─ベンチにて、恵一と─
[告白>>360は続く。乾兄弟と雨竜春音の間に起きた凡その事を、康生は知る事となった。知ってからの反応は、予想よりも遥かに落ち着いていた。真っ直ぐに親友を見つめ、向き合い、真摯に対応しようとしている。この出来事を経て、また一つ成長していくのだろう。]
そっか、別れたのか……。
俺、兄弟居ないし、的外れな事言ってるかもしんないけどさ。
多分、ケイが思うほど、匡先輩はケイのこと嫌ってない気がする。
匡先輩にも、気持ちを整理する時間が必要ってだけだと俺は思うんだ。
あんなに仲良かったんだし、それに……ケイのせいだとか、ケイが悪いって思ってるなら、雨竜先輩と別れないんじゃないかなって。
別れるのって、相手のことがわかんなくなったとか、信じられなくなった時だし。
……あ、ちなみにこれ、俺がフラれた時の理由なんだけどな!
[康生は、敢えて少し茶化してみせた。事実ではある。そうした感情を吐き出した彼に、落ち着いた口調で自身の考えを告げた。]
(419) 2023/08/13(Sun) 00時頃