちの悪い間を持って それをポケットに捩じ込んだ。
後悔しない選択肢を。
ひとつひとつ、この世界で 影の輪郭は形成されていく。
淡々と答えると「アンタは何のおにぎりの具が好きだ?」と 慣れもしない柄にもない、そんな話題を振ったりもして。**]
(133) 2023/08/05(Sat) 11時半頃
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/* コンビニライスボールの塩!!!!!
美味しいよね、しおおににり(*´ω`*) 自分も好きだよ!!!!! ありがとなアリババ!!!!!!
(-90) 2023/08/05(Sat) 11時半頃
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/* おおよかった、たぶんヘイトを買ったとかではなさそうだ(謎の安心) お節介してくれる田端も好きだよ! お節介でもないしな、自分はきっとあまり言葉を尽くさないからな!ありがとな!
(-109) 2023/08/05(Sat) 17時頃
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[塩おにぎりも確かに美味いよな、と消えゆく姿を見送り >>134 それからは黙々と食事をとった。 用意してもらったもの全て平らげられたらよかったが さすがに無理そうで、食後のイチゴ牛乳寒天を口に運ぶ。
夢の中でも美味いや甘いがわかる。 空腹も満腹もまるで現実のようだなと改めて思った。
ああでも、本当にこれが夢なら 醒めたら全て元通りで、なんて。
スマホがメッセージを伝えて震える。 余計なお節介、とも言い難い文面に なんだかんだで彼女も世話焼きだなと思う。]
(147) 2023/08/05(Sat) 18時頃
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『胆に銘じておく、ありがとう。』
[素直に書き記す言葉はやはり少ない文字数だったけれど。 こんな連絡がいくのももう、最期だろう。
田端の言葉をお節介だと思ったことは、一度もない。**]
(-112) 2023/08/05(Sat) 18時頃
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[ゆるりと美術館長室へ向かうまで、色々なことを考えていた。 黒の天使が並べた衣服に着替えることも考えたし プロポーズとか言うものも、一応は思考を巡らせた。 が、結局着替えを選択することもないままに 足は花嫁が待つ部屋へとたどり着いた。]
入るぞ。
[扉をノックし、声があれば扉を開ける。 そこに居たドレスアップされた姿を眺め]
(148) 2023/08/05(Sat) 18時頃
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綺麗だな。いや、可愛い、か?
[ストレートに隠さずに臆さずに。 臆したことは今までもそうなかったが。 プリンセスラインの愛らしいドレスに身を包んだ回谷に 穏やかな視線を向ける。 似合っていると思う、大人っぽく施されたメイクも ドレスも、髪型も、その指の爪先までも。 いろんな想いが込められたそれらも。]
──やるか。
[さて、結婚式とは何をするものなのか。 予備知識がなさ過ぎるのは大問題な気もする。**]
(149) 2023/08/05(Sat) 18時頃
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[気付けば、ほぼ強制的に着替えさせられ 回谷が胸元に一輪の薔薇を挿してくれている。 なんというかまあ『されるがまま』状態ではあるが これといって不満があるわけでもない。 準備が進んでいく間はいつも通り黙していたが 田端も強制的に着替えさせられていたのには 微妙にわかりにくく笑みを抑えた口元にでもなっていただろう。
式が始まり、誓いの言葉のバリトンが響く。
『as long as you both shall live.』
その文言に が揺れる。]
(193) 2023/08/05(Sat) 23時半頃
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『二人が生きている限り。』
[ ──肩の黒い蝶が、揺れる。 ]
(-159) 2023/08/05(Sat) 23時半頃
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── I do.
[そう言って、ポケットから白い箱を出す。
細い回谷の指に彩 た 輪の装 は に く 色で ように の に嵌めら た 輪は の光のよ ルの色を し ん いた。]
(195) 2023/08/05(Sat) 23時半頃
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