─戦闘中 コックピットにて─
母さん……。 …………、……よかった、生きてる。
……ハロ。母さんを、病院か……どっか安全なとこ、転送してもらっていいか?
[康生が学校に行く為に、幾度か仮住まいに呼び出していたから、そちらの住所はハロもわかるだろう。こんな形で、今生の別れを済ます気は無かった。 ……いや。もう済ませた気で居た、と言う方が正しいか。康生にしたってそうだろう。]
[妻の事や、この事に対する康生の心境も心配だったが。それよりも、目下の問題は。アストロが重要と思われる器官を露出してしまっており、その形状が敵のコアに類似しているという事だった。]
…………、……。
[今までの戦いを思い返す。私は、敵のコアが潰される瞬間を一度も見た事が無い。何故か。毎回、康生が目を閉じていた>>1:445>>2:616>>3:339からだ。コアが何であるか判る前でさえ、康生にとって“何かの心臓部”を潰すというのは直視し難い光景だったのだろう。それが今や、私達と同じ様なパイロットが乗っているのだとほぼ確定してしまった。 ────出来るのか、この子に。誰もを愛し、命を尊ぶこの子に。自分達と同じ境遇であろう相手を殺す事が。*]
(261) 2023/08/20(Sun) 17時半頃