――回想・去年――
[ケーキとは甘いものだと思っていた。
瑠璃川からもらっていたお菓子もそれまでは甘かったのでその思いは当たり前だと思い込んでいた。
>>172初めて食べたお惣菜パウンドケーキはお菓子ではなかった。
お惣菜なので当然なのだがお菓子で甘いものだと思い込んでいたので一口食べて驚いたことは今でも覚えている。
あれはお菓子ではなくご飯だった。
一食分浮くのでありがたく頂戴できた。
食に拘りや好き嫌いはなかった。
食べられればそれだけでありがたい。
何でも食べるし、大体美味しい。
不味いとか嫌いとかは伝えたことはない。
そんな風に食生活の一助となってくれていたので訪れた天文学部は行った瞬間に若干後悔した。
そんなに満面の笑みで迎えられなくてもよかった。
部屋の隅っこでこっそりしているくらいでいいのだ。
でもクッキーは美味しくいただいた。
お茶は味がついている飲み物だった。
普段は大体水を飲んでいるのでお茶はよくわからないが味があるもので、味を問われたらやはり美味しいとは答えるけれど]
(192) 2023/08/12(Sat) 00時頃