17 【半突発身内村】前略、扉のこちら側から
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[ ”それ”に美しさを与えたのは、凛とした女性でした。 ”それ”の役目は、記憶を永遠にすることでした。]
(78) 2022/03/06(Sun) 00時頃
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[ ”それ”は紙の上から退きました。 もし白い生き物が手を伸ばすのであれば、 細長い身体を同じように伸ばして留めます。
その上で頭で円を描くような動きをしましたが、 やがてその身からインクを滲ませて、 紙を裏返してほしい旨を伝えました。
白い生き物がそれを叶えてくれたなら、 ”それ”は裏側の右下に尾を滑らせます。]
(79) 2022/03/06(Sun) 00時頃
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[ もし、この手紙が望む者に届くのであれば、 手紙の裏側、世界の片隅のような端に 星空色の雪だるまを見つけられるかもしれません。]**
(80) 2022/03/06(Sun) 00時頃
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/* 健康するのでソロルは明日書きます……!
ところで水輝ちゃん見覚えがある気がずっとしているのですが再演さんかなあ。調べると中身を知ってしまうので記憶だけで話しています。違ったらすみません……! 新規さんと再演さんどれくらいおられるのかな。そこもわくわくです。
(-9) 2022/03/06(Sun) 00時頃
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/* ピザやサプリメントの話盛り込もうとしたのに前半を書いている一瞬で忘れました。おろか。これはリベンジしたいメモ。
(-10) 2022/03/06(Sun) 00時頃
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/* 水輝ちゃんとミケさんの異文化交流はずっと最高という感情に満ち溢れています。 コロ・ム・ミケレシアが好みです(?)
ホリーちゃんは手紙を拾ってくれた女神でもありますが、言葉の選び方とか背景の滲ませ方とかが絶妙で師匠みたいな気持ちにもなっている。サイレント弟子入りしかけます。タルトちゃんへのお声掛けも天才ー! >>0:154とかとても好きです。白への解釈。好きすぎてお返事にふんわりと混ぜ込みました。 前略からの書き出しをしっかり生かしておられるのも上手いですよね。
冒頭の流れはちゃんと読んでますので……! こちらも後で拾いたいと思ってはいますので……! 村タイトル、ラスト付近で回収したい気持ちです。
(-13) 2022/03/06(Sun) 00時頃
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/* ミケさんやっぱり仲間では? みたいな顔していますが、同一ではないので大人しく着席します。でも長命は仲間ですやったー。 食事に関して身体に合う合わないから考えるの、異文化への解像度が高くてうきうきしちゃいました。まずは味じゃないですね。そうか……!
タルトちゃんアバターだー! 仮想世界と現実世界の違いはもういっそディストピア(?) おひめさまって肩書もアバターだと思うとより味わい深いものがありますね。 >>16>>17辺りもとても好きです。
(-14) 2022/03/06(Sun) 00時半頃
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/* 水輝ちゃんの>>19やっぱり見覚えがあります。たぶん読んでました。わあわあ。 ミケさんと水輝ちゃんって全く違う世界を生きていたのに、こういう境遇>>24を見るとちょっと近い部分あるのすごいなあ。 置いて行かれた側、というか。>>26知ってる。好き。
トレイルさんがひとつずつ記憶を思い出して開示していくの、日刊トレイルさん感があってもう読者です。定期購読します。 >>53みたいなぐるぐるした感情の書き方(なのかな?)、とても素敵です。
(-15) 2022/03/06(Sun) 00時半頃
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/* ジリヤさんの体調がよくなりますようにの念を込めつつ。 我らがアシモフさんへ害獣って言葉を使うの、あまりにも最高だなと思いました。あの可愛さに惑わされず、PC本人の認識を丁寧に追っておられるような感じがしたというか。
アシモフさんの話もしたいのですが、チーズに夢中で可愛いという事実が語彙をどろどろに溶かしているのでとりあえず愛を残しておきます。好き……アシモフありがとう……。
(-17) 2022/03/06(Sun) 00時半頃
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/* >>72 カルピスとお酒の話が好きすぎましたのメモ。
(-18) 2022/03/06(Sun) 00時半頃
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/* ホリーさんの言葉は感情をぎゅぎゅっと濃縮したような感じが素敵ですね。>>95特に好きです。 >>96何者にも見ていただけるのもとても嬉しい。 雰囲気を揃えたのも拾っていただけて喜びの舞。
