─姉─
[作品の中には美しい情景から宗教的な意味を含むもの、感情を神や悪魔にして具現化したものもたくさんある。
それらは人さながらにおしゃべりしているかのように感じることもあるから、自分にとっては対話のようでもあり。
姉は美しい人だった。
なんだっけ、ミスなんちゃらになったこともある。
上の学年なら姉を知っている人もいたかもしれないが、あいにくと全く似ていないので苗字が同じくらいでは姉妹と気づくものはいないだろう。
彼女は感情豊かで誰からも愛され、そして自分の魅力をよく知りちょっぴり狡猾でもあった。
宗教画の一部を見ると、彼女のことを思い出す。
思えば彼女の存在が、他人の言葉や感情を深読みしない今の仁科を生成したのかもしれない。
・・・尚、空気を読まないのは追加オプションである。]
天使が攫って行ったんだって。
[と、美しい悪魔の絵の前で言う。]
(399) 2023/07/26(Wed) 23時半頃