―こころ先輩とエントランスで―[少し前なら、姉に気づかれたら居心地悪げに微妙な顔をしたかもしれないけれど] ――嫌いじゃなかった。 だったんスけどね、ここで姉に会ったんスよ[それは自分の見たい幻なんだろうけど] ほんとは大好きだったのに、 ここで、いまさら……きちんと認められました[自分はここを去るのだから、仁科にとっての慈悲の空間ではなかった。でも、誰かの夢のおかげで、気持ちに折り合いがついた。それは、その誰かにとって何の救いにもならないかもしれないけれど。]
(178) 2023/08/03(Thu) 22時頃