今からお返事を書きます。遅筆がんばれうなって。
(-23) 2022/03/06(Sun) 13時半頃
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『 赤を知る Hへ
あなたは、雪を知っていますか。 とても美しくて、冷たくて、静かで、 すべてを覆い隠せる程に広くて、白い。
その白が溶けると、やがて大地が芽吹くのです。 草花が目覚め、動物たちが駆け回る。
私たちの生が、白から黒へ変わるものでも、 はじまりの白の下にも眠る色はあるのだと、 私は、そう思います。 』
(110) 2022/03/06(Sun) 15時頃
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『 私はあなたを知りません。 ひとつめもふたつめも、その身に抱く絶望も。 だからこそ、あなたの望む色を教えてください。
決して交わらないからこそ、 私はあなたをその色で思い描きます。
私はどこへも行きません。 この手紙のように、誰かの望むがままに。
B 』
(111) 2022/03/06(Sun) 15時頃
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[ ”それ”はまた、手紙を書きました。 Hと名乗った誰かに、言葉を贈りました。
はじまりを白だと感じたのは H>>0:156が最初にそう言ったからで、 雪を思い浮かべたのは 誰か>>48が雪を”それ”の下に届けたからです。
”それ”の内にあるのは、 すべて誰かが、人間が与えてくれたものでした。]*
(112) 2022/03/06(Sun) 15時頃
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[ そこは、長く白に閉ざされる場所でした。 彼女はいつも退屈そうに窓の外を眺めていました。
”それ”は彼女の名前を知りません。 だっていつも「お嬢様」と呼ばれていましたから。
お嬢様は、窓の外を埋め尽くす白――雪を、 あまり好んでいないようでした。]
(113) 2022/03/06(Sun) 17時頃
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[ お嬢様は外を駆け回るのが好きな人でしたが、 この地はお嬢様の望みを簡単に叶えてはくれません。
やっぱりおじいさまについていけば良かった、と お嬢様はよく溜め息をついていました。 机の上に置かれた木の枠には、 幼いお嬢様と彼が並ぶ肖像画が飾られています。]
(114) 2022/03/06(Sun) 17時頃
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[ ”それ”がゆらり揺れると、同意と受け取ったのか、 お嬢様は嬉しそうに目を細めました。 「あなたもおじいさまを覚えているの?」と。
”それ”はおじいさまがお嬢様に与えたものでした。 口を持たない”それ”は返事をしません。 ただ、すっかり髪が白くなってしまった彼と 同じ髪の色をしたお嬢様を見つめるだけです。]
(115) 2022/03/06(Sun) 17時頃
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[ お嬢様は決して身体の弱い人ではありません。 しかし日々の半分以上を雪に覆われたこの地は 屈強な人間以外にはあまりにも厳しすぎましたし、 お嬢様を見た者たちは皆、彼女を大切に扱いました。
外にも出られず、宝物のように触れられるお嬢様は、 本を読むことよりも絵を描くことを好みました。 最初は”それ”を用いていましたが、 生憎”それ”は文字を書くことしかできません。]
(116) 2022/03/06(Sun) 17時頃
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[ 頬を膨らませたお嬢様を見て、 ”それ”はスケッチブックの白の上に尾を滑らせ、 いくつかの形を描きました。
塔の窓から見える空、自由にはばたく鳥であったり、 バスケットの中に詰めた内緒のパンであったり、 眠れない夜に語られた、知らない景色であったり。
”それ”は文字を書くことしかできません。 お世辞にも上手いものではなかったでしょう。 お嬢様の描いたものと違いはありませんでした。]
(117) 2022/03/06(Sun) 17時頃
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[ けれど、お嬢様は膨らませた頬の上、 鮮やかな赤を抱く瞳をきらきらと輝かせて ”それ”の尾が踊る様子を楽しんでくれました。
お嬢様が一番気に入った様子だったのは、 どこかの裏庭にあったような、大きな木でした。 ”それ”の内に流れる青々とした緑色が 景色によく似合うものだったからかもしれません。]
(118) 2022/03/06(Sun) 17時頃
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[ お嬢様は”それ”以外を使うようになりました。 代わりに”それ”にも紙を与え、 お嬢様が絵を描く時はずっと隣にいました。
外に出られない白の檻の中、 お嬢様は絵を好んで描いていましたから、 ”それ”はずっと、お嬢様の隣にいました。]
