――回想・誕生日――
[>>93瑠璃川の家にいく前日はとても緊張していた。
着ていく服は少しでもマシなのを選んだしいつも通り朝一で銭湯で汗を流しておいたので変な匂いはしないはずだった。
初めて訪れた友達の家は自分の家とは異なる匂いがした。
ワクワクもしていたけれど緊張も強くて、それでもケーキが出てくると歓喜一色に感情は染まったのだけれど。
作ってくれたケーキはホールだった。
ホールのケーキなんて見たことがなかった。
12cmもあるらしい。
クリスマスに貰ったのなんておっちゃんらの食べ残しである。
上に乗ってるイチゴだけないとかそんな感じだったがイチゴのショートケーキは上に乗ってるイチゴがメインディッシュなのに食べたことがなかったけれど、今日のは上に名前とハピバの文字が掛かれた――これは幻のお誕生日プレートというものらしい。
最早口はうわー、うわーとしか言ってない。
漸く感謝の言葉を伝えられたし、後になってお礼にと瑠璃川の誕生日プレゼントを渡せたけれどやっとだった]
(182) 2023/08/13(Sun) 21時頃