14 冷たい校舎村10
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[筋道立てて物事を考えられたのはそこまでで、 急にぐちゃぐちゃになった感情が涙として溢れてきた。
病室に残ってた妹が近付いてきて、 「いたいの?」って訊いてくる。 そうかもしれない。身体じゃなくて、ココロがさ。 でも応えるのをためらっていると、 妹は頭を撫でてくれた。 ぐちゃぐちゃになったココロをかき集めてくれるみたいに。
それだけでもちょっと救われた気になっちゃって、 つまりはかえってきてよかったって強く思えた。
そうこうしているうちに誰かが駆け込む足音がして、 その正体は案の定父で(後ろに看護師さんとかレイナさんもいた)、 それから父に思いっきり怒鳴られた]
(127) Akatsuki-sm 2021/11/17(Wed) 22時半頃
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[でも、最後にちゃんと、生きててくれてよかったって言ってくれた]
…………そっかあ。
[心は父に抱きつきたい気持ちでいっぱいだ。 だけどぐちゃぐちゃになりかけた身体はちょっと右手を動かすので精一杯。 あの校舎(せかい)にいた時は自由だった。 想いを伝えるのに、 言葉だけじゃない手段も使えたりして。>>116
……元気になりたいなあ。 そう思う私は確かに生きていて、 いつかココロに来る春を夢見ている*]
(128) Akatsuki-sm 2021/11/17(Wed) 22時半頃
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/* おんなのこたちかわいいな〜〜〜〜
夏見ちゃんもお見舞いありがとう! エッグスタンドをぐぐってなるほど……となりました そして不知火ちゃん一緒に帰ってくれたヤッター!
(-117) Akatsuki-sm 2021/11/17(Wed) 22時半頃
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/* 和歌奈お姉ちゃん クラスメイトの口から聞くといい意味でじわじわときますな……
(-119) Akatsuki-sm 2021/11/17(Wed) 22時半頃
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/* めちゃくちゃ引きずってる石頭くん むずかしい……
恋愛といえば 和歌奈が中学時代に手ひどく振ったのは女の子だったという設定は語りきれんかったなあ 今も隙あらば、って感じだけど
(-127) Akatsuki-sm 2021/11/18(Thu) 00時頃
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[「誰がお姉ちゃんだっての」>>130
河合和歌奈はそこまでツッコミ気質ではないため、 そんなことは逆立ちしても言わなかった。
……でも、あの面々の中でお姉ちゃんをやってるのが私だけって、 荒木君に指摘されて気付いた時には、>>75 ちょっとすごいなって思った和歌奈であった。
それはさておき]
(138) Akatsuki-sm 2021/11/18(Thu) 01時半頃
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―― お見舞い・古香路子の場合 ――
[目覚めてから何日も経って、 面会も許可されるようになる頃には、 ベッドから起き上がって本を読むくらい、造作もなくなっていた。 眼鏡は飛び降りた時に壊れてしまったので、 去年まで使ってた先代のやつを代わりに使っている。 取っておいてよかったというべきだ。
とはいえ自由に歩き回る方はまだだめだ。 松葉杖をついて歩けるようになるには、 もう少しかかる見込み]
(139) Akatsuki-sm 2021/11/18(Thu) 01時半頃
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[ともあれ古香路子が紙袋片手にお見舞いに来た時、>>45 読んでいた本をパタンと閉じて、 (ちなみにお気に入りの天体の写真集だ) ひらひらと手を振って迎えた]
ふふ、来てくれて嬉しいよー。 古香ちゃんったら太っ腹だねえ。
[はて、ドーナツの紙袋の他にもうひとつ持ってるのはなんだろう。 さりげなく視線を送っていたが、 やがて降ってきた言葉に、ああ、と納得の頷き]
飯尾先生も手厚いなあ……。 最近様子どう? 白髪とか、眉間の皴が増えてたりしない? って、私の方が質問されてるんだった。
(140) Akatsuki-sm 2021/11/18(Thu) 01時半頃
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[受験の方はだいたい大丈夫だけど、>>46 塾の資料の横流しは普通にありがたいなあ。 そんな風に答えながら和歌奈は、 奇妙に心がそわそわしているのを感じていた。
訊きたいことがあるならいつでもいいよ、 と言いたいけど、微妙に心の準備がしきれてない。 そういう気分が一番近いだろうか。
あの校舎(せかい)で、誰にも触れさせたくはなかったココロの奥を見せてしまったこと、 今さら後悔しない。 その気持ちがあるなら、君やみんなの方を真っ直ぐ向いていられる。 そう思ってはいるんだけどさ]
(141) Akatsuki-sm 2021/11/18(Thu) 01時半頃
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はぐ。
[などと内心シリアスしていたらこの様相である。>>47 やっぱり不意打ちには弱い]
どうしたのさ急にー。 今さら不知火ちゃんが羨ましくなったー?
