人狼議事

28 僕等(ぼくら)の


【人】 超心理学会 ヒイラギ

─コックピットにて 絶望─

[康生は、服の胸元を握り込んだままベッドへと突っ伏していた。具合が悪い訳ではない。ただ、絶望していたのだ。深く────深く。突っ伏した体勢のまま、肩が震える。震える声で、康生は祈る様に言葉を紡いだ。]

動いて…………動いてくれよ、頼むから。
このままじゃ、このままじゃ命を、命が……!

[画面なんて見てもいない。視界に映るのは、真っ白なシーツだけだ。其処に、ぽたぽたと水滴が落ち、滲んだ。]

[動かせなかった場合────敵の手に掛かるよりも前に死に、次のパイロットへ席を譲るしかない。それはつまり、彼に自殺を迫るか、彼を殺さなければならないという事を意味していた。]

[康生は、自分がそうなる覚悟もそうする覚悟もあったけれど────他人をそうしてしまう事になるのは、全く予想していなかったのだ。]

[だからこそ今、誰より早く状況を理解してしまい、絶望に打ちひしがれている。*]

(223) 2023/08/18(Fri) 02時頃

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