……亡くなった人の悪口は言いたくないから、言わないわ。
それで察して頂戴ね。
…強いていうなら、石を投げてきたそいつよ。
[そしてその表情を変える事なくさらりとそれだけ伝えました。
居ましたが亡くなっています。
そしてアイツのことを思い出して口にするのも嫌でしたから、自然と語らない道を選びました。
仲の良いきょうだいではなかったのは現実です。
あれのせいで煮湯を飲まされ続けてきた事を、今更言ってもしょうがありませんから。
アイライナーを引いて目元をはっきりさせます。
目は細目ですが、アイライナーを引くだけでも目元が際立ち大きく見えてきます。
付け睫は少しレベルが高いかと、目を伏せてもらってマスカラは付けさせてもらいましょう。
シュシュを渡すと、此方からは宙に浮いているようにも見えました。
それがきっと、仁科の髪を飾ってくれるはずです。]
(320) 2023/07/30(Sun) 21時頃