[かえる前に体育倉庫でハグした件のことだね]
別に構わないけど……、
[軽く笑いながら手を広げる。
―――この、決してあったかくはない体温を分け合うこと。 それは和歌奈にとって、ただ思いを言葉にすることよりもずっと簡単だ。 ただ、言葉でないと伝えきれないものもあって]
(142) Akatsuki-sm 2021/11/18(Thu) 01時半頃
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そうだ。私からもひとつ。
今日から君のこと、 路子ちゃん、って呼んでもいいかな。
[例えばこういうのである。 君はいったいどんな顔をしたんだろうね**]
(143) Akatsuki-sm 2021/11/18(Thu) 02時頃
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/* 前置きが本当にほぼほぼ関係ない……(苦笑)
例によって言い逃げして寝まする ・∀・ノシ**
(-128) Akatsuki-sm 2021/11/18(Thu) 02時頃
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―― お見舞い・夏見七星の場合 ――
やあ夏見ちゃん。 私は元気だよ。
[夏見七星が来た時にも、 穏やかに笑って迎える私だった。>>98 やがてはお見舞いの品、といって置かれた箱をまじまじと眺めることになる。
贈り物の箱って、 開ける前に中身を確認したくならない? 送り主に「ねえこれ何が入ってるの?」って訊いて。 私はたまになる。 そうして時と場合によって我慢したりしなかったりする。 誕生日プレゼントの箱を前にした時が、 一番我慢しなきゃいけないパターンだ]
(173) Akatsuki-sm 2021/11/18(Thu) 22時半頃
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[今は……まさにちょっと我慢したパターン]
わ、ありがとう。 ……開けていい?
[許可をもらえたなら、 包み紙をべりっとするために手を動かす。 彼女なら平気で中身をばらしてくれそう―― と思わなくもなかったけど、結局やめた。 箱も小さいし開けちゃった方が早いでしょ]
(174) Akatsuki-sm 2021/11/18(Thu) 22時半頃
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……、 あっかわいい! ありがとう!
[こんなカタチをした代物には見覚えがある。>>99 修学旅行の二日目くらいの朝食の時に、 ゆで卵が置かれてたやつに似ている。 確かに卵をすんなり置けそうなサイズをしてるし、 そのまま置いといてもインテリアとして使えそうだ。
……置けるのは本物の卵だけ、だけど]
(175) Akatsuki-sm 2021/11/18(Thu) 22時半頃
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[いつの間に夏見ちゃん、その辺にあった椅子に座ってたから、 気がつけば目線はとっても同じになっていた。 真っ直ぐと視線がかち合った状態で、言葉を交わす>>100]
そっか。割っちゃったんだ。 私も、……夏見ちゃんがかえった後に、 白い卵を踏んづけちゃって。 そうしたらさ、……わかっちゃったんだ。 あの校舎が、大事な思い出を卵の中に閉じ込めたかった私の世界だってこと。 ……まあ、みんな割合かえっていっちゃったんだけど。
[踏んづけた卵の中から、 妹が大事にしてたぬいぐるみの耳が出てきた。 というのが直接的なきっかけなんだけど、 話せば長いし。これで間違ってもいない]
(176) Akatsuki-sm 2021/11/18(Thu) 22時半頃
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だから、………今なら言えるんだけど。 私の、世界の中に転がってた卵は、 私に関わった誰かのココロ、みたいなもので、 夏見ちゃんのココロから生まれたみたいなやつもあったかもね……。
[夏見ちゃんも何かの声を聞いたのかな。 夏見ちゃんのココロの中にずっと巣食ってた声を。
思い出させてしまったならそれはやっぱり私の咎だ。 あるいは、進路の話をした時には手をかけなかった君のココロを、 私は間接的に転がしてしまったのかも。 たとえ“うっかり転がした”で流せる範囲で済んだとしても]
(177) Akatsuki-sm 2021/11/18(Thu) 22時半頃
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[だからこそ、君の言葉はあまりに優しい。 うん、優しすぎる。 さらにいうなら鎮静剤じみてもいる。
うまく言えないけど、って言葉を置いてたけど、 要するにさ、ひとりにする気なんかないんでしょ。 しっかりみんなも巻き込んでるし。
放っておいて、なんて言えるわけもなかった。 何せ、私は飛び降りる前とは違って、 私を友だちと呼んでくれるひとを、 ちゃんと名前で呼びたいと思った私だ]
(178) Akatsuki-sm 2021/11/18(Thu) 22時半頃
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…………、 わかんない。いつかなるかもしれない。
[私は生きる限り、いろんな人と関わって、 その度に、誰かのココロを転がして割ってしまう方に舵を向けるかもしれない。 それをやっちゃって、またひとりになりたくなる前に、 ……つまりはあんまりにも死にたくなる前に、>>101 みんなの顔を思い浮かべて、思いとどまれればいいんだけど。 いや勿論なんとかなりたいけど。
結局、最悪に備える的な感じで考えを巡らせている]
でも、ひとりになろうって思う前に、 後ろを振り向くことはできる。 そんな私のこと、夏見ちゃんはさ、 追っかけてくれるかなあ……。
