――コックピット――
[人間なんて身勝手なものだっていうことを大和は身を持って知っている。
実の両親からしてそうだしそういう大人ばかり見てきた。
風邪を引いて熱を出した日も、アルバイトがなくてお腹を空かせている日も、助けてくれる人は一人もいなかった。
皆自分のことで手一杯なのだ。
他人のことにかまけている時間なんてない。
身なりが良くて救済を謳っていたり公平を謳ったりする奴は大体詐欺師だろう。
>>401エゴイストで大いに結構だ。
自分の胸の内の気持ちすらまだ固まっていなくて、乾のようにさらけ出せることがない大和だが瑠璃川がくれたお菓子や料理の味と温もりを忘れることはない。
視線を校舎へと向ける。
時期も時期だ、そんなに生徒は多くはいないはずだし、多分。
外へ逃げていくなら早く、どこまでもどこまでも逃げていってほしい。
そう願っていると>>400避難の流れからぽつんと離れた場所で一人いる瑠璃川を見つけてしまった。
コックピットの中だからあちらからは見えていないかもしれないが、視線が合ったような気がする]
(424) 2023/08/16(Wed) 07時半頃