「だからって…、なんで、大和くんたちが…。」
>>385大和くんがまた涙を流すから、ティッシュを勧めながら私はハンカチで涙を拭った。
きっと、その世界のどこでも同じ問は繰り返されてるんだろう。それでもなんで、と思わざるを得ない。
なんでみんなが。大和くんが。
なんとか気持ちを落ち着けたくても落ち着かなくて、大和くんに近づいて抱きしめた。
この温もりがもう直ぐ消えてしまう?
そんなのやだ。
>>386守りたいものも人もいないなんて言葉にズキッと胸が痛んで、そのせいでまた新しい涙が溢れてきてしまう。
「臭くなんか無いし!
ギュってして良いよ、むしろして!」
我ながらなんて子供っぽい反応と思わなくはなかったけど、大和くんの胸元に顔を埋めながらそうねだった。
別に力いっぱいじゃなくて良い。抱きしめてほしくて抱きしめたんじゃ無いけど、手が浮いてるより触れていた方がより大和くんに温もりを伝えられる。
大和くんの温もりを感じることができるはずだから。
(413) 2023/08/16(Wed) 06時半頃