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目が覚めて与えられたものは、
アレイトの住民コードとID。
名前とされた、数字つきの文字列。
クローンを作成する間際のものらしき検査結果。
性の別に合ったシンプルな衣類一揃い。
フルフェイスの防塵防毒マスクと全身ローブは
ご丁寧に成長を加味して何着か誂えられているらしかったが
誰の目にも明らかな異様であったし、アレイトでは誰も
身に着けていないから、最初はひどく戸惑ったことを覚えている。
それでも、オリジナルの意志として四六時中身に着けるようにしているうち、もう生活ルーティンに馴染んでしまった。
ローブの下を知っているのは
目覚めた時に傍に居た研究員たちと、自宅の鏡くらい―――、
ああ、そういえば一度だけ検診中に鉢合わせて、
素のまま挨拶をしたひとも居た記憶がある。
きっと誰だか分らなかっただろうな、と、
時折、一人思い出し笑いをする。
(203) 2026/02/12(Thu) 07時頃