(119) 2022/03/06(Sun) 17時頃
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[ お嬢様は景色を描くことが多い人でした。 ”それ”にも好きなものを描くよう伝えました。 ”それ”にはお嬢様の言うことがよく分かりません。
ある時、隣にいるお嬢様を描くと、 どんなに歪でもとても喜んでくれました。 だから”それ”はよく、お嬢様のことを描きました。
白い骨組みの内には鮮やかな緑が流れていましたから ”それ”の描くお嬢様は、いつも緑色をしていました。]
(120) 2022/03/06(Sun) 17時頃
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[ 雪が解けて大地が顔を出すと、 お嬢様は”それ”を連れて外へ飛び出しました。
周りの人間が慌てて追いかける姿を見ても、 ”それ”にはお嬢様を止める術はありません。 抱えられるがまま、お嬢様の冒険に付き従います。
木の根元に新芽が覗く様子を教えてくれたり、 動物たちを脅かさないように口を手で覆ったり。 お嬢様は数少ない白がほどける日々の間、 大地を駆け回りました。
そうして彼女の赤い瞳が捉えた景色は、 何枚ものキャンバスに描かれていきました。]
(121) 2022/03/06(Sun) 17時頃
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[ 真っ白な家の真っ白なお嬢様。 今日は纏うドレスも真っ白です。 外も雪で白く染まっていましたが、 もうすぐお嬢様の望む鮮やかな日々がやってきます。
白い手袋をしたお嬢様が、”それ”を掬い上げました。 お嬢様の赤い瞳が”それ”を見つめています。 真っ白な肌をほんのり赤く染めたお嬢様が、 ”それ”を抱えてひとつの扉をくぐります。
お嬢様と”それ”がいつも絵を描いていた部屋。 白に覆われた日々も、多くの色で溢れていた場所。]
(122) 2022/03/06(Sun) 17時頃
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[ 真っ白でした。]
(123) 2022/03/06(Sun) 17時頃
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[ キャンバスが部屋の中にぽつんと置かれていました。 白い布がかけられています。 お嬢様は”それ”を椅子の上に乗せると、 布を引っ張って中身を露わにしました。
目のような窪みと鼻のような丸い尖り、 骨組みはとぐろを巻いて、 その先にペン先のような尾が横たわっています。
積もった白の下から目覚めた大地のような。 緑色を纏った”それ”が、そこにいました。]
(124) 2022/03/06(Sun) 17時頃
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[ お嬢様には、将来を誓い合った人がいました。 閉ざされた日々が終わって道が開ける度、 彼女の下を訪れる人がいました。
雪が解けて大地が顔を出すと、 お嬢様は”それ”を連れて外へ飛び出しました。 その人が扉の前まで辿り着くことすら待ちきれず、 自らの足で会いに行くような、そんな方でした。
私、結婚するのよ。と、お嬢様が言いました。 日取りが決まって何度も教えてくれたことでした。 今までで一番幸せそうな音をしていました。]
(125) 2022/03/06(Sun) 17時頃
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[ お嬢様は他にも多くの絵を残してくれました。 ”それ”のためなのか、 綴じられた紙の端に硬い金属のような物があり、 鼻を押し込むことで次の頁に移れるようでした。
あなたの絵は私が貰うから、とお嬢様は言いました。 時間を重ねるごとにお嬢様の絵は上達しましたが、 ”それ”が描くものは変わりませんでした。 しかし、お嬢様は一枚たりとも譲ってくれません。
”それ”はお嬢様の隣にずっといましたから、 お嬢様がくれた景色はすべて知っていました。 多くの景色を、お嬢様と一緒に見ました。]
(126) 2022/03/06(Sun) 17時頃
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[ けれど、最後の頁を見て”それ”は動きを止めます。 初めて目にする、お嬢様とおじいさまの姿でした。 記憶にない彼女だけの思い出がそこにありました。
驚いた? と、お嬢様が”それ”に尋ねます。 おじいさま、昔はこうだったのよ。と。
”それ”に口はありません。 返事をすることなく、肖像画を見下ろします。]
(127) 2022/03/06(Sun) 17時頃
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[ すっかり白くなってしまった髪は、 夜に負けないくらい、深く暗い色をしていました。 しかし、瞳は今も昔も変わらず、 真っ黒なのにどこか煌めいて見えます。
真っ白なお嬢様は今よりずっと幼くて、 その眼差しは、今と変わらず凛としたものでした。
二人はよく似ていると”それ”は思いましたが、 伝える術を持っていませんでした。]
(128) 2022/03/06(Sun) 17時頃
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