―現在:美術館長室―
なるほど、これは本当に夢の中。みんなで見ている夢の中。
だから、誰から目を醒すかわからない……。
[彼の言葉>>251には合点がいきました。
確かにアリババが指定するのではなく、それぞれが目を醒すのならどんな順番になるのか彼が今知る事はありません。
彼の言葉が正しいのなら、田端たちはどこかに保護されているのでしょう。
病院のベッドに寝ているのかもしれません。
けれどノーコメントとされてしまった事については「ケチね」と腕組みしました。
その最後の組になってしまった場合、どんな顔をしているのか想像ができません。
研究室のみんなも、田端自身も。
そして、殴ることにペナルティがあっても無くても田端は男を殴らないでしょう。
誰かを殴る事はとても恐ろしい事ですから。
相手が男性なら尚更です。
それを見透かしたかのようなアリババの言葉>>257と、かけられた曲>>266に貼り付けた笑顔がすぐに剥がされます。
弦楽四重奏曲第14番 ニ短調。シューベルトの『死と乙女』
それに気づいてハッと鼻で嗤いました。]
(283) 2023/07/28(Fri) 06時頃