─襲来─
それは、私たちがまだ家庭科室に残ってる時にやってきた。
急に空が暗くなったのに気づいて誰かともなく窓を見た。
>>#3私が先に聞いたのは、非難警報よりもみんなのざわめき。そして悲鳴。
私も青ざめていた。戦いが始まるの?ここで?
他の町なら良いとは言わない。
だけどここは、あまりにも危険だ。
それでも、混乱は最小限に抑えられていた。
少なくとも学校内はそうで、ある程度人の帰っている放課後だったからかもしれない。
長年、これ本当に意味あるの?と思いながらも唯々諾々と繰り返し付き合ってきた避難訓練の賜物かもしれない。
学校内にも避難放送がかかって、私たちは青ざめながらも整列しながら外に向かう。
靴を履き替える時間なんてない。
上履きのまま外に出た。クラスに残っていた人や先生たちはきちんとヘルメットをかぶっているけど、家庭科室にいた私を含めたみんなは数が足りずに被りきれてない。
その代わりに大きなボウルやクッションなんかで頭を庇っていた。私はみんなに譲った。それでも数が足りなかったから。
(399) 2023/08/16(Wed) 05時半頃