(179) Akatsuki-sm 2021/11/18(Thu) 22時半頃
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[卵を割っちゃってから悔やんでも、もう遅い。 それは十分すぎるくらいわかってる。
君もエッグスタンドになってくれるのなら。 私はとっても嬉しい。 みんなを巻き込んでおいて君だけほっとく気にもなれないし。
なんて言わないけど、 感情の赴くままにへにゃっとした笑みを浮かべていた*]
(180) Akatsuki-sm 2021/11/18(Thu) 22時半頃
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/* な、長いんじゃ……
(-138) Akatsuki-sm 2021/11/18(Thu) 22時半頃
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/* ヘイ尻! って呼びかければ色々答えてくれるらしいね
そしてこんばんはー 増えたログはじわじわ読んでますすす
(-139) Akatsuki-sm 2021/11/18(Thu) 22時半頃
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/* いいね……(にこにこする)
(-144) Akatsuki-sm 2021/11/19(Fri) 00時半頃
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―― お見舞い・古香路子の場合/つづき ――
[傍から見れば薄情な話だろうけど、>>166 飯尾先生に白髪が増えようがお腹周りを気にしだそうが、 実はそんなに心配してないわけで。 加齢には勝てないしね。
お仕事ほんとにご苦労様です。 そう応えて紙袋を受け取った。 甘い香りが僅かに漂ってくる。 ちょっとだけ袋の口を開けて中身を見たら……いろいろあるね。 誘惑にはいい感じに耐えることができた]
(222) Akatsuki-sm 2021/11/19(Fri) 22時頃
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[ぎゅうっとハグされる前でも最中でも後でもいい、 君がわんわん泣いちゃってたら、>>168 とってもあたふたしてただろう。 そんなことにはならなかったけど。
妬いちゃったのかもか、そっかあ。>>167 ……それは不知火ちゃんには内緒にするよ]
む……、 泣いても別に気にしないよ。
[みんなはどうだかわからないけど、私はそう。 とはいえこういうのは泣いちゃうかもしれない路子ちゃんのココロの問題かなあ。 私だって、泣いてるところ、 もう一回見られたくないなあ、って思うし……]
(223) Akatsuki-sm 2021/11/19(Fri) 22時頃
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[ともあれ、満足げに笑ってた君と、 他愛もない話をした。 そういう話からでいいのかい路子ちゃん。>>170 病室でする話としてはあまりにもそぐう、と思うけれど。 もう一度甘い匂いの漂う紙袋を見た]
……うん。
[そうして、素直に頷いた]
あの子、フレンチクルーラー好きだから。 喜んでくれるよ。
…………この前、誕生日だったから。 メッセージカードも書いて、 お見舞いに来た時に渡せた。
(224) Akatsuki-sm 2021/11/19(Fri) 22時頃
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[何気なく返事できてるように聞こえててほしいな、 って思いながら私は応える。 なんせ妹の誕生日が来る前に死んじゃおうって思ってたから。 まさか普通にお祝いできる、なんてさ……]
そうしたら、笑ってくれたから。
君の言ってた通りに。 ……なんとかなりそうな気がする。 来年も、この先も。
[そうして時を重ねれば、 私がしてしまった酷いことも、過去のものになるのかもしれない。 妹との間にあったことだけじゃなくて。全部まとめて]
(225) Akatsuki-sm 2021/11/19(Fri) 22時頃
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[過去は消えないって? それはそう。 過去に絶えたはずの光も今を照らすけれど……]
……かえってこれてよかったなあ。
[とにかくしみじみと呟くのだった*]
(226) Akatsuki-sm 2021/11/19(Fri) 22時頃
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/* どどん、と 路子ちゃんはありがとういえーい
道草デート(っていっちゃう)かわいいね……
(-152) Akatsuki-sm 2021/11/19(Fri) 22時頃
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―― お見舞い・平塚莉希の場合 ――
[長いこと病室にとどまっていると、 ちょっとばかり普段の感覚が曖昧になるらしいと知った。 たとえば曜日の感覚とか。
とはいえ昼下がりの今、>>162 クラスメイトがお見舞いに来ていることを変だとは思わなかった。 妹も午前中から、レイナさんに連れられてお見舞いに来てたし。
お見舞いの品は、ドーナツと違って日持ちのしそうな代物であった]
わっ、可愛いじゃん。
[すでにベッドの横には、 可愛い猫型のエッグスタンドがちんまりと置いてある。 けっこうあれと合うんじゃないかな。 和洋折衷という便利な言葉を感じさせた]
(282) Akatsuki-sm 2021/11/20(Sat) 20時頃
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