── 現在・渡り廊下 ──[ 目の前で広げられた手が案外大きくて、 慎一の視界はすっかり暗かった。>>272 視界からの情報をなくしたまま、 変わらない調子の暮石の声を聞いてる。] ……変なの。[ 再び光がさして、今度は慎一が目を細めた。 笑みをつくるんじゃなくって、ただ眩しくて。 明るさに慣れたら、またそこに暮石がいる。 両手をすりあわせるしぐさ。 慎一はなんとなく、そこに小さい爪を探しちゃう。]
(291) 2021/06/10(Thu) 23時頃