─退院直後 海辺─
[康生は、疑うことが不得手だ。頭が回らないわけではない。疑念が浮かぶ事だって無い訳ではい。それでも、世界が綺麗だと信じる気持ちの方が強いのだろう。乾恵一が語る両親の話を聞き、康生は柔らかく微笑んだ。]
へぇ〜、二人でかー。
うちは逆に、ずっと俺と一緒に居る感じだな〜。
母さんと父さんだけでどっかに、って全然ないや。
あ、でも仲はいいんだぜ?
俺がこんなだから、小さい頃からずっと俺優先になっちゃってただけでさ。
寂しくねぇの? 意外だな〜。ケイなら、絶対寂しがると思ってた。
あは、確かにやること多そう! 俺、独り暮らしとか絶対できねーや。
夜更かしで怒られるか〜。まず、俺が夜更かしできないかな〜。
臍だけ似るって逆に凄くね!?
ん? 俺は見た目は母さん似。
本読むの好きなとことかは、父さん似だな〜。
性格も、穏やかなとこは父さん寄り。
母さんは、どっちかって言うと芯が強いタイプってか、ちょいキツめだもん。
俺と父さんに対しては、過保護だしベタ甘だけど。
(215) 2023/08/18(Fri) 01時頃