―現在:女子トイレ―
[ぼんやりとしていても仕方がありませんでした。
また悪夢がやってくるかもしれませんし、それに誰かを巻き込むわけにはいきません。
他の子達も悪夢を見ているかもしれませんが、どうにも田端の夢は質が悪い気がしていました。
だからベンチで卵サンドを盗られても受け入れました。
飴とお茶だけでも良しとしましょう。
今度はどんな悪夢が来るでしょうか。
けれど、ふと思い出した事がとても嫌な事でしたし、その悪夢なら場所が違うのではないかと一度場所を変えることにしました。
そして廊下を歩いていると、血の匂いが漂ってきます。
何事でしょう。それともまた悪夢の残滓でしょうか。田端の?それとも誰かの。
眉をわずかに寄せながらたどり着いたのは女子トイレです。
女子特有のそれにしても匂いがキツイような気がして、不安な気持ちでそっと覗き込みました。
そこには仁科の姿がありました。>>168
田端には見えない誰かと話しているようです。>>169]
(198) 2023/07/30(Sun) 08時半頃