── その後・一階入り口付近 ──
『田端さんと分担した一階半分の窓の確認を終えました。
開けられる作りの窓は全て開きます。
ただ、換気可能な程度の隙間まででした。』
『実験として素手で窓を割ったところ、目を離した一瞬でガラスが元通りに修復されました。
車の窓ガラスのような脆い作りではない筈なことも含めて、不可解な現象です。』
[苦心しながら左手で報告を打ち、送信する。
証拠があると発言するのは、疑われる前かつグロテスクな写真を貼ることになるのでやめておいた。
新たな存在確認などメッセージの流れはまた進んでいたが、それについて深く考えるにはまず休む必要がありそうだ。
全て自業自得、全く恥ずかしい最年長でいたたまれない。
何か道具を探せばいい、それも事実だっただろう。
だが“天使様“の言葉が全て真だとすれば──
この痛みも流れていく液体も、全ての感覚は幻に等しく。
死の宣告を受ける前に別の要因で死ぬなど有り得ない。]
(203) 2023/07/27(Thu) 22